とある魔術のグループ   作:静かな人

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多分今までで一番長い回です。「能力説明だけじゃダメだな」と思い、書いて行ったら長くなりました。グダグダしてしまった感がありますがそこはお願いします。


『虚偽地球』(ライアー・アース)

『グループ』と荒道はキャンピングカーの中にいた。

 

「『グループ』へようこそ、大地。俺は土御門元春だ」

 

学ランのボタンを全て開け、中にはアロハシャツを着て、金色のネックレスをしている土御門が自己紹介をする。

 

「僕は海原光貴です。姿も名前も借り物ですが、よろしくお願いしますね」

 

爽やかな笑みと共に自己紹介するのは土御門と真逆に、制服を着た海原光貴ーーー本名をエツァリとするアステカの魔術士。

 

「私は結標淡希。よろしくね」

 

赤い髪を後ろで二つに分け、短いスカートに桃色のサラシを胸に巻き、ブレザーを肩にかけている。

 

「でェ、オマエの能力は一体どういう能力だァ?」

 

一方通行は荒道が自分の名前を知っているのを知っていたので自己紹介はせずに気になっていた物に触れる。

 

「俺の能力は『虚偽地球(ライアー・アース)』、簡単に言えば『地球から作られた物を自由に操れる』能力だ」

 

「もっと詳しく頼む」

 

流石の土御門も説明がざっくり過ぎてわからない。

 

「まぁ、金属や岩とかは動かせるけど、プラスチックや木材はダメだ」

 

「能力の使用出来る範囲はどれほどなんですか?」

 

「普段で半径20m、集中して半径30mだ。『虚偽地球』の補助能力って言うのかな?『虚偽地球』と同じ能力範囲だと三次元的に『地球から作られた物』の動きが見える、というか演算だな。集中すれば原子一つ一つに至るまでに見える、それで人が動く時とか空気中の砂とかを押し退けて動くからそれで感知したり」

 

「なんだか滅茶苦茶な能力ね…でも常に感知してたら疲れないの?」

 

「いや、気にしなければ疲れる事はないんだ。無茶苦茶な能力って言っても能力範囲内の端に行くほど砂とかの動きの感知も甘くなるし、何より操る際の体力消費が激しいんだ。とにかく論より証拠だ、やってみよう」

 

少し考えた荒道は一方通行に話す。

 

「とりあえずだな、それで俺を撃ってくれ」

 

一方通行のベルトに挟まれていた拳銃が浮き、テーブルの上まで来ると一人でにスプリングが引かれ、撃てる状態で一方通行の手に収まる。

そしてためらい無く一方通行は引き金を引く。

 

弾丸は荒道の目の前で止まる。

 

「弾丸を止めるのは自動でなるんだよな、それでその後、弾道や威力で距離や位置を割り出して、発射口の斜め上、射撃手の頭に向かって発射されるのはほぼ自動で、今みたいに反撃は自分で止められる」

 

「それでこんな風にも出来る」

 

弾丸が真っ二つに割れ、そこから半分、半分と続き、やがて見えなくなる。

 

「融点を無視して液体にも出来る」

 

ドロッとしたものが現れ、それは様々な形を作っていく。

 

「沸点も無視して気化出来る」

 

円形の液体が途端に消える。

 

「後これだな」

 

一方通行の持っていた拳銃がドロドロになり、一方通行の手からこぼれ落ちる。

 

「オイ、大地。これ治せるンだろうなァ?」

 

「もちろん」

 

数秒で拳銃が出来上がる。

 

「原子の詰まり方まで一つ一つ覚えるてるから溶ける前と一緒だ、後は能力の応用で範囲内の電子機器のロックとかを解除できる」

 

「じゃあここらで俺たちの能力でも紹介しとくか。俺は『肉体再生(オートリバース)』、でもレベル0だから血管に薄い膜を張るくらいしかできないぜい」

 

土御門の提案で能力紹介が始まる。

 

「私の能力は『座標移動』、A点からB点に物を触れずに移動する能力よ」

 

「じゃあ、あの戦いの移動は全部淡希が一人でやってたのか」

 

「僕の能力は少し説明しがたいですね…」

 

「さっきから気になってたんだけど光貴のポケットに入ってるの…黒曜石?」

 

「はい、そうです。これが能力に関わっているんですけど…」

 

「仮の姿に黒曜石…アステカの魔術士なのか?」

 

「知っているんですか!?驚きましたね…」

 

「まぁ、一度事件に巻き込まれてな」

 

「僕のは『トラウィスカルパンテクウトリの槍』と言いまして、金星の光を黒曜石のナイフで反射させて当たった物を分解する魔術です」

 

「なかなか凄いな」

 

「魔術を知ってるんなら話は早い、俺は『陰陽術』の専門家だにゃー」

 

「あれ、でもさっき能力があるって…」

 

「その通りだにゃー。魔術を使う度に血反吐吐く羽目になるんだぜい」

 

後半話の内容がわからない一方通行が話しかける。

 

「『レベル6シフト』を受けてたっていうのは本当か?話したくない過去ならそれで言わなくてもいいぞ?」

 

少し険しい表情になった荒道だったがすぐに口を開く。

 

「いや、家族には話しておくべきことだな…」

 

荒道は今までのこと全てを話した。

 

「あー、そういやその時、水も操れたからな」

 

「水まで?!それを考えるとかなりの能力低下ね…」

 

「ああ、だからその時の能力名は『縮小地球(ミニチュア・アース)』だったからな、『虚偽地球』は研究者を殺した後自分でつけた名前だからな」

 

「オイ、大地、これだけ聞いておきたい…人は殺せるか?」

 

「無論」

 

その一言が殺せるということを物語っていた。

 

「俺たちは家族だが、仕事(殺し)中じゃあ切り捨てることも考えとけ」

 

「わかった」

 

その返事はどこか覚悟している返事であり、誰も死なせないという返事も含まれていた。その時、土御門の電話が鳴る。

電話に出た途端に土御門の顔が険しくなる。

 

「大地、お前にだ」

 

頭に?マークを浮かべ電話に出る。

 

『おはようございます。『グループ』の新人さん』

 

電話からは丁寧な男の声が聞こえてくる。

 

「あなたは?」

 

『私はあなた達の上司ですかね。仕事は私を通じて紹介させていただきます』

 

「俺は荒道大地です。よろしくお願いします」

 

『頑張ってくださいね。後日隠れ家の部屋番号と携帯をお渡ししますね。では、早速ですが仕事です。この携帯をテーブルの上にでも置いてください』

 

事務的な言葉で指示され印象は悪かったが、上司は上司、命令に従いテーブルの上に携帯を置く。

 

『皆さんおはようございます。朝早い時間帯からですが仕事です。統括理事会の一人が学園都市に反乱を起こそうとしてる動きがあります』

 

「統括理事長は何してンだか、そンな危ないやつを統括理事会に選ぶなンてよォ?」

 

『それはミスではありますが話を仕事に戻させて頂きます。統括理事会の一人が利用しょうとしているのは武装無能力者集団(スキルアウト)です。スキルアウトの主な拠点は第10学区ですがその他にも小さいながらに存在はします。統括理事会の一人は学園都市の大部分のスキルアウトに武器などを支給し、反乱を企ているわけです。そしてその協力しているスキルアウトが第10学区に集まるとの情報を手に入れたのであなた方に働いて貰おうと思いまして』

 

「その統括理事会の一人は殺さなくていいのか?」

 

土御門が真剣な声で話す。

 

『ええ、学園都市も外のことで大変なので出鼻を挫くだけで充分です。スキルアウトの集会の開始時刻は8時からです。お願いしますね』

 

そう言うと電話が切れる。続けて一方通行が前屈みになり、荒道に向かって話す。

 

「俺たちは学園都市に大切な人を人質に取られてる。そいつらを守る為に俺らはクソッタレな仕事をしてる訳だが、いつか上層部を出し抜こうと思ってる。その時には協力してくれるか?」

 

「もちろんだ。家族の大切な人は俺の大切な人だ」

 

一方通行は満足したかのように背中をソファーにつける。今の時刻は何時だろうかと思い顔を上げ、時計を見ると7時15分。

 

「まだ時間があるな…なんか作ろうか?」

 

「オマエ、料理なンかできるのか?」

 

「おう!旅してる時どんだけ料理を作ったか!」

 

「では、お願いしてもよろしいでしょうか?」

 

異論を唱える者はいなかった。

 

「じゃあ、ホットケーキでも作るか」

 

コンビニに立ち寄り、必要な物を揃えてキャンピングカーのキッチンで作る。

 

目の前には3枚重ねでメープルがたっぷりのホットケーキ。

 

「意外に上手…」

 

「とても美味しそうですね」

 

「見た目はな」

 

「その通り、普段からメイド学校に行ってる義妹の料理を食べてきたオレの舌は誤魔化せないぜい」

 

皆が見た目の感想を述べる。

 

「いただきます」

 

全員がそう言って、ホットケーキを口に運ぶ

 

(うわ、美味しいじゃない!)

 

(美味しいですね、そこらのカフェには負けない味です)

 

(うめェ…)

 

(舞夏のホットケーキに負けないふわふわ感と味だと?!)

 

思ったことを口に出す。

 

「美味しいわ。毎日食べたいくらいよ」

 

「本当に美味しいですよ。店に出してもいいくらいですね」

 

結標と海原は素直に思ったことを話すが

 

「まあまあだな」

 

「美味しいけれども舞夏には及ばないにゃー」

 

キャラじゃないやつ、認めたくないやつは素直には言っていない。

食べ終わるのとほぼ同時に車が止まり、皆真剣な顔つきになる。

 

「大地、初陣だ。気を引き締めて行けよ」

 

「おう!ビシッと決めてやらぁ!」

 

「行くぞ!」

 

作戦は四方向から、一方通行、結標、海原、土御門が攻め、集会をしている裏路地周辺を荒道の能力でビルのコンクリートの壁を隣のビルの壁と繋ぎ合わせることでビルとビルの間に壁を作り、スキルアウトの逃げ道を塞いだ後に攻撃に回る。

 

(よし、閉鎖完了!)

 

コンクリートの壁を作り終えた荒道は攻めに出る。

まず戦況を知ろうと立体駐車場に登る。二階に上がると柱の陰から20人ほど人が出てきて学園都市製の銃を発射する。

 

だが『虚偽地球』の能力範囲に入った瞬間、減速され、ほぼ同等のスピードで返され、頭を貫いていく。

二階に血だまりを作った荒道は二階に上がるところで爆弾を感知したので、解除して無力化する。

 

「ちくしょうがぁぁぁぁ!!」

 

起爆スイッチを持ったスキルアウトが爆弾が起爆しないとわかると銃を発射するが先と同じように返され、死ぬ。それを皮切りに柱に隠れていたスキルアウトが散り散りに逃げていく。

 

「逃がすか」

 

冷たく言い放った荒道の周りにはコンクリートの氷柱があり、数はスキルアウトの人数と同じ、弾丸と同等の速さで射出されたそれは確実にスキルアウトを殺していく。

 

屋上に上がると当たりから黒煙が見えるがビルなどが多いせいで敵はあまり見えないので屋上の縁に足をかけ飛び降り、空中に浮いている砂を操作してほとんど衝撃なく着地する。

 

機械音が聞こえてきたのでその方向を見ると数人のアンチスキルと一台の大型兵器。ずんぐりとした四足に赤い目が付いている少し盛り上がったボディー、その上には何かの発射口が二つ、またボディーの下には銃身が三つで一組のガトリングガンが二丁。

 

「やっちまえ!!」

 

アンチスキルの声に数秒遅れて赤い目が荒道をロックする。謎の発射口に紫の光が溜まる。

 

(レーザーかよ…!)

 

アスファルト程度では防ぎきれないと判断した荒道は横のビルに飛び込む。

 

「凝縮ゥ!凝縮ゥ!コンクリートを凝縮ゥ!」

 

ビルのコンクリートを操り、10mの槍状に限界まで固め、加工してから外に出る。 その瞬間にガトリングガンが回転し弾丸を発射するが範囲に入った瞬間に減速し、止まり、跳ね返るが大型兵器はそれだけで壊れるほどヤワではなかった。

 

槍を能力範囲圏内ギリギリまで持って行き、荒道自身も右足を後ろにした半身で右手を後ろにする。

 

「せいあぁぁぁぁぁ!!」

 

雄叫びと共に右手と右足を前に持って行き、キッチリ60mの加速を終えた槍が飛ぶ。

時速1000㎞まで加速された槍は簡単に大型兵器を貫き、つき当たりのビルを突き破ってから停止する。周りのスキルアウトは爆風に巻き込まれて血を流し、死んでいる。

 

(疲労感がない?)

 

今までの荒道はあんな事をすれば息が切れたがそうはならなかった。荒道はこう考えた。

 

(家族ができたから?今まで自分を悩ませ続けたものが手に入ったからか?)

 

これは精神が肉体に影響を与えていたのではないかという推測だった。少し考えてもわからなかったので仕事に戻る。

 

 

 

結標は順調にスキルアウトを殲滅していた。路地裏の中でも広い道に出て、横を見るとスキルアウト5人が集まっている所を見つけた。

 

(お次はあいつらね…!)

 

獲物を見つけ走って行く、スキルアウトも結標に気づき縦一列に並び、銃口を向ける。

結標はこの時近くにある物を銃身に差し込み銃を使えなくしようと思っていた。

軍用懐中電灯を構え、能力を使おうと思ったその時、頭に痛みが走る。

 

(うぐ…!この音は…一体…!)

 

走っていたのが歩きに変わり、遂には耳を押さえたまま座り込んでしまう。

 

「キャパシティダウンだったか?!スゲェな!」

 

スキルアウトの笑い声が途方もなく嫌な音に乗って聞こえる。

 

(キャパシティダウン…!何て物を渡したのよ!)

 

「じゃあ、早めに死んでもらうぜ!」

 

アサルトライフルを構え、狙いを結標につける。

 

(やばい!このままじゃ!死…)

 

恐怖で目を瞑ってしまう。

ガガガン!結標の耳に弾丸が金属に当たる音がした。恐る恐る目を開くと金属製のドアを盾に自分を守ってくれている荒道がいた。

だが金属製とはいえドアにはいくつか穴が空いていて、荒道の足元に血が落ちている。

 

「淡希、大丈夫か?!」

 

焦った顔で荒道は結標を心配する。

 

「私より、あんたよ!大丈夫なの?!痛くないの?!」

 

逆に心配する結標に対して荒道は笑顔で言う

 

「大丈夫だ。痛みなんて『家族』の事を思えば感じさえしない」

 

荒道は能力者のはずなのにキャパシティダウンによる頭痛などまるでないようにドアを投げ、二人のスキルアウトを巻き込み、驚いている間に急接近し、回し蹴りでスキルアウトの首を折り、そいつの銃を奪って躊躇いもなく乱射し、ドアに巻き込まれて倒れたままでいる二人にも容赦なく弾丸を撃ち込む。

 

「淡希、この音どうやったら止まるんだ?」

 

驚いてボーッとしていた結標が慌てて答える。

 

「と、と、止め方ね!…近くに機械があるはずだからそれを壊せばいいはずよ」

 

「そうか、じゃあこっちだな」

 

そう言って壊れた窓からビルに入り、銃声が響くとキャパシティダウンの音も止まる。

 

結標は今まで荒道を利用してやろうと思っていた、それはグループ全員思っていることだった。だけど今ではこう思っていた。

 

(『家族』として…認めてあげるわ…)

 

 

そのあとは特に問題はなく、スキルアウト殲滅作戦は終了した。荒道はコンクリートの壁を撤去するために走り回っているためこの場にはいない。

 

「さぁ、帰るぜい!」

 

「さっさと帰って寝てぇ」

 

「今日は早かったですからね」

 

皆帰るムードの中結標が提案する。

 

「ねぇ、大地の歓迎会でもしない?」

 

「歓迎会だァ?」

 

「せっかくだし、どう?」

 

「俺は賛成だにゃー」

 

「僕もです」

 

「まァいいが、主役が…おっと来たみたいだな」

 

歩いてくる荒道のジャージに穴が増え、血がこびりついている事に気づく。

 

「なァ?アイツ歓迎会より病院連れて行った方が良くないか?」

 

「ああ、あれは…その…」

 

「結標さん、何か知っているんですか?」

 

「その…キャパシティダウンで動けなかった時に助けてくれて…」

 

何故かもじもじしながら答える。

 

「身体中に穴が空きまくった訳だにゃー」

 

「皆どうしたんだ?」

 

「痛くないんですか?その傷」

 

結標同様、心配して聞くが答えは変わりなかった。

 

「全然!ホントに痛くない。生まれて初めて撃たれたけどそんなに痛くないんだなぁ…って皆どうしたの?」

 

「オマエの身体どうなってンだと思ってな…こりゃ脳神経科に連れて行くべきだな」

 

「酷いぜ、一方通行!」

 

「冗談だ、冗談」

 

「そうそう、これからお前の歓迎会しようと思ってたんだにゃー。どこか行きたい所はあるかにゃー?」

 

「いいのか!?じゃあ……」

 

 

 

その後荒道は同じジャージに着替え、場所は超がつくほどの高級焼肉店に決まり、大地以外の割り勘で支払われる事になった。

それぞれ話しているとこんな話になった。

 

「そういや、一方通行以外制服だけど………淡希は制服を着てるって言っていいのか?」

 

「着てないに一票」

 

「僕もです」

 

「俺もだにゃー」

 

「確かに淡希はスタイルいいけどさ。そんなさらし巻くスタイルで強調しなくてもさ…」

 

ジーッと皆が見るので結標は胸を隠し

 

「そ、そんなに私の身体が気になるって訳?やっ、やっ、やっぱり男は野獣ね!」

 

強がって言っていることが喋り方に出ている。

 

「勝手に言ってろ。初めて会った時は敵同士だったって言っただろ。あの時は『なンだ!なンだよ!なンですか?!どンだけファンキーなファッションしてンですか?!』ってなったな」

 

「僕も初めは『痴女なのか?』と思いましたよ」

 

「痴、痴女って…!?違う!絶対違う!!」

 

顔を赤くしテンパりながらも否定する。

 

「家族でもそれは言っちゃダメだろ。爽やかイケメンが言うとなんかキツイな…」

 

「まぁ結標のファッションはともかく、何を言おうとしたんだにゃ?」

 

思い出したように喋り出す。

 

「皆んな学校行ってんのかなぁ?って思って」

 

「多分この中じゃ俺だけだぜい…」

 

「僕は行く事は出来ますが本物の海原光貴に会ったら大変ですからね」

 

「私は籍だけは霧ヶ丘高女学院に置いてるわ」

 

「俺も長点上機に籍だけはなァ」

 

「そうか…なぁ元春!俺もお前と一緒の学校に行きたい!」

 

「うーん…まぁいいぜよ。これが俺からの歓迎祝いだにゃー!」

 

「ありがとう!元春!俺、一度学校に行ってみたかったんだよな」

 

「そうだ、じゃあ寮に住むといいぜよ!学園都市の学生はだいたい寮生活だぜい!」

 

「それに頼むぜ!」

 

「よし、ならこの俺っちが直々に手配してやるぜよ!」

 

「さすが元春!」

 

数回の会話で学校に行く事に決まった荒道、土御門が少し席を外し、帰ってきたら、部屋は決まり、家具一式や学生手帳などがもう部屋に運び込まれているらしく、入学手続きも済んでいるので後は明日制服を買いに行き、明後日から登校になるらしい。

学園都市の暗部なんでもできるんだなと荒道は思う。

 

その帰り道は荒道と同じ寮のはずの土御門は用があるとかで何処かに行き、一人で帰る道は夕焼けが照らし、日が沈みかけていた。

 

荒道が近道をしようと路地に入った時向かいにいた少年が数秒少年を見て叫ぶ。

 

「見つけたぞ!」

 

少年は茶髪にジャージの上、ジーパンを着ている。

 

「……誰だ?」

 

荒道が?マークを浮かべいると少年が話し出す。

 

「俺は 浜面 仕上(はまずら しあげ) だ!お前が麦野達をやったんだろう!」

 

「俺は荒道大地だ。麦野…第4位なら俺がやった」

 

平然とした口調に怒ったのか浜面の声が大きくなった。

 

「あんなにしなくてもよかっただろうが!絹旗なんか…震えて、怖がってたぞ!」

 

隠れ家で酔って寝ていた浜面が物音で起きた時に目に入ったものは酷かった。煤だらけで所に怪我をしてる滝壺に支えられて学園都市のレベル5麦野沈利が苦しそうに腹を抑えながら部屋に入ってきて、それに続いて滝壺と同じ様な状態のフレンダに励まされながら、いつもの元気な様子はなく、ガタガタと震えている絹旗が入って来る。

喋れる滝壺とフレンダに事情を聞き荒道の特徴を教えてもらい、探し回って、見つかり、今に至る。

 

「なら、それはすまなかったと伝えてくれ」

 

「そんな事を聞きたいんじゃねえ!」

 

「なら俺は何をすればいい?」

 

浜面は解答に詰まった。何故なら浜面がここに来た理由がスキルアウトの仲間と慣れない酒を飲み、二日酔いでその場に居合わせる事の出来なかった罪悪感だったからだ。探し回っていたのはそれを埋め合わせるに過ぎない。

それを今自覚した浜面の口から出るものは無い。

 

「はぁ…仇討ちか?なら一発俺を殴れ。全力でだ。それで俺が沈まなければ反撃させてもらうぞ」

 

「……ッ!うおおぉぉぉ!!」

 

初めは戸惑ったものの叫びながら殴りかかる。浜面の拳は荒道の顔面を捉えた。荒道は避けるのはもちろん、バランスを取ろうともせずに後ろに倒れこむ。

 

「そんなもんか…じゃあこっちから行くぞ」

 

鼻から少し血が出ている位ですんでいる荒道は起き上がり、約束通り反撃の拳を腹に打ち込む。

 

「手加減はしといたから帰れるはずだ」

 

腹を抑え、うずくまり、顔を痛みに歪ませながらそれでも浜面は荒道に向かって手を伸ばす。

 

「お前は仲間の為に仇討ちに来るイイ奴だ…だけど力が足りない」

 

無能力者の浜面に対してキツくも的確なアドバイスをして荒道は路地を歩いて行く。




最後の浜面の扱い少し酷かったかなと反省しています。多分次はかなり短くなるかと思います。今回も読んでいただきありがとうございました。
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