最強の王様になった『 』   作:8周目

8 / 11
はい、いつの間にかこの作品がランキングに載っていてリアルに牛乳で噎せた金欠鬼です。
みなさま本当にありがとうございますm(_ _)m

FGOでは鯖ではなく礼装にばかり好かれ、ジャンヌのレベルがなかなか上がらず、今ピックアップされてる槍トリアこと乳上を狙ってるのが現状です。


ではどうぞ⇩


泣き虫クラミーちゃん

 

 

 『戦い』とは、案外さっさと無くなるものである。

 しかし『争い』はどんな法を敷いても、どこの世界であろうとも無くならない。

 

 ————それは何故か。

 

 答えは単純明快。

 『感情』や『心』といった不明瞭な……しかし確かに存在するモノを生命が持つ故に。

 ———己の邪魔になるならその邪魔そのものを消せばいい。

 ———己の利益になるならば幾らでも他者を利用し尽くせばいい。

 ———己にとって気に入らない相手ならば力づくでも従えさせればいい。 それが嫌なら排除するまでのこと。

 

 このように本能以外のナニカを持つ生命たちは、過去の過ちから今の今まで何一つ学ばず、忘却しようと努め、そして更に繰り返して来た。

 空と白が生活していた元の世界では、世界中で殺人が起きない日など存在せず、常日頃から顔も知らぬ誰かの命が何十人、何百人と消えていった。

 

 それからテトに生まれ直させられた世界『ディスボード』。

 『全てが、総てがゲームで決まる』というぶっ飛んだ盟約によって殺傷や略奪などの戦いの根っこが断ち切られた。

 だが、やはりと言うべきか……一見平和そうな世界でも、やはり『争い』だけは無くならない。

 テトが唯一神の座を握る前まで繰り広げられていた『世界大戦』とも言える超超大規模の戦争。

 無限に広がる蒼穹が焼かれ、本来踏みしめるべき大地は抉れていた。

 幻想種が当たり前のように跋扈する、血で塗りたくられた————————

 

 

 

 

 「はいはい、把握把握。 とどのつまりそん時のディスボード(ここ)は悲惨な状態でした〜ってことだろ? 俺が知りたいのはそんなテンプレ展開満載な地獄旅行日記の内容じゃ無ぇんだよ。 俺が読みたいのは、十六もある種族の()()()()データが書かれた資料本みたいなヤツなんだよ。 なんで何処にも見当たらねぇんだ?」

 

 

 「にぃ、いま……それ以前の、問題、ある……」

 

 

 「そうなんだよなぁ……今の人類種なんて他の種族からしてみたらカモでしかねぇ状況なのに、同種の問題で躓いてるとかあり得んぞ」

 

 

 「……じゃあ、にぃ……」

 

 

 「ああ、そうだな————」

 

 

 

 二人は顔を見合わせ、同時にこくりと頷く。

 

 

 

 

 

 

 「—————テト(あいつ)を徹底的にぶちのめす為の第一歩として、取り敢えず王様になるか」

 

 

 

 人類種の王。 つまり一つの種族の代表になることを『第一歩』と言ってのけ、ディスボードに来た瞬間から変わらない目標を口にする。

 そう、この二人にとって王様になることなど、数ある内の一つのクエストのようなものに過ぎないのである。

 

 ステフが用意してくれたお茶も茶菓子もキッチリ食べ尽くし、取り入れたブドウ糖を脳の餌にしながら、燕尾服の青年はメイド服に身を包む少女と共に大広間へと向かう。

 

 

 

 「さーて……どう出て来るんだ? 巨乳エルフのオネーサンよ」

 

 

 「……にぃ、目がケダモノ……キモい」

 

 

 「…………これ完全に(わたくし)忘れられてますわよね? ねぇ、無視しないでくださいません? 一応私にも『堪忍袋の()』というものがあるのですが、いい加減キレますわよ?」

 

 

 「フ、『キレますわよ?』と言ったなステフ。 おおいに結構、存分にキレるが良い! 切れた()は俺が手ずからじっくりねっとり繋ぎ合わせてやる。 ちなみに俺は絶倫でな、枯れることは永劫無い。 今のお前の面影すら無くなるくらい骨抜き(オシオキ)にすることもできるのだ。 そぉら、とっととキレろ。 早く(ハリー)! 早く(ハリー)! 早く(ハリー)!」

 

 

 「ひっ……!」

 

 

 「……むぅ……にぃ、かっこいい、セリフ……ダサく、しないで…。 ……あと、その……ワクテカ顔、まんま、盛り猿……」

 

 

 「えぇー、名言なんて使ってナンボだろ? 謝るからその超可愛い嫉妬を是非とも行動で示してくれると兄ちゃんは嬉しい」

 

 

 

 猿呼ばわりされたことにかなりダメージを受けたのは秘密である。

 白は頬っぺたを『ぷ〜ぅ』と膨らませ、空がステフに構う度に『私怒ってます』とアピールする。

 

 

 

 「……知ら、ない……っ」

 

 

 「ヤッベェ、今更だが自分の妹が可愛い過ぎて萌え死にそう……! ……ぉわっ、鼻血出てきた。 ティッシュティッシュ」

 

 

 「アホなこと言ってないでさっさと行きますわよ!」

 

 

 

 

 

 グダグダな第一歩になりそうだ。

 

 

 

 

◆*◇

 

 

 

 

 夕刻————エルキア王城の大広間。

 

 国王選定のゲームが行われていたと思しきその場には、真ん中の小さなテーブルに備え付けられている、これまたテーブルと同じく小さな椅子。

 そして床に膝をつき、項垂れている一人の男性と。

 向かいの椅子に腰掛けたまま無表情に腕を組む、喪服のような黒いベールに黒い服という出で立ちの、長い黒髪の少女。

 ————そう、酒場でステファニー・ドーラをイカサマによって負かした………あの少女。

 

 

 高官らしき人物。

 恐らくゲームの審判者であろう老人が、声高に言葉を発した。

 

 

 

 「———さて、ここに集いし皆の者全てに問う。 この者、クラミー・ツェルが選定の闘いを最後まで勝ち抜いたわけであるが…………彼女に挑む者、またはこの選定に異議がある者は、もう居らぬか?」

 

 

 

 それに対しての反応は、ささやかなざわめきだけだった。

 それもそうだろう。 今の今まで全戦全勝したクラミーに今更勝てると思える者など、もはやいるはずも無い。

 その様子に審判人は————

 

 

 

 「————では、前国王の遺言に従いクラミー様を———エルキア国王として戴冠させる。  今この場の沈黙を同意とし、(これ)を————」

 

 

 

 

 

 

 

 『異議、有ああぁぁぁぁぁぁぁりッッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 その言葉を遮ったのは、冷え固まったようなこの沈黙を、粉砕☆玉砕☆大喝采とばかりに突き破る、咆哮のような『異議申し立て』の声だった。

 ざわつくどころか皆が一斉に跳び上がったその原因は。

 

 一番前で少女を片腕で抱っこして、もう片方の手にスマホを持つ燕尾服の青年。

 青年に抱きかかえられ、クラミーに向けてスマホを構えるメイド服を着た白い少女。

 その後ろで、ストレスと緊張のあまりリバースしそうになっている赤髪の巨乳が一人。

 

 

 

 「カチコミ&サプライズ大成功♪ 時間的にはギリだったみてぇだが、取り敢えず間に合ったらしいな……。 あ、異議があるのは俺ら二人でーす。 後ろはただの付き添いだから無視して良いぜ」

 

 

 「喪服ひんぬー……悪く、ない」

 

 

 「……………誰?」

 

 

 

 クラミーのもっともなその疑問は、この場にいる全員の気持ちを代弁していた。

 先ほどの雄叫びに若干ビックリしていたクラミーは、慌てて表情を引き締め、無表情に戻してから視線を二人の()()に向ける。

 

 

 

 「……ステファニー・ドーラの従者?」

 

 

 「いえ、それは…………ぉうっ…!」

 

 

 

 吐き戻しそうになるのを必死で抑えつけ、ステフは否定の言葉を発そうとした———が。

 

 

 

 「おいおい、後ろのは無視して良いつったの聞こえてなかった? そんなベール付けてっから盲目(めくら)と思ってたが、まさか『つんぼ』だったとはねぇ」

 

 

 

 空気を()()()空が煽った。

 この世界で伝わるかは微妙なところだったが、元の世界では差別用語として捉えられかねない単語も使って揶揄嘲笑した。

 

 すると何かが通じたのか、クラミーは目元を僅かながらヒクつかせ、観客席の一箇所から同じく僅かな殺気が漏れていた。

 空はニヤけそうになるのを我慢し、白にだけ聴こえる音量の声で————

 

 

 

 「右方面左斜め上」

 

 

 「ん……バッチリ」

 

 

 「んじゃ、来たら合わせろよ?」

 

 

 

 何が来ると白が何を合わせるのかはわからない。

 しかし、この二人はそれだけの会話で通じ合えた。

 伊達に十年近く常日頃から一緒に居る訳ではないのだ。

 

 

 

 「自分は負けて選定資格を失ったから、今度は使用人にやらせるなんて………。 未練がましく無様な上に見苦しいこと……」

 

 

 「ダメだ、コイツ人の話を聞かないタイプだ」

 

 

 「……ふっ……」

 

 

 

 再び張り詰めかけた空気を、これまた一気に抜いてしまう空の一言。

 白にすら鼻で笑われ、クラミーは羞恥と憤りで顔を赤くする。

 ステフは『どんどん煽っていくスタイル』の空と白に慌てながら、若干涙目になっているクラミーに同情の目を向けた。

 

 

 

 「つーかよ、ソレお前が言えたことじゃねえっしょ」

 

 

 「…………どういう意味よ」

 

 

 

 

 「だってさぁ、ここは『()()()()()()()()()()()()()()()()()()』に玉座明け渡す場所じゃねぇだろ?」

 

 

 

 空の驚愕の一言に、ざわめきが増す城内。

 『無双ゲー』が通じたとは思えないが、()()()()()()()という部分は通じたらしい。

 

 ————他国の力?

 

 ————ペテン師?

 

 

 

 

 「え、ちょっ……空、どういうことですの? 他国の力って?」

 

 

 「……お前本当に首席卒業したのか? ここまで言ってもまだわかんねぇの?」

 

 

 「……ステフ、アホの子……」

 

 

 「ハァ……ったく、いいか、例えばだぞ? 例えば————」

 

 

 大きな声で、無駄に大きく口と目を開いて、叫ぶ。

 

 

 

 「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を国王なんかにしたら、この国………いや、人類は終わりなんだよねぇ!」

 

 

 

 観客達のざわめきは、ついに恐怖を伴ったものに変わる。

 そんな周りの様子に、本当に誰も気付いていなかったのかと心底呆れる空。

 ステフは『はぁ?』みたいな顔をして固まっている。

 

 

 

 「……私が、魔法でイカサマしていると? 何を根拠に————」

 

 

 「————なに、お宅は人の話を無視するのがデフォなの? さっき『例えば』って俺が言ったの聞いてた?」

 

 

 「〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

 

 

 

 今にも「うっさいわよッ!!」と叫んでしまいそうになるのを必死に堪えるクラミー。

 それを観客席から眺めるフードの人物。

 空に敵意を抱きながら、顔を赤くして肩をプルプル震わせながらも頑張ってほとんど崩れている無表情を戻そうとするクラミーに、心の中で「ファイトなのですよー」と応援する。

 フードに隠れた口元がニヤけているのは言うまでもないが。

 それにしても空とこのフードの人物。

 性格面で言えば二人は同類なのかもしれない。

 

 

 

 「———ま、まぁいいわ。 異議があるならご希望通り勝負しましょう」

 

 

 「ねぇねぇどんな気持ち? その自称鉄面皮の無表情(笑)が今まさに剥がれそうになってるけど、今どんな気持ち?」

 

 

 「いちいちうっさいわねッ! そんなことどうでもいいでしょ!!」

 

 

 「知ってるよ、何言ってんの?」

 

 

 「きィィィィーーーッッ!!」

 

 

 「あ、勝負するのは良いけど。 もしポーカーで勝負するなら————そこの協力者、追い出した方が良いぜ?」

 

 

 「……そこ、じゃー…!」

 

 

 「なに!? なんなのよ、喧嘩売ってんの!? ねぇ!?」

 

 

 「おーい、誰かそこのフード野郎の帽子取ってくんない?」

 

 

 

 片やヘラヘラとした表情を軽く引き締めて()()()真面目にしながら話す青年。

 片や無表情をアッサリ崩され、その上挑発に乗ってしまった挙句おちょくられている黒髪の少女。

 

 観衆は困惑しながらも空の注文を聞いて、白が示した場所にいたフードを被っている人物を見つけた。

 そしてすぐ側にいた一人が、恐る恐る帽子を剥がすと————

 

 

 ————ヒョインッ。

 

 そんな効果音がピッタリな動きで飛び出す、長い二つの耳。

 ファンタジーものでもよく見る、あのエルフのように長い耳。

 

 

 ……ざわ……ざわ。

 こ、こいつ森精種(エルフ)じゃねぇか!

 ざわ……ざわ……。

 ってことはまさか、本当にあいつの言う通り———

 …ざわ…ざわ…ざわ…。

 あの(アマ)、魔法でイカサマしてやがったのかっ!?

 

 

 

 「なぁオイ、クールビューティー(爆)なペテン師さんよ、()()()助けねぇの?」

 

 

 「フフン————貴方こそ人の話を聞いていなかったのかしら? 私には一切関係のないことなのだけれど」

 

 

 「んじゃ追い出しても問題無ぇよな? それと、言っとくがそもそもお前自身そんな話してねぇだろ。 自分が何喋ったかもわからねぇなんて……可哀想に」

 

 

 「〜〜〜〜〜ッあったまキタ! いいわよ、追い出せばいいんでしょっ! そこのアナタ、さっさと出て行ったら!?」

 

 

 

 そう言われて、そそくさと出て行くエルフの女性。

 

 さぁて、不安要素も取り除いたところで————

 

 

 「———じゃあ早速ポーカー、やろっか?」

 

 

 「はぁ!? 私をここまでコケにしてくれた相手に今更ポーカーだなんてヌルすぎるわ!」

 

 

 

 もはやガチ泣きする二歩手前ぐらいの表情で、プライドをズタボロにされたクラミーは、ポーカーとは別のゲームを提示した。

 ズタボロと言っても、ほとんどが自爆で負ったダメージなのだが。

 

 

 

 「イカサマなんて介入する余地の無い、実力を証明するのに最適なゲームで勝負するわよ! それでアンタを完膚なきまでボッコボコにしてやるんだから! 逃げんじゃないわよ!!」

 

 

 「もうポーカーフェイスの面影ゼロだな」

 

 

 「……にぃ、ノリノリ……楽しそう」

 

 

 「……もうイヤですわ、この兄妹」

 

 

 




(´・ω・`)クラミーちゃんは堪え性があまりないタイプだと思っている。特に空におちょくられると素の性格が出る。
チョロインとか言っちゃダメ。相手が空なら仕方がない

FGOのお年玉ガチャには裏切られた。
何故課金石でしか回せないの?
コツコツ十連分石貯めてた金欠鬼がバカみたいじゃん。

あ、それと結構前の活動報告にFGOでの金欠鬼のフレンド検索IDを載せています。
良かったらフレンド申請おなしゃす。
ちなみにリーダーはlevel86ジャンヌです。


感想待ってまする(ノ*´>ω<)ノ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。