今回の作品は、本編に入れられそうになかったエピソードです。長いので二部構成
色々と粗削りなところもありますが、楽しんでいただけたら幸いです
波濤のテティス・前編(タウイタウイ編序章)
「両舷一杯!!」
村雨千尋は、着込んだ巫女服を揺らして叫んだ。戦闘航行中の艦橋内に光はなく、本来海面を照らすはずの満月も雲に隠れてしまっている。今は、彼女の声だけが頼りだった。
軽巡洋艦“三瀬”は、その声に応じて速力を上げる。彼女の所属するタウイタウイ泊地はみるみる遠ざかり、やがて闇の中へ消えていった。それを確認する暇もなく、“三瀬”は海上を驀進する。韋駄天のごとき神速は波を蹴散らし、一本槍となって闇夜を突き進んだ。
―――迂闊だった・・・!
彼女は自分の不手際を恥じる。そのせいで、今まさに仲間が窮地に立たされているのだから。
冷たい汗が額を伝う。
『千尋、聞こえてる?』
唐突に入った通信は、彼女の指揮官にしてタウイタウイ泊地を総括する提督、磯崎舞特務大尉のものだった。切迫した、でも取り乱すことのない冷静な声色が、スピーカーを通して艦橋に響く。
「こちら軽巡洋艦“三瀬”。聞こえてます、提督」
『うん、OK。敵艦隊の位置と構成はわかる?』
千尋は静かに眼を閉じ、感覚を研ぎ澄ます。巫女服が浮かび上がるような感覚があり、彼女の第六感が電探となって周囲の海域を映し出した。
「・・・タウイタウイの南東、十海里。重巡一、確認。後方に戦艦一を含む大部隊です」
『りょーかい。こっちは“雲仙”の修復が終わり次第向かうから、それまでは注意を引き付けて回避をお願いね』
「はい。わかりました」
通信が終わる。
千尋は極力焦りを抑えて、艦が現場にたどり着くのを待つ。三六ノットを発揮する“三瀬”が座標の海域に辿り着くには、十分弱掛かってしまう。
―――速く・・・!!
心の中で祈る。彼女の想いを汲み取るように、“三瀬”がペースを上げた気がしたものの、速力計は相変わらず三六ノットを指し示していた。
と、彼女の左頬に触れる感触があった。はっとして、そちらを振り向く。
いつの間にやら、巫女服の肩に一人の妖精が乗っていた。10cm強の妖精は三頭身で、白の第二種軍装が特徴的だ。
彼は、「まあ落ち着け」とでも言うように、千尋の頬をぺたぺたと叩いた。
「そうですね・・・」
動悸が少し和らいだ。そして今度は、自らの心を落ち着かせるために、胸に手を当ててゆっくりと深呼吸する。
『こちら清風。霜風の退避、完了しましたわ』
落ち着いた駆逐艦娘の声が届く。被弾、損傷した姉妹艦を退避させた彼女は、敵艦隊迎撃への参加を具申してきた。
―――どうしよう。
千尋は軽巡洋艦“三瀬”以外に船を連れていなかった。今まさに、敵艦隊と対峙している重巡洋艦“栗駒”と合わせても、六対二。おまけに、あちらには戦艦がいるのだ。時間を稼ぐなら、快速を誇る“清風”の存在は大きい。でも、そんな危険なことに、彼女を巻き込みたくない気持ちもある。
『ダメ』
千尋の葛藤に答えを与えたのは、さきほど彼女へ通信をよこした若き女提督。透き通った意志の強い声が、ピーンと張り詰めた。
『あら、なぜですの』
『清風は、霜風と一緒に泊地に戻ってくること。わかった?』
『でも、それでは栗駒様が・・・』
身を挺して駆逐艦の撤退を支援した重巡洋艦からは、一切の通信がない。おそらく激しく被弾損傷しているのだろう、状況を知られまいと、早々に切ってしまっていた。武士を連想させる彼女らしい気遣いと、潔さだった。
『大丈夫』
返答は、極めてシンプルで、それでいて優しさと信頼と―――多くの想いが詰まったものだった。
『そんな簡単に沈むような艦娘じゃないって、栗駒先輩は。だから清風は、霜風を泊地に無事送り届けることだけを考えて』
ね?と問いかける声は、その口に満面の笑みを浮かべているのがわかるほどで。ああ、きっと彼女が一番辛いのだろうと、千尋には思えた。
『・・・っ!わかり、ましたわ・・・』
堪える様な間の後、絞り出された声で了解を伝える。理想の“男性”像として栗駒を慕う清風にとって、彼女を助けに行けないことがどんなに―――
肩の妖精さんが、またも顔に手を合わせた。こくこく、力強く二回頷く。
「もちろんです!」
彼の言わんとしたことを察して、千尋もこぶしを握り答える。妖精は口元を歪めた。
しばらくして、二隻の駆逐艦とすれ違った。艦上構造物を抉り取られた一隻を、損傷の少ないもう一隻が付き添うようにして進んでいく。その艦橋に、うっすらと人影が見えた。
人影がこちらを確認して敬礼する。それに素早く答えて、彼女たちの来た方角を見やった。
天を真っ赤に染めようかという火柱と、時折上がる砲炎がありありと見て取れた。
◇
二時間前―――
「だあーっ!ね、む、いいいいいいっ!!」
執務室に、白の第二種軍装を身につけた少女の声が響いた。鮮やかな色使いの執務机に突っ伏す姿は、差し詰めアシカかアザラシといったところか。どこか愛嬌のある様子だった。
磯崎舞特務大尉。ひょんなことからこのタウイタウイ泊地を預かることになった彼女は、弱冠十六歳という若さである。本来提督になることが認められる年齢ではないのだが、理由が理由だけに特例として認められていた。ただし、その存在については公にされていない。
「もう、それはわかりましたから。少し落ち着いてください、提督」
奥の給湯室から、用意したお茶を出しつつ彼女を慰めるのは、この泊地で秘書艦を務める紀伊だ。戦国の姫君を思わせる端正な表情が、困ったように笑って舞の前に湯飲みを差し出した。
「そうはいってもさあ・・・。私みたいなうら若き乙女に、遅寝は天敵なんだもん」
「自分で言ってしまうんですね・・・。お気持ちはよくわかりますけど」
「でしょー?」
湯飲みに口をつけつつ、舞は答える。
「・・・まあ、輸送船団の到着まで二時間ありますし、それまでお休みなさいますか?」
「いいの?」
「一時間だけです」
紀伊の言葉に、舞は飛び上がる。その様子を、まったくしょうがないといった表情で、紀伊は見ていた。
さっそく、執務室隣の私室に向かおうとした舞は、ノブに手を掛けたところでふと動きを止め、紀伊の方を振り向いた。
「紀伊が起こしてくれるんでしょ?」
「はい、そうですけど・・・?」
「うん、そっか」
それだけ聞いた舞は踵を返し、応接のために置かれていた大き目のソファーに腰掛ける。そしていたずらっぽい笑みで、隣のスペースをポンポンと叩いた。
「ねえ、紀伊~。ちょっと、こっち」
「はい?なんですか、提督?」
執務机に散乱している書類をまとめようとしていた紀伊は、怪訝な表情をしながらも舞に従い、ソファーへと座り込んだ。途端、軍帽を脱いだ舞がその太腿に飛び込んだ。
「ひゃっ!?て、ててて、提督!?な、なにを!?」
「んー?膝枕?」
慌てた声を上げる紀伊をよそに、舞は極上の枕に頭を乗せると、半分目を閉じた状態で紀伊を見上げる。
「・・・ダメ?」
潤んだ上目遣いに、不覚にも心を奪われてしまう紀伊であった。諦めの溜め息をついて、巫女服からのぞく右手を舞の頭に伸ばす。
「仕方がないですね・・・。特別ですよ?」
「うん、ありがと」
まるで猫か何かのように、すでに眠たげな舞は紀伊の手にされるがままとなっている。慈しみの籠もったその動きが、舞をすぐに眠りへと導いた。
「えへへ、気持ちいい~・・・」
「・・・どさくさに紛れて、ふとももさすらないでくれますか?」
「だって、あまりにも気持ちいいから、つい・・・」
などとのたまいつつ、紀伊の太腿を撫でるのはやめない。しかしその手も、やがて力が抜けて動かなくなった。小さな寝息が、真夜中の執務室に響く。
年相応に幼さを残す寝顔を見つめ、紀伊は舞の肩口で揃った艶やかな髪をそっと撫でる。手が上下するたびに、気持ち良さそうに微かな声を上げるのがたまらなく可愛らしかった。
「いつもお疲れ様です」
小声で囁きかけると、夢でも見ているのだろうか、舞の表情がふっと柔らかくなった。自然と頬が緩み、その髪を優しく撫で続ける。紀伊の代わりに、飲み終わって空になった湯飲みを片付ける妖精さんも、どこか微笑ましげな表情だ。
しばらく、非日常的で、それでいていつも通りの時間が、執務室を満たしていた。
静寂を破ったのは、慌しく執務室の扉をノックする音だった。切迫した空気を悟った紀伊は、わずかに声を堅くして入室を許可する。すぐさま、木製の扉が開かれた。
息せき切って入ってきたのは、タウイタウイで通信部門を担当する、若い女性兵だった。茶髪交じりの短髪が、汗で額にへばりついている。よほど急いできたのだろうことが窺えた。
「なにかありましたか?」
彼女が呼吸を整えた頃合を見計らって、紀伊は端的に尋ねる。女性兵は辛うじて解読可能な走り書きのメモを差し出し、口火を切った。
「遠征中の“清風”より入電しました」
「“清風”から・・・?」
メモを受け取り、彼女の口にした駆逐艦の名前に眉をひそめる。手元の紙片を滑るように眺めて、内容を確認した。
戦慄する。
紀伊が顔を上げたのを確認した彼女は、律儀に入電内容を報告した。
「『我、襲撃ヲ受ク』とのことです」
紀伊は咄嗟に、たった今自らの膝で寝ている提督を起こそうと、目線を下げる。が、先程まで安らかな寝顔を浮かべていた彼女は、いつの間にかパッチリと目を開け、まっすぐに通信兵を見つめていた。
「うん、わかった。ありがとう」
柔らかく落ち着き払った声で彼女に例を述べると、おもむろに体を上げ、大きな伸びをする。
「膝枕は一旦お預けかあ」
どこまで本気なのか、心底残念そうに呟いて、帽子を取り、さっと整えて被る。立ち上がり振り向いた顔は、きりりと引き締まる軍人のそれだ。
「作戦室にいこっか」
「は、はい」
舞の宣言を受けて、紀伊はすぐに必要な書類を選別し、執務机から引っこ抜く。紙束としてまとめながら、舞が開けてくれている扉から廊下に出、角を曲がってすぐの作戦室に入る。
タウイタウイ泊地周辺の海図を中心に、艦隊の状況を示す各種機器が集まったこの部屋は、実のところあまり使い道がない。作戦中は舞が前線で指揮を執るので、必然的に部屋の主がいなくなってしまうのだ。紀伊が入っていてもいいのだが、彼女は彼女で、不測の事態に備えて自らの艦、超弩級戦艦“紀伊”に待機していることが多かった。
とはいえ、緊急警戒警報の発令や船渠の修復状況等を把握するのに、この部屋は欠かせない。
舞は今日の船団護衛航路を海図に書き入れる。その間に紀伊が通信機器を立ち上げ、泊地に緊急警戒警報を発令した。寝静まっていた庁舎が、にわかに慌しくなる。
「すぐに動ける艦は?」
「千尋さん―――“三瀬”のみです」
手早く髪をまとめた舞の表情が険しくなる。
「・・・とりあえず、ドックに繋いでくれる?」
「はい」
ヘッドホンを耳に押し付けた紀伊は、スイッチをいくつか入れて、船渠への通信を可能にする。第一から第四まである船渠は、今三つが使われているはずだ。
「雲仙、聞こえる?」
マイクを取った舞は、開口一番、当直中の超巡洋艦を呼び出す。
『はーい、聞こえるよ提督』
緊急時に備えて、港湾部員と共にドックで当直をする雲仙は、当然のように答えた。
「ドックの状況は?」
『私は後二十分ぐらいで出られるよ。でも、鞍馬は難しいかも。白鶴は朝までかかるって』
「了解。いつでも出れるように準備しといてくれる?」
『OK』
軽やかな返事の後、床を打って走り去る音が聞こえた。待機所から彼女の艦、“雲仙”に向かってしまったのだろう。舞は残されていた港湾部員に出港準備をお願いして、一旦通信を切った。
「一応、“雲仙”の方に通信回線を繋げておきますね」
「うん、よろしく。千尋を呼び出してくれるかな」
紀伊が器用にスイッチを切り替え、すぐに出渠予定の超巡と、現在唯一戦闘状態へ移行可能な軽巡へ、同時に回線を構築する。その内、軽巡側の回線が開かれた。舞はマイクのスイッチを入れる。
「千尋、起きてる?」
『はい、起きてます』
スピーカーを通して、落ち着いた声が返ってきた。
村雨千尋。軽巡洋艦“三瀬”を操る彼女は、常に“三瀬”艦内で寝泊りしていた。艦娘とは少し違うのだが、その辺の紆余曲折はこの際省くこととする。
「敵艦隊が、すぐ近海に確認されたの」
マイクの向こうで、千尋が頷くのがわかった。この泊地で、早期警戒を担当するのは彼女だ。“三瀬”―――千尋は、“ある方法”で深海棲艦の存在を探知することができた。しかし最近は、その方法で発見しにくい深海棲艦の出現が度々あった。
その対策を検討中に、今回の襲撃だ。彼女に、責任を感じるなと言う方が無理というものだ。
「今すぐ出て欲しいんだけど」
単刀直入、舞はきっぱりと要件を告げる。
普通、船というのは出航までに時間を要するものだ。しかしどういう技術なのか、艦娘たちの操る艦艇―――BOB(青い海の戦艦)はそういった行程をすっ飛ばして、自由に機関の起動、停止ができた。
それは、“三瀬”にも同じことが言える。『了解』と短く答えた彼女から、五分と経たずに出航を告げる報告があった。
その間に舞は、その他の支援艦を編成する。
「早風と荒風は、夜間警備から帰ってきたばかりだし・・・」
「では?」
舞は確認するように大きく頷くと、四人の艦娘の名を挙げた。
「雲仙に、奥入瀬と龍風、綾風で行こう。早速呼び出して―――」
顔を上げた舞は、期待の眼差しで自らを見つめる秘書艦に気づいた。キラキラという擬音が聞こえてきそうな表情で、可愛らしく手を合わせている。
舞は引きつり気味の、苦笑とも取れる笑みで頬を掻く。
「えーっと、紀伊?」
「はいっ!」
わー、いいお返事。
彼女には、辛い現実を突きつけなければならない。
「そのー、ほら、今回はさ?急いで行かないといけないしさ?二七ノットしか出ない紀伊は・・・」
お留守番です、ごめんなさい。
紀伊の落胆ぶりはすごかった。お預けを喰らった子犬、という表現が適切だろうか。この世の終わりでも見てきたような表情で、肩をがっくりと落とす。
「こ、今度!今度、戦闘に連れてってあげるから。ね?」
申し訳ないような、可愛そうなような、誤魔化しの意味も込めて、舞は紀伊に呼びかける。彼女は恨めしげな視線で、舞を見つめてきた。
「・・・そう言われ続けて、かれこれ一ヶ月出撃なしなんですけど・・・?」
「あ、あははは」
乾いた笑みで、やり過ごすしかない。そんな舞の様子に、紀伊は諦めとも取れる大きな溜め息を吐いた。
「・・・絶対に連れて行ってくださいね?」
「う、うん。わかった」
口だけだが、約束を交わす。紀伊は、ひとまず納得してくれたようだった。
それまで被っていた軍帽から、お気に入りのキャップ帽へ、舞は帽子を取り替える。これが彼女なりの、戦闘準備だった。引き締まった表情は、それでもどこかほんわかと柔らかく、緊張の色は見えない。紀伊はそれを確認して、作戦室のドアを開けた。
「奥入瀬たちに連絡よろしく」
「承りました。いつも通り、“紀伊”で待機していればよろしいですね?」
「うん。何かあったら連絡するから、戦闘準備だけしておいて」
「了解です」
その言葉と共に、紀伊は自らの巫女服をキャストオフ―――つまり脱ぎ捨てた。その下からは、セーラー服をアレンジした、体のラインのはっきり見える戦闘服が現れる。白い長袖の上着に、赤いスカート。手に持った扇子には、桜の意匠が施されていた。
「こちらはおまかせください」
「ん、よろしく」
舞はドックへ走り出す。その背を見送った紀伊は、警戒警報を受けて待機中の三人の艦娘に指示を出すため、作戦室へと戻った。
千尋から、戦闘突入を告げる通信が入ったのは、それからしばらくしてのことだった。
◇
弾着の衝撃が、艦橋を左右に揺さぶる。艤装に接続された体で足を踏ん張り、転倒するのを辛うじて堪えた。歯を食いしばる。栗駒は憎々しげに、左舷方向を睨んだ。
彼女の艦、重巡洋艦“栗駒”に砲撃を続ける敵艦は、距離一万二千という重巡洋艦同士の夜戦としては些か距離のある位置を航行していた。が、その砲撃は正確無比の一言に尽きた。よほど性能のいい電探を積んでいるのか、散布界の広さに助かっているものの、毎斉射ごとに命中弾が生じて、確実に“栗駒”から戦闘能力を削いでいく。
栗駒はなんとか、喰らいついていた。敵艦に遅れること二射、命中弾を得た“栗駒”もまた斉射に移行し、以後はお互いに斉射の応酬となっている。“栗駒”が八発の二○・三サンチ砲弾を放てば、敵艦から九発の八インチ砲弾が飛んでくる。水柱と爆発光、それらが複雑に入り乱れ、戦場を満たしていた。
追いつめられているのは栗駒の方だった。対二○・三サンチとして十分な防御力を持っているとは言えない“栗駒”には、敵弾が当たる度に被害が蓄積する。一方の敵艦は、“栗駒”の砲弾を被弾してもびくともしない。彼女の放った砲撃は、効果的な打撃を与えることなく、装甲に弾かれているらしかった。
斉射の間隔も、敵艦の方が早い。“栗駒”二十秒に対して、敵艦は十数秒に一回、その砲口に火炎を迸らせる。
だが、栗駒は一歩も引かない。引くつもりなど微塵もなかった。
輸送船団をかばって被弾した駆逐艦たち。彼女たちを守るのが、栗駒の役割だ。一分、一秒。彼女がここに立ち続ければ、それだけ彼女たちは逃げられる。
それに、そこまで悲観しているわけでもなかった。
―――もう少しだ。もう少しもってくれ、“栗駒”・・・!
彼女の想いに応えるように、“栗駒”がそそり立つ八門の砲身から砲弾を吐き出す。
ほぼ同時に敵弾が落下し、命中弾が打撃音を響かせる。
「・・・なにが」
両足に力を込める。
「・・・なにが、重巡か」
前甲板の破孔を睨む。
「・・・ここで踏ん張らずして、なにが重巡かっ!!」
こんなものじゃない。自らを奮い立たせる。
被弾の衝撃に耐えた“栗駒”は、再び咆哮を上げた。
いかがだったでしょうか
本編については、三つの鎮守府(泊地)を中心に描いていくつもりです
都合により、今回採用していた設定を変更するかもしれません
感想お待ちしています