クライマックスです。
日本艦隊旗艦 大和
オペレーター「第三艦隊の南雲司令官より入電。『我、対馬ノ上陸ニ成功セリ。』とのことです!」
乗組員「「「「「いよっしゃやったー‼」」」」」
オペレーターの報告を聞いた乗組員達は歓声の声を上げるが直ぐ様東郷がそれを制止する。
東郷「喜ぶのはまだ早いぞ‼喜ぶのはすべてが終わってからだ!」
東郷の言葉によりCICは再び張りつめた空気となる。
このことからみても彼等もまた、一流の軍人であるということが伺える。
東郷「だが、これで心置きなくやれるのは確かだ。総員、あともう一息だ‼気合いを入れろ‼」
乗組員「「「「「「了解!!」」」」」
その直後、東郷の激に呼応するかの様に大和の主砲が咆哮し、目標へと向かう。
放たれた砲弾は見事韓国艦隊旗艦 金 忠善に命中する。しかし…
見張り員「遠4、近4、命中1、敵軽空母に命中弾1あり、されど爆発なし、信管作動せず!」
命中した徹甲弾は信管が作動せず、そのまま突き抜けてしまったのだ。この報告を聞いた秋山は顔をしかめる。
秋山「やはり、現在の軍艦相手では装甲を貫通してしまうようですね…」
東郷「軽空母とはいえかなりの大型艦だったから徹甲弾にさせたが無理だったか…艦長」
杉田「解っております。弾種変更、次弾、三式触発榴散弾!」
三式触発榴散弾は対軽艦艇用に開発された砲弾で、徹甲弾よりも信管を過敏に設定することができ、対象を破壊するように設計されている。弾内部には燃焼性および爆発性の高い物質が込められおり命中した敵艦を内部から燃やしつくす。厚い装甲を纏った戦艦や大型空母には効果は限られてしまうが駆逐艦や軽空母には十分に通用するはずである。
砲術士「弾種変更、三式触発榴散弾、装填」
かつての戦艦では弾種変更の命令が出てから数発撃たなければ変更することが出来なかったが今では装填装置の自動化、高性能化により短時間での砲弾の変更が可能となったのだ。
砲雷長「三式触発榴散弾、装填完了!目標、方位よろし‼」
砲雷長の報告が上がると発射を知らせるブザーが艦全体に響き渡る。
杉田「ってー‼」
杉田艦長の号令によって重量およそ1.5トンに及ぶ砲弾が放たれる。そして1分とたたぬうちに…
見張り員「弾ちゃーーく今!!」
見張り員の声と同時に金 忠善の周りを水柱が被う。
立ち上がった水柱は全部で8つ。つまり命中弾が1発出たことになる。
見張り員「艦橋よりCIC.遠3、近5、命中1、敵艦艦尾に命中弾1発を確認!」
東郷「よし、次弾装填急げ!」
オペレーター「司令、敵駆逐艦1、本艦に接近中!」
ディスプレイを見ると、敵軽空母の後ろを航行していた駆逐艦が主砲を撃ちながら軽空母の盾になるように陣取っていた。
杉田「敵駆逐艦には副砲にて応戦、主砲はそのまま敵軽空母に砲撃続行」
大和の副砲が敵駆逐艦へと砲身を向ける。
その間にも駆逐艦は砲撃を続けながら接近し、距離が4000になったところで駆逐艦の砲弾が大和をとらえた。
オペレーター「敵弾、本艦右舷第2主砲塔付近に被弾」
杉田「ダメージコントロール、被害状態知らせ」
ダメコン『右舷、第2区画に小規模火災発生、主砲塔への被害なし、現在消火活動中です。負傷者はおりません』
秋山「やはりこういう場合、改めて戦艦の凄さを実感しますね、汎用駆逐艦だったらどれくらいの被害が出ていたことか…」
大和には先代と同様に自身の主砲弾の直撃にも耐えられる装甲が貼られており5インチ砲位では蚊に刺されたようなものである。
東郷「とはいってもヤられっぱというのは癪に触るな、艦長」
杉田「は、副砲、撃ちー方始め!」
大和の155㎜三連装副砲二基が毎分10発という早さで射撃を始める。
初弾は全弾外したが二射目からは命中弾をだした、中口径の砲とはいえ現代の駆逐艦相手にはオーバーキルであった。
71戦団で唯一無傷だった駆逐艦 金 富軾(キム・プシク)はあっという間に穴だらけになり、弾薬庫に引火し爆沈した。
オペレーター「敵駆逐艦撃沈」
東郷「よし、ようやくメインディッシュだ。主砲、撃ち方始め!」
杉田「は、撃ちー方始め‼」
三度(みたび)大和の主砲が吼える。速力が落ち、満身創痍の金 忠善にはこれを避けることも出来るはずがなかった。
一発は艦橋に命中し、CICにいた朴司令官を押し潰し爆発、艦橋を破壊しつくした。艦橋部分にはCIC以外の装甲は皆無と言ってよく三式触発榴散弾でもCICの装甲を貫通してしまったのだ。
それ以外の箇所にも命中した主砲弾は4発あったが、こちらは艦橋部分よりも装甲が厚いのがかえって災いした。比較的厚い装甲によって抑えられた主砲弾はそこで爆発し艦内を破壊する。その爆炎が艦内に残っていた航空機や弾薬庫に引火し破壊力を増大させその有り余る破壊力を外へと求めた。
まさに一瞬の出来事であった。艦が一瞬膨らんだように見えたと思ったら、核弾頭が爆発したようなきのこ雲を出し、真っ二つに折れその艦体を海中へと引きずりこんでいった。
轟沈である。生存者はわずか10名にも満たなかった。
オペレーター1「敵軽空母撃沈!!」
オペレーター2「現在敵艦からの攻撃無し」
東郷「全艦、撃ち方止め。全艦の被害状況と敵艦隊の動向を報告せよ」
勝利の余韻に浸ることもなく東郷は状況報告を矢継ぎ早に指示する。
オペレーター1「は、敵α群の残存艦は全艦が大破し、撤退していきます。β群はα群の撤退の援護をしている模様で対艦ミサイルを発射していますが照準はまばらで現在のところ迎撃出来ており被害はありません」
オペレーター2「巡洋艦摩耶および那智がβ群からの砲撃により数発被弾しましたがどちらも戦闘及び航行に支障はありません。それ以外の艦からは迎撃時にミサイルの破片があたった程度で目立った損傷はありません。本艦の敵弾の命中箇所は現在消火は完了し応急修理もあと少しで終了するとのことです」
秋山「結果だけ見れば完勝と言ったところですかね…敵残存艦の進路はどこに向かってますか?」
ふと気になった秋山が敵残存艦隊の進路を問う。もし残存艦隊が上陸部隊の方へ向かおうものならば厄介だからだ。
とはいっても上陸部隊の方には第三艦隊が護衛についているから問題は無いがこういうことは心配してもしすぎるということはない。
オペレーター1「敵残存艦隊は進路を0-1-5に固定しています。この進路ですと韓国本土の方へ向かう可能性が高いです。すでに第三艦隊以下各方面に情報をリンクしていますから例え敵残存艦隊が途中で対馬方面に進路を変更したとしても対処は充分に可能です」
秋山「そうですか、判りました。東郷司令、戦闘配置を解除し生存者の救助を具申します」
戦闘が終了したら敵味方構わずに助ける。それが秋山の心情でもあった。東郷もその意見には賛成であった。
東郷「首席参謀の具申を通す。艦隊全艦、戦闘配置解除。ただし、警戒体制はくずな。特に対潜、対空警戒は厳重にするように。これより生存者の救助活動に入る。救助した敵艦生存者の収用は加賀に順次移送すること。収用人数が限界に達した場合は加賀艦長の采配で他艦への移送を許可する。以上だ」
こうして後に対馬沖海戦と呼ばれる闘いは終わった。
しかし運命の神はまだこの劇を続けたいとでも言うかのようにまた別の脚本を用意してきたことをこのときの彼等は知るよしもなかった。
盛大にフラグ書いたが大丈夫か?
大丈夫だ、問題無い(死亡フラグ)
という訳で残り一話でこの物語は終了です。
その後の展開はまた別の機会に、ではまた次回お楽しみに。m(__)m