「ふぁッ!!?」
「!!?、如何なされました!?」
レギオンは悩む。何故、生を持たない筈のNPCが自我を持ち、喋っているのか。然し、コレは幾ら悩んでも結論は出ないだろうと考え、取りあえず心配そうにしている目の前のNPC、この研究所護衛のリーダー、『アリス』に話しかけることにしてみた。勿論、最大限の警戒をして。
「いや....何でもない。唯少し、気になる事が出来てな」
「...そうですか、私共に出来る事があれば、何なりとお申し付けください」
「....そうだな、少し、近くに寄れ」
「!!?....ご、ご命令とあらば....」
レギオンの手の届く位の場所に、アリスが少し顔を赤くしながら行く
「髪を、触るぞ」
「...は....はい」
レギオンの予想通り、髪に触れるとサラサラとした感触があり、それはこのNPCが正に生きていると言う事を物語っていた。
「良し、下がって良いぞ」
「あっ....はい...」
少し名残惜しそうに、アリスは元居た位置に戻った。と、此処でレギオンは弾かれた様に思い出した
「あっ、モモンガさん....」
彼は如何なっているのだろうか。自分の場合は自分の製作したNPCだから大丈夫だったのかもしれない。だが、モモンガさんの場合は如何だろう.....そんな考えがふと脳裏を過ぎった
(レギオンさん!聞こえますか?レギオンさん!《メッセージ/伝言》で会話が出来るかもしれないです!)
「!!?」
《メッセージ/伝言》の魔法は、MPの消費は少ないものの、列記とした魔法だ。つまり、それはこの世界では魔法が使えるという事だ。然し、如何魔法を使うのだろう....これは考えてもわかる事では無いので、とりあえず本能に任せて、魔法を使うという意思を持ち、話しかけてみる
(モモンガさん?聞こえます?)
(おお!レギオンさん!良かった....そっちは大丈夫ですか?NPC達の様子は?)
(特に、問題は在りません。強いて言えば、妙に此方に従順な事ですね....)
(それは此方もそうなので、安心してください。今、円形闘技場《アンフィテアトルム》に居るんですが、急遽此方に来れますか?あ、出来ればアリスも連れて)
(わかりました。直にそちらに向かいますんで、待っていて下さい)
「アリス」
「はいっ」
「今からアンフィテアトルムに行く、付いて来てくれ」
「承知しました!」
「遅くなってしまいすいません....え?根源の火精霊?」
「あぁ、別に大丈夫ですよ。少し戦わせているだけです」
「え、でも普通召還出来ないんじゃ....あ、『ギルド武器』使ったんですね」
「まぁ、少し実験も兼ねて」
「あ!レギオン様!?それにアリスまで!お久しぶりです!!....うわぁっとっと!!?」
「余所見をしては危ないですよ、アウラ様。」
アリスは、良くレギオンが連れまわっていた為に、一応他の階層守護者とは面識がある
「大丈夫大丈夫!この程度ならまず負けないから!」
「今さっき、このナザリックの外の様子を探らせていたセバスから連絡がありました」
「.....それで?」
「.....少し、問題があるみたいです。詳しいことは、今から此処に来るセバスに聞こうと思っています」
「そうですか....今、未だ時間ありますか?」
「ええ、大丈夫ですよ。何かしたい事でも?」
「はい、少し、自分も試してみたいんですよ。スキルが使えて、ちゃんと戦えるかどうか」
「あ、わかりました。じゃあ、根源の火精霊で大丈夫ですよね?」
「ええ、大丈夫です」
「良し....ふぅ.....『霊体化』」
すうっとレギオンの体が透け、ほぼ見えない状態になる。これはレギオンの種族の特殊スキルの一つで、霊体化している状態では攻撃を受けないが、此方からも殆ど攻撃は出来ない状態になる。そして、レギオンが大抵この状態になる時は、あるもう一つのスキルと複合させる。
「『憑依』」
それが、『憑依』である。これはNPC、プレイヤー、それに装備、果てにはユグドラシル内の建造物にまで使う事が出来、『憑依』されたNPC、プレイヤーに即死判定を与える事が出来る。然し、それは当然ふり払う事も出来、ふり払われた場合、そのNPC、プレイヤーには一定時間憑依出来なくなると言うデメリットがある。
「....問題は...無いみたいです」
「....ふぅ、良かったです。では、召還しますよ?」
そして、鎧、建造物に憑依した場合、そのレア度、耐久力に応じて、強さが変化するのである。そして、レギオンの種族の真価を発揮できるのが、鎧に憑依した場合である。レア度が高ければ高いほど、耐久力は上がり、筋力等も上がる。そして、装備している鎧、武器がゴッズクラスにもなれば....
「ふんっ!!」
「グガァッ!!?」
桁外れのスピード、攻撃力により、根源の火精霊の攻撃を交わし、斧で、思いっきり叩き切る。根源の火精霊はその攻撃に反応も出来ないままコロッセウムの奥まで吹っ飛ばされた。
そして、直様武器を斧から槍に変え、思いっきり投げつける。
「オラアアアア!!!」
ドォォォン!!!
圧倒的な筋力で投げつけられた槍は、根源の火精霊を貫くだけに留まらず、闘技場の壁までもを崩した。
然し、圧倒的な身体能力を持つのは良いが、この種族、『ファントム』の欠点は、憑依すべき物が回りに無ければ、ほぼ何も出来ない事にあり、憑依していない素の場合の力は、魔法詠唱に特化したモモンガよりも格段に劣り、プレアデス以上、レベル70の魔法詠唱者以下となり、使える魔法も精精、第8位階までしか使えない。つまり、不意打ちにはとことん弱いのだ。
但し、そのデメリットに見合った性能となっており、憑依した鎧が全てゴッズ級なら、ナザリック最強各のたっち・みー、果てはナザリック最強のNPC、ルベドともタイマンを張ることの出来るぶっ壊れな性能である。当然、そんな種族が簡単に手に入る訳では無く、とあるイベントのガチャの超大当たりで、しかも当てたとしても特定の種族を順番に取って無いと種族スキルが使えないと言う仕様だったのだ。
その為、ユグドラシル内では使える物は少数、しかもそのぶっ壊れな性質上、ワールドチャンピオンを決める大会に出る事は不可能だったので、有名なプレイヤーはギルドの最上位に位置する『アインズ・ウール・ゴウン』のレギオン位だった。ちなみに、某掲示板では妙に早い割に高耐久、高威力だった為、一時はワールド・エネミーになったプレイヤーでは?と言う噂が立ったりしていた。
「イツミテモ、真ッ向カラ勝テル可能性ガ微塵モミツカラナイオカタダ」
「そうだね....数で伏せようにも、一度憑依されてしまえばもうそれまで.....本当に、不意打ち位でしかダメージを与えられないだろうね」
戦況の分析が得意なコキュートスからしても、ナザリックの中でもずば抜けた頭脳を持つデミウルゴスからしても、真っ向からだと敵う可能性が見つからないと言わしめるその戦闘力は、正にナザリックの矛と言える。そして、守護者統括のアルベドが口を開く
「では皆、至高の恩方に....忠誠の儀を....」
何だこの武闘派な幽霊化学者は....何故、こうなったのかは私にもわかりません。取りあえず、急いで書き上げた物なので間違いがどっかにあると思います。当然、私自身も目を通していますが、何かがおかしいとか言う方は感想にてご連絡下さい。というか普通に感想待ってますよろしくお願いします。