気が付いたら、エクスデス先生だった。
いや、なんのこっちゃと言う話だが、布団に倒れこんで目が覚めたらそうだったとしか言いようがない。
筋骨隆々とした四肢を青味のかかった甲冑に包み、身の丈は2mを軽く超え、片手には死神の剣と思われる剣も携えていた。
なお、職業は暗黒魔道師の模様。
貴様のような魔法使いがいるかと言いたいが、同じFFシリーズのゴルベーザ兄さんも職業魔道師である。
意外と古くから存在しているようである、筋肉系魔法使い。
話がそれた。ともかく、エクスデス先生なのである。
森の中でふと意識が覚醒し、色々と混乱した後にとりあえず水場探そうとウロウロ、見つけた小さな泉に姿が映って……。
俺とはいったい、……うごごご。
ちなみに甲冑は脱げた。意外と簡単にすぽっと。
下から出てきた顔は、ディシディアのコスチュームで出てきた悪魔風のアレ。もしくはネオ・エクスデスの先の人。水鏡なので曖昧だが。
ちなみにこの甲冑、気合を入れたら魔力か何かを材料にして再生成が出来るようだ。
メイド・イン・エクスデス。……木製?
とまあ、先ほどからこんなことを考えつつ泉のほとりでうんうんと唸っている。
フルフェイスの兜までかぶった全身甲冑の大男が。
我ながらシュールだ。
ところで延々数時間、少なくとも太陽の角度が目に見えて変わる程度は座り込んでいるのだが、腹は減らないし喉も渇かない。
そもそも、この体でなにを食べればいいのかが分からないと、その内に飢え死にか食中毒である。
エクスデス先生は樹木なので、とりあえず土と水と太陽光があれば生きていけるような気はするのだが……。
水は飲もうと思うのなら飲めるといった具合で、別に必須でもないかな? と首をかしげた。
ひょっとしたら食事そのものが不要だったりするんだろうか、この肉体。
人間が、人間? が生きていくのには衣食住が必要だと言うが、衣もとい鎧は自分で作れるし、食は要るかどうかがわからない。
最後の住居は、何か不要な気がしてならない。元が樹木だし。むしろ俺が建材。将来の夢は立派な家の大黒柱(物理)です。
……。
でも、オリジナルのエクスデス先生は城を建ててたよな。バリア完備のすごいヤツ。
これはつまり、家を建てるなら城を目指せと言うことか。さすがに常時ビクンビクン脈打ってる内壁は趣味が合わないけど。
まあ、住居についても後でいいだろう。
何となく眠る必要も無さそうだし、身の安全? ハハッ、見ろよこの上腕二等筋を。真空波とか打てるんだぜ!
実際打てた。ちょっとした大木が幹からべきっと折れた。
……魔道師ってなんだっけ?
さておき、結局やるべきことが特にないことが発覚してしまった。
なので、ちょっと魔法の練習でもしてみようと思う。
自衛手段としては真空波と死神の剣があれば問題はない気がするのだが、暗黒魔道師としてのアイデンティティが魔法を使えと叫んでいた。
ジョブチェンジしてから1日たってないけど。
あれやこれやと試行錯誤して、魔力かなーこれと思ったものをこねくり回し、うろ覚えのFFTの詠唱を試してみたりする。
結果、目の前に出現する一抱えほどの氷の塊。
ずどばぁんと派手な音を立てて泉に落下して、水鏡として機能していた森の貴重な水源をカチンコチンに固めてしまった。
ブリザドである。
何か勢い余って岸辺の雑草まで凍らせているがブリザドである。
すごいね暗黒魔道師。
……。
そしてファイアとサンダーを避けた俺氏、ファインプレー。火事の元ってレベルじゃねーぞ。
何にせよ魔法である。黒魔法である。
せっかくなのでもう一回、今度はこころもち魔力っぽい物を抑え目で使ってみると、小さな氷が出てきてカチコンと小さく地面を凍らせた。
どうやら威力は調節できるらしい。ちょっと安心。
ともあれこれで堂々と胸を張って暗黒魔道師を名乗れると言うものだ。思わず笑いがこみ上げてくる。
「ファファファファファ……」
あっ、笑い声これ固定なんですね先生。
つづかない?