このような小説でもみていただけまして非常に感謝感激です。新年と一緒にこちらのお話も新規一転ついにARC-V一話に連動します。
これからもクロノスのことを応援していただければと思います。
ではどうぞ
「ふぅ。こんな感じでどうですか?」
部屋の一室で一人の少年がある機械の調整を行っていた。
「ふむ。確かによくできている。しかし動作性はどうかね?」
ある男の質問に対し
「今使っているものと同じ性能は発揮できると思います。そこはテストを行って確認しないといけないですけど。しいて言うならカードのシャッフル機能ですがもう少し微調整した方がいいかもしれませんね。」
「なるほど。もし調整するとしたらそれはどれぐらいでできそうかね?」
「そうですね……。三日ぐらいあれば」
「三日か……。一度財前さんに話してみよう。その時は頼むよ。」
「はい。わかりました。」
「しかし相変わらず見事なものだ。クロノス君にはぜひうちに来てもらいたいものだ。」
「ははは。俺なんかまだまだですよ。」
「おっともうこんな時間か。じゃあクロノス君。また頼むよ。」
「はい。こちらこそまたお願いします。お疲れ様です。」
そういってクロノスは部屋を後にした。
「レオ・コーポレーションはやっぱりすごいな。デュエルディスクを軽量化して新商品として発売か。」
彼は現在レオ・コーポレーションで整備の手伝いをしている。今回デュエルディスクを軽量化して発売するという話があり、クロノスも開発スタッフの一員として参加している。
「腹も減ったし、今日はハングリーバーガーセットでも食べるか。」
クロノスはレオ・コーポレーションを後にした。
目当てのハングリーバーガーセットをお持ち帰りで注文し、アパートの自室に戻り、買ってきたハンバーガーを口にする。
「ん。やっぱこれだな、ポテトとドリンクもついててお得だなやっぱ。」
ハンバーガーを食べながら今朝届いた新聞を目にする。そこのある記事にクロノスは目を留める。
ストロング石島 VS 榊遊勝の息子榊遊矢 デュエル 決定
とトップ記事を飾っていた。
ストロング石島は今や知らぬ人はいないプロデュエリストだ。
榊遊勝は現在主流となっているアクションデュエルを築いた男とされているがストロング石島とのデュエルの直前に消息を絶ち行方不明となっている。
その際、榊遊勝は卑怯者、腰抜け呼ばわりされ、今でも彼の事を嘲笑する人は大勢いる。
クロノスは榊遊勝自身の事はあまり知らないがエンターテイメントデュエルというデュエルを行い多くの人を魅了させたという彼のデュエルはクロノスにとって衝撃的でファンとまではいかないが偉大なデュエリストと認識していた。
「しかし遊矢って子は可哀そうだな。真相はどうあれ絶対叩かれるだろうな……。」
記事を見ながらクロノスは食べ終わったハンバーガーの包み紙をゴミ箱に投げ捨てる。
「って俺も人のことは言えないけど……。」
そういってクロノスは自分の机の上にあるカードを目に留める。そう自分のデッキだ。
クロノスは今デュエルディスクも自分のデッキも持ち歩いていない。というよりここ最近デュエルをまったく行っていない。理由は榊遊勝ほどではないが周りの環境が原因だ。現在主流のアクションデュエルではフィールドに隠されているカードをデュエル中に拾うことでその場で使用できるアクションカードというものがある。これをバトル時の攻防に使用することでより熱闘するデュエルを行えるのだがクロノスが使用する古代の機械のモンスター達は全てではないがバトル中相手の魔法、罠カードを封じる効果を持っている。そのため相手がいかに強力なカードを拾っても問答無用で無効にする、逆に相手の攻撃に対してはアクションカードを使用できるためいわば一方的な試合になるのだ。そうなると自分だけアクションカードを使って何も思わないのか、卑怯、インチキといった声が上がってくる。アクションカードを使わないデュエルや縛りプレイなるものも行ったがそうなってはクロノス自身が楽しくなく、そのうちデュエルを行わないようになっていったのだ。
「やっぱデュエルしたいなぁ。」
可哀そうと思いつつもチャンピオンと戦うことができる榊遊矢に対して羨ましいとも思ってしまう。そのときドアをノックする音が聞こえた。
「はい。」
クロノスが返事をする。
「大家よ。クロちゃんちょっといいかしら?」
「はい。大丈夫です。今開けますね。」
ドアを開けると大家が立っていた。
「クロちゃん帰ってたのね。あらご飯だった?」
「えっ?何でですか?」
「ケチャップが口についてるわよ。」
「えっ?ちょっとまってください。」
慌てて部屋に戻り口を拭くクロノス。確かにケチャップらしき赤いものがついていた。
「珍しいわね。面助ならともかく。何か考え事でもしてたのかしら?」
にやにや笑いながらこちらを見てくる大家。鋭い。
「まぁ色々と……。俺もいい年頃ですから。」
笑いながら答えるクロノス。
「ところで大家さん。何か要件ですか?」
「ああそうだったわ。忘れるところだった。クロちゃん明日予定あるかしら?」
「いえ。今のところ何もないですけど……。」
「ちょうど良かったわ。実はチケットを貰ったんだけど明日私予定があっていけないのよ。捨てるのももったいないし、良かったらクロちゃん見に行ってくれないかしら?」
「何のチケットですか?」
「ストロング石島のデュエル観戦のチケットよ。」
「おお、それはまたすごいですね。大家さんが良いならいただきます。」
「ありがとうクロちゃん。息抜きにゆっくりしてきてね。」
大家がチケットを取り出し、クロノスに渡す。
「じゃあ私はこれで。本当はクロちゃんと二人きりで見に行きたかったんだけどね。」
「ははは……。チケットありがとうございます。」
渡されたチケットを見るクロノス。
「このデュエルを見れば、何か変わるかもしれないな……。明日の準備をするか。」
期待をしつつクロノスは準備に取り掛かるのだった。
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試合当日、会場についたクロノスは周りを見てその人の多さにびっくりする。
「やっぱチャンピオン戦だけあってすごいなぁ。会場周りでこれなら中はもっとすごいだろうな。」
会場の近くではそのまま会場に入っていく者、会場の中継をテレビで見る者、屋台で何かを食べている者、中にはデュエルをしている者もいた。
「やっぱデュエルは良いよなぁ。あー俺もやっぱりしたい!」
そういってクロノスは自分のデュエルディスクに目をやる。いつもは身に着けていないが今日は身につけてきたのだ。
「と、そろそろ時間か。会場に入らないと。」
係りの人にチケットを見せ、会場に入るクロノス。年齢確認されたが適当に答えて難なく入ることはできた。
「うわ。やっぱすご!。」
会場のなかは満席だった。何かのイベントが行われていたのかすでに会場は熱狂した雰囲気になっていた。
「と、この席だな。」
席にクロノスが座ると同時に黄色と黒の縞々の服を着た司会者らしき人物がフィールド魔法を発動する。するとまるで本物であるかのような質量をもった城が出現する。
そして城からストロング石島が現れる。現れると同時に周りからも大歓声が沸きあがる。どうやら時間ぎりぎりだったようだ。続いて榊遊矢が登場……するかと思われたが現れなかった。周りから逃げた、三年前と同じといった声が聞こえる。その声にいらっとくるクロノス。「お前ら何様だよ。」と心の中で毒をついていると石島の後ろにピエロのような人物が現れた。周りが誰だ?チャンピオン後ろといった声を上げる。石島が振り向くと、ピエロの人物が石島を馬鹿にするかのようなポーズを取っていた。思わず笑ってしまうクロノス。ピエロが被り物を脱ぐと、榊遊矢が現れる。遊矢がデュエルディスクを構える。それに続いて石島もデュエルディスクを構える。
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが、モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る! 見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション…デュエル!」
司会者の男が叫ぶと同時に、ストロング石島と榊遊矢のデュエルが始まった。
「レディースアンドジェントルメン!」
その声と同時に遊矢がロープにぶらさがりながらカバのモンスターを召喚し、それに乗ってどこかに移動を始める。そして石島は魔法カード蛮族の狂宴LV5というカードを発動しバーバリアンを二体同時に召喚する。それをリリースしてレベル8のバーバリアン・キングという巨大なモンスターを召喚した。
「一ターン目で攻撃力3000か……。チャンピオンといわれるだけあってなかなかの戦術だな。」
クロノスも大型モンスターを使用するデッキのためそれを召喚する労力は知っている。通常召喚は一ターンに一度しか行えない。いきなり大型モンスターを召喚するのは簡単ではない。さすがチャンピオンというべきだろう。召喚されたバーバリアン・キングがカバを攻撃しようとするがアクションマジックで見事に回避を決める。思わず苦笑いするクロノス。"自分のデッキならそれを許さない"という言葉が頭によぎったからだ。そのような言葉を思い浮かべた自分に思わず自己嫌悪してしまう。気持ちを切り替え再度デュエルに目をやるクロノス。攻撃を防がれたものの石島が再度バーバリアン・キングでカバを攻撃しようとする。どうやら二度の攻撃ができるようだ。
「一ターンに二度の攻撃か。さすがプロというべきか……。これはすごいな。」
石島の戦術にクロノスは感嘆した。しかしカバのモンスターは破壊されていなかった。
二度目のアクションマジックで見事に破壊を回避したのだ。
「アクションカードを見事に使いこなしてる……。やるなぁ。」
二度の攻撃を防いだ遊矢に賞賛の声が上がる。やはりアクションカードによる攻防はデュエルの醍醐味だ。クロノスとしては肩身が狭いが遊矢の戦い方自体はなかなかのものだ。しかし回避しているだけでは勝てない。遊矢が次にどのような戦術をとるのか。クロノスはワクワクしていた。
「さぁ皆さん。いよいよクライマックスでございます。」
遊矢はカバのモンスターディスカバー・ヒッポをリリースし、大型モンスターオッドアイズ・ドラゴンを召喚する。
「お楽しみはこれからだ!」
一連の流れにクロノスも目を奪われた。石島に対抗したのか遊矢もレベル7の大型モンスター、オッドアイズ・ドラゴンを召喚したのだ。
「流れに乗ってきた感じか?だけどバーバリアン・キングの攻撃力は3000、オッドアイズ・ドラゴンの攻撃力は2500。どうくる榊遊矢?」
ここで遊矢は永続魔法ワンダーバルーンを発動し、次々にアクションカードを取り、それを墓地に送る。すると墓地に送られたカードの枚数分風船が現れた。それを破裂させるとバーバリアン・キングの攻撃力が0になったのだ。
「なるほど。最初からこれが狙いか。ってことは最初にアクションカード何枚か見つけてたな。アクションデュエルを見事にものにしてる。やるな榊遊矢!」
クロノスもこればかりは見事としか言う事が出来なかった。ここまでアクションカードを使いこなすのは自分にはできないだろう。さすがは榊遊勝の息子というべきだろうか。
「だけど相手はプロ。そう簡単にいくかな?」
クロノスは石島のことも決して侮っていない。遊矢も大したものだが、相手はプロなのだこれで終わりなわけがない。クロノスはそう考えていた。
オッドアイズ・ドラゴンが口から光線を吐き攻撃する。辺りは爆風に包まれる。しかしバーバリアン・キングは破壊されていなかった。石島もアクションマジックを発動して破壊を無効にしていたのだ。さらに伏せてあった罠カードバーバリアン・レイジを発動しバーバリアン・キングの攻撃力をあげる。
「攻撃力5000! これはやばいな。」
さすがはプロだ。アクションマジックで破壊を無効にしさらに自分のモンスターの攻撃力を上げる戦術。見事なものだ。バーバリアン・キングの攻撃でオッドアイズ・ドラゴンが破壊される。オッドアイズ・ドラゴンは墓地にいかず石島のバーバリアン・レイジの効果で手札に戻される。さらに石島は魔法カードバーバリアンの奇術でライフを4000に回復させた。対する遊矢のライフは400。非常に不利な状況だ。石島はカードを一枚伏せてターンを終了する。どうやらバーバリアン・キングはモンスターにしか二度攻撃できないようだ。
「残り400。何とか残ったか。さあどうする?」
ライフさえ残っていればチャンスはある。この状況で榊遊矢という少年がどのような一手を打つのか楽しみにしていた。だが彼の次の一手はクロノスがいや誰もが予想できるはずもないとんでもない一手だった。
「俺はスケール1の星読みの魔術師と、スケール8の時読みの魔術師で、ペンデュラムスケールをセッティング!」
二本の光の柱から魔術師のようなモンスターが現れる。
「これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!」
何だ?一体何が起きている?
クロノスは状況を呑みこめずにいた。周りの人も何が起こっているか全くわからずただポカーンとしているだけだった。
「揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」
「うっ。」
突然クロノスの頭がズキッと痛む。
「ぐぅぅぅぅ。」
突然の痛みに思わず額を押さえる。声を出さないようにもう片方の手で口を押さえる。
「ペンデュラム召喚! 出でよ! 我が僕のモンスターたちよ!」
そして蛇のモンスター、魚のモンスター、さきほど手札に戻された”オッドアイズ・ドラゴン”が再び召喚された。
モンスターが全て召喚されると同時にクロノスを襲っていた頭痛が嘘のように収まった。
「く……。何だったんだ今の?」
謎の現象、謎の頭痛、クロノスは全く状況を呑みこめていない。ただ激しい頭痛に襲われた時、何かが聞こえたような気がした。
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pendulumの発動を感知しました。
システムの休止状態を解除しました。
システムをレプリカモードで起動する準備が完了しました...... 。
第三者視点は解説ばかりですねw
クロノス君が何か悪く見えるのは私だけでしょうか?
後最後の盛大なフラグでクロノスが扱う奴らが何者かが鋭い人はわかったんではないでしょうか?
しかし安心を。"彼の"エースは古代の機械です。そこは変わりません。