Ciao!~大空の少年と憤怒の青年と黄のアルコバレーノの物語~ 作:cibetkato
「・・・じゅ、十代目」
「行こう、みんな。・・・ランボを病院に連れていかなきゃ」
ツナは獄寺の問うような視線から顔を背けると、ランボを抱きかかえて家光に視線を向ける。
「・・・そうだな。とにかく雷の守護者を病院に。話はそれからだ。・・・良いな?ツナ」
「・・・わかったよ」
素直に頷いた息子に家光は秘かに胸を撫で下ろし、皆を引き連れて病院へと向かった。
病院への道すがら、ツナは獄寺から携帯を借りて奈々に連絡を入れる。
「・・・あ、もしもし、母さん?大変なんだよ!ランボが感電しちゃって」
電話先で、奈々が慌てる声がする。
「うん。着いたらちゃんと説明するよ」
困ったように笑い、ツナは電話を切る。
「ツナ・・・」
「母さんには詳しく説明しない方が良いんだろ?・・・父さんも俺の説明に合わせてね」
「・・・ああ」
家光は頷き、ツナから視線を逸らした。
――中山外科病院
「母さん、ごめんね・・・ランボを頼むよ」
ランボを病室のベッドに寝かせた後、ツナは奈々に頭を下げた。
「貴方達・・・一体、何をしているの?」
訝しげに問う奈々に、ツナは首を振る。
「詳しくは言えない。でも・・・遊びじゃないんだ。大切なものを守るために戦ってる」
ツナの言葉に口をつぐみ、奈々は家光に視線を向ける。
「すまん奈々。黙ってツナの力になってやってくれ」
「・・・わかったわ。ただし、全部終わったらちゃんと説明して貰いますからね!」
キッと奈々に睨み据えられて、家光は苦笑し、そして頷いた。
「・・・ああ」
***
そして、第3戦目は嵐のリング戦。
時間ギリギリでやって来た獄寺。校舎の3階全てがバトルフィールドになり、加えてフィールドのあらゆる場所にハリケーンタービンが設置される。
「ハリケーンタービン?」
「4つの吹き出し口から、ランダムに強風が吹きだします」
チェルベッロの説明にバジルが感嘆する。
「まさに嵐のリング戦に相応しいフィールド、ということですね。」
「それから、今回は時間制限を設けさせていただきました。試合開始から15分後にどちらかが嵐のリングを所持できない場合は、ハリケーンタービンに備え付けられている時限爆弾が爆発し、このフィールドをすべて破壊します」
「・・・っ!」
息を呑むツナ達に、更にチェルベッロ達は言葉を紡ぐ。
「そして、勝負が妨害されないよう赤外線の感知式レーザーを設置しました」
「ランボの時のような真似はするな、ということか」
はぁ、と息をついたツナにもの言いたげな視線が向けられる。
「?」
その方向へ視線を向けると、何か言いたげな様子のスクアーロがいた。
「その様子だと、何も教えてもらってないみたいだね」
クス、と笑ったツナにスクアーロは顔を顰めた。
「テメェ」
「あ、そうだ。今までちゃーんと俺の言いつけを守ってたえらーいスクアーロに、ちょっとだけヒントをあげよう♪」
「っ!?」
楽しげに言われた言葉にスクアーロは眼を丸くし、他のヴァリアーの面子がそのスクアーロを振り返る。
「どういうこと?スクアーロ」
マーモンが口をへの字に曲げる。
「少しだけ・・・奴とボスとの関係を聞いた」
「ズルイぞ!スクアーロ!!」
XANXUSに心酔しているレヴィが突っかかると、スクアーロが眉を寄せる。
「るっせぇぞ、レヴィ!・・・で、ヒントってなんだぁ?」
「ん?・・・そうだねぇ、俺とXANXUSの出会いの話だよ」
「!?」
ざわめいたヴァリアー側に、ツナはニッコリと笑った。
「俺は5歳。XANXUSは15歳。ボンゴレ主催のパーティーで俺達は会った。退屈なパーティーに飽き飽きしてた俺は、同じように壁の華状態だったXANXUSをナンパしたんだよねぇ」
「なっ・・・」
(((((XANXUSをナンパ・・・!!!)))))
ヴァリアー達だけでなく、リボーン達までもが絶句する。
「はい!ヒントはここまで♪・・・じゃあ、始めようか?嵐のリング戦を」
ツナはチラリとチェルベッロに視線を向ける。
「・・・では、嵐のリング戦を開始します」
ためらった様子を見せるチェルベッロ達に、ツナは眉根を寄せて呟いた。
「チェルベッロ、お前達が何を企んでいるか知らないけど、これ以上俺の大切なものを利用しようとするなら・・・潰すよ?」
「「っ!」」
放たれた殺気にゾッと背筋を凍らせるチェルベッロ達に背を向け、ツナはリボーン達にニコリと笑みを向けた。
「さ、俺達は観戦エリアに行こう。・・・獄寺君、絶対に無茶だけはダメだよ?」
「はい、10代目」
頷く獄寺に、ツナは真剣な視線を向ける。
「約束だからね?破ったらダメだよ?」
「・・・はい」
苦笑をうかべて、獄寺は頷く。
自分の覚悟などツナにはお見通しなのだろうと理解する。だからこその言葉に苦笑をうかべるしかなかったのだ。
そして・・・。
獄寺の家庭教師をしていたシャマルが加わり、門外顧問である家光やバジルも見つめる中、嵐の守護者戦は始まった。