この話を書いていると頭がおかしくなりそうです。恐るべしダンまち……!
たっぷりとベートきゅんの獣耳を堪能した後、ショタおっさんに無理矢理ファミリアに云々、ごめん云々、君のステータス云々、何やら難しい話をされたが忘れてしまった。まぁ、些細なことだろう。
一応居候の身なので何かすることはないかと聞くと今日は何もしなくて良いから、オラリオでも歩いてみたらどうかな、とショタおっさん。
ベートきゅんを連れて行っても獣耳ですか?
「ぜってぇ嫌だ!」
ダンジョン攻略に連れていくとか何とかでお許しがでなかったので一人ぶらつくことにした。
――嗚呼、獣耳
外には獣耳が沢山いた。ここは天国か。俺は死んだのだろうか。
もしくは死にかけている俺が作り出した幻想か、獣耳か……。
「そこの黒い服のお兄さん! ジャガ丸くん食べてかない?」
呼び止められ、その店に近寄ってみる。店頭に並べられたそれはどこかで見たことのある食べ物だった。デパートとかに並んでた気がする。名前にいたってはコンビニで見たことある。
「……あの店、俺と同じく日本人が経営しているのではなかろうか」
ショタおっさんにお金は貰っていたので購入。この懐かしい味、そして日本っぽいネーミング。多分、何かしらの使命にかられたジャガ丸くん信者なのだろう。いつか会えると獣耳。
そして町の獣耳を眺めながらボーっとしているとベートきゅんが迎えに来てくれた。
「てめぇ、いつまで出歩いてんだ! このボケが!」
意味わかんないと回りを見渡すと真っ暗。気が付けば夜になっていた。
確かジャガ丸くんを食べたのは昼前だから……獣耳恐るべし。
「ベートきゅん、心配して探しに来てくれたの?」
「心配なんてするわけねぇだろクソが!」
赤面してそっぽ向くベートきゅんマジ獣耳。獣耳して獣耳したい。獣耳。
このあとショタおっさんにやんわりと怒られた。心配させるのはいけないよね。御詫びにお土産に買ったジャガ丸くんを渡しておいた。
「……じー」
「はい、アイズちゃんも好きなのどうぞ」
もきゅもきゅと頬張るアイズちゃん。獣耳だったらどれだけ獣耳ったことか。頭撫でてたら生えてこないだろうか。無理か。
「もう一個」
「何個でも良いよ。ベートきゅんは食べ――」
――る? と聞こうとしたところで持っていた紙袋から重みが消えた。おそるおそる中身を見ると見事に空。
目の前には口周りにいっぱいジャガ丸くんの食べ滓をつけ、頬を膨らまして“もきゅもきゅ”してるアイズちゃん。
十個以上残ってたと思うんだけど、今の一瞬で食べたのね……。アイズちゃん恐るべし。
「……じー」
「……これ、食べかけだけど」
「……良い」
「……どうぞ」
でも人の食べかけを狙うのは良くないと思うの。可愛いから良いけど。
「まーでも、食べられなかった悲しみと、愛するアイズちゃんの幸せな顔を見れた幸せと、俺の食べかけをアイズちゃんが食べて間接キス的な場面に嫉妬して百面相するベートきゅんが一番獣耳だけどね! 獣耳! ベートきゅん獣耳しても獣耳?」
「ばっ! 馬鹿なこと言ってんじゃねぇえええ!? べ、べべべべ別にアイズのことなんて……」
チラッとアイズちゃんの方を見るベートきゅん。そして目が合いこてんと首を傾げるアイズちゃんにベートきゅんは赤面して、俺に罵倒を浴びせそのまま逃走してしまった。
「馬鹿野郎ォオオ!」
ベートきゅんマジ獣耳。
「……もう、ない?」
「そんな悲しそうな顔されたらお兄さん良心痛んじゃう」
「……ジャガ丸くん」
獣耳があったら思わず飛び出して店ごと買ってしまいそうな勢い獣耳。
「ナナイ
翌日貰ったお金を叩いて買い占めてやった。アイズちゃんは喜んでいたが、俺はその笑顔と引き換えにショタおっさんに酷く怒られた。
説教のあと、今度はベートきゅん用にとっておいたジャガ丸くんをあげたら
「別にいらねぇよ!」
とか言いつつ“もきゅもきゅ”して尻尾を振っていた。マジ獣耳。
――ジャガ丸くんおいしい、ジャガ丸
――ナナイマジ、ジャガ丸
――ジャガ丸くんマジ、ジャガ丸
アイズの中で何かがジャガ丸した。
ジャガ丸くん、おいしいジャガ丸