Ciao!~大空の少年と憤怒の青年と黄のアルコバレーノの物語~   作:cibetkato

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 アニメでいう、日常編辺りのお話です♪


日常編
ツッくんが行く! 1


 リング争奪戦から1ヶ月。守護者達の傷も癒え、ようやく落ち着いた生活を取り戻していた。

 

 いつも通りに学校に通う日々。昼食後の授業というのもあって思わず眠気に負けそうになる。

 

「ふあ・・・ねむ」

 

「・・・沢田ァ、随分と余裕じゃないか。よォし、ではこの“with a wish”を使った英文を作って発表しろ」

 

 我慢できずに大きなあくびをしてしまったツナを目ざとく見つけた教師がそう言って意地悪く笑う。

 

 獄寺と山本はそんな教師を憐れむような表情をうかべて見つめた。ツナは最早ダメツナを演じようとはしていなかった。だから、ここで実力を隠すような真似はしないだろうと判断しての表情だった。

 

「・・・あ~、ハイ」

 

 ツナはのそりと立ち上がって教師を見つめて、溜息をついた。

 

「はぁ・・・I promise me that I shall grant that using every kind of way with a wish.(私には願いがある、どんな方法を使ってでも、それを叶えてみせると誓っている)」

 

 スラスラとツナの口から発せられたネイティブ並みの英語に、教師のみならず獄寺や山本を除いたクラスメイト達がポカンとツナを見つめた。

 

「先生、良いですか?」

 

 黙って己を見つめる教師に首を傾げて見せれば、教師はハッとして頷いた。

 

「あ、ああ、す、座って良いぞ」

 

「はーい」

 

 やる気の見えない返事をし、ツナは再びぼうっと黒板を見つめた。

 

 その後、どれ程あくびをしても眠そうにうつらうつらしても、教師はツナを指名しようとはしなかった。

 

「・・・10代目、今日は随分とお疲れですね」

 

 授業が終わった後、傍に寄ってきた獄寺が訊けば、ツナは苦笑いをうかべた。

 

「あ~、大丈夫。疲れてないよ。なんか張り合いがないから退屈でさぁ」

 

「退屈、ですか?」

 

 首を傾げる獄寺にツナは頷く。

 

「うん、退屈。・・・あ、そういえばさ、XANXUS達の処分って決まったのかなぁ?父さん達が決めるって言っていたけど」

 

「寛大な処分を、と10代目から嘆願書を送ったんですよね?」

 

「うん。一応ね。俺を10代目にするために悪役を買って出たんだってコトにしておいたから」

 

 まぁ、嘘は言っていない。悪役になりきって死ぬつもりだったということや、9代目も道連れにしようとしていたことは伏せようと家光やリボーンと相談して決めたのだ。

 

「へぇ~・・・リング争奪戦って、そういうことになってんのな」

 

 ひょっこりと2人の間に割り込んだ山本がニカリと笑った。

 

「山本・・・」

 

(俺と10代目の間に!!!)

 

「ん?どーしたぁ、獄寺♪」

 

(2人っきりで良い雰囲気になんて、させるかよ)

 

 バチバチと火花を散らす2人を不思議そうに眺めていたツナは、突如、あ、と声をあげた。

 

「どうされましたか!?10代目!」

 

「なんかあったのか、ツナ!」

 

「え、あ、いや。・・・向こうに直接連絡取ればいいじゃーんみたいな?」

 

 えへ♪と笑ったツナに、獄寺と山本は撃沈する。

 

((かわいいぃ~~~~!!!))

 

 悶える2人の心の声がばっちり聞こえたツナは、ぷく、と頬を膨らませる。

 

「もぉ~なんだよ、2人してェ。可愛いって男に言うセリフじゃないだろ?」

 

「もっ申し訳ありません!あまりにも、お可愛らしかったので、つい!」

 

「いやいや、男でも、ツナは可愛いって言葉が似合うのな~♪」

 

「まだ、可愛いって言うし」

 

 ガックリと項垂れたツナに、獄寺は一瞬考えてから自分の携帯電話を取り出した。

 

「このケータイ、国際電話かけられますよ?」

 

 その言葉にツナはパァっと表情を明るくした。

 

「ホント!?使っても良い??」

 

「ええ、良いですよ。・・・あ、でも番号わかりますか?」

 

「総本部は知らないけど、父さんの携帯番号は聞きだしたからどこ居ても平気!」

 

 にこぉ、と笑い、ツナは獄寺から携帯を受け取る。

 

(ああ・・・可愛いっす~10代目ぇ///)

 

 ぽーっとツナを見つめる獄寺に山本は苦笑をうかべる。

 

(獄寺の奴顔に出過ぎなのな~・・・だから、小僧に牽制されんだよなぁ)

 

「ciao!・・・父さん?俺、ツナだけど~」

 

 どうやら繋がったらしくツナが明るい声をあげた。

 

『つ、ツナ?・・・俺の番号知ってたのか?というか、この携帯誰のだ?』

 

「え、電話番号?あは。そんなのバジル君から聞いたんだよ~。あ、この携帯?これね、隼人に借りてんの」

 

『ああ、嵐の・・・そういうことか。で、とーさんになんか用があって連絡してきたんだよな?』

 

 納得した家光は滅多にない機会に機嫌良く訊ねる。

 

「うん。XANXUS達の処分について聞きたくて。父さんも庇ってくれたんだよね?」

 

『まぁなぁ。・・・他の幹部達も随分驚いてたよ。XANXUSが9代目の実の息子じゃなかったっていうこと以上に、お前を推しているってことにな』

 

 XANXUSの件だとわかって落胆し、溜息交じりになった家光の言葉にツナは首を傾げた。

 

「そうなの?・・・まぁ、こんな平和なジャッポーネのガキをどうしてってとこかなぁ?」

 

『ハハ。一字一句違わずそう言ってたな。・・・まぁ、XANXUSの処分については俺と9代目に一任されたから、お前の望む通りにするつもりだ。

 9代目はさすがにボンゴレに害をもたらしたのが2度目だから厳しい処分をと仰られていたんだが、当事者のお前が寛大な処分を望んでいるって伝えたら感謝してたよ』

 

「そっか・・・じゃあ門外顧問の権限で、観察処分ってコトにしてくんない?」

 

『・・・観察処分?』

 

 家光が訝しげに呟き、それから、ああ、と声をあげた。

 

『そういうことかぁ。まぁ、良いんだが・・・リボーンがなんて言うかなぁ』

 

「リボーンは俺が説得するし。ね?良いでしょ?お願い父さん」

 

 おねだりするとき特有の甘ったるい声を出してツナが頼めば、元々妻と息子を溺愛している家光が逆らえるわけがなく、二つ返事で了承した。

 

『わかった、わかった。・・・とーさんに任せておけぇ!』

 

「アリガト、父さん。大好きだよ~♪」

 

『とーさんも、ツナがだーい好きだぞぉおおッ!!!』

 

 声が漏れまくって、ツナの周りの人間がギョッとしてツナの方を向く。

 

「じゃ、切るからね?」

 

『ツナぁ~~~とーさん、淋しいよぉ~~!』

 

「じゃあ、早く日本に帰ってきなよ。・・・仕事終わらせて」

 

 縋るような声にツナが苦笑する。

 

『うう、頑張って仕事終わらせる・・・ツナぁ、待っててなぁ』

 

 通話を終えたツナは獄寺に携帯電話を返す。

 

「アリガト、隼人」

 

「いえ。それで、つまりはどうなるんです?」

 

「うん?ああ、XANXUSを家で預かるってコトにすんの。だから“観察処分”ね?」

 

「ああ、ナルホド」

 

「そういうことかぁ・・・」

 

 納得しかけた獄寺と山本は次の瞬間サァッと青褪め、叫び声をあげた。

 

「「ッツ・・・なにぃいぃいいいいッ!!?」」

 

 あの不敵な笑みをうかべた最強のライバルのことを思い出し、2人は頭を抱えたのだった。

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