小説冒険旅行   作:水無月マグ

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~プロローグ~

ここは西暦・・・2015年

すべての都市伝説や神話、それぞれのものは科学の力で否定されてきた

俺はその科学の力にすっかり魅了されていた

俺はごく普通の一般家庭に生まれてごく普通に学生だ

中肉中背やや筋肉質、幸か不幸か特にこれといって特徴もなく

趣味がパソコンとゲームと自作小説くらいだ

 

 

「最近小説進まねーな、だいぶ溜まってきた小説もあるし・・・」

 

 

俺はため息をつきながら椅子の背もたれに寄りかかる

それに加えて伸びをしたのが悪かった

椅子のバランスが崩れて後ろに倒れる

俺は後頭部を激しく強打するはずだったんだが

なぜか後頭部への衝撃が一切ない

それどころか体が地面に触れる感触がない

というか体に重力がかかっていない

俺は本来受けるはずだった後頭部による衝撃に備えてつぶっていた目を少しずつ開ける

目を完全に開ききると俺は目を疑った

辺は真っ暗で距離がわからないほど遠くの方で小さい光がいくつか光っている

俺はその場でくるくると無重力に身を任せて放心している

なぜこんな事態になってしまったのか

もしかしたら本当は後頭部を強く打ってしまっていて気絶してしまっているのではないか?

立てても仕方のない仮説を立てては現在の状況を理解しようとしていた

 

 

「ここ・・・脱出したいけど見る限り出口っぽいところがないな」

 

 

「大丈夫だよ、脱出する方法はあるから」

 

 

 

俺の目の前に人間が急に現れた

しかし俺にはそれがどうも救いの手には見えない

俺の書いている小説ではこういう時に出てくるやつは大抵面倒事を押し付けてくる

もはやお決まりのパターンだ、さっきまで書いてた小説の手法も同様だ

それでしかもそれが長くなるんだよな、少なくとも10000文字では収まりきらないんだろう

わかりきってることだ、もう過程をすっとばして結論から言ってしまおう

その性別不明の中性的な顔立ちの少年少女が次に口にする台詞はこうだ

 

 

「「キミが書いてきた小説の世界を旅するんだ!」」

 

 

 

一言一句違わずに合っていた

まぁわかるさ、いかにも俺が考えそうな台詞だ

そんでもって登場人物に拒否権がないのも俺の小説らしい展開だ

都合よく進む話だな・・・まぁそっちのほうが助かるけど

 

 

「わかってたのかー、でも正確には旅するだけじゃないんだ」

 

 

やっぱりな、そんな簡単なことじゃ絶対現実には戻れないと思ったよ

もっと難易度は高いはずなんだ、俺は一般人に出来そうなことなんかは大抵小説にしない

幽波紋だったり超サイヤ人だったり、二次創作して、度を越えたものを作りたがる

だから大抵の登場人物は一般人ではなく、身体能力が並外れた超人ばっかだ

 

 

「君には君自身が考えたBAD ENDをHPPYE ENDに変えてもらいたいんだ」

 

「なんだ?小説を手直しさせたいのか?残念ながら俺の手元には完成してない小説ばっかりなんだ」

 

 

多分ただ単に手直しするだけじゃないんだろう

さっき小説の世界を旅するといった、小説の世界をだ

やっぱり俺の考えそうなことだ、実に傑作だ

 

 

「違うんだ、君の力で小説の運命を変えて欲しいんだ」

 

「つまり、俺が登場人物になって結末を変えるってことなのか?」

 

 

要するに、至極簡単にまとめるとこうだ

仮面ライダーディケイドをみんなはご存知だろうか?

仮面ライダー10作品目の仮面ライダー、その力も特殊なものだ

能力に関しては置いておくとして、まずは世界観なんだが

今の状況とすごく似ている、ほとんど同じといっていい

ディケイドではいろいろな仮面ライダーの世界を冒険しなくてはいけない

それがどういうわけかディケイドは事あるごとに別の世界にいき、その世界を救うのだ

つまり、俺は自分で創作した小説をいい結末に自分自身のチカラで変えなくてはいけない

もちろんバトル小説なら戦って・・・だ

 

 

「心の準備はいいね?僕も最初はどこの世界に飛ぶかわからないから覚悟してね。あワープするからどっか掴んで」

 

「どうせ断っても無駄だしなんで結末を変えなくちゃいけないのか聞いても無駄なんだろ?」

 

 

俺はその少年少女の手を握りため息をつく

なんで結末を俺が変えなくてはいけないのか?

物欲的な考え方をするとなんの得にもなりはしないことはしたくない

しかし、自分が作り出した小説の登場人物が幸せになるのなら・・・

少しくらい原作者の俺が苦労してもいいんじゃないかなと思ってしまったのだ

この時の俺は本当に馬鹿だった

 

 

 

~プロローグ 完 ~

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