高峯「それじゃあ、自己紹介してちょうだい」
島村「はじめまして、社長さん! 島村卯月、17歳です。私、精一杯頑張りますから、アイドルにさせてくださいっ!よろしくお願いしますっ!」
本田「本田未央15歳。高校一年生ですっ! 元気に明るく、トップアイドル目指して頑張りまーっす! えへへ。よろしくお願いしまーす」
高峯「二人ともありがとう。さて、次の質問なんだが……」
島村「はいっ!」
本田「なんでもこいって感じですっ!」
高峯「アイドルというのは、すごく厳しい世界だ。さぞかし、おもいっきり、こわくて、つらい思いをすることもある。ものすごくつらいし、死ぬような思いをすることもある。それでもアイドルとして笑顔を保っていられるかい?」
島村「がんばりますっ!」
本田「つらいことくらいへっちゃらですよ!」
高峯「よし、君たちのやる気はよくわかった。それでは、最後の質問にするわね」
島村「がんばりますっ!」
本田「いよいよラスボスですねっ!」
高峯「それならもう一つだけ正直に言っておう。私の知る限り、あなたたちをアイドルとして育てようと思う芸能事務所はここをおいてほかにないわ」
島村「がんばりますっ!」
本田「そ、そんな言い方……」
高峯「みなまで聞いてちょうだい。そこで、交通費や地方営業なんかの宿泊費なんかは全部自腹ということでなら、雇ってもいいわよ」
島村「がんばります」
本田「そ、そんなっ……」
高峯「あら、嫌ならやめてもらってかまわないわよ。ほかに採ってくれるところもないでしょうけどね」
島村「が、がんばります」
本田「うっ……」
×(ブッブー)
渋谷「労働基準法第2条1項、労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」
渋谷「これは、労働条件の決定といわれる条文です」
渋谷「労働条件とは、賃金、労働時間は当然として、安全衛生、災害補償、解雇、退職、福利厚生などといった職場でのすべての労働に関する条件を指します」
渋谷「当然、今回の交通費や宿泊費なども労働条件に該当します」
渋谷「また、条文のなかで、労働条件は対等な立場で決定されなければいけない、と言っています」
渋谷「今回の場合、相手のアイドルになりたいという夢につけこんで、明らかに対等な立場ではない状態で労働条件を決定しようとしています」
渋谷「これは明らかに違法ですね」
~エンドロール~
面接官:高峯のあ
応募者A:島村卯月
応募者B:本田未央
ナレーター:渋谷凛
Fin.