櫻井「社長さん、ちょっとよろしくて!!!」
高峯「あら、櫻井さんね。急に社長室なんかに来て、どうかしたのかしら?」
櫻井「どーしたもこーしたもございませんわ。レッスンについてですの」
高峯「レッスン?ああ、今はダンスレッスンの時間だったわね」
櫻井「そーですわっ!でも、あんなのレッスンじゃございませんの」
高峯「ん?どういうことかしら?」
櫻井「いち早く檜舞台に立ちたいのに、あんな基本の繰り返しみたいなレッスンでは、その前に年を取ってしまいますの」
高峯「少女老いやすく技術成り難しということかしら?」
櫻井「そういうことですわ!もっと、いいトレーナーはいなくって?」
高峯「いることはいるわよ。でも、かなり厳しいわよ」
櫻井「厳しいくらいドーンとこいですの。それくらいじゃなくちゃ、張り合いがなくってよ」
高森「はあ、はあ、やっと追いついた」
双葉「まったくめんどくさいやつだなあ」
高峯「あら、トレーナーに双葉さん。もしかして、櫻井さん、レッスン中に抜けだしてきたの?」
高森「そうなんです。ボックスのステップについてやっていたら、突然桃華ちゃんがどこかに行ってしまって……」
双葉「桃華がふらついてたから心配だ、って杏も無理矢理探すの手伝わされたんだぞー。労いの飴よこせー」
高峯「あなたたち、その呼び方はどうなのかしら?」
高森「なんのことでしょう?」
双葉「もしかして、桃華の呼び方?」
高峯「そうよ、仮にも櫻井財閥のご令嬢なのだから、そのくらいの配慮は必要じゃないかしら」
高森「あ、だから、もも……櫻井さんのレッスン時間だけ短いんですか?」
双葉「そんなの差別だー、杏だって、レッスン短くしてほしいぞー」
高峯「そうよ、きちんと短い時間で、ほかのアイドル以上の成果があがるようにしてちょうだいね」
×(ブッブー)
渋谷「労働基準法第三条、使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」
渋谷「これは均等待遇と呼ばれる条文です」
渋谷「憲法に記載されている法の下の平等をもとに作られたものです」
渋谷「今回の場合、実家が金持ちかそうでないかという社会的身分を理由に、レッスン時間という労働時間で差別的取扱をしているといえるのです」
渋谷「この規定は、国籍、信条、社会的身分に限定して差別の禁止をしています」
渋谷「信条とは特定の宗教的・政治的信念、社会的身分とは生来の身分を指すといわれています」
渋谷「生来の身分とは、今回の生まれのようなもので、社長だから多く給料をもらえるという場合、この規定には違反しないのです」
~エンドロール~
社長:高峯のあ
ご令嬢:櫻井桃華
トレーナー:高森藍子
トレーニングしていたアイドル:双葉杏
ナレーター:渋谷凛
Fin.