追記:時間が素晴らしいことになってましたね。すみません<m(__)m>
私が戦車に乗る理由は、憧れの存在でもある母、東条みほ(旧姓西住みほ)が乗っていたから。それだけの理由で私は小学生のころからずっと乗り続けてきた。
今年の春に私、東条うみは母の出身校でもある大洗女子学園に入学したのです。
春が過ぎ去り、暖かい季節がやってきた。
そんなある日。大洗で一人暮らしの新生活がスタートしたばかりだというのに、いつものように私を起こす声がうっすらと聞こえてくる。
「うみ様。お時間です」
まだ寝足りない頭の中を必死に覚醒させ、声の主を確認する。
「……起こさなくていいって言ったじゃんか」
「そうはいきません。現にもうすでに目覚まし時計はなり終わっているのですから」
私が目覚まし時計になるように設定した時間は7時丁度。で、現時刻は7時2分。鳴り終わって1分しかたっていない。
「気にしすぎだよ」
「ほら、早く起きてください。せっかく朝食を作ったんですから」
私は気だるいまま体を起こす。
私を起こしてくれたのは、小学1年生のころから世話を焼いてくれている拓海という男の子。私と同い年だというのに、私よりかなり大人びていて、頼りになる男性である。私は、親しみを込めてタクと呼んでいるけれど、彼は私のことを様付けて呼んでいる。正直言ってやめてほしい。ほかの人に聞かれていると思ったら結構恥ずかしいから……。
「いただきまぁす」と眠気の冷めないまま合掌し、朝食を取る。
タクは、私が一人で大洗に移るといった時、自分もと言って聞かなくてしまいには、料理の練習を勝手に始めてしまった。先に心が折れたのは私のほうで、結局一緒に来ることになった。まあ、部屋は別にしてもらったけど、タクのほうだけ私の部屋の合鍵を持っている。
「……しょっぱい」
「以後気を付けますね」
私の愚痴に応えながら、今日の支度をしてくれている。
一通り食事を済ませた後、タクに「着替えるから出て行って」と言って部屋から追い出した。
私は宣言通りに上着を脱ぎ、簡単にセミロングの黒髪を束ねる。
お母さんと違って黒髪の私は、なかなか娘だということを一目でわかってもらえない。対して、血縁関係のない拓海が息子ではないかと間違われる。確かに髪の色はお母さんと同じで柔らかい色合いだけど、似ているとは思えない。
制服に袖を通し、用意されたバッグを肩にかけ部屋を出る。外には時間を気にしながら待っている拓海がいた。
「それでは行きましょうか」
「うん」
何かいつもと違うような違和感を覚えながら私たちは学校へと向かっていった。
学校の前まで来た時にようやくその違和感の原因が理解できた。
「いつも家の前でわかれるのにどうしてここまで付いて来てるの?」
「いえ、茅野さんに来てくれと頼まれまして」
「なんで隊長がタクを……」
歩みを進めながら会話していると、校門前で隊長である茅野先輩が腕を組んで待っているのが見えた。
「おはようございます」とタクと二人で挨拶をすると、茅野先輩は「やあ」とフラットに挨拶を返した。
戦車道で隊長を務める茅野先輩は、ふんわりとした柔らかい長髪にすらっと身長も高く、私よりも女性らしい。
戦車道を選んでいる人、特に後輩には彼女に恩がある人は少なくない。私もそのうちの一人で、それは戦車道の期待の新人としてもてはやされていたころにあった、高校生になって初めての試合中に問題が起きて、助けてもらったことがある。
「すまないな。呼びだしたりして」
「大丈夫です。確認ですが、うみ様に関係のある要件なんですよね?」
「ええ。うみ、ちょっと借りて行くわね」
「あ、はい。わかりました」
茅野先輩とタクはそこで私と別れて、私は一人で自分の教室へと向かって行った。
朝のホームルームが始まって、担任の先生がいつもと違うことを言い始める。
それは、今日から転校生が入学してくるという話だった。まだ一年生なのにどうしてと疑問の念は抱いたけど、いったい誰が来るのだろうという好奇心に疑問は端のほうへと追いやられていた。
「それじゃあ、入ってきて」
先生が教室の外へと声をかけると入ってきたのは、細めの体に手入れをされていないのかぼさぼさになった茶色の長髪。気だるそうな目に、一つ大きな欠伸をする。
「西住まゆでぇす。よろしくう~」
気だるそうな顔のまま、面倒そうな声で彼女はそう自己紹介した。
前のほうを呼んでくれた方は分かったかと思いますが
名前は適当というか、まあ……
思ったより長くなりそうだったので、何分割かして投稿しようかと思います。
それでは、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします