魔導師が勇者召喚に巻き込まれたそうです。   作:無双レイヴェルト

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勇者っていう者は何人もいるもんなの?

悠斗side

 

「ようこそ、勇者様………って勇者様が三人!?」

 

 

光が収まり、目を開けると見知らぬ薄暗い地下室のような部屋で怪しいローブを纏っている変質者の集団に囲まれていた。

 

 

「………えっ?」

 

 

突然の出来事に思わず、僕は後ずさりしてしまい右足で何かを踏んでしまった。

 

 

慌てて足元を見ると、親友の虹次を含む親しい男友達がハーレム野郎と呼んでいる皇くんと全男子生徒から女神様と称されている橘さんの二人が倒れていた。

 

 

「…………」ポクポクチーン♪

 

「いたっ……ぇ?此処は何処よ?」キョロキョロ

 

目が覚めた橘さんは起き上がってキョロキョロと周りを見渡し始めた。

 

 

「ねぇねぇ、気絶してるけどあの子超イケメンよ!」

 

「そうね。でも私は気絶している男の子を踏んじゃっている子が良いなー」

 

「チッ……これだからイケメンは嫌なんだよ!!」

 

「まぁまぁ怒るなよ……女の子だっているじゃんか」

 

「そうだな。彼女はクール系美少女かな?それともヤンデレ系美少女かな?」

 

「……ヤンデレ系美少女って誰得?」

 

 

目の前にいる変人?たちが少しざわついている。小声で何を言っているのか分からないけど、 僕たちに関わることだというのは確かだと思う。

 

ところで、虹次は何処にいるんだろう?

 

 

 

 

 

首を傾げているとそのざわつきは治まり、豪華なロングドレスを着た桃色髪の美少女が僕の前に寄って来た。

 

 

「初めまして、勇者様方。わたくしはエドラス王国第2皇女のセレスティア=S=エドラスと申します。すみませんが皆様のお名前を教えて頂けますか?」

 

 

美しい声で自分の名を名乗る桃色髪の美少女。

 

 

 

て言うかお姫様だったのこの人!?だからこんなにも綺麗なんだ……。

 

 

っと、それより今は挨拶をされてるんだった。失礼ないように挨拶しなくちゃ。

 

 

 

「初めまして、お姫様。僕は枢木y……いえ、ユウト=クルルギと言います。よろしくお願いします」

 

 

 

外国風に名乗り、目の前にいるお姫様にぎこちないお辞儀をする。

 

 

 

「…………初めまして、王女殿下。私はナツメ=タチバナ、よろしく」

 

 

僕に続いて橘さんがちょっと間を開けてつつお姫様に軽くお辞儀する。

 

 

「ユウトさんにナツメさんですね。こちらこそよろしくお願いしますわ。……ところで、御二人は床に倒れている御方のお名前はご存知でしょうか?」

 

 

「えぇ、知っているわよ王女殿下。床で現在進行形で気絶している奴の名は、リュウガ=スメラギ。一応"私の"幼馴染という関係の女たらしで最低な鈍感男よ。こいつと二人きりになる時は気を付けた方が良いわよ?」

 

 

橘さんの皇くんに対する評価が凄い……。お姫様に彼の事を説明している間、彼女の身体から怒気を感じじゃったよ。

 

 

「…………あははは。そ、そうですか。ご忠告ありがとうございますわ、ナツメさん」

 

 

先程まで微笑んでいたお姫様が橘さんの怒気溢れる説明を聞いて、愛想笑いになちゃったよ……。

 

 

 

 

 

 

 

あの後、お姫様が「今から王様に謁見して貰いますので、わたくしに着いて来て下さい」と言われたので、地下室(お姫様曰く『召還部屋』と呼ばれてる部屋)から王様がいる謁見の間に移動した。

 

 

移動している最中に、橘さんがお姫様にお願いして兵士の人(見た目30代位のマッチョ男)に引き摺られてた皇くんが目を覚ました。

 

 

目が覚めたのは良かったけど、皇くんは状況が読み込めないのか身体をジタバタさせながらキーキー喚いて五月蝿かった。

 

 

そんな彼にイラついたのか橘さんが詰め寄って彼の胸倉を掴んで「黙りなさい、劉雅」と冷たい声で告げたら、キーキー喚いてた皇くんは黙り込んだ。

 

 

こんなやり取りをしているうちに、大扉の前に到着した。

 

 

「さて、此処が謁見の間です。これから皆様にはエドラス現国王に会って貰います。・・・・・あと皆様は勇者様兼王室のお客様なんですが、一応国の礼儀なので国王の前に行ったら跪いて下さい。」

 

 

僕らの方に振り向いてそう説明するお姫様。

 

それに対して僕と橘さんは直ぐ頷いたが、皇くんはお姫様が説明した内容が分かってないのかキョトンとしていた。

 

 

 

 

「じゃあ・・・・・開けます」

 

 

 

大扉が開かれ、部屋のなかが明らかになる。

 

 

そこには、ズラリと並んだ兵士たちに従者たち、そしてその先には玉座があり、そこに一人の男が座っていた。

 

 

 

金髪オールバックで碧眼の優男然としたその男の人は柔和な笑みを浮かべ、謁見者である僕たちに向け一言……。

 

 

 

 

 

 

「あっ、いらっしゃーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

「待っていたよ、勇者くん達。あと、セレス道案内兼勇者召還の儀式お疲れ様だったね~。あっ!別に跪かなくてもいいよ。

えっ?セレスから国の礼儀だって教えれてたから?律儀だね~君たち。でもまあ君たちは一応エドラス王室のお客様なんだからね!跪かないでそこに置いてある椅子に自由に座ってね、今から君たちをこの世界この国になぜ呼んだのか説明するからさぁ!!」

 

 

「ねぇ、夏目!あの金髪の人なかなか面白い人だね~」

 

「・・・・はぁ、王様に対して面白い人って失礼過ぎるわよ。劉雅」

 

「アハハ・・・・そうだね、橘さん」

 

 

ペラペラと喋る金髪オールバックの王様。

 

 

それに対して、皇くんは面白い外人の人と評し、僕らは彼の言動に呆れながら用意された華美な装飾品が付いた椅子に座った。

 

 

「お父様!!・・・・・いえ、王様!!なんですかその御言葉使いは!!!現王である貴方がそんな振る舞いをすれば、エドラス王室の品質が損なわれますし、謁見する勇者様達に失礼ですわ!!!」

 

 

「まぁまぁ落ち着いて、セレス。私が勇者くん達の前でこんな言葉使いをしているのも私なりに彼らを緊張させないようにする為なんだからね」

 

 

「えっ!?そ、そうでしたの!そうと知らずに怒鳴りつけてしまい誠に申し訳ございませんでした、王様」

 

 

「構わないよ、セレス。君が私に怒鳴りつけてくれたのは心配してくてたんでしょう?ありがとうね」

 

 

「・・・・・はい」

 

 

王様とお姫さまとのやり取りが終えた瞬間、王様の矛先がこっちに向いた。

 

 

「いや~待たせてしまってごめんねー勇者くん達。説明する前に一応自己紹介するよ。私はエドラス王国第64代目国王のショゼフ=J=エドラスね、これからよろしく~」

 

 

 

 

 

「では、なんで君たちがここに居るか詳しく話そう」

 

 

「は、はい」

 

先程とはちょっと違う口調で語り始める王様。

 

なんで此処にいるか?それはお姫様が勇者召還の儀式をしたからでしょう。

 

 

「まず、ここは君達が居た世界とは別の世界、異世界なんだよ。この世界の名は【オスティア】」

 

 

「・・・・ぇ?」

 

 

え?そこから語り始めるの王様。僕、此処が異世界ってことは地下室に居たときから知っているんだけど・・・。

 

 

「え?異世界って」

 

 

ほら、あの皇くんだって語り始めるところおかしいって気付いたよ、王様。

 

 

「証拠は?私達の世界とここが違う世界だって証拠はあるの?エドラス王」

 

 

「・・・・・」コクコク

 

 

「証拠・・・か・・・・・これなんてどうだい?【ファイアボール】」

 

 

橘さんの質問に少し考えた王様が手の平を翳すとそこに火の玉が浮かび上がる。

 

 

「・・・・・え?火の玉?」

 

 

「これは魔法、君達の世界には無かったものではないかな?」

 

 

「魔法ねぇ・・・・まるでALOの世界に入り込んだ感覚ね」

 

 

橘さんの言葉を聞いて、聞き間違いではないかと耳を疑う。

 

 

ALOってあのVRMMORPGで妖精になって空を自由に飛んだり魔法を使って冒険するって内容のゲームだよね。

 

 

まぁそれはいいとして、橘さんと皇くん。まさか此処が異世界っていうこと信じてない?

 

 

 

 

 

 

 

「ここが異世界だって事は、まぁいいとするわ。なぜ私達がこの世界に呼ばれたの?」

 

 

「それは今、この世界に起きている事と関係があるんだ」

 

 

この世界で起きてる事?

 

 

「遥か昔、この世界で大きな戦争があった。

 

すべてを支配しようとする魔族とその他の6種族のよる戦争だ。

 

戦争は100年も続いたんだよ、魔族は強くそして多かった。

 

『このままでは負けてしまう』、そんな事思った当時のとある国の王がある儀式を行った。

 

それが勇者召喚の儀式だ。

 

それは異世界から勇者と呼ばれる強者を召喚する。

 

召喚された勇者はそれはとても強くて、ものすごい勢いで魔族軍を劣勢に追い込んだ。

 

そして魔族の王、魔王と一対一で戦い勇者は魔王を葬り去った」

 

 

「テンプレな説明ね。・・・・・ハァ・・・私、本当に不幸だ」

 

 

そう言えば、よく虹次がファンタジー系小説を読んだ後、僕にファンタジー系でよくある在り来たりなお話を話してくれてたな。

 

 

「そして最近各地でおかしな事がおき始めてね、火山を住処にしている筈の魔物が浜辺に現れたり、大人しい筈の魔物が凶暴になって人を襲ったりとおかしな事が続いているんだ。これは魔王が復活する前兆だと判断した我々は急遽、王家に伝わる秘術勇者召喚を行った」

 

 

「王様、それでぼく達が呼ばれたの?」

 

 

「その通りだよ、勇者くん」

 

 

ちょっと考え耽ってた橘さんが皇くんの質問に応えてた直後の王様に尋ねる。

 

 

「ちょっと良いかしら、エドラス王。伝説の勇者っていう者は何人もいるもんなの?」

 

 

「いや?伝承では勇者は一人の筈だけど・・・」

 

 

「だったら勇者は劉雅よ、エドラス王。私達はこのバカに巻き込まれただけの学生なんだからね」

 

 

「えっ、それはどういう事だい?」

 

 

彼女の言葉に王様の眉間に皺が寄る。

 

 

「どうもこうも、バカ劉雅の足元に魔法陣が出たと思ったら私は腰に抱き付かれて無理やり引きずり込まれたのよ」

 

 

「なんだって・・・!?そっちの茶髪の彼は?」

 

 

「引き込まれそうになってた私を助けようとして一緒に落ちたクラスメイトよ」

 

 

此処で言ったら結構ややこしくなるから、敢えて言わないで置くけど。

この場に居ない僕の親友の虹次も多分巻き込まれてこの世界の何処かにいる筈なんだけど。

 

 

橘さんの言葉に驚愕する王様たちを横目に僕は親友の行方を心配してた。

 

 

 

 

 

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