***
一科の教官:「ではこれにて、新入生ガイダンスをおわります。この後は施設見学になりますので、自由見学か団体見学のどちらかを選んでください。」
「団体見学を希望する人は、5分後に出発しますので、それまでにエントランスに集まってください。」
***
「智花、どうします?」
「お姉ちゃんについてくよ~」
「しず「司波さん、一緒に回りましょうよ。」え、ええ。」
というわけで、私達(深雪、雫、ほのか)は、半ば強引にほかの一科生たちと回ることになった。
****
・・・・・・・食堂~昼食~
第一高校の食堂は高校としては広いほうに入るが、入学式直後にはとても混む。
なぜならどの高校や大学でもあるように入学したばかりの新入生が、食堂の勝手を知らないからだ。
しかし、専門課程の見学を早めに切り上げて食堂に来た達也たちは、それほど苦労することなく席をとることができた。
達也たちが昼食を半分ほど食べ終えたとき、ほかの一科生たちに囲まれて深雪と智花がやってきた。
達也と一緒に食べようとする深雪。彼女は普段はクラスメイトとの交流を拒むようなことはないのだが、この時は達也と智花が優先だった。
しかし、1-Aのクラスメイト、特に男子生徒は深雪と雫とほのか以外の女子生徒は智香との相席を狙っていた。
最初は狭いとか邪魔しちゃ悪いとか、それなりのオブラートに包まれた表現だったが深雪や智香の執着が意外に深いと見るや、二科生と相席するのはふさわしくないとか、一科と二科のけじめをつけるべきだの、果ては食べ終わっていたレオ二隻を開けろと言い出すものまで出る始末。身勝手な一科生の言い分にレオとエリカはそろそろ爆発しかけていたが、その怒りはたった一言の声によって中断された。
*****
-side智香
「森崎君、悪いんだけど深雪と二人きりにさせてくれないかな?」これで引いてくれればいいんだけどと思いながら言ってみた。
すると案の定「零野さん、一科と二科のけじめはしっかりとつけないと。」という言葉が返ってきた。
「そうだそうだ、スペアな二科の連中は、俺たち一科生に、席を譲れ。」と森崎君の取り巻きたち。
少し意地悪をしてみよう。「ちょっといいかな」
「なんだい?」
「なぜ二科生が一科生のスペアなの?」
「零野さん、それはね、一科生のほうが二科生よりも、成績が良いんだ。だから一科生のほうが、二科生よりも偉いんだ。自分より偉い人に譲るのはれいぎだし、当然だろう?」と、非常にあきれたことを言う森崎君。だったら、
「ねえ知ってる?一科と二科の入学試験の点数の差はたった二点しか違わないんだよ。そしてその理屈だと、もしもこの後の定期試験で二科生に負けた一科生は、スペアになるんじゃない?」
「そんな一科生がいるわけないだろう、そんなのは一科生じゃない。」と森崎君は言い返し、取り巻きも同調していた。
だが、森崎君がそういった瞬間あたりから、強い憎しみの視線が、特に上級生のいる辺りから森崎君たちにつき刺さった。
取り巻きその2「なんかにらまれてます。やばいんじゃないんですか?」
「くっ、おい行くぞ。」そういって1-Aの一部の人たちは、立ち去って行った。そして残りの大多数の人たちは、達也の友達の男の子(後で名前を聞いたらレオ君というらしい。)とエリカと美月と達也、そして周りの人にうちのクラスメイトが失礼なことを言ってすいません と謝って、食堂から出て行った。
「じゃあ、冷めないうちに食べようか。」
「「「はい、お兄様。(うん)(おう)」」」
***
ようやく一科と二科のいがみ合いまで来た・・・長かった。