Ciao!~大空の少年と憤怒の青年と黄のアルコバレーノの物語~   作:cibetkato

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黒曜編
黒曜編 1


 リボーンが来てから退屈はしなくなった。が、危険と隣り合わせの生活に今まで以上に一般人を巻き込まないように気をつけなければいけなくなった。

 

 だというのに、獄寺を従えたのをきっかけに本格的にファミリー集めを始めてしまったリボーンについつい流されてしまい、今では山本や笹川兄妹、リボーンを狙ってやってきたヒットマン?のランボ、リボーンの愛人のビアンキ、ひょんなきっかけでツナに恋してしまったハル、更には雲雀までもをファミリー候補とされてしまった。

 

「皆ほとんど一般人じゃないか~」

 

 頭を抱えるツナにリボーンはニヤリと笑う。

 

「ツナのファミリーには必要な人材だぞ。・・・それに、満更でもねーんだろ?」

 

「そりゃ、一緒にいて楽しいなぁとは思うけど」

 

 今まで他人と距離を取っていたツナにとって、リボーンにお膳立てされた感のある仲間だが、行動を共に出来ることは嬉しいことだった。

 

 だが、そんな彼等にも未だにツナは壁を作らざるを得ない。

 

「元からマフィアの獄寺君はともかく、他の皆にはまだボンゴレのこととか“ダメツナ”がカヴァーだってこととかは言ってない。・・・知っても、付いてきてくれるかな?」

 

「訊かなくてもわかるだろ?あいつらがツナをどう思ってるかなんて」

 

「・・・そうなんだけどね。でも、最近は読心術を使わないようにしてるんだよ?会話を楽しみたいしさ」

 

「そうだな。・・・俺も常時読んでるわけじゃねーし、良いんじゃねーか?」

 

「うん・・・で、なんか掴めた?」

 

 ツナが言っているのはXANXUSのことだと読心術を使わなくてもわかった。リボーンは残念そうに首を振り、そんなリボーンにツナは溜息をつく。

 

「そうだよなぁ・・・ボンゴレが総力を挙げて隠してるみたいだし。さすがのリボーンでもわからないか」

 

「わりィな、ツナ。・・・だが、探ってるうちにとんでもないのが引っかかったぞ」

 

 リボーンのアンテナにひっかかったのは、ある3人の脱獄囚の話題だった。

 

 それが後に己の人生に大きく関わる出会いとなるとは、その時には思いもしなかったツナは、そんな人間もいるんだな~程度に聞いていたのだが・・・。

 

 

***

 

 

 次々と病院に運ばれる並中生。

 

 京子の兄であり、ファミリー候補の了平が襲撃されたと聞いて見舞いに来たツナは眉を顰める。

 

「・・・リボーン」

 

「ああ。これはやりすぎだ。放っておくってレベルはとうに過ぎてやがる」

 

「・・・フゥ太のランキングが悪用されてるってことは」

 

「ああ。フゥ太はそいつらに捕まってる可能性があるな・・・チッ、フゥ太自身も気をつけてるからって、気を抜き過ぎたな」

 

「フゥ太・・・無事でいてくれれば良いけど・・・」

 

「で、だ。このランキングによれば、次に狙われんのは―――」

 

 リボーンの言葉にツナははじかれるように駆け出した。それを見送ったリボーンはふ、と口元を緩ませる。

 

「争い事はめんどうだと言ってるわりには、結局頭を突っ込む。・・・9代目の人を見る目は確かだな」

 

 しかし、リボーンはツナがひたすら気にするXANXUSの情報を一切語ろうとしない9代目に不信感を持っていた。

 

「・・・何を隠してるかは知らねーが・・・相当深い闇みてーだな」

 

 しかし、ツナもXANXUSとのことは深くは語ろうとしない。そもそも深い付き合いもなかったはずだが、あのツナに“同志”と言わせる程なのだから、相当の人物なのだと思わせる。

 

「ま、今はそんなことを言ってる場合じゃねーか」

 

 現在、起こっている事件は間違いなくマフィア絡み。

 

 オメルタがある以上フゥ太からツナのことは漏れないだろう。が、相手は並中生であることまでは調べ上げているらしい。

 

「厄介だな。」

 

 呟いて、リボーンは病院を後にした。

 

 

***

 

 

「・・・嫌な予感がする。とてつもなく!」

 

 次に狙われるらしい獄寺の元に急ぎながら、ツナは冴えわたる超直感に唇を噛みしめる。

 

 丁度その時に、一本奥の道から爆音が聞こえた。ツナが建物の間をすり抜けてその道へと飛び出ると、敵らしき少年と対峙している獄寺がいた。

 

「――獄寺君!!」

 

「っ、あ、10代目!!」

 

 パッと振り返る獄寺。傷だらけだけれど元気そうな彼に、ツナはホッと息をつく。

 

「良かった・・・無事だね?」

 

「はい!この通りッス!俺を襲ったヤローもその辺りに・・・」

 

 ニカっと笑った獄寺が振り返ると、焦げ跡が残るばかり。

 

「!?」

 

「・・・ラッキーだった」

 

 聞こえたのは自分達の真横。

 

「「!?」」

 

「“当たり”・・・だ」

 

「・・・なるほど、俺が狙いか」

 

 ヨーヨーを握り締めた黒曜中の制服を着た少年の呟きに、ツナは敵の本当の狙いを悟る。

 

「手間が省けた・・・少し、弱らせてから連れて行く」

 

 そう言った少年のヨーヨーから、何本もの針が発射される。

 

「10代目!!」

 

 獄寺が叫んだ。

 

「・・・問題ない」

 

 ツナは鞄を盾にして全ての針から身体をガードする。

 

「!」

 

「・・・俺をあぶり出すためだけにこれだけの人間を犠牲にした。・・・お前達は許さない」

 

 底冷えのするような冷たい声に、静かな殺気を帯びた瞳。それらに少年が怯えた瞬間、1人の乱入者が現れる。

 

「・・・こりゃ、穏やかじゃねーな」

 

「山本!」

 

「野球バカ!?」

 

 傷だらけの獄寺やツナの持つ鞄に刺さった針を見て、顔をしかめる山本。

 

「・・・そうか、お前、山本武・・・お前は犬の獲物。後がめんどいから・・・今日はこれで失礼するよ」

 

「っのやろ!・・・待ちやがれ!!」

 

「逃がさないのな!」

 

「獄寺君!山本!!深追いしないで!!」

 

 その場を去る黒曜中の少年を追おうとする獄寺や山本を抑え、ツナは深い溜息をついた。

 

「はぁ・・・どうして放っておいてくれないんだ。俺はただ、モラトリアムを楽しみたいだけなのに」

 

「ツナ・・・」

 

「10代目・・・」

 

 心配そうにツナを見る2人に、ツナは笑みを向ける。

 

「獄寺君、見た目より傷は深いよね?・・・悪いけど病院はマズイだろうから、シャマルのとこに行こう。・・・山本、お前もついてきて?」

 

「・・・は、はい」

 

「おう、良いぜ」

 

 頷く2人を促し、ツナは並盛中へと向かった。

 

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