黒子のバスケ~隠れたキセキ~   作:うたまる♪

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一部設定を改変しました。

勝手なことをして申し訳ございません。


4Q

全国大会の決勝戦

 

会場には多くの人でにぎわっている。その多くは帝光中学を見に来た人ばかりであろう。勿論、自分たちが勝つなどとは一切思われていないだろうことも千石は理解していた

 

「やっと決勝か……」

 

千石はここまで来るのにかかった時間、チームメイトとの苦労、楽しかったバスケそのすべての出来事を思い返す。そして改めて気合を入れなおす

 

「今日は俺のバスケをしに来たんだ。絶対に勝ってやる」

 

千石は自分のベンチに座り瞼を閉じる

 

「恭一、アップに行こうぜ!」

 

荻原は全国大会では毎回アップに参加していた千石にアップをしに行くよう誘うが

 

「すぅー…すぅー……」

 

肝心の千石はすでに夢の世界に旅立っていた

 

「マジかよ!この決勝戦って土壇場でベンチで寝るとかありえないだろ!?」

 

持田は全国大会のましてや決勝戦のアップの時間に居眠りをする千石の戦慄する

 

「持田……諦めろよ。イッチーは俺らの常識を超えている。片山を見てみろ」

 

黒谷はコートで何もなかったかのような表情でアップをしている片山が見える

 

「なんであんなに平然としていられるんだよ……」

 

持田がうなだれていると

 

ポンッ

 

黒谷が持田の肩に手を置き遠い目をしながら

 

「あれが悟りの境地だ……」

 

意味不明な言葉を言っていた

 

「お前は何を言ってるんだ……ったく、おら!アップするぞ!シゲも行くぞ」

 

持田は馬鹿なことを言っている黒谷と荻原を連れてアップに向かった。その頃肝心の千石は

 

「(種はしっかりまいた。そして種は順調に芽を出し始めている。後はこの試合でどこまで花を咲かせることができるかだな)」

 

今回の試合を脳内シミュレーションしていた

 

「(………だめだ。あと少しのところで届かない。どうやっても今の状況では勝ち目はない。勝率0.001%ぐらいだな。相手が何か馬鹿なことやってくれたらどうにかなるかもって可能性だけど)」

 

千石は今深刻に悩んでいた。今の状態では2,3Qまではどうにかなるがそれ以上が続かない。それも最善の方法を選んだ場合でだ

 

「(この際マンツーはやめてダブルチームでとにかく穴を減らすか?相手は基本パスはしてこないし……だが、一番希望があるのは)」

 

そんなことを考えているうちにチームメイトがアップから戻ってきた

 

「恭一、起きろ!」

 

持田の荒い起こし方によって千石は完全に自分の世界から引き戻された

 

「いってー!何すんだよこの馬鹿キャプテン!」

 

「誰が馬鹿キャプテンだ!試合が始まるから用意しろ!ったく、最後の最後まで自由にやりやがって」

 

「お、落ち着けよモッチー。恭一も反省してるはずだし」

 

「イッチーが反省なんてするわけないでしょ」

 

「そろそろ持田は千石の行動に慣れろ」

 

上から荻原、黒谷、片山が順に持田に話す

 

「俺の負担をだれか減らしてくれ……」

 

「まあ、その負担を感じるのも今日で最後だ。楽しく行こうぜ!」

 

「負担をかけている本人が言うと言葉の重みが違うな」

 

「そこは感心するところじゃないからシゲ!」

 

「黒谷もその負担をかけているうちに入っていることは知らないんだな」

 

「え、冗談だろ片山!?」

 

「いや、本当に知らなかったんだな。悪い、忘れてくれ」

 

「もう忘れられねぇーよ!?マジかよ!イッチ—と同じ扱いかよ~」

 

試合前とは言えないような楽しげな雰囲気で話している明洸中学。対する帝光中は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、そろそろ誰が一番点を取るかって言うのも飽きてきたな」

 

だるそうに欠伸をしながら口に出す青髪の少年

 

「さっさと終わらせてお菓子食べたい」

 

めんどくさそうにしながら立っている長身の少年

 

「だから今回は点数を全部1に揃えないっすか!」

 

楽しそうに提案をする片耳ピアスの少年

 

「くだらん。俺は人事を尽くすだけなのだよ」

 

気に入らないと言わんばかりの表情をする眼鏡をかけた少年

 

「まあいいじゃないか。唯の点取りゲームより楽しそうだ。それに今からの相手にはうってつけだ」

 

端から見たら怖いと思うほどの微笑をするオッドアイの少年

 

「黒子っちは残念っスけど、優勝してみんなで報告に行けばいいっスからね!」

 

「黒ちんも残念だったよね~」

 

「そろそろ試合が始まるよ。気を引き締めろ」

 

オッドアイの少年の一言でチーム全体に少し気合が入った。そして帝光中はコートに足を踏み入れた

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは帝光対明洸の試合を始めます。礼」

 

『お願いしぁーす』

 

 

明洸

 

4番荻原シゲヒロ 191cm

 

5番持田雄大 173cm

 

6番黒谷雅也 176cm

 

7番片山貫太郎 188cm

 

8番千石恭一 190cm

 

 

 

帝光

 

4番赤司征十郎 170cm

 

5番紫原敦 205cm

 

6番青峰大輝 188cm

 

7番緑間真太郎 191cm

 

8番黄瀬涼太 189cm

 

 

ジャンパーに立つのは

 

「へぇー、俺の相手はこんなんなんだ。ちっさ~」

 

「まあ君の相手になるように頑張るよ」

 

挑発する紫原に対して千石は人の良い笑みを浮かべて返す

 

 

 

試合開始のボールが投げられる

 

最初のジャンプボールを制したのは

 

「も~らい」

 

紫原だったが

 

「まだまだ!」

 

紫原が弾いたボールをさらに千石の指が少し触れる

 

「よくやった敦」

 

赤司が悠々とボールを取ろうとしたとき

 

 

ギュルルルル!

 

 

ボールが強烈に回転し赤司のもとから遠ざかっていく

 

「なっ!?」

 

このことに赤司は驚きを見せる

 

「おっしゃー!」

 

赤司から遠ざかったボールは荻原のもとにたどり着く

 

「前!」

 

既にリングに走り込んでいた千石がパスを求める。荻原はそのままリングの近くにパスを出し千石がそのまま

 

バキャ!

 

千石のアリウープが決まる

 

 

 

「へえ」

 

赤司は少なからず驚いていた

 

試合前にテツヤの見舞いと言って訪ねてきた荻原という明洸の選手。彼と少し話その内容に不快なものを感じた。身分の違いを教えてやるためにボロボロにしてやろうとした。だがここで少し誤算があった

 

何だこの男は?

 

明洸の中で一人自分たちに並ぶかもしれない選手がいる。このことに赤司は軽い警戒をする。あくまで軽い警戒だ。たとえ自分たちの領域に踏み込んでいたとしても一人だ。5人もいればどうにでもなるはずだ。そう考えていた部分もあった

 

だが実際はどうだ?

 

開始早々出し抜かれアリウープを決められた。この一発でみんなもやる気を出すはずだ。そして分かったはずだ。千石恭一は俺達と同じ天才だと

 

「やるじゃねーかあいつ……おい赤司!ボール寄こせ」

 

「あ!青峰っちだけずるいっスよ。俺にもパスが欲しいッス!」

 

突然やる気を出し始める青峰と黄瀬

 

「ふ~ん、少しはましなのが出てきたじゃん」

 

めんどくさそうにする紫原

 

「わかったよ2人共。それとひとつ言っておくが僕は効率のいいようにパスを出すだけだ。それだけは覚えておけ」

 

そう言うと赤司はボールを運んで行く

 

明洸のディフェンスは

 

「僕達相手にマンツーか」

 

今まで帝光を止めるためにゾーンやダブルチームをしてくることがあったがマンツーを仕掛けてくるチームはほとんどいなかった

 

「彼のマークは……敦か」

 

当然の処置だ。一番身長が高いのは荻原だが荻原にCの経験はない。片山はあるが片山より千石の方が身長も高く技術も高い

 

「なら…大輝!」

 

大輝のマークは荻原だ

 

「ったく、あいつのマークは紫原かよ。まあ抜いたらどうにかなるか」

 

「なんだと?」

 

青峰の一言に青筋を浮かべる荻原

 

「お前じゃ相手にならねー…っよ!」

 

その瞬間青峰はチェンジオブペースで荻原を抜きにかかるが

 

「おせぇ!」

 

青峰の加速に反応し荻原が前に立ちふさがる

 

「!」

 

青峰はまさか抜けないと思っておらず驚く

 

「なめんなよ!そのぐらいならついて行ける」

 

荻原は反応速度が速くチーム内トップクラスだ。そして毎日千石と一対一をしており彼は反応速度のみ一点を置いてすでにキセキの世代達のいる領域に近づこうとしていた

 

「ははは……いいね。久しぶりにマシな相手とやれるなんてな!最後までついてきてくれよ!」

 

青峰は面白い玩具を見つけたと言わんばかりに笑い認識を改めた。その瞬間、先程のドライブよりもキレもスピードもあるドライブで荻原を抜きにかかる

 

「はやっ!」

 

荻原も何とか追いすがるが、それでも後手だ

 

「これについてくんのか!いいねぇ!」

 

青峰はそこからさらにトリッキーなボールさばきで荻原を困惑させる。荻原はそのすべての行動に反応するがあくまで後手だ。徐々に態勢を崩されタイミングが完全にずらされた瞬間そのまま抜き去る

 

「おら!」

 

そこから青峰のワンハンドダンクが決まる

 

「もっと来いよ!俺を楽しませろ!」

 

青峰は興奮したように荻原を煽る

 

「当たり前だ!……って言いたいけど、お前の相手は俺じゃない。あいつだ!」

 

荻原は千石に指さしボールのスローインをする。ボールは千石に渡った

 

「じゃあ千石任せたぞ」

 

「恭一、こっちにも回していいからな」

 

「安心しろ。作戦通りいくから」

 

上から持田、荻原、千石だ

 

「ほいじゃ行きますか」

 

千石はゆっくりボールをつき運んでいく

 

「彼がPGをやるのか?」

 

赤司はまた少し驚く。今までの試合から彼がPGをやっていたことはない。Cをやっているところしか見たことが無い。だが、赤司には許容範囲の事だ。帝光に勝つために奇策を行ってきた相手は今まで星の数ほどいる。彼もそう言うタイプなのだろう。赤司はそう予想を立てる

 

 

 

 

 

実際の話明洸の作戦はこうだ

 

1Qはほとんど千石が攻め点を取る。その間に他のメンバーはで相手の動きになれる。具体的に動くのは2Q目からそして仕掛けるのも2Q目からと決まっている。そしてもう一つの狙いは

 

 

 

 

 

 

「ちょっと~、何でCがボールは運んでんの」

 

紫原をゴール下から引きづり出すことだ。紫原はゴール下から超人的な反射速度でヘルプに向かうことができる。それこそ明洸のメンバー単体ではどうにもならないほどの守備力で

 

 

 

だがそれでも例外はいる

 

 

 

紫原はめんどくさそうにしながらゴール下から離れるが少し遅かった。紫原がマークにつく前に千石はスリーポイントを打つ。当然ノーマークだ。千石が外すわけもなくボールはリングに吸い込まれる

 

 

5-2

 

 

 

「ナイッシュー千石!」

 

「今日もいつも通りだなイッチー!」

 

千石に激を飛ばしながら戻る明洸。しかし、その戻るスピードは速い

 

「へえ、やるようだね」

 

赤司は今のシュートを見て先程の評価を訂正する

 

「本当にやるつもりなんだ」

 

「赤ち~ん、ボール頂戴」

 

紫原は少しいらだった様子で赤司にボールを要求する

 

「わかっている。好きにするといい」

 

赤司は再びボールを運び出す。そして

 

「きた!紫原対千石!」

 

紫原にパスが入る

 

「あんまし調子乗ってるとヒネリつぶすよ」

 

紫原はパワードリブルで強引に押し込もうとするが

 

「これには驚いたな」

 

赤司は本日何度目かわからないが驚きを見せる

 

「まさか敦のパワーに対抗できるなんてね」

 

紫原のパワーはすでに中学生の域を軽く超えている。千石はその紫原のパワーを止めている。やはり千石もキセキの世代と同等か、それ以上

 

「そんなに力いれて俺のスピードに対応できるわけないでしょ~」

 

紫原はそこからスピンムーブで千石を躱そうとするが

 

「(ターンするときに力が少し減った……ってことは!)」

 

千石は紫原のスピンに即座に察知し紫原が動き始める前にターンの対応するべく回り込んでいたのだ

 

「ちっ!なら!」

 

紫原はお構いなしと言わんばかりにそのまま力技でホースダンクを行う

 

「それは流石に止められないな…だが!」

 

千石も対抗するべく飛び上がるがその目的はブロックではない。千石は紫原がダンクを叩きつける瞬間にボールを横から腕を伸ばし腕と手首の力でボールの持つ位置をずらす

 

千石は紫原のホースダンクを力で止めるのではなく誤差を生み出し外させることが目的だ

 

そしてそれは成功した

 

ガシャン

 

「外させることはできる」

 

強烈なバンクが決まったと誰もが思った。紫原、千石、赤司を除いた全員は失敗しボールが弾け跳んだのを見て硬直する。その状態からいち早く動いたのは赤司と着地した千石だった

 

上空にはじけたボールを捕球するために走り出した千石。速攻が決まることを予想しすぐさま自陣に戻った赤司。なぜ赤司もリバウンドに行かなかったかというと単純に捕球できる確率が低いからだ。ポジションはいい場所をとれるだろうが千石の指が少しでも触れれば赤司が取れる可能性はなくなるだろう

 

ボールを捕球した千石はそのまま単独で速攻を仕掛ける。赤司は当然すでに戻り千石に備えている

 

「流石キセキの世代キャプテンだ!だが少し甘く見過ぎだろ?」

 

千石は赤司の待ち構えている場所までいかずスリーポイントラインで止まりそのまま撃つ

 

スパッ

 

シュートは綺麗な音を奏で決まる

 

8-2

 

「マジかよ!あの帝光相手にリードしてるぞ!」

 

「しかも、あの8番速攻の場面でスリー撃ってるぞ!」

 

「あの8番だけで帝光を圧倒しているぞ!」

 

観客は予想もしなかった展開に沸き上がる

 

「おーおー、いいねいいね!もっとすごいことやってやるからよく見とけよ!」

 

千石の一言でさらに観客が沸き上がる

 

「いいぞ8番!」

 

「期待しているぞ!」

 

「頑張れ明洸!」

 

千石のアピールで観客が明洸を応援し始める

 

「少し静かにしてもらおうか」

 

赤司はマークについている持田を天帝の眼(エンペラーアイ)を使いアンクルブレイクを起こし持田を尻もちをつかせ、そのままスリーポイントを決める

 

 

8-5

 

 

「「持田!」」

 

片山と黒谷が持田に駆け寄る

 

「少し調子に乗り過ぎだよ」

 

「速攻!」

 

千石の掛け声にいち早く反応した荻原は千石にスローインを出す

 

「させないのだよ!」

 

速攻を仕掛けようとするが緑間が立ちふさがる

 

「邪魔だ、どけ!」

 

千石はシャムゴットを仕掛ける。緑間は突然ボールが自分の前に来たことにより一瞬「取れる!」と頭によぎるが罠だと考え、考えを改める。がその一瞬が勝負を分けた

 

千石は緑間の一瞬の硬直を逃さずそのまま緑間の股にボールを通しそのまま抜き去る。シャムゴット・アイスだ

 

「な!?」

 

緑間は一瞬の出来事で何が起こったか理解できなかった

 

「シャムゴット!」

 

千石のシャムゴットを見て青峰は更にテンションが上がっていく

 

「(あの野郎!ストリートもできるのかよ!しかも実践のこの場面で緑間相手に使うかよ!)」

 

青峰ぼボルテージはみるみる上がっていく。自分と遜色ないストリート技を使い尚且つ緑間相手に成功させる。緑間のディフェンスは決してぬるくない。むしろキセキの世代の中ではディフェンスが2番目にうまい。そんな緑間相手にシャムゴットをやってのけたのだ。青峰が興奮しないわけがない

 

千石は緑間を置き去りそのままリングにダンクを叩き込もうとするが

 

「させるわけないでしょ~。なめてんの?」

 

自慢の反射能力でここまで来た紫原のブロックが千石を狙う

 

「あの一瞬で追いついたのか!?」

 

千石は構わずそのままダンクに行くが紫原にパワー負けしブロックされる

 

「何やってんだよ!」

 

赤司に倒された後すぐさま起き上がった持田が慌ててボールを捕球、そのまま荻原にパスをする

 

「ナイスパス!」

 

「させねぇよ!」

 

青峰が荻原のマークにつく

 

「さっきの続きだ!」

 

荻原は得意のドライブを仕掛けるが青峰は難なくついて行く

 

「流石だキセキの世代!ならこれはどうだ!」

 

荻原は青峰が自分に難なくついてくると見るやすぐさまロールで逆方向に切り返し青峰を引きはがそうとするが

 

「まだおせぇ!」

 

青峰のスピードの方が速かった

 

「やっぱ抜けねえか!」

 

「あめぇよ!」

 

青峰はロールをした後の硬直を狙いボールも奪いにかかるが

 

「やら…せる…かぁ!」

 

荻原はすぐさま反応し青峰の手が届くギリギリのところで強引に腕を後ろに回しバックビハインドパスで黒谷にパスをする

 

「任しとけ!」

 

「いいやここまでだ」

 

黒谷の前に赤司が立つふさがるが

 

「行くぞ!」

 

黒谷は躊躇なく突っ込む。黒谷が赤司の間合いに入る1歩前、黒谷の身体がかなり前傾に傾き、黒谷の動きが一瞬止まった。そして、35度ぐらいに身体が傾いた瞬間

 

加速した

 

「速い(予想より速い…が問題ない。まだ許容範囲内だ)が甘い」

 

黒谷は一瞬青峰程加速するがその分ドリブルが前方に飛び出し過ぎ、そのまま赤司にボールを弾かれる

 

「やべっ!」

 

黒谷は焦るが前傾姿勢になり過ぎそのまま進むことしかできず対応ができないが

 

「そのまま進め黒谷!」

 

片山がルーズボールを拾いすぐさま走っている黒谷にパスが渡る

 

「ナイスフォロー!」

 

黒谷は勢いを落とさずレイアップに行くが

 

「その程度で決まったと思った?なめてんの?」

 

千石のダンクを防ぎ態勢を立て直した紫原が再び立ちふさがる

 

「まさか、そんなことあるわけないでしょ!」

 

黒谷はレイアップをそのまま高く上げ紫原のブロックを躱す

 

「そんなシュート決まるわけが―――――!」

 

紫原が見たのはアリウープに跳んでいる千石だ

 

「まずっ!(最悪!態勢悪い状態で飛んだからこれは止められない!)」

 

紫原が「やられた」っと思った瞬間

 

「やらせんぞ!」

 

緑間が千石をブロックするために後ろから迫っていた。いくら千石でも今の状態では決めづらい

 

「なら!」

 

千石は黒谷から投げられたパスをそのまま弾きボードに叩きつける。誰もが失敗したと思った。緑間も安堵するが次の瞬間己の失敗を悔いる

 

「貴様!(一度ならず二度までも俺を出し抜いたな!)」

 

「流石片山!地味にいい仕事するぜ!」

 

「はいはい。ナイスパス」

 

千石のタップパスを受け取りそのままダンクを決める

 

 

10-5

 

 

「1Q終了まで残り4分。いい感じに勝率が上がってきた。黒谷とシゲはもう少しだな」

 

荻原のあの反応速度、黒谷のあの加速。2人共自分の本来の力を自覚し始めた。後はその才能を引き出す手伝いをするだけだ

 

「2Q終了までに10点差までに抑えたいな」

 

千石のつぶやきは誰にも聞こえることはなかった

 

 

 

 

千石恭一の脳内シミュレーション勝率5%

 

 

 

 

 

 

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