ゴーレムとオーバーロード   作:NIKUYA

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めっきり暑くなってきました


石と骨と賢王

 

 

「こ、降参でござる〜!某の負けでござるよ…」

 

今、モモンさんは、ハムスターを屈服させている。

 

「なんか、うん…絵面が悪いですね。」

 

「…言わないでくださいよ、ニックさん。」

 

 

 

 

カルネ村に到着した日の午後、早速とばかりにトブの森へと向かった。

ンフィーレアさんやダインさんが薬草を採取し、他が警戒に当たる。

人数が多いことで余裕を感じ、いつもより少し奥へと入り込むと、今まで手がつけられていない薬草や毒草、キノコや花などが多く見つかり、研究に用いるンフィーレアさんや、それに因って報酬が増えると聞いた漆黒の剣の皆がほくほく顏でいた。

そろそろ引き上げるかというころ、アイリから警戒を促される。

 

「なにか大きなのが向かってきてます。…結構はやい。すぐに接敵します!」

 

「マジだぜ。こりゃあ…やべぇかもな」

 

ルクルットは地面に耳を当て、聞いた音に冷や汗をかいている。

 

「もしや…」

 

「みなさんはンフィーレアさんを護り撤退。我々が殿を引き受けます。」

 

「モモンさん、それは…いや、任せました!頃合いを見て逃げてください!」

 

「ペテルさん、なんなら倒して引きずって追いかけますよ。」

 

冗談を言えるほど余裕があると見て…実際は余裕どころか、傷つくことすらないのはほぼ確実なのだが…先の戦闘から、逃げ出すのには訳はなさそうだと判断し、撤退を急ぐ。

 

「アイリちゃんとティアちゃんの事、しっかり守ってやってくれよ!」

 

「ルクルットてめぇ、うちの子はやらねぇって言ってんだ!はやくどっかいけ!」

 

悪態を吐くニックだが、軽口を叩きながらも足元の状態に気を配って皆を誘導するルクルットの姿に、少しの敬意を覚える。

 

 

「さて、おでましかな。」

 

言った途端、ニックに向かって、しなりのある蛇のようなものが突き出される。話に聞く限りおそらくしっぽだろうそれは、狙い違わず首を串刺しにする一撃であろう。

だが、それをニックは掴み、強く引っ張る。

 

「おらよおっ!」

 

「うひゃあ!!飛ぶでござる〜!!」

 

ズドンッ!と、目の前に引きずり出されてきたそれを見て、ニックとモモンは目を見開き、驚きを露わにする。

ティアとアイリは、何か感心したようにソレを見ている。

 

「びっくりしたでござるが…ダメージにはなってないでござるよ!しかしその力に敬意を表し、いまなら見逃してやっても「ああ、もう。」いいで…ござ?」

 

その巨体の話の途中で、モモンさんがかぶりを振り、声を出す。

 

「賢王っていうから…どんなのかと思えば…よりにもよって…」

 

「逃げないのであれば!いざ尋常に、命の奪い合いをするでござるよ!」

 

「はぁ…期待したのに…」

 

ーーハムスターだったなんて。

 

「《絶望のオーラ》……lv.1」

 

モモンさんの向けた指の先から、薄黒いオーラが漂い、件のハムスターをうっすら包む。

途端、全身の毛を逆立て、尻尾を股に挟み込み、腹を向けて倒れ込む。

 

「降参でござる〜!」

 

 

 

 

 

「で、モモンさん、これ、どうします?」

 

「いや…これね……もっと無かったのかな…」

 

「結構いい子ですね。レベルは大したことないけど、目に力が溢れていて、かっこいいと思いますよ?」

 

「アイリと似た意見なのは癪でありんすが、悪くはない子でありんすね。仕草に貫禄が見て取れるでありんす。」

 

おまえら…どんな感性してんだよ。

目、クリクリでかわいらしいでしょうが。仕草、ちょこまかしててかわいらしいでしょうが。

 

「アイリ、ティア…この目とか、口元とか、かわいいと思わないか?」

 

「かわいいとは…うーん、よく見ると、愛嬌もあるような…」

 

「言われてみれば、何処となく愛らしいでありんすねぇ…」

 

よかった、割と此方側だった。

 

 

 

結局、殺すのも躊躇われた上に、忠誠を誓われたので、お持ち帰りする事となった。

でかいけど、ペットぐらいにはなるだろうということで…。

 

 

 

 

「これが…」

 

「森の、賢王……!」

 

「なんと強大な…まさに王者であるな…!」

 

「これは…逃げ果せる自信すらわかねぇかもしれねぇな…。」

 

漆黒の剣の皆に賢王をみせると、予想はしていたが慣れない反応をされた。

曰く、叡智に溢れた瞳、鋼剣すら通さないような強靭で美しい毛並み、王者の余裕を伺わせる体躯、鎧すら切り裂くような恐ろしい爪、鞭のようにしなやかで最も恐るべきであろう尻尾、との評価で。

いやいや、クリクリでかわいい目、硬いけど手触りはよくて暖かい良い毛並み、ふっくらとしてもちもちしそうなかわいい体躯、短い腕にちょこんとついた綺麗な爪、猫のように感情を見て取れる面白い尻尾…とはならないようだ。この世界の美醜感覚がわからない。強ければなんでもいいのか!?

 

「ともかく、これは支配下に置いたので安全です。一応、ギルドに登録はしておこうと思うのですが…」

 

「あ、あの…」

 

「どうしました、ンフィーレアさん?」

 

ンフィーレアさん曰く、カルネ村がモンスターに襲われなかったのは、近隣の森にいる賢王が縄張りを守っていたからだろうと。賢王がいなくなると、カルネ村にモンスターが攻めてくるかもしれないので、どうにかならないか、と。

 

「ふむ。村にいたゴーレムやゴブリンだけでも不足はないでしょうが…緊急時以外は、森で放し飼いにしましょう。今回に限り、登録のために街まで持って帰るということで。」

 

「ありがとうございます!」

 

その後は賢王の鼻や記憶を頼りに更に森の奥に行き、高価なものや研究価値のあるものなどを大量に採取した。

なお、俺たちのチームは採取には一切参加できていない。薬草と雑草の違いが全くわからないのだ。

 

(出来ないことと、出来ること。新しく学べるか、新しくできることが増えるか…いろいろ実験しないとな。)

 

あとでモモンに相談しようと思ったニックであった。




バイト受かったんでバイト代でオバロのいろいろ買おうと思います。シャルティアのグッズとかちょっと探しておきます。
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