日韓戦争 対馬沖海戦   作:ヤマト2015

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防衛出動、発令。


第四話

総理からの指示を受けた外務省は結論から言えばその指示を完遂したと言えた。

外務大臣は電話会談で韓国の外相とねばり強い交渉(と言う名の時間稼ぎ)を行い、韓国大使館にはアジア大洋州局第一課の人間が積極的に会談を行い、中には要求を呑んで貰うように首相に働きかけると言った者もいた。

無論、発言した本人にその気はなく、あくまでも時間稼ぎの為の方便に過ぎなかったが…

当然と言うべきか、日本のメディアは日本が韓国の要求を呑むと言う情報を彼等独自のパイプを通じて知り、報道した。

そして、この報道を見た韓国大統領は日本が要求を呑むのも時間の問題だろうと勝手に思いこんだ。

一部の閣僚が不自然に思ったものの、非戦に慣れきった日本が反撃することはないだろうと、そこまで深くは考えなかったのであった。

 

一方、防衛省の方は対馬奪還作戦の為の準備を大急ぎで行っていた。

とは言え、防衛出動が出る事がほぼ確定状態となっていたため陸海空各部隊は準備をすでに終わらせていた。

特に、水陸機動団の山下 利古里(やました りこり)陸将補(38)は命令が出るや上層部も驚く程の早さで配下の部隊に準備を行うよう指示すると、海軍の輸送隊にも連絡を入れ、受け入れと合流の準備を行って貰うようにするほど気合いが入っていた。

 

そして統合幕僚監部では対馬の奪還に向けて幾つもの作戦がシミュレーションされ、作成されていった。

 

そして2日後、現政権の閣僚全員がようやく集まり閣僚の同意を得たとして防衛出動の命令を総理は発令した。

急を要するため、国会の承認を事後とすることとされた。

この場合、国会が防衛出動を認めなかった時は内閣は即座に自衛隊に撤収を命じなければならないが、現在は与党が過半数を取っている状況の為、さほど問題はない。

更に念には念を入れ野党の一部勢力にも根回しを行っているため例え与党の一派閥が反旗を翻しても過半数を割り込む事はないのは確認済みである。

なにはともあれ、太平洋戦争終結から85年、日本は戦後初めての武力行使を国防軍に命じたのであった。

 

 

 

韓国大統領府 青瓦台

 

大統領「日本め!この私を騙したのか!?」

 

日本が防衛出動を決断したことを報道番組で見ていた韓国大統領は怒りを露にしていた。

つい、数時間前に日本の外相からも戦闘を終結させたらそちらの要求する賠償金のいくらかを前向きに検討すると聞いていたからである。

韓国大統領としてこのまま日本は屈服するだろうとタカを括っていたがものの見事にひっくり返しされる形となった。

 

大統領「おのれ……我が国を侮辱したことを後悔させてくれる!!」

怒り心頭となった大統領は軍に対して断固日本の反抗を阻止するように命じたのだった。

 

 

 

日本海上 第一艦隊旗艦 大和 CIC

 

秋山「…司令……」

 

東郷「いよいよだな……マイクを全艦へ。」

 

日本海を速度を落としながら航行していた第一艦隊の元に防衛出動の発令が伝達された。

統合幕僚監部からの伝達にCIC内の空気が張り積めたものとなる。

そんな中でも司令官の東郷はその張り積めた空気を毛筋も感じさせずに不適とも言えるような笑みをうかべながら艦隊全艦にマイクを繋げた。

 

東郷『旗艦大和より、司令の東郷だ。つい先程、総理より防衛出動の命令が下り、本艦隊にも通達された。戦後初めての防衛出動に緊張し、戸惑いを覚えている者もいるだろう…だが我が国の領土が侵略され、この間にも戦火に怯える国民が我々の目の前にいることを思い出して貰いたい!理不尽な暴力から国民を守るのは我々しかいないと言う事を!力でしか分からないのならば力で知らしめる。我々がこれから行うのはその力の行使である!総員、今までの演習で得た力を十二分に発揮することを期待する!!以上だ。』

 

東郷の演説により張り積めた空気はなくなり、変わりに熱気がCIC内に、いや、艦隊全艦に広がっていった。

 

 

秋山「なかなかの役者ですね…司令。」

 

東郷「過度な緊張は失敗の元だからな。此ぐらいの役者を演じるのも司令官の仕事だ。さて……進路を対馬に!全艦警戒配置だ!」

 

秋山「了解しました!」

 

東郷「ま、万事俺に任しておけ、ドーンとな!」

 

そう言って東郷はこれからテーマパークに行く子供のような目をしたのだった。

 

 

 

 

対馬沖洋上 第七機動艦隊旗艦 金忠善 CIC

 

 

朴「なに?倭奴の艦隊を発見しただと!?」

 

第一艦隊が防衛出動の命令を受信した頃、第七機動艦隊司令官 朴 中将が副官の李 翔潤(リ ショウジュン)大佐からの報告を受けていた。

 

李「はっ!5分前に我が軍の潜水艦が日本海上の遠方で航行する複数の音紋を探知、データ照合の結果、日本艦隊の所属艦のものの可能性高し、との報告を送って来ました。」

 

朴「目視での確認はしたのか!?」

 

李「いえ、潜望鏡での確認は危険と判断して、音紋によるデータ照合のみです。艦艇の詳細も遠方過ぎて詳しい事までは不明との事でした…」

 

朴「ちっ、役立たずめ…まぁ良い、どうせ倭奴の第三艦隊がノコノコと出てきたのだろ…まったくバカな奴等だ。すでに奪還が終わり、防備も完了した対馬にわざわざ頭から飛び込むのだからな…飛んで火に入る夏の虫だ。」

 

日本艦隊の詳細が不明なことに毒づいた朴であったがすぐに敵は日本海方面を担当する第三艦隊だろうと辺りをつけた。

日本第三艦隊は主力となる第一、第四艦隊とは異なり自衛隊時代の編成をほぼ維持しており、第七機動艦隊と比べて戦力は劣っていると言えた。唯一、当時と異なるのは中核となるヘリ空母が「いずも型」へと配置転換され、一応は軽空母としての役割を担う位であった。

 

朴「直ぐに攻撃隊の発艦準備をさせろ!それと空軍にも要請だ!空中給油機と警戒管制機に攻撃隊を補佐させろとな!」

 

李「了解しました!」

 

それから20分後、各空母から4機、計8機の攻撃隊が発艦し、日本艦隊へと向かっていった。

 

朴(ふん、島国の劣等人種が我が国に楯突きよって……身の程を教えてくれる!)

 

すでに朴の頭の中には自軍の攻撃により沈む日本艦隊の光景が浮かんでいた。

確かに、第三艦隊が相手ならばこの攻撃隊でも効果はあっただろう…しかし、相手を知らなかったツケをこの後彼等は支払うことになるのであった。

 

 

 

続く




朴司令官の容姿はヤマト2199のゲール少将をイメージしてください。

政治サイドは他のマンガや小説を参考にしました…

参考にするのとリスペクトするのとパクリになるのってどこからなんだろう…
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