学園都市の暗部組織の一つ、『グループ』のメンバーは地下の隠れ家に集まっていた。
「こンな時間に呼び出しやがってナンの用だァ?」
口を開いたのは学園都市の第1位
「優秀な人材を見つけた」
問いに答えるのは『グループ』のリーダー
一方通行は睨みつけるが土御門は気にせず進める。
「ま、こいつを見てくれ」
テレビのスイッチを入れると上から見下げた防犯カメラの映像が映し出される。
内容は緑色のジャージを着た少年が第4位・麦野沈利を拳で沈める場面と常盤中学が誇る第3位・御坂美琴の超電磁砲を止める場面。
「他にも色々と映像はあったが時間短縮のためこの場面だけにさせてもらうぞ」
「これはすごいわね」
驚きの声を上げるのはレベル4の
「で、こいつをブチ殺せばいいんですか?」
怒りの声を上げるのはレベル4の
「お前がレールガンのことを好きなのはわかったから落ち着け」
これは冷やかしなどではなく、海原は本当に御坂美琴のことが好きなのだ。
「こいつは多分、学園都市に捕まえられて手駒として働かさせるか実験されて能力を他の物に回されたりと色々ある」
「まぁ、普通はそうよね」
「正直言って俺はこれ以上出し抜くべき学園都市に易々と戦力を与えたくはない、多分こいつは凄まじい戦力になる。だから俺たち『グループ』がこいつを手に入れ、戦って貰う」
彼らは自分が守るべきものの為に戦い、いつか学園都市を出し抜きこうと思っていた。だから反対意見は出なかった。だが懸念は出た。
「悪党なのか?そいつは人を殺せるのか?」
「わからないな。だけど学園都市に渡るよりはマシってことだ」
「じゃあ、力づくでも引っ張ってくるか」
一方通行を筆頭に皆立ち上がる。
少年は荷物を回収して、今日は大人しくしようと思い、裏路地に入って行く。数分歩き、廃ビルの密集地帯に着く。適当な場所に腰を下ろそうと思っていた時だった。
向こうから人が歩いてくる。その人物は現代的なデザインの杖をつき、真っ白な髪に赤い目、白黒の長袖のシャツ、首元にはチョーカーがある。
「よォー、お前が第4位と3位をやった奴か?」
「バレてるのか…」
「学園都市に幾つ防犯カメラがあると思ってンだ?」
「で、なんだ?仇討ちか?それとも捕まえにきたのか?」
二人の間にピリピリとした雰囲気が漂う。白黒シャツの男は話しかけながら進んでくる。
「どれでもないなァ、要件は一つだ。俺たちの仲間になれ」
「オイオイオイオイ、なんだ急に?まずお前は誰だ?」
「一方通行、学園都市最強のレベル5って言えば、わかるかなァ?」
(マジかよ…第4位それに第3位、お次は第1位かよ…何でこんなにレベル5と会うんだ?)
心では嘆くも口には出さずに会話を続ける。
「一方通行…確か『反射』だったよな」
「あァ、そうだ。ご丁寧に調べたのかァ?」
「『レベル6シフト計画』と一緒にな…そういや俺も『レベル6シフト計画』に参加させられたな」
「結果はどうだった?」
一方通行は驚いた顔を見せるも態度は崩さない。
「一応終了はしたが変わったって感覚はなかった。それどころか研究者共の馬鹿げた実験で能力が弱体化したからなぁ」
「まァ、そんな御託はどうでもいいンだよ。返事を聞かせて貰おうか?」
「NOだ」
きっぱりと少年は言い放つ。学園都市の第1位に恐れもせずに。
「しかたねェ…力づくでも来てもらうぞォ!」
少年は逃げられるとは思っていなかった。だが勝算はあった。
「じゃあ、お手柔らかに頼むぜ」
そう言いながら歩いて近づき、少年と一方通行の距離は15m以内になった。
「作戦は回収だからなァ、殺しはしねェよ」
一方通行が杖を捨て、チョーカーに手を伸ばし、スイッチを入れる。
少年はバックを置き、地面に沈みこませる。
一方通行は脚力のベクトルを変換し、少年に襲いかかる。
少年は前に右足を踏み出し、右足を軸に後ろ回し蹴りで迎え撃つ。
狭い路地裏の壁に一方通行が吹き飛ぶ。
その直後の少年の目の前に学生服を着た金髪が現れ、少年に殴りかかる。
その後ろにはどこかの制服を着た茶髪が一方通行に駆け寄っている。
「しっかりしてください!一方通行!」
海原は一方通行の肩を揺すり、声をかける。数秒後目を覚ますが一方通行の目は虚ろだった。
彼の目にチョーカーが止まる、だがそのチョーカーには銀色の何かが付いていた。
(これは…アルミホイル?これで一方通行のチョーカーを覆い、電波を遮断した?)
慎重にアルミホイルを剥がすとようやく一方通行は口を開くことが出来た。
「すまねェ、海原」
「怪我の方は大丈夫なのですか?」
「あァ、脳を揺さぶられただけだからな」
一方通行と海原の会話の間、土御門は少年に能力を使わせる暇なく攻撃をしていた。
一方通行の復活を見ていた少年は一旦逃げるために金髪に砂を凝縮した物を投げつけ、距離を取る。
怒りに満ちた赤い目を一方通行は少年に向け、叫ぶ。
「褒めてやるよ、クソ野郎…だからさっさとくたばりやがれ!」
一方通行は完全復活し、マズイと感じ始めた時、前の5mほどの所に少年と一方通行達を遮るように、ガラスは全て割れ、至るところがボロボロの車が現れる。
そして車の後部座席の中から赤髪の女が現れ、両手のサブマシンガンを少年向かって乱射する、少年のセンサーが感知するのとほぼ同時に。が、少年の顔30㎝といったところで全ての弾丸が止まる。そして、弾を返す演算が始まってしまう。
正直言って少年は女に弾丸が当たっても仕方ないと思った。学園都市の第1位に目をつけられ、その他にも敵がいるのだから今までとは違い、焦っていた。
しかし弾丸がは少年に返ってきた。弾があたる直前で一方通行が車の上を飛び越え、弾道上に割って入り全て反射したからだ。
少年は反射で返ってきた弾をまた返すことができたが堂々めぐりになるので、向かって来る弾を横に流す。
金髪と茶髪が左右に走り出す。一方通行が地面を踏むとアスファルトがめくり上がり、少年に襲いかかるが少年は自分の手前で反射による破壊を止める。茶髪と金髪がが左右に来ていたので、飛び散ったアスファルトを使おうと思ったがコンクリートが消えた。奥を見ると赤髪の女が棒の様な物を構えている。
次なる手段に少年は左右から二人で繰り出そうとしている蹴りを妨害するため、アスファルトの壁を作り出す。次の瞬間に少年は驚いた。
(なぜ蹴りの動作を止めない?もう壁は見えてるってのに!?)
その答えは次にわかった。金髪が目の前に現れ、鳩尾と背中に鈍い痛みが走る。
(テレポートで挟み打ち?!会話もしてないってのにさっきから何度も……)
思った時にはもう目の前に金髪はおらず、その代わりに残虐な笑みを浮かべた悪魔が拳を俺に向けていた。
一方通行の拳は胸を捉え、少年を30m先の廃ビルに吹き飛ばす。その間、少年には思う所があった。
(いいなぁ。あいつら、まるで………)
それは少年が旅出てから4年間外の世界を見てから変わっていく感情の中で変わらずに自分の底にあり続け、ずっと想い、憧れ、渇望し、切望し、熱望し、望み続けたもの。
(『家族』……みたいだな……)
廃ビルの柱に身体を叩きつけ、少し血を吐き、ダメージで動けず座っている少年の目の前に一方通行、金髪、茶髪、赤髪が現れる。
「へェ、血ィ吐くくらいですンだのか?」
「ああ、身体は昔から丈夫でな」
一方通行はまた杖をついて歩いてくる。
「……なンか欲しいモンはあるか?俺はどうしてもお前を引き入れたくなった。俺に出来る範囲ならやってやるよ」
さっきまで想っていた事を無理だとわかっているのに言ってしまった。
「『家族』が…欲しい…」
少年は何馬鹿言っているんだろうかと思った。笑われると思った。だが一方通行は笑わなかった。至って真面目に提案をした。
「俺たちが『家族』になってやる。いいな、お前ら」
土御門達は一瞬驚いたが頷いた。
「よし、今からオマエは、|俺たち『グループ』は『家族』だ」
少年は驚いた。今まで望み続けたものが、一生手に入らないと思っていたものが簡単に手に入ってしまったのだ。だが数秒後には返事をしていた。
「ありがとう」
屈託の無い笑顔で答える。
他人から見たらありえないような事かもしれない、幻想かもしれない。でも少年は幻想に縋った。
その瞬間少年は『この幻想を守り抜くためたなら何でもしよう』そう心に決めた。
一方通行が倒れている少年に手を差し伸べる。
「名前は?」
「
少年・荒道 大地の人生は真にここから動き出した。
やっとオリ主の名前が出せました。
『家族』というのがコンセプトになりますがコンセプトをどこまで守りきれるかは文章力がない作者には難しいかもしれませんがよろしくお願いします。今回も読んでいただきありがとうございました。