「モンスターで、ダイレクトアタック!」
相手モンスターが生み出した衝撃波が迫る。Aカードを探そうとするが長期戦でフィールド内のAカードはほぼ使い尽くされてしまっていることを思い出した。
「くっ、うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
結局モンスターからの攻撃から逃げられず、悲鳴とも雄叫びともつかない叫び声をあげる。最後のLPを削り取られて俺は膝をついた。
『決まったーー!舞網チャンピオンシップ・ユース選手権!優勝は若干14才!
ファンファーレと歓声が鳴り響く。悔しさが溢れ出して一度だけ地面を殴りつけた。
「未来」
「!」
名前を呼ばれて顔を上げると"Winner: Reiji"と表示された掲示板をバックに大会の優勝者が歩み寄ってくる。その姿はあまりにも様になっていて思わず苦笑してしまった。
「いいデュエルだった」
「零児・・・」
『惜しくも敗れました、同じく14才、
差し出された手を掴んで立ち上がると歓声が一層大きくなった。・・・まあ、悪い気分じゃない。
「結局チャンピオンシップでは一度もお前に勝てなかったな・・・」
「ふっ、だが危ない所だったよ。《光の召集》・・・後1ターン遅ければ優勝は君だった」
確かにこのターンを凌ぎ切り、墓地に眠る切り札を回収できていれば・・・だが零児はそれをさせなかった。
「よしてくれよ・・・でも、おめでとう零児。この調子なら来年には最年少のプロ誕生か」
「どうかな・・・そういう君はどうする。来年も出場してプロを目指すか?」
聞かれて少し悩む。零児の背中を追いかけるのも悪くないけど・・・
「そうだなあ、俺は・・・人にデュエルを教えたい」
「教える」
「ああ、舞網市のレベルはまだまだ低すぎると思うんだ。」
ずっと物足りないと思っていた。この街にやって来た当初は様々な召喚法に驚かされたがそれも最初だけで、大好きなはずのデュエルが退屈に感じていた。零児と初めてデュエルするまでは・・・
「なるほど、確かに・・・このままでは・・・」
零児もうすうすそれは感じていたのだろうか、思案顔になる。
「零児?」
「いや、君の言うことはもっともだと思っていた」
「そうか?でもそれだけじゃない、もっと大切なことを・・・きっといい決闘者を育ててみせるよ!お前に勝てるぐらいの奴を、な」
目の前のライバルに不敵な笑みを浮かべてやると、少し驚いた顔をされた。
「面白い、楽しみにしていよう・・・!」
「ああ!」
俺たちは固い握手を交わし、互いを称えあった。
これが2年前、俺、十六夜未来と親友・赤馬零児が最後にしたデュエル。
嘘、私の小説の文字数、少なすぎ…?
原因:デュエルしてない