黒子のバスケ~隠れたキセキ~   作:うたまる♪

11 / 11
久しぶりの投稿!

みなさん長らくお待たせいたしました!


11Q

「大丈夫かシゲ?」

 

 

「ああ、問題ない」

 

 

荻原は千石の手を掴み立ち上がる

 

 

「ゆっくりしている暇はないぞ?」

 

 

「わかってるさ」

 

 

今こうして二人が話している間にも帝光はゾーンプレスの準備に取り掛かっている

 

 

「先にバテるなよ恭一!」

 

 

「シゲこそ俺の足引っ張んなよ!」

 

 

二人は拳をぶつけ両サイドに別れる

 

 

「千石!」

 

 

スローインの持田が千石にパスをだす

 

 

それと同時に逆サイドの荻原と一瞬のアイコンタクトを行う

 

 

「どりゃ!」

 

 

千石は青峰と黄瀬の間を強引に突破しようとするが、そんな事を二人が許すはずがない

 

 

「舐めてんじゃねぇぞ!」

 

 

「こんなとこ流石に突破できないっスよ!」

 

 

勿論、千石もそのようなこと重々承知の上だ。元よりこんな密集地帯を突破する気などありはしない。千石の本来の目的は唯一つ

 

 

意識の誘導だ

 

 

黄瀬と青峰の間を突破しようとした千石の手には既にボールはなく、先程まで千石が居たポジションにボールは投げられていた

 

 

その事実を青峰と黄瀬は知る由もない

 

 

何故なら彼らは密集地帯にいる上に千石の身体によってボールを隠されているからだ

 

 

そして逆サイドからは走り込んできた荻原がボールを受け取りそのままサイドラインギリギリの端を走り抜ける

 

 

青峰と黄瀬はそれに気が付くがそれは遅すぎた

 

 

進行方向とは逆向きで、更にすでに加速している相手に此処から追いつくことは不可能だ。例えそれがキセキの世代最速を誇る青峰であってもだ。荻原はフロントコートからボールを運び込みアウトナンバーの状況を作り出す。バックコートにいるのは赤司と紫原二人のみである。だが例えアウトナンバーだったとしてもこの二人からゴールを奪うことはできないだろう。かたや未来を見通す眼とかたやスリーポイント内全てが守備範囲を持つプレイヤー達だ。並大抵の相手なら相手にもならないだろう

 

 

だが荻原はその並大抵の部類には属さない才に恵まれているプレイヤーだ。だがそれでもキセキの世代には届きうらないだろう

 

 

――――――――それが一人なら

 

 

「シゲ!」

 

 

黒谷は荻原にパスを要求する。荻原は黒谷の声を待っていたかのように即座にパスを出す

 

 

「おっしゃ!」

 

 

黒谷はそこから勢いよく赤司に突っ込んでいく

 

 

「身の程をわきまえろ」

 

 

赤司は天帝の眼(エンペラーアイ)を使い先読みを行う。そして赤司は顔を顰める

 

 

黒谷は赤司の守備範囲に入る瞬間に再度にいる持田にパスを出す。そこからそのまま赤司に対してスクリーンを掛け妨害を行う。これで持田に赤司のマークが行くのに時間が稼がれる

 

 

持田は一度ドリブルをつきレイアップを行う。それに対して反応するのは紫原だ

 

 

だがそんな紫原の行動を妨害する者がいた

 

 

「こいつ!」

 

 

片山は紫原にヘルプに行かれないようにスクリーンを掛ける。勿論、片山のパワーでは紫原の足止めなどほんの一瞬しかできない。だがその一瞬があれば十分だった。持田は危なげなくレイアップを決める

 

 

85-91

 

 

再び6点差に戻す明洸

 

 

しかし、状況が悪かった

 

 

「真太郎!」

 

 

早くもリスタートをした帝光の速攻に4人は対応することができずにロングパスを見送ることになる

 

 

前面にいるのは青峰、黄瀬、緑間の3人だ

 

 

それに対して明洸は千石1人しかいない。如何に千石と言えどこの状況は手に負えない

 

 

だからこそ千石は一種の伏線を引き、自分の考えに賭けることにした。そしてそれは功を奏した

 

 

「待ってました!」

 

 

緑間にボールが渡った瞬間、千石は躊躇いもなく緑間のマークにつく。背後にいる青峰や黄瀬を放置しスリーポイントラインに立つ緑間のマークにつく

 

 

それに対して青峰と黄瀬はノーマークにされた不快感を抱くが、緑間はちょうどいいと感じていた。ここで再び勝負し、自分が千石に勝つことによって緑間と千石の決定的な格付けが決まることになる

 

 

目の前の相手は潜在能力を全て解放している

 

 

対して緑間はその境地までたどり着けていない

 

 

緑間はそんなこと関係ないと言わんばかりにシュートモーションに入る。本来なら緑間は此処でパスを出すべきであるだろう。だがそれは彼のプライドが許さない。一度下した相手から逃げるという事は彼のプライドが許さなかった。客観的に見てこの状況で青峰や黄瀬にパスを出すことは逃げでもなんでもなく適切な判断だろう。しかし、それは普通のチームで合ったらの話だ

 

 

彼らキセキの世代にチームプレイなど存在しない。どのような状況でも自らの身一つで乗り越えてきたのだ。それが今になって少し不利な相手がいると言う理由で逃げるなど、緑間には許せなかった。なにより人事を尽くしていない青峰や黄瀬にパスを出すなど緑間からしたら論外だ。だからこそ彼は此処で勝負することを選ぶ

 

 

例えそれがどんなに勝率が低い事であったとしても

 

 

そしてその考えは千石の予想通りであった

 

 

千石はあえてドリブルを多くつく青峰と黄瀬よりに位置し、緑間にボールが渡るように調整した。そして案の定緑間にボールが渡り、再び千石と対決することになれば緑間は純粋な格付け勝負を挑むと考え千石は緑間に躊躇いもなくマークについた。案の定緑間はフェイクなしの直球勝負を挑んできた。それは今まで磨き上げてきたスリーポイントを破られるはずがないと言う自信でもあり、緑間の矜持でもあったのかも知れない

 

 

しかし、それは今緑間にとって悪手であった

 

 

目の前の相手は緑間の想像を超える領域に踏み込んだ相手だ

 

 

その領域は今の緑間には未知数

 

 

だからこそこの結果は必然だったのかもしれない

 

 

緑間のシュートモーションに対して千石は下から救い上げるかのように飛び上がる

 

 

緑間は構わずリリースしようとするが、千石は下からボールを弾くように手を振り上げる

 

 

その結果、ボールは緑間の手から離れ、リリースする前に二人の上空に投げ出されることになった

 

 

「なっ!?」

 

 

緑間は自身の最高の武器である超高弾道スリーをいとも簡単に止められたことに動揺する

 

 

緑間の身長は決して低いことはなくどちらかと言うと高身長の部類に入る。その高身長かつ長い手から放たれる打点の高いシュートは並大抵の相手には届くことすらできない必殺の武器である。そのシュートは紫原であっても簡単には止めることができない代物である

 

 

しかし、これには弱点がある。いや、弱点と言うほど大きなものでもないだろう。それは必ず一定のリズムによって放たれるという事である。緑間はシュートの成功確率を上げるために常に一定のリズムで、決まった打点で、決められたルーティンでシュートを放つ。それこそあらかじめプログラミングされた機械の様に。これは緑間にとってシュートを確実に決めるために人事を尽くした結果であり、並々ならぬ反復練習によって可能にしたことだが、それは言い換えると緑間は、クイックリリースやタイミングをずらすシュートを使わないという事だ。つまり他の事を考える事もなく、緑間のシュートのタイミングを簡単に合わせることができるという事をさしている。つまり、今のゾーン状態に入り情報処理能力が向上している千石にはタイミングを合わせるなど造作もないという事だ

 

 

シュートを弾かれたことに驚く緑間をしり目に千石は再びジャンプし、ボールを確保する

 

 

「おし!」

 

 

呆然とする緑間、緑間はボールを奪われたと認識するや否、千石の前に立ちふさがる

 

 

「ここは通さん!」

 

 

ここで緑間が千石からボールを奪取することができれば、緑間は持ち直すことができるだろう。だが、逆にここで抜かれることがあれば緑間個人の問題ではなく、試合の流れ自体に影響が出る

 

 

だが、千石はわざわざ緑間の相手をする気もない

 

 

千石は再びノーモーションパスを繰り出し、ゴール下にいる方山にパスを渡す

 

 

目の前にいた緑間本人は勿論、紫原も反応することができず対応が遅れる

 

 

「ナイスパス」

 

 

片山は危なげなくシュートを決める

 

 

87-91

 

 

これで点差は4点差に縮まった

 

 

「またしても逃げるのか!」

 

 

あの状況でパスを出した千石を激しく睨め付ける緑間。それに対して恭一は特に気にした様子もなく

 

 

「逃げて悪い?」

 

 

皮肉を投げつける

 

 

緑間も皮肉を投げられたことに顔を歪める。事実あの状況での勝敗は千石に軍杯が上がった。あの状況で千石が緑間と対峙しなければいけない理由など、少したりともないのだ。それでも緑間は千石が勝負を挑んでこなかったことに納得ができなかった。緑間も千石の判断が正しかったことはわかっている。ただ、頭では理解していても、心が納得できていないのだ

 

 

「ここからが正念場だ!気合入れなおすぞ!」

 

 

『おう!』

 

 

千石の激励に4人も気合を入れなおす

 

 

「あ~もぉ!ボール貸して赤チン!」

 

 

紫原は半ば強引に赤司からボールを受け取りドリブルを始める

 

 

「こいつCのくせしてドリブルもつくのかよ!」

 

 

「あの巨体であのドリブルか」

 

 

持田と片山が驚く

 

 

千石も流石に紫原がドリブルをつくなど予想しておらず少なからず動揺している。今まで試合を見たが紫原が自らドリブルを突き運んでくることなど今までなかったからだ

 

 

「囲め!」

 

 

ハーフラインを越えてからようやく正気に戻った持田から指示が出されるがそれは遅かった

 

 

「邪魔!」

 

 

紫原はその巨体に似合わず細かなドリブルチェンジを行いフィジカルのみで持田と黒谷を突破する

 

 

「行かせねぇ!」

 

 

荻原と片山、千石はゴール下で紫原を待ち受ける

 

 

「雑魚が粋がってんじゃねぇよ!吹っ飛べ!」

 

 

紫原は速度を上げそのまま飛び上がり回転する

 

 

「させるかよ!」

 

 

それに負けじと荻原は吠えるが紫原の迫力に完全に気圧されていた

 

 

破壊の鉄槌(トールハンマー)!」

 

 

速度と回転の乗った紫原のダンク

 

 

それに対抗すべく千石、片山、荻原はブロックに跳ぶが

 

 

ガシャンッ!

 

 

「ガッ!」

 

 

呆気なく弾き飛ばされる

 

 

元々千石自身もパワーではなく技術面に偏ったCだ。パワーも並よりはあるがそれは紫原と比べるとやはり見劣りする

 

 

千石達は勢いよく弾き飛ばされコートに転がる

 

 

「雑魚が調子づいてんじゃねぇよ!お前らがこんな欠陥スポーツに必死になってるとこを見ると吐き気がするんだよ。努力とか熱血とか気持ち悪い!鼻からお前らに勝ち目何てねぇんだよ!」

 

 

紫原はそれだけ告げ、自陣のコートに戻っていく

 

 

「……言ってくれるねぇ」

 

 

千石はゆっくりその場から立ち上がる

 

 

「ああ、まったくだな」

 

 

荻原も千石に倣い立ち上がる

 

 

「あそこまで言われると、俺もちょっとな…」

 

 

珍しく怒りの表情を見せる片山

 

 

「「「バスケ舐めてんじゃねぇ!」」」

 

 

三人は紫原を睨め付ける

 

 

「おいシゲ!」

 

 

「わかってる!」

 

 

「目にもの見せてやるぞ!」

 

 

千石はやられた分をやり返そうと片山からスローインを受けボールをつき始める

 

 

がその時

 

 

ビキッ

 

 

千石の左膝から不可解な音が鳴り響く

 

 

「!?」

 

 

千石は突然の痛みに顔を一瞬歪めるがすぐに普段通りの表情に戻る

 

 

先程の痛みはすでにない

 

 

ボールを運び始めるがやはり再び痛みが千石に襲い掛かることはない

 

 

千石はこの不可解な現象に疑問を感じながら試合を続行する

 

 

それから千石は不可解な現象の事は一度頭の隅に置き試合に集中し直す

 

 

千石の未来予知にも近い綿密なゲームメイキングにより帝光を翻弄し、再び点を入れ返す。明洸は千石の高度なプレイに引き上げられるかのように動きがよくなっていく。最初に千石がゾーンに入った頃に比べると全体の合わせ方がかなり良くなっている。最初の頃とは雲泥の差と言ってもいい

 

 

個人プレイを主体としている帝光に対して明洸の連携プレイは相性が良く帝光も苦戦を否めずにいる。まず帝光は三年生に進級してから碌に練習にも出ていないメンバーが半分もいる。練習をサボっている者と欠かさず行っている者同士がうまく連携を行えるはずもない。第一現在の帝光には連携と言う概念は全くないと言っても過言ではない。それ故に明洸の連係プレイに苦戦する帝光。この結果は必然であるだろう

 

 

だが、苦戦すると言うだけで彼らは対応ができないわけではない。この攻めも時期に通じなくなる時が来るだろう。それまでに明洸は帝光に追いつくことができるか。逆に帝光は明洸が追いつく前に対応することができるか。それが試合の決定的な分かれ目になるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

93-97

 

 

それからはお互いが入れては返すの繰り返しだ。だがこの状況で不利なのは先程言ったとおり明洸だ。このままではジリ貧もいいところだ

 

 

そしてここで3Qが終了する

 

 

ここまでのスコアを見てみると異常の一言に尽きる

 

 

本来中学生の試合ではここまでハイスコアになることはない。その大きな理由として挙げられるものは時間だ。高校の試合と違い中学生の試合は8分と短い。この短い時間の間で90点台を超えると言うのはまさに異常の一言に尽きる。その大きな要因は前半戦のスリーの応酬であることは考えるのも難しくはない。そしてこのようなハイペースで点を取りあうという事は攻守の切り替えが速く激しいという事だ。まだ身体が出来上がっていな中学生にはつらいものがあるだろう。そして格上であり、天才と言われているキセキの世代を相手にここまでハイペースで闘っている明洸のメンバーは体力面で余裕があるかと言われると、そんなことは全くない。むしろガス欠寸前だ。今ここまで持っているのが不思議なほどに。そんな中一人で奮闘しつつ、ゾーンに入っている千石の体力の消費はどれほどか想像することも難しくない。まさに残りカスもいいところだろう

 

 

それに対して帝光は赤司の指示によってプレイの制限を途中まで受けており、体力にまだ余裕がある

 

 

この差は大きい

 

 

まだ余力を残している者と死力を尽くしてやっとな者

 

 

どちらが有利なのかは子供でも分かる

 

 

ゆっくりとベンチに戻る帝光に対し、駆け足でベンチに戻る明洸

 

 

少しでも多く体力を回復させ、最後まで持たせようとする魂胆が丸わかりだ。だが、それほど彼らも疲弊していた

 

 

この休憩時間の間に何かしら対策を練らなければ明洸に勝利はないだろう

 

 

 

 




こんな感じで久しぶりに投稿してみました。

中々書くのが難しい……

誰かアドバイスください


感想、評価お待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。