エクスデス先生(仮)   作:Rakusai

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エクスデス先生10

 どうしてこうなった。

 

 

 うん。どうも私です。エクスデス先生しています。現在戦場のど真ん中……だった場所にいます。

 

「エクスデス師……」

 

 ああ、アルトくんも一緒です。ものすごく呆然としていますが。

 無限に広がる、って訳ではないけどだだっ広い大草原。そこにはザワザワとした人の声と虫と蛙の鳴き声が満ち満ちています。

 そう虫と蛙の。

 

 かーえーるーのーきーもーちー! トード!(全体化)

 

 以上、数分前のセリフbyエクスデスボイス。

 状態異常魔法怖いですね。多分効かないけど俺。と言うかエクスデスボディ。

 魔法が一般的じゃないからか、そんなこと関係なく俺が使ったからかは知りませんが、黒鎧の一団は一瞬で蛙の合唱団になってしまいました。

 

 どうして、もとい、そうしてこうなった。

 

 ミニマムの方がよかっただろうか。いや、そうじゃない。

 アルトくんの母国である王国の要衝に攻めかかる黒鎧の帝国軍! それを見て逸るアルトくん! どうしよう俺!

 メテオとかフレアとか、全体化ファイガとか使うと大惨事待ったなしと思われるので、そうだそれなら状態異常にしてやれ、トードでいいや。

 しかしてその結果がこれである。

 

 状態異常魔法怖いね(二回目)

 

 微妙に黒っぽいカエル軍団は、ピョコピョコミピョコピョコと帝国領に向かって移動する素振りを見せてますが、しょせんはカエル、遅いです。

 いやまあ、通常のカエルならすばしっこいかもしれませんが、いまさっきカエルになった大型犬サイズのにわか両生類なら仕方がない。

 中には勇敢に王国兵に突っ込んでいくカエルくんもいますが……鉄の鎧に弾力溢れたカエルボディの体当たりじゃあなあ……。

 何匹かは反撃を受けてひっくり返り、ピクピクしています。南無。

 さて、このまま傍観してても、いずれは収拾が付くかもしれませんが、カエルさんたちに対して忍びないのでアルトくんに声をかけませう。

 

 どうする?

 

 判断ぶん投げたとも言うけどな!

 

「あ、はい、ええと、とりあえず指揮官を捕まえましょう。位置関係でだいたい分かります。それから元の姿に戻して……戻せますよね?」

 

 そんな俺の無茶振りに答えて、アルトくんは超冷静に今後の対応を示してくれます。最後だけちょっと不安そうだったのは気にしない。

 表情その他もろもろから、深く考えたら負けだと考えているのが手に取るように分かるけど、気にしないったら気にしない!

 エスナでももう一回トードでも、どうとでもなるのだから。

 でもそうか、この世界? だと乙女のキッスとか市販されてないから、蛙と小人と石化の回復は俺がやるか誰かが魔法覚えるしかないのか。

 ……三回目だけど、状態異常魔法怖いね。マジで。

 

 

「ごごごご、御助勢に感謝いたしますぞぉっ!」

 

 

 で、旗に囲まれた辺りにいて、複数の蛙に囲まれてた偉そうな蛙を連れて会いに行った王国側の責任者さんのセリフがこれである。

 無茶ビビっているこの辺を治める王国最大の実力者にして、遠く王家の血を引く公爵であらせられる将軍閣下。推定40代ナイスミドル。

 大丈夫よー、エクスデスだけど怖くないよー、いきなり斬りかかられたけど無傷だから特に問題ないよー。

 ちょっと反射的に反撃しちゃって酷いことになったけど、レイズしたら生きてたから大丈夫大丈夫。

 

 ゴメン嘘ついた。超怖いよね。俺。

 

 なお、推測するにエクスデス先生を打ち倒すには、超高レベルの光の戦士が聖剣持った上で6回から7回斬りつける必要があると思われます。

 単発攻撃ならメガフレアにだって耐えてみせらあ。でもみだれうちと連続魔、限界突破は勘弁な! ファッファッファ!

 

 むしろ光の戦士が怖い。

 

 

 つづいたらどうしよう

 




書いてた分だけ供養。続きは気が向いたら。

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