何とも嬉しいものですねぇ…(感動
カルネ村の村長は僕の中で陽気なおっちゃんのイメージです。
今回もそんな長くないです。
教会の話し言葉とかちゃんと調べていないので、雰囲気で書いてます。
家から出ると時刻はまだ午後になっていないくらいだろうか、空は雲一つなく太陽は村を明るく照らしている。
二人で歩いていると、ヨーゼフカは思い出したように集会場に入るためには村長から鍵を借りなければならないことを告げられ、どうせなら自分が借りてくるまでの間に村の中を歩き回ってみてはどうだと提案された。
村人達に助けてもらったお礼をしなければと考えていた真理亜は、ちょうどいい機会に恵まれたと思いその提案を受け入ると、二人は分かれ暫くの間別行動をとった。
ほどなくして鍵をぶら下げたヨーゼフカがマリアの下に帰って来た時には、彼女の周りにたくさんの人だかり(主に村の子供達)ができており、真理亜は困ったようなと嬉しいような感情が合わさった表情をしていた。
「鍵、手に入れてきたぞぉ。」
真理亜はようやくその一言でヨーゼフカに気づく。
「あ、お帰りなさいヨーゼフカさん。ここの村の子供たちはとっても元気がいいですね…あはは。」
困惑するマリアをよそに子供たちはじゃれついて離さず、マリアの服を引っ張りながら口々に「追いかけっこしよう!」「マリアさんは私たちとおままごとするの!」「いやここはかくれんぼだろ!」などマリアと何をして遊ぶか声を張り合わせていた。
ギャーギャーと自分の周りで騒ぐ子供たちに手をこまねいていると
「こらこらお前たちマリアさんが困っているじゃないか、離れなさい。」
静かながらも厳しい口調で年長者の風格を携えた男性が現れ、子供たちがその姿を目にすると、渋々口を噤み大人しくなった。
「貴方は…」
誰ですか、と言い終わるよりも早く男が自己紹介を始める。
「どうも、初めましてマリアさん。私がこの村の村長をしております、以後お見知りおきを。」
村長は丁寧な口調で自己紹介をし、慌てて真理亜も深い礼とともに自己紹介をする。
「この度は助けていただき本当にありがとうございました。どうやら村長様は私の事をご存知の様ですが、一応形式として…私、真理亜と申します。しかし、私の名前を何処で…?」
「いや、なにそこのヨーゼフカから聞いただけですよ。」
「そうだったのですか」
何だか村長とマリアが二人ばかりで喋っているようで、段々気に食わなくなってきたヨーゼフカが無理やり村長とマリアの話に割って入る。
「いやそれよりも村長聞いてくれよ村長!マリアさんってば極東の異国から旅で来たんだってさ!凄くねっ!?」
ちょっと強引なヨーゼフカに怪訝な顔をしそうになる村長だったが、そこは流石大人。グッとこらえてマリアに失礼のないようにする。
「おお!そうでしたか。なればこの地は不慣れだったでしょう、ゴブリンに襲われたのは不運でしたな…。」
村長は申し訳なさそうに表情を曇らせた。周りもまた村長につられるようにして表情を曇らせる。マリアをゴブリンたちからすぐに救い出すことができず、ぐったりした彼女の姿を思い出したのだ。
空気が重い…耐えかねた真理亜は何とか元気づけなければと焦り、修道女をしていた時の言葉づかいが咄嗟に口から出て来てきてしまったが、出てきてしまったものは仕方がない、口を噤むわけにはいかないのでそのまま続ける。
「いえ、ですがあなた方に助けられるという幸運もまた神は与えてくださいました。そして何処の誰かも分からない私にここまで優しくしてくださる人々に出会う事が出来た。これは神に感謝をしなくてはいけませんね。」
どうやら真理亜の狙い通りの言葉に村人たちは救われたようで表情に明るさを戻していった。
しかし村長は真理亜の村人たちを励ますときにマリアが使った独特の言葉回しに何かを感じ取っていたようで、
「ほぉ、神と言う言葉を使うあたりマリアさんは神職を務められている方とお見受けします。」
ニヤリと、いたずらっ子のような目で真理亜のことを勘ぐる。意外とお茶目なのかな…?
ただ初めて出会った筈なのに言葉回しだけで自分のことを見破られた真理亜は少しだけ驚いた。それから真理亜はその推理に答えるべく、怪しくならないよう言葉を選んで返答する。
「村長様のご慧眼の通りでございます。私は極東の地にて教会へ勤めており、そこでシスターをしておりました。私は少なくなった信者の新たな獲得を教会から命じられ、こうして遥々遠い異国の地へとやってきた次第でございます。」
全部が全部嘘ではないけれど、こうもスラスラと嘘が出てきてしまうと少し自分に嫌気が指してくる…いや、今は非常事態だ、少しばかりは致し方ないだろうと真理亜は心の中で己の良心を納得させる。
そんなマリアの気持ちを露には知らない村長は、自分の推理が当たっていたことに満足がいったようで気分良さそうにニコニコしていた。
「さ、そろそろ集会場へ行きましょう、マリアさん。」
「なんだ村長もついてくるのかよ?」
村 長がマリアへ向かって出発の提案をするも、それに応えたのはマリアではなく不満そうな顔をしたヨーゼフカだった。村長が一緒に付いてくるのが気に食わないらしい。
「フンッ、お前だけでは何かと不安だからな。ささっマリアさんこちらですぞ。」
村長はそんなヨーゼフカを気にも留めず、意気揚々と軽い足取りで村長は前を歩いて行った。あれ?なんかさっきも同じような光景を見た気がする。これがデジャヴ…?そんなことを考えていると、いつの間にか隣に居た女性から声がかかる。
「はぁ…まったく二人して鼻の下延ばしちゃってマァ仕方ないんだから…。男どもだけじゃこんな奇麗な子に何か手出すかもしれないね、私もついてくよ。マリアさんもいいね?」
声を掛けて来た中年の女性が言うには村長の妻であるそうで、半ば強引な要求ではあったが、女の人が一人いると何かと心強いので快く受け入れる。
「えぇ、お世話になります。」
真理亜は村長夫人が言っていた"何か"という言葉をあまり考えないようにしつつ、火花を散らしながら前を歩く男二人に遅れてはいけないと小走りでついていった。
「しかしあなた本当に奇麗ね。まるで絵本から出てきたお姫様みたいじゃない…。」
隣から視線を感じているなぁ、と思っていた真理亜へ唐突に村長夫人は話しかけて来た。
村長夫人からしてみれば、その物珍しさと純粋な本心から真理亜へ賞賛の言葉を贈ったのだが、当の本人にとっては違って聞こえてしまった。
その原因も真理亜の言う仮説の中に含まれるのだが、先ほどの村長夫人の言葉がいまだ不確かなことに拍車がかかるようで思わず怪訝な表情をしてしまった。
マリアの表情が少し曇ったことを敏感に感じ取った村長夫人は何か女の気に障ったと思ったらしく謝罪の言葉を述べる。
「ご、ごめんなさいね!うちの村にも可愛い子は居るんだけど、あなたみたいに美人な人は初めてだったからつい…。」
「あっいえ!そんな滅相もない!謝らなければいけないのは私の方です。少し考え事をしていたものですから難しい顔をしていただけだと思います…村長夫人は何もお気になさらないでください…。」
村長夫人にいらぬ誤解を生ませてしまったことを後悔しすぐさま真理亜も謝った。
「そ、そう…?じゃあ、お相子様ってことでこの話はこれくらいにしときましょ。あ、それよりも着きましたよ、ここがこの村の集会場です。」
次回、彼女の種族が明らかに…
タイトルと、ちょいちょい現れる真理亜の仕草でわかっちゃってるかもしれないけど、
お暇な人は是非考えてみてね☆←
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