Ciao!~大空の少年と憤怒の青年と黄のアルコバレーノの物語~   作:cibetkato

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本日は2話更新です。読みとばしにご注意を。


ツッくんが行く! 5

「お帰りだもんね~!!ツナ~!!」

 

 リビングに入るなり抱き付いたランボにツナは一瞬目を丸くし、それからふわりと笑う。

 

「ただいま、ランボ」

 

「おかえりなさい、ツナ兄」

 

「うん。ただいま、フゥ太」

 

 ニッコリと笑って見上げてくるフゥ太に笑みを向け、それからXANXUSを振り返った。

 

「2人とも、今日からXANXUSが一緒に住むことになったから、仲良くするんだぞ」

 

 そちらに視線を向けたお子様2人はビシリと固まった。

 

「・・・あ、やっぱ、衝撃が大きかったかな」

 

 呟いたツナの目の前が暗くなる。視線をあげると、そこには複雑な表情をうかべたビアンキが立っていた。

 

「・・・ツナ、リボーンから聞いてはいたけど、本当に連れて来たのね」

 

「げッ、姉貴・・・」

 

 顔を青ざめさせる獄寺の呻き声が聞こえて、ツナは苦笑をうかべた。

 

「ビアンキ、ただいま。・・・今日はゴーグルしてるんだね」

 

「ええ。玄関から隼人の声が聞こえて、急いでゴーグルをつけたのよ」

 

 クス、と笑ったビアンキが獄寺に視線をやる。

 

「まったく、いつまでたっても恥ずかしがり屋なんだから」

 

((((いやいや、恥ずかしいとか、そういう理由じゃないから!!))))

 

 事情を知る面々が一斉に心の中でつっこむが、ポイズンクッキングの餌食になるのは嫌なので口には出さない。

 

「ところで・・・リボーンは?」

 

 キョロキョロとリビングを見まわして、ツナは首を傾げた。

 

「2階の貴方の部屋よ。・・・“イタリア”に連絡をしてるみたいね」

 

 奈々の目を気にしてか“イタリア”とビアンキは言ったが、おそらくリボーンはボンゴレ総本部に連絡を入れているのだろう。

 

「ふーん・・・“イタリア”ねぇ」

 

 ツナはムッとしたように呟く。

 

「ツナ?」

 

 XANXUSが不思議に思って声をかければ、ツナは眉間にしわを寄せたまま振り返った。

 

「・・・リボーンの奴、まだ納得してないんだ」

 

 リボーンが何に対して納得していないのか、そんなことは聞かなくてもわかった。

 

「フン、いくら黄のアルコバレーノだって、来た者を追い返すなんてことはできねェだろ」

 

 ライバルの小さな抵抗をXANXUSは鼻で笑った。

 

 もうXANXUSは来てしまったのだ。9代目と門外顧問のそれぞれの承認の証が入った命令書を持って。

 

 いくら9代目の寵愛を受ける黄のアルコバレーノ、リボーンでもその決定を覆すことは不可能。それに当のリボーンが言ったのだ。いつかはツナの元に戻り甘やかしてやれと。

 

「フ、奴もさすがにこんなに早く戻ってくるとは、思ってなかったんだろうな」

 

 ぼそりと呟いたXANXUSをツナが振り返る。

 

「え?なんか言った?」

 

「いや、なんでもねェ」

 

 聞こえていなかった様子のツナに対し、XANXUSはそう言ってニヤリと笑った。

 

「ふぅん。・・・でも、ちゃんと再教育はするからね?XANXUS」

 

 ツナの真剣な視線が向けられて、XANXUSは素直に頷いた。

 

「・・・ああ」

 

「なら、良しっと。・・・じゃあ、俺、リボーン呼んでくるね」

 

「ああ」

 

 ツナがパタパタと2階にあがるのを見送っていたXANXUSは、視線を感じて下を向く。

 

「・・・なんだ?」

 

 じっと見ていたのはフゥ太。何か言いたげな子どもにXANXUSはしゃがんで目線の高さを合わせてやった。

 

 それはXANXUSにとって自然な行動であり、幼いツナにやったのと同じようにしただけだったのだが、後ろにいたツナの守護者やらヴァリアーの幹部やらが揃って驚愕して息を呑んだのを気配で感じた。

 

「ツナ兄を・・・いじめたりしない?」

 

 どうやら最初にレヴィが暴走して襲ったことを覚えていたらしい。

 

「・・・ああ。もう泣かせねぇ」

 

 頷いたXANXUSを見たフゥ太はホッとしたように笑みをうかべた。

 

「あらあら、本当にXANXUS君ったら子どもの扱いがうまいのねぇ」

 

 のほほんと笑ってそう言った奈々の言葉に、ツナの守護者やヴァリアーの幹部達は心の中で絶叫した。

 

((((((ありえねぇええええッッッ!!!))))))

 

「・・・失礼な連中だ」

 

 仰天した様子の彼等にさすがにムッとしたXANXUSだったが、普段の自分の行いからは想像できないことはわかっていた。

 

 だからこそ手を出さなかったのだが、それすらも驚かれていることには気づいていない。

 

(ぼ、ボスが・・・!ボスが、物を投げてこない!!)

 

(ボスが大人しいとか、ありえねーし!!!)

 

 特に驚いていたのは、ヴァリアーの幹部である2人だった。

 

「おい、マーモン、ベル。・・・いつまでそんなカッコしてんだ」

 

 XANXUSが言えば、2人も今更ながらに幻覚で学生になっていたことを思い出す。

 

「おい、奈々。こいつらの変装を解かせるが、驚くなよ」

 

「あらあら、変装してたの?・・・わかったわ」

 

 とんでもないことを言われているのに、ニコニコと返す奈々はやはり大物だと思わされる。

 

「マーモン、やれ」

 

「・・・オーケイ、ボス」

 

 命じられてマーモンが幻覚を解く。

 

 普段通りの姿を取り戻した2人は、ほぅ、と息をついた。

 

「やっぱ、こっちの方がしっくりくるな・・・シシシ」

 

「当たり前だろ・・・」

 

 ニヤリと口元を歪めるベルフェゴールと軽く溜息をつくマーモン。それを見ていた山本が首を傾げた。

 

「・・・というか、ずっとこっちにいる間アレで学校に来るのか?」

 

「とりあえずはね。・・・次期10代目の護衛任務も受けてるし」

 

 マーモンが答えると、獄寺は眉間のしわを深める。

 

「・・・10代目には俺達守護者がついてるのに、護衛かよ」

 

「まぁ、上からの命令だからね。そっちも逆らったらまずいんじゃないの?」

 

 そう言われれば言い返すことができない獄寺は、ムッとして黙り込む。

 

「・・・なぁ・・・ツナの奴、遅くねェ?」

 

 そんな空気を破るかのように山本が口を開く。

 

「・・・確かに遅いな」

 

 XANXUSが頷き、自然と全員の視線が階段の上に向く。

 

「・・・リボーンさんとケンカ(冷戦)中、とか?」

 

「まっさかぁ~・・・」

 

 守護者2人が口元を引き攣らせる。

 

 2人の正反対な様子を傍で見てきたからこそ、もしかしてと思わずにはいられない。

 

「・・・様子を見て来る」

 

 右腕らしく獄寺が宣言する。万が一ケンカ(冷戦)をしていた場合、誰かが間に入らなければそれはいつまでも続くだろう。

 

「気をつけろよ獄寺。・・・悪くすれば銃弾が雨あられのように飛んでくるぞ」

 

「ああ・・・弾に当たらねェように気をつける」

 

 まるで戦場に赴くような言葉を交わし、獄寺は2階へとあがっていった。

 

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