「うわあぁ………。」
冒険者兼能力者の少年ソウヤは感嘆の声を洩らした。
そう、村育ちのソウヤは科学が進んだ世界とはいえ、都会、しかも外国の街なんて来たことも無かったのだ。
「あはは!都会は初めてだったかい?能力者さん!」
そう言った人物はソウヤの幼なじみのキサラギである。
彼は東洋医学の継承者の一人で、ソウヤと共に旅をしながらさらなる修行をしている、陽気な性格の少年だ。
「今まで村の外に行ったことがないからなぁ………。」
「おやおや?港町ではそんなこと言ってなかったけれどもしかしてあの港町じゃ驚くに値しなかったかな?」
「充分驚いたよ。こことじゃ比べものにならないだろ?」
「それもそーだねぇ。あはははは!」
彼らが訪れたのは、クルビアという国の首都「アルティア」。
能力者であろう者たちが集められた、アランテヌスのなかでも1、2を争うほどの大都会だ。
地図がなければ間違ってしまいそうなほど、街には多くの人と建物で賑わっていた。
「さて、そろそろ向かおうかな。」
ソウヤたちは目の前の巨大な建物へと向かった。
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ソウヤ視点
「ふぃ~、やっと終わった。」
「すぐに終わると思ったけど、随分かかったようだね?」
「実験前に能力見せたから、周りよりは早かったけどね。」
そんな会話をしながら、俺たちは街を歩いていた。
賑やかな街の雰囲気は、少し疲れてしまいそうだけど、これもまたいいかな。
そんなことを考えている内に、キサラギが何か見つけたみたいだ。
「良かったね~、お待ちかねの宿屋が見つかったよ。」
「ホントか!良かった~、もうくたくただよ。」
ホント辛かったです、ハイ。椅子に座ったまま5時間話すのは辛かったです、ええホント。
そんなこと考えながら宿屋に入ると、上機嫌な男が忙しそうにしながら話しかけてきた。
「やあ、いらっしゃい!うちの宿をご利用かい?」
「ああ、二人分頼むよ。」
「あいよ!おーい!二名様ご案内だぁ!」「ハーーイ!」
従業員らしき男に案内され食事を済ませたあと、俺たちは部屋へ向かいくつろぐことにした。
「あ~、随分と飯が美味かったなぁ。」
「そーだな~、あと酒も中々。」
「ああ、あの酒はyっ!」
「なんだ!」
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急に地響きが鳴る。同時に聞こえた悲鳴はそれが非常事態であることを示していた。
くそっ、人が食後の一時を楽しんでいるのになんてことだ。ちくしょう。
心の中で文句を垂れながら外へ出るとそこには3mを越える巨人が斧を片手に暴れていた。
その顔は醜く、口からはだらしなく涎がたれていた。
ありゃトロルじゃねーか!俺見たいな初心者にはつらいな…orz
「だらだらするな。人が教われている。さっさと奴を倒せ。」
愚痴を垂れているところにドスのきいた鋭く低い声が隣から聞こえてくる。
そうだ、|奴«キサラギ»は人の命が関わるとああやって人一倍必死になるんだった。
「分かってるよ。」
そうやって、俺は奴に殺気を向けて太刀を構えた。