早わかり労働基準法~346プロプレゼンツ~   作:沢内翼

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未成年者の労働契約

コンコン

 

ガチャ

 

ヒョコ

 

三船「こんにちは。失礼いたします」

 

イスガタッ

 

和久井「おや、どなたですか?」

 

三船「以前、こちらのスカウトさんから、うちの娘がアイドルにならないかと言われた三船という者なんですけれども……。あ、娘の名前は仁奈と言うんですけれども……」

 

和久井「三船仁奈ちゃん……。ああ、思い出しました。お話は聞いております。アイドルにふさわしいかわいらしい女の子を見つけたと、スカウトが会社に戻ってきた後もずっと騒いでおりました。あのときはだいぶテンションが高かったですね」

 

三船「まあ、そうだったんですか。そう言われると母親の私もうれしくなってしまいますね」

 

和久井「お母様も芸能界で活躍できそうなほどお綺麗なのですから、娘さんも容姿に関しては申し分ないのでしょうね。スカウトの話と合わせて考えますと、かなりの美人系なのでしょうね。私も話を聞いただけですで、娘さんのご尊顔を拝見してしたわけではありますが、とても期待をしてしまいますね」

 

三船「まあ、お上手ですね。でも、芸能界で働いている方たちはみなさんあなたくらいお綺麗な方たちばかりなのでしょうか?えっと……」

 

和久井「あ、大変申し訳ありません。自己紹介が遅れました。私はここの事務所のプロデューサーをしております、和久井と申します。うちの者が迷惑をおかけしました」

 

三船「これはこれはご丁寧にどうも。いえいえ。娘も大変喜んで『とっても嬉しいでごぜーます』とはしゃいでおりました。気になさらなくて大丈夫ですよ」

 

和久井「それならばよかったのですが・・・・・・。後できつく言っておかないといけないわね。ところで、本日はどのような御用件でしょうか?」

 

三船「娘も小学三年生なので、この時間はまだ学校です。そうかといって、学校が終わった後となると、なかなか時間が取れなくてですね……。保護者の私が代わりに労働契約を結びにきたんです」

 

和久井「そうでしたか。それでは、この書類にサインと印鑑を……」

 

ブッブー

 

渋谷「労働基準法第58条1項、親権者又は後見人は、未成年者に代つて労働契約を締結してはならない」

 

渋谷「子どもを食い物にする親などがいることから、このような行為は法律で禁止されています」

 

渋谷「労働契約は例え未成年者であっても、本人と使用者の間で結ばれなければならないのです」

 

~エンドロール~

 

プロデューサー役 : 和久井留美

 

スカウトされて女の子役 : 市原仁奈

 

女の子の母親役 : 三船美優

 

ナレーター : 渋谷凛

 

Fin.

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