転生 神竜の滅竜魔導士シーズン1~フェアリーテイル編~    作:ゾーン

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第69話 女の涙

 

 

 

レイ「で、なんでこいつらの宿の前にいたんだ?」

 

ユキノ「ルーシィ様に用事が・・・」

 

ルーシィ「用事?

あたしに?」

 

ユキノ「はい、ルーシィ様に大切な用事があり伺いました」

 

ナツ「セイバーが何の用だよ」

 

いやナツ敵意剥きだしすぎだって

 

ウェンディ「ナツさん話くらい聞いてあげましょ?」

 

ユキノ「あつかましい申し出ではありますが、これを」

 

ユキノはルーシィの前に2つの鍵を差し出した

 

ユキノ「『双魚宮』の鍵と『天秤宮』の鍵

    この2つをルーシィ様に受け取っていただきたいのです」

 

ルーシィ「え?

     そんな・・・無理よもらえない」

 

ユキノ「1日目、あなたを見たときから決めていました

    大会が終わったらこの鍵をお渡ししようと」

 

ナツ「まだ大会終わってねーじゃん」

 

ユキノ「私の大会は終わりました

    私の代わりにはおそらくミネルバ様が加わるでしょう

    これで『剣咬の虎(セイバートゥース)』を変えた最強の5人がそろいます」

 

ハッピー「それって・・・」

 

シャルル「アンタは入ってなかったのね」

 

ユキノ「私などまだ新米でした

    仕事中だったミネルバ様の替わりを任されていたにすぎません」

 

ウェンディ「でもどうしてですか?

      それはあなたの大切な星霊ですよね?」

 

ユキノ「だからこそ私より優れた星霊魔導士である

    ルーシィ様の許においていただいた方が星霊達も幸せなのです」

 

ルーシィ「嬉しい申し出だけど・・・やっぱりあたしには・・」

 

ユキノ「あなたはすでに黄道十二門の鍵を10個も揃えています

    この2つと合わせて十二の鍵全てが揃うのです

    世界を変える扉が開く・・・」

 

ルーシィ「世界を変える扉?」

 

ユキノ「ただの古い言い伝えです

    私にもその意味はわかりません

    もうお気づきかもしれませんがこの数年で星霊魔導士の数は激減しました

    先日のゼントピアの件もあり、もはや星霊魔導士は私達のみかもしれません

    あなたは星霊に愛され星霊を愛する方です

    十二の鍵を持って星霊と共に歩むべきなのです」

 

2人の間に沈黙が流れる

ルーシィも思うところがあるのだろう

 

ルーシィ「やっぱり受け取れない」

 

ユキノ「!?」

 

ルーシィ「星霊魔法は絆と信頼の魔法・・・

     そんな簡単にオーナーを代わる訳にはいかない」

 

ユキノ「簡単・・・な決意ではないのですが」

 

ユキノは小さな声でつぶやいたが俺にはきちんと聞こえた

 

ルーシィ「え?」

 

ユキノ「いいえ・・・あなたならそう言うと思っておりました

    いずれ時が来ればおのずと十二の鍵は再び揃うでしょう」

 

ルーシィは笑顔でうなずいた

 

ユキノ「またお会いにできるといいですね」

 

ユキノは帰っていった

さーてナツを行かせねーとな

 

レイ「おーしナツ、お前謝りに行け」

 

ナツ「は?」

 

レイ「結構失礼な態度しただろ」

 

ハッピー「オイラも行った方がいいと思うよ」

 

アビー「行かないと男として最低よね」

 

ナツ「ぐぐぐ・・・わかったよ」

 

レイ「俺もついて行ってやる」

 

 

宿から少し走るとすぐユキノは見えた

その後ろ姿はどこか寂しそうだった

 

ナツ「おーい!! 待ってくれーっ!!!」

 

ハッピー「待ってー!!」

 

ユキノ「ナツ様、レイ様、ハッピー様」

 

ナツ「いやー悪ぃ悪ぃ

   お前悪い奴じゃねーんだよな」

 

ハッピー「ほら・・・ナツってば『剣咬の虎(セイバートゥース)』ってだけで悪者だって決めつけちゃってさ」

 

ナツ「だからこーして謝りに来たんだろーが」

 

レイ「俺が言ったからだろ」

 

ユキノ「謝る?」

 

ナツ「ごめんなーっ」

 

「「軽っ!!」」

 

ハッピー「ごめんね、これでも少しは大人になったんだよナツは」

 

ナツ「どーゆー意味だよそれ!!」

 

ユキノ「わざわざその為に私を追って・・・?」

 

ナツ「お前ずいぶん暗い顔してっからさ

   俺・・・気分悪くさせちまったかな・・・って」

 

ユキノ「いいえ・・すみません」

 

ナツ「いやいやいやいや謝れても困るんだけど」

 

ユキノの眼から涙がボロボロとこぼれ落ちる

 

ナツ「泣かれても困るんだけどーー!!」

 

ナツはゆっくりと俺の方を振り返る

 

レイ「昔っから女は泣かせるなって言ってるよなぁナツ」

 

ハッピー「ど、どうしたのー!?」

 

ユキノ「もう・・・ダメです・・

    私・・このように気を遣われた事がないもので・・・

    私・・ずっと『剣咬の虎』に憧れていました・・・

    去年やっと入れたのに・・・私はもう・・帰る事は許されない」

 

ナツ「はぁ?」

 

ユキノ「たった1回の敗北で・・やめさせられたのです・・

    大勢の人の前で裸にされて・・

    自らの手で紋章を消さなければならなくて・・・」

 

俺とナツの中にはふつふつと怒りが湧き上がっていく

 

ユキノ「くやしくて恥ずかしくて・・

    自尊心も思い出も全部壊されちゃって・・・

    それなのに私には帰る場所が無くて・・・!!」

 

ナツ「・・・悪ぃけど他のギルドの事情は俺には分からねぇ」

 

ハッピー「ナツ」

 

ユキノ「はい・・すみません・・私・・・つい・・・・・」

 

ナツ「他のギルドだけど“同じ魔導士”としてならわかるぞ

   辱められて紋章を消されてくやしいよな

   仲間を泣かせるギルドなんてそんなのギルドじゃねぇ!!」

 

ユキノ「・・・・・」

 

レイ「ナツ行ってこい。俺が許可する」

 

ナツ「あぁ!!」

 

ナツは『剣咬の虎(セイバートゥース)』の宿に向かった

 

レイ「ユキノ、今日泊まるとこあんのか?」

 

ユキノ「いいえ・・・」

 

レイ「じゃあ一緒に探してやるよ」

 

ユキノ「いえ・・そこまでは」

 

レイ「いいって

   こんな夜に女1人じゃ心配だから」

 

俺はユキノと宿を探しに歩いた

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