しかし短い。短すぎる。でもプロローグ的なものと考えれば良いよねてへぺろ獣耳。
加えて獣耳成分も少な目かもしれません。
獣耳。
――迷宮都市オラリオ
数多の種族、数多の神がその地に根を下ろしていた。
強さを望み、一攫千金に憧れ、夢を追い、出会いを求め――英雄を目指し、多種多様の、それこそ無限の思いを胸に彼ら彼女らは今日もダンジョンへ挑む。
「良い獣耳日和だ」
そして彼、最強と並ぶレベル七の男、ナナイ・ナナセは獣耳を求め今日もオラリオをいく――
レベル七、ナナイ・ナナセとスリーセブンのラッキーセブンになってから数年。
小さかったベートきゅんも立派なイケメンになってしまい、ジャガ丸くん、ジャガ丸くんと懐いてくれたアイズちゃんも可愛いから綺麗の似合う少女になり、褒めたり獣耳ろうとしたら顔を赤くして殴り飛ばしてくるティオナちゃんも――あぁ、いやティオナちゃんはそんなに変わってないや色々と。
兎も角、結構な時が過ぎた。
かくいう俺も気が付けば成人。堂々と暖簾をくぐれる歳を二つ三つ程上回っている。オラリオ延いてはこの世界にはそういう暖簾はないのだが。厳密に言えばあるのはあるがレベルが低すぎた。
うん、わかってた。この世界の技術水準からそうなのはわかってた。
でも全然大丈夫。俺には獣耳がある。獣耳があるもの。大丈夫。全然大丈夫。だって俺は獣耳を――
「「――愛してる」」
声が重なったのでそちらに顔を向けるとアイズちゃんが頬をジャガ丸くん膨らませながら“もきゅもきゅ”していた。
やはり、ものは違えど何かを愛する者同志。愛を溢すタイミングもバッチリだ。
「……」
「……」
何やらベートきゅんとティオナちゃんが呪い殺すような視線を俺に向けているのは気のせいだろう。
「どうしてダンジョンなのにジャガ丸くんを持っているのかは置いといて……あの数だ、アイズ、君も行ってきてくれ。ベートとティオナもだ」
「チッ……」
「はーい」
「……わかった」
「ナナイは……取り合えずミノタウロスを撫でに行こうとするのやめようか」
そして現在、ダンジョンにいた。
大量のモンスターに囲まれたり、【無限の獣耳】と【獣耳強化】を利用してファミリア皆が獣耳なって幸せだったり、獣耳モンスターが殺されて悲しかったり、服どころか武器まで溶かす液体を吐き出す虫が出てきて遠征が中止になったり、云々があり今は遠征帰りの真最中である。
そして訪れるミノタウロスの群。獣耳が獣耳に獣耳で獣耳である。
――諸君、獣耳だ
「ああ! ミノたんが……!」
そして葬られていくミノタウロス達。俺の制止の言葉届かず消えていく。離せ、ショタおっさん。
獣耳ぃ!
【獣耳化】も発動できずに俺はその惨劇をただただ見つめることしかできなかった。
目を反らしたくなる。いや、せめて俺だけでもミノたん達を看取ってやらなくては……!
ミノたんの断末魔を聞きながら己の無力さを痛感させられる。
「獣耳……」
しかし俺の嘆きが届いたのか、チャンスが訪れる。
「追え!」
蹂躙されていくミノたん達はついに逃げ出した。珍しい光景に緩んだショタおっさんの拘束から逃れて駆け出す。
――一匹だけでも守ってみせる!
「天槍クルマルス、輝力武装形体スカイヤー」
頭にリス耳、召喚したマスケット銃を空飛ぶ絨毯に変形させ飛び乗る。
目指すはミノたん、獣耳は俺が守る……!
「あの……大丈夫、ですか?」
無念、時既に遅し。
ミノたんは先行していたアイズちゃんによって真っ二つになっていた。
未だに制御できない【獣耳化】を使って来たのにこんなのあんまりだ……。
しかしそんな絶望を晴らすように希望が目には入った。
「だぁあああああああ!?」
走り去る少年。
文字通り真っ赤に体を染め、トマトのようになっている少年。
それでもわかる。所々から覗かせる白髪、そして被った血と同じ真っ赤な瞳。
――きっと兎耳が似合うに違いない
帰ったらあの少年を探そうと俺は心に決めた。
項垂れるアイズちゃんとは対称的に俺は喜びに満ち溢れていた。
普段も短いですが余計短いです。
そしてベルくんを書けなかった。原作に入れば書けると思っていたのに……。
次回こそベルくんを書けるはず……!
天槍についてはドッグデイズを検索検索! 能力どころか武器まで出しちゃうナナイ、そんなんチートや! ベーターのチーター、ビーターや!
今後も獣耳お願いいたします。