一色いろはが望むもの   作:ブイ0000

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タイトルが思いつきませんでした…


一色いろはは先輩を逃がさない②

人がワクワクしたり、興奮したり、嬉しいオーラが出るのはどういう時だろう?

 

宝くじが当たっとき?努力が報われたとき?

 

大体みんな似た感じかもしれない

 

今のわたしは間違いなくそういった嬉しいオーラが全快なのだろう

 

だって、朝から会いたいと思っていた男の子を見つけてしまったのだから

 

「せーんぱい!」

 

 

「……………………」

 

 

わたしが声をかけると小説を片手で開き、ドーナツを咥えたまま目を見開いて固まる先輩

 

ん~、シュールな光景だ

 

そう思ったのだが、2秒後に何事もないように再び小説を読み始めた

 

ちょちょちょちょ、その反応は

 

「何でですかー!」

 

「うぉ、びっくりした」

 

「先輩、今わたしのこと見ましたよね!?なのに何でスルーするんですか!?」

 

「おい、少し声を抑えろ。周りに迷惑だろ」

 

「え?あ、すいません」

 

周りを見ると、わたし達は注目の的になっていた

 

ちょお恥ずい

 

こそこそととりあえず座ることにした

 

先輩の横に

 

「ちょ、何で隣に座ってくるの?」

 

「え?」

 

「いや、何でキョトンとしてるんだよ?」

 

「え?」

 

「え?いや、だから他の席でも」

 

「え?」

 

「……………あの、せめて対面にしてくれませんか?」

 

「え?」

 

「…………もういいです」

 

ふっ!勝った

 

先輩の許しを得たので遠慮なく隣でドーナツを頬張る

 

ん~おいしい

 

 

「で、先輩はなんでこんなところにいるんですか?」

 

「何かデジャヴを感じるシチュエーションだ」

 

「はい?」

 

まぁ前回は魔王だったけど…と呟いている先輩

 

「で、先輩はなんでこんなところにいるんですか?」

 

「まったく同じことを聞かなくてもいいから。雪が止まないからな。小町を迎えに行くまでの時間つぶしだ」

 

小町ちゃん?迎えに行く…

 

あー、試験が終わったら迎えに行くって事ですか

 

「相変わらずシスコンなんですね」

 

「うるせぇよ」

 

「でも先輩、試験が終わるのって確か夕方ですよね?まだ午前中ですよ?早すぎませんか?」

 

 

「うっ」

 

図星を付かれたのか先輩が渋い顔をする

 

「先輩?」

 

「その、なんていうか、家にいても落ち着かなくて」

 

「……ぷっ」

 

「笑うなよ」

 

いやだって、自分が受験するわけでもないのに。

 

ソワソワする先輩を想像すると面白いし何か可愛い

 

ん?待てよ…と言うことは

 

「つまり先輩は今暇ってことですよね?」

 

これは遊びに行くチャーンス!

 

「は?いやいやいや超忙しいけど」

 

「今の状況でどの口がその言葉を言うんですか?」

 

相変わらずそう簡単にはいかないですね!でも、ここで逃がすわけにはいかない!多少強引にでも付き合ってもらうもん!

 

「ばっかお前。ここでこうやって暇をつぶしながら小町の合格を心の中で必死に祈らないといけなくて忙しいことこのうえ「じゃあ先輩の暇つぶしに後輩のいろはちゃんが付き合ってあげましょう!」聞けよ人の話」

 

げんなりと頭を垂れる先輩

 

「先輩、その行動は失礼ですよ~。せっかく可愛い後輩が誘ってあげてるんですからそこは喜ぶところです」

 

「そんな上から目線でものを言われてもな」

 

むー!

 

「と に か く!一人でいてもモヤモヤするだけですよ?二人でどこか出掛ければ気晴らしにもなります」

 

「………一理あるかもな」

 

おっ!?喰いついた!?

 

「そうです。ここは勢いに任せて行っちゃいましょう!」

 

「どこに行く気だよお前は…」

 

ハァと息を吐きながら読んでいた小説を閉じる先輩

 

そして頭をガシガシと掻きながら呟いた

 

「まぁ、お前のことだからこのまま断るのは不可能だろうしな」

 

お?お?

 

「気晴らしにいいか」

 

やったーーー!と心の中でガッツポーズをするが、当然表には出さない

 

「ふふっ。相変わらず捻くれてますね。まぁ仕方ないから付き合ってあげましょう」

 

「だから何で上から目線――いや、もういいわ」

 

どこか諦めたような顔をする先輩と、ニコニコと笑顔でわたしはドーナツ屋を後にした

 

 

 

 




早めに投稿できました。

次回、デート編です。甘々になるかなぁ…

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