エクスデス先生(仮)   作:Rakusai

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エクスデス先生7

 アルトくんの神妙な顔にあれっと首をかしげて、ああ、そういえばと自分で納得した私です。

 エクスデス先生してます。

 

 いやね、意識のあるアルトくんの前で魔法らしい魔法を使ったのは初めてなんだよね。回復の時には気絶してたし。

 色々とそれっぽい……死神の剣を念動力テイストな方法で振り回したりとかはしてたけど。

 なので、あらためて自分が魔道師であることを告げました。『暗黒』部分は聞こえが悪いので言ってないけど。

 

「あれが、魔法」

 

 そんな何かに納得するような調子で呟かれた言葉を聞くに、どうやら魔法と言う概念自体は存在する様子。

 ちょうどよくキャンプ体勢も整ったところなので、この世界における魔法の扱いについて聞いてみることに。

 

「伝説、言い伝え、あるいは歴史の中に、魔法使いがいたと言う記述は残されています」

 

 そう言った後、「少なくとも自分は、今の今まで会ったことはありませんでした」と、続けるアルトくん。

 なるほど、この世界において魔法は架空の存在か、あるいは遠い昔に失伝して表向きには残っていないってところだろう。

 とりあえず、これから出会う人向けに表向きの名乗りとして考えていた『旅の魔法使い』はお蔵入りかな。

 

「エクスデス殿、魔法は、自分にも使えるものなのでしょうか」

 

 そう言って、俺の方をじっと見つめるアルトくんの瞳には、力を求める強い決意のような物が宿っていた。

 まあね。なんとなくこうなる予感はしてました。

 国も仲間も失って無力感にさいなまれているような状態で、目の前に魔法なんて不思議な力を提示されたら飛びつきますわ。

 さて、問われたからには俺も答えなくてはなりますまい。

 

 「分からぬ」と!

 

 FF5的にはお店で手に入るけど、システム的にはともかく実際に魔法屋で何してるのか描写がないし。

 一部の魔法は宝箱から入手できるので、魔道書的な何かを購入してるんじゃないかと想像するくらいはできるけどさ。

 何より、白黒時空と区分けして使っちゃいるけど、俺が魔法だと言い張ってるこの力が本当に魔法なのかを証明することもできなかったり。

 ほとんど感覚で使用している力を他の誰かが使えるかなんて、分かるもんかという話である。

 

「そう、ですか」

 

 そう言ってややうつむきがちになり、小さく息を吐くアルトくん。

 だけどまあ……。

 

「覚えられぬことも無いかもしれん」

「!! 本当ですか?」

 

 おおう、すごい食いつき。ここまで期待させて、やっぱり無理でしただったら罪悪感が湧くなあ。

 ただ一応、成算らしきものがあると言えばあるのだ。

 アニマルパラダイスで暮らしているときに色々と試した補助魔法。その中には当然のようにライブラの魔法も含まれている。

 FFではおなじみ、かけた対象のHPや弱点を表示させる白魔法だ。

 某関西弁の子にかけて、方向キーを下に入れたことのあるヤツは挙手。

 

(T)ノ

 

 話がそれた。

 それで実際にこのライブラを使ってみたところ、出現した俺にしか見えていないだろうゲームっぽいウィンドウに情報が表示された。

 HPなどはゲームと違って具体的な数字の出ないファジーな表記がされていたのだが、幾つかある項目の一つにMPが存在していたのだ。

 このMP、ほとんどの動物は『無し』と表記される項目だが、稀に『微量』表記の動物がいたりする。

 

 そしてアルトくんは、そんな稀な方の対象に属していた。

 

 なので魔法を覚えようと思えば覚えられる、かもしれない。

 やっぱり『微量』表記だったので、ラ系とかガ系は難しいかもしれないけど。

 ちなみに俺自身にライブラかけたら、MPの表記は『膨大』でした。あらためて、すごいねエクスデスボディ。

 

 え? いつアルトくんにライブラかけたかって? ……治療後に目を覚まさなかったから、不安に駆られてつい。

 

 ゴホン。

 さておき、そんな訳でアルトくんには魔法を覚えられる可能性があるかもしれない。

 しかし一方で、やっぱり不可能だって可能性もある(予防線)。

 それでもいいなら、俺は魔法の指導を行おうと思うのだがアルトくんはどうだろうか?

 

「是非」

 

 即答でした。

 やる気があっていいんじゃないでしょうか。ええ。

 こうなれば俺も、アルトくんが一人前に魔法を使えるように頑張ろうと思う。

 

 騎士 アルト は 暗黒魔道師 エクスデス の 弟子 になった!

 

 ……暗黒魔道師の弟子とか壮絶に聞こえが悪いので、アルトくんのためにも絶対に名乗らないようにしよう。そうしよう。

 

 

つついた

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