夜のテンションに任せて勢いで書いたけど、矛盾とか無いといいなぁ。
それにしてもノゲノラのヒロインたちってなんであんなに可愛いんやろなぁ。
『おっぱい』は淫語に入らないと思います!
ではどうぞ↓
「………ねぇ、フィー」
「はーい、なんですかクラミー」
「……なんでこうなったわけ?」
「へ? なにかおかしいところがあるのですかー?」
「有るわよ、大有りよ! なんで私たちがさっきまで敵だった奴らとお風呂に入ってるのよッ!?」
———カッポーン
そんな効果音がお似合いな、エルキア城の大浴場。
そこには今、つい先ほどまで国王の座を賭けて戦っていた空たちと、クラミーとその主人フィール・ニルヴァレンがいた。 裸で。
もう一度言う———
いやまぁ、服を着たまま風呂に入るのは基本無いが、それでも少しおかしい。
どうしてこうなった。
「別に恥ずかしくねーだろ。 今の俺女だし」
「ええそうね、そのこと自体意味不明だけど! 普通もっと険悪ムードになるでしょうが!」
「んなこと言われたって、なあ?」
「はーい、なーんにもおかしくないのですよー」
「フィーまで何言ってんのよぉぉぉおッ!!」
少し離れたところで白はステフに髪を洗ってもらっており、空とクラミーとフィールはお湯に浸かっている。
その中で一人だけパニック状態のクラミーは、滑稽を通り越してとても可愛らしく思えた。
空は例によって例のごとく女体化して、見た目は女性、中身はおっさんというなんとも羨ましい状態になり、目の保養に
それにしても目の前にいるこの二人、体型が驚くほど綺麗に相反している。
フィールは女性なら誰でも羨むような立派な双丘と安産型のお尻を持っており、もともとのおっとりした口調もあってか母性が半端ない。 抱きしめられたいタイプの女性だ。
クラミーは逆にするんぺたんな体型だ。 だが、ガリガリではなく、折れそうなほどの細い腕にスラリとした美脚を持っている。 こちらは抱きしめたいタイプの女性だ。
そんな風に、見た目はそこそこの美人な空が、おっさんの心でうむうむと頷いている。
しかし、遠目でそれを見ていた白が微妙な視線を向けているのを感知したので、あとで白にたっぷりゴニョゴニョしてやることを決意した。
「……もう、いいわ。 頭痛が痛い」
「クラミーは深く考えすぎなのですよー。 もう少し気楽にすれば良いのですよー」
「そうだぞ。 そもそもゲームは決したんだからな、張り詰めた気を抜くために今ここにいるわけだし。 リラックスしときゃ良いんだよ」
「なんであんたたちは息ぴったりなのよー! 互いのことなんて全く知らないでしょうが!」
「クラミー、だんだんツッコミがワンパターンになってきてんぞ」
「うっさい!!!」
湯船に浸かったまま、水面をバチャバチャと叩きながらクラミーは顔を真っ赤にして心の中で叫ぶ。
本当になんでこうなったのー!? と。
まあ無理もないと言えばそうであり、仕方がないと言えばそうである。
結局は全て成り行きの問題というか、目の前の見た目は美人なおっさんの変態性を恨めとしか言いようがなく。
挙げ句家族であるフィールまで悪ノリしている今ではいくら抗弁を述べたところで意味はない。
どことなく性格が似ているこの二人を相手にして勝ち目など
つまるところクラミーはどうしようもないのだ。
「……にぃ、あんま、いじめちゃ……メッ…」
「そうですわよ、ソラの頭は世界の法則よりちんぷんかんぷんで、お腹は暗黒物質の塊を丸焦げにした以上に真っ黒なのですから。 あなたについていける人なんてシロぐらいしか……」
「てめぇステフ、マジで一回
「あら、暴力の類は盟約によって禁じられているので無理ですわよ」
「誰が暴力で締めるっつったよ。 締めるってのはいわゆる躾だ。 痛みでの躾なんざ甘すぎんだよ」
そう言うと、空はおもむろに王の財宝を使い、
もちろん肌に傷がつかないように緩めにだが。
そして今度は手元に少し大きめの容器を取り出した。 容器の中身はトロリとした液体で満たされており、ほのかに甘い匂いを放っている。
白は幼いながらも愉悦の表情を浮かべてステフを見ている。 クラミーは色々とツッコミどころが多すぎてフリーズし、フィールはそんなクラミーの目を両手でそっと隠した。
「ここから先は十八禁だァ、侵入禁止ッてなァ! いやらしくビクンビクン痙攣しつつ鳴いてェ、無様に快楽の彼方へ————イッちまいやがれ!!」
「ひぃっ、んあああああああぁぁ!!」
どこぞのセロリを真似たのだろうか、妙にノリノリの声音で容器の中身をステフにぶちまける空。
詳しい描写は無理なのでここから先は皆様の妄想内でお好きに想像してくれれば良い。
そう、詳しい描写は無理なのだ。
無 理 な の だ 。
それにしても、鎖で縛られ全身をトロリとした液体でヌタクタにされているにも関わらず、何故笑顔……いや悦顔を浮かべているのだろうか。
グレイプニルは正確には鎖ではなく繋ぐ物という概念の権化に近い。 だが、今回は敢えて鎖という表現をしよう。
その効果は伝承にある通り神殺しの狼を縛り縫い付けるほどのもの。
その語意は『貪り食うもの』である。
空がなぜこの宝具を開帳したのかはそのあたりの意味にある。 優しくキツく縛り上げられ、全身をトロトロにされたなんとも扇情的なその姿。
ステフは、何故か体の表面をピリピリとした痺れが走るのをくすぐったく感じ身をよじるが、その度に自分を縛り上げている鎖に締め付けられ艶声をあげてしまう。
空はそんなステフを見て満足そうに頷き、さらに黄金の波紋の中から電動歯ブラシ(毛筆柔らかめ)を取り出す。 その数四本。
そして空は取り出した歯ブラシの内二本の電源を入れて両手に持ち、ぷるんぷるんと揺れているステフの双丘、その頂点にぷっくりと咲く桃色の突起へとゆっくり押し当てた。
「ひあああああああああああああああ!!」
「ふはははは!
いつの間にか王様モードになっていた空にステフはさらにいじめられるのだが、そこはそれ、さすがにアレなので割愛するとしよう。
ちなみに、残りの歯ブラシ二本をどう使うかは秘密である。
◆*◇
「ねえ、私たち今回のことでエルヴン・ガルドに報告しに行かなきゃならないんだけど」
「おう、行ってらっしゃい」
「……いって、ら…」
「…………………………………」
「どした? 拾い食いして腹壊したような顔して」
「うるっさいわね! ていうかどんな顔よそれ! ……ああもうっ、あなたの相手してるとこっちが疲れるわ」
「……嬉しい…くせに……」
「………盟約さえ無ければぶっとばせるのに……!」
嗚呼、本当にムカつく。
でもそれに反応して喚いても、こいつは何故か慈愛のこもった目でこっちを見る。
なんなのよ、もう。 ペースが崩れるったらありゃしないわ。
私は人類種を生きながらえさせるために森精種と手を組んだ。 そしてそれすら反故にするためにとても面倒くさい契約も結んだ。
私は本気でこの国を救おうとしたのに……こいつはそんな私を簡単に押し退けて王位に就いた。
いや、正確にはこいつらね。
この兄妹は異常なほどに強い。
兄もそうだが、特に妹。
フィーの魔法で強化された駒を使っても、それをさらに上回るほどのゲームの腕。 あんな特殊なチェスでなければ魔法があっても勝てたかどうか怪しい。
純粋なゲームの実力なら圧倒的に私が下回っている。
そして、兄の方は私の理解を超える人間だ。 否、あれはもはや人間と呼べるのかしら。
あの風格、眼、手腕、そして大浴場でも見せたあの金色の波紋。
本人曰く『貰い物』らしいけど、明らかに人智を逸している。
「……少しは警戒しないの? 私があんたのそのチカラを報告するかもしれないのに」
「あぁ、その辺は心配してないから」
「………何でよ」
「逆に聞くが、どう報告するんだ? 相手のイマニティは金色の波紋を出す魔法を使っていましたってか? そんなもん人さま見下すのが普通の
「再現……できない…?」
「ま、何にせよ報告しようがするまいが変わんねぇんだよ。 人類の王位も勝ち取ったし、もうバレても問題無いからな」
エルフが再現出来ない魔法……そんなものがあるのか?
一番
エルフは、腕力こそ弱いが魔法力はピカイチだ。
フリューゲルとは神の尖兵として神より創られし
そのフリューゲルが放つ天撃は、星の表面を削り取るほどの威力を持つ。
そんな馬鹿げたものを防ぐほどのエルフが再現出来ない魔法など存在し得るのか? と。
そして————
「はぁ……もういいわ。 適当にそれっぽいこと言えば向こうも納得してくれるでしょうし」
————考えるのを止めた。
これ以上はただ疲れるだけだ。
そう判断したクラミーは、側で白にモニュモニュと胸を揉まれているフィールにそろそろ戻ろうと声をかけた。
ちなみにステフは……いや、やめておこう。 本人の名誉のためにも見ないことにしようと思う。
それにしても、クラミーは空のことをウザいとは思っているものの、怨恨や妬み嫉みなどは一切感じられなかった。
多分、いろいろと溜まっていた諸々を吐き出してスッキリしたからかもしれない。
「フィー、面倒だけど一応報告しなきゃいけないし、もう戻るわよ」
「はー、っい———んぅ——あっ——クラっ——ミー」
「……むぅ……たぷんたぷん、うらやましい……もっと、揉んで、やるっ……!」
「なんと優秀な妹なのか……! イイぞ白、もっとやれ!」
「……誰かこのアナーキーな二人をどうにかしてぇ」
「さて、クラミーも巻き込んで……っと」
「え? いやぁああ!」
無秩序とはこのことか。
巨乳エルフを揉みしだくロリ妹。
スレンダーな慎乳を優しく揉み揉みする
キマシタワー建設と通報待った無しである。
「何で私までー!?」
「知ってるか? 女性ホルモンが分泌されるほど体はエロく成長するんだぜ」
「ちょっ、何言って———ふぁっ——んあっ——!」
この後、妙にやりきった感のある顔を浮かべる兄妹と、ヘロヘロになった二人組がいたという。
◆*◇
「よし、戴冠の演説しなきゃな」
「……にぃ、忘れてた……?」
「正直言うとガチで忘れてました、ハイ」
「……ステフ、は…?」
「観覧席だろ」
そんなお前ら本当に元ニートかよと思うほどの非コミュ障ぶりを発揮させながら、空と白は手をつないで城のベランダに備えられた壇上へと向かう。
空は左腕にティアラを捻じ曲げた腕輪を着け、白は男性用の冠を髪留め代わりとして着けている。
これから人類種全員を前に演説するとはとても思えないほどラフな格好であった。
「すぅ〜、ふぅ〜。 よし、スイッチ切り替えますか」
「……白、喋るの苦手…だから、にぃ……おねがい」
「了解しました、お姫様」
無数の人々が集まる広場。
そこに集うのは新しい王の言葉を聞こうとする民衆。
崖っぷちもいいところまで追い詰められたイマニティがすがる一縷の希望。
エルフの間者を魔法も使われた上で叩き潰したという兄妹にそれを見出す表れだ。
そして今、絶望の淵に垂らされた一本の……否、二本が絡まって一本になった蜘蛛の糸による演説が始まる。
「……さて、御機嫌よう。 親愛なるイマニティ同胞諸君よ。 早速戴冠の儀を終えるためいろいろと語りたいところだが、まずは諸君らに簡単な質問をしよう」
眼が、赤く朱く
瞳孔は縦に割れ、圧倒的なカリスマが溢れ出す。
「何故貴様らはそうまで卑屈なままなのか、
————貴様ら自身は何か行動を起こしたのか?
その言葉に、全員口を噤んだ。
何故なら、彼らは事実
「歴代の人類種の王が魔法相手に四苦八苦していた時、人類種にとっての何かを失った時、そして前国王が負け続けた時……いったい貴様らは何をしていたのだ? 何もしていないだろうが。 己自身はその場から動かす静観しているだけ、そしていざとなれば口からクソを吐き散らす。 まったく話にならん、論外だ。 何もしない、しようとも思わぬ貴様らが、必死に知恵を絞り人類種という重荷を一身に背負う者を嗤うなど笑止千万」
今まで王に縋り続け、甘え倒してきた民衆を空は一喝する。
だから貴様らは阿保なのだ、と。
文句を言う前に、何か一つでも自分から行動してみろ、と。
「まさか全ての責任は代表者である王にある、などと
質問はそのまま演説へと変わっていく。
そして、誰もが無意識下で行っていたことの残酷さをまざまざと見せられ、何人かは地面にへたり込んでいた。
「我ら人類種は力無き種族。 ああ、確かに事実だ。 そう、我らは弱者だ。 それゆえに力ある強者に唯一対抗するものを鍛えた。 『知恵』という弱者だからこそ磨ける爪牙を我らは持っている」
「だが、それでも尚敗け続けたのは何故か。 その答え自体は簡単なことだ。 盟約によって殺傷略奪の類が禁じられた今、強者であった他種族も知恵を磨くことを覚えたからにほかならん。 本来我らの専売特許であった利巧さを周りが真似始めたからだ」
「さて、ここでもう一つ質問だ。 何故貴様らは俯き下を向いているのだ。 力ある種族がさらに知性を兼ね備えたからか? それによって勝ち目などもはや有りはしないと決めつけているからか? ————否、だ」
「ここでもやはり、人類種の怠慢が問題となる。 我ら今代の王は違うが、先代までは恐らく王族の親族の内から誰かを選ぶ選挙方式だったのだろう。 確かに王になった以上はそれなりの果たすべき責任と為すべき義務がある」
「だが王とて人の子、失敗や間違いなどザラにある。 貴様らはその度に弾劾をしてきたのだろう。 もう一度言うぞ、貴様ら自身は
「さて、ここまで一息に諸君らを
手など挙がるはずが無かった。
何故なら全て事実だから。
実際にこの口は王に対して文句しか吐き出していなかったから。
それら全てを棚に上げて、今の言葉に反論など誰ができようか。
「少し長くなったが最後に一言諸君らに言葉を贈り、それをもって戴冠の儀とする」
————研鑽せよ。
怠けていたなら今からでも磨け。
人類種であるなら既に当事者、関係無いなど口が裂けても言わせない。
むしろ気に入らない王なら引き摺り下ろすぐらいの気概を持て。
それすらできないなら口を開くな。
前国王は自分なりに国のことを考えて、その上で愚王と罵られた。
理念は正しくても、人の心は従えない。
救いがないなら作るしかない。
自分の救済は自分の力で掴み取れ。
学べ我が
いつの日か諸君らが羽ばたくときを楽しみにしているぞ。
明確な単語を使ってないからR-18の規制には引っかからないはず。
ていうか、もっと過激な描写のある作品なんてザラにあるしね。セーフセーフ。
これでBANされたらどうしようも無い。
白が空気気味だけど、本来の設定で『コミュ障』があるからだいたいこんなもんじゃないかな、多分。
むしろアニメの白は喋りすぎだと思うんだ。
感想待ってまする(ノ*´>ω<)ノ