Ciao!~大空の少年と憤怒の青年と黄のアルコバレーノの物語~   作:cibetkato

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ツッくんが行く! 6

 時を遡り、ツナは2階の己の部屋に入り、無駄な抵抗を続けていたリボーンの頭をボルサリーノごとわし掴んだ。

 

「ねぇ、センセ?・・・何してんのかなぁ?」

 

「!?」

 

 さすがのリボーンもギョッとして電話を切り、視線を上げる。

 

「今切った電話の相手、誰?」

 

 目に冷たい光を宿しながら、ツナはニッコリと笑う。

 

「・・・家光・・・だぞ」

 

 あまりの迫力にリボーンは思わず正直に答えてしまった。

 

「ほほー・・・何の話してたの?ボンゴレの門外顧問と」

 

「今後のコト、だぞ・・・」

 

「今後のコトって?」

 

 ツナが訊ねると、リボーンは視線を逸らしながら答えた。

 

「・・・XANXUSの滞在日数とか・・・」

 

「ふぅん、リボーンはそんなにXANXUSがこっちにいるのは気に食わないんだ?」

 

 ツナの機嫌と共に周りの温度が急速に下がっていく。

 

「べ、別にそんなんじゃねぇ。・・・こっちにいさせるとして、今までヴァリアーがやってきた任務をどこに任せるかとか、そういうのも決めなきゃなんねェってことだ」

 

「まぁ、そういうことにしておいてあげてもイイけど・・・で、どうすんの?」

 

「同盟マフィアの方に任せることにした」

 

「同盟ってことは・・・ディーノさんのところとか?」

 

「まぁ、そうなるな。」

 

 頷くリボーンに、ツナは首を傾げた。

 

「・・・でも、ボンゴレ内部にも戦力は揃ってるんでしょ?」

 

「まぁな。だが今は・・・9代目が動けねェからな」

 

「・・・あぁ」

 

 XANXUSの計画に乗せられたとはいえ、9代目が中にいるとわかっていながらゴーラ・モスカを攻撃したツナはその名を聞くと複雑な思いに駆られる。

 

 リボーンはそれがわかっていながら口にした。いつまでも事実から目を逸らさせるわけにはいかなかったからだった。

 

「・・・そう、だよね」

 

 リボーンの考えはツナにも伝わっていた。10代目を継ぐ者としてツナが背負う業だ。今後、こんなことがないようにするのもツナの役目である。

 

「ボンゴレになるってのは、人の命、今までのボンゴレの歴史を背負うってことだ。・・・だからといってそっくりそのまま継承しなくてもイイ。オメェの思う通りのボンゴレを作ってきゃイイんだ」

 

 リボーンが思わずフォローを入れれば、ツナは苦笑をうかべた。

 

「わかってる。それに俺の考えるボンゴレって、初代が考えてたボンゴレと似てると思うんだよねぇ」

 

「初代と?・・・ああ、そうだな。ボンゴレの前身となった自警団は街やそこに住む住人を守るためのモノだったようだしな」

 

「俺の場合、その規模を大きくしただけってところかな」

 

「まぁ、オメェは“守り”の性が強いからな。根っからのボス気質っていやぁ、そうなんだが・・・ディーノのそれとはまた違うんだぞ」

 

 リボーンはそう言ってから、フッと部屋の外を気にした。

 

「ん?」

 

 ツナはつられるようにして視線をそちらに向け、ああ、と破顔しドアを開けた。

 

「心配してきてくれたの?隼人」

 

「その、リボーンさんとケンカ(冷戦)をしておられるのではと思いまして」

 

 頷く獄寺に対して笑みをうかべたツナはその腕をポン、と叩いた。

 

「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。・・・下に行こう。ほら、リボーンも」

 

「ああ、わかった」

 

 そう返事をして、ツナにわし掴まれて潰れたボルサリーノの形を整え再び頭に乗せると、リボーンはツナの肩に乗った。

 

 それが唯一XANXUSよりも近くツナの傍にあれ、牽制もできる便利な方法だったから。

 

 

 

 ***

 

 

 

 リビングへと降りてきたツナ達は、髪につけた羽飾りをランボにいじられまくっているXANXUSを見て、その有り得ない光景に固まった。

 

「・・・な、何してんの?」

 

 ツナが問いかければ、XANXUSは不機嫌な様子を隠しもせずに答える。

 

「俺が知るか。・・・テメェの雷の守護者が遊べ遊べとうるせぇと思って無視してたら、勝手に俺の羽飾りで遊び始めただけだ」

 

 それに、たいして気にもならなかったから放っておいたと言われれば、ますますツナは困惑した表情をうかべた。

 

「昔はもうちょっと短気だった気がするんだけど・・・俺の気のせい?」

 

「・・・ガキ相手に本気でキレて手ェ出しても、寝覚めワリィだけだろうが」

 

「あ~・・・」

 

 ツナがなんとなく納得しかけた時だった。

 

「あらあら、XANXUS君、本当にランボ君に懐かれちゃったわねぇ」

 

 ニコニコと嬉しそうに告げる奈々に視線をやり、XANXUSがウッと微かに呻く。

 

「・・・ナルホド。XANXUSって母さんに弱いんだ」

 

 ボソ、と呟くツナの目が愉快気に細められる。

 

 XANXUSは初めて奈々に会った時、彼女の慈しみにあふれた温かい視線に戸惑いを覚えた。

 

 後で気付いたことだが、母性というものを感じたのはアレが初めてで、無意識にではあるが奈々には逆らえなくなってしまったのだ。

 

「フン・・・」

 

 気まずげに視線を逸らしたXANXUSに、ツナは苦笑する。

 

「XANXUSも立派なイタリア男だね?」

 

「・・・別に、女と見れば優しくするわけじゃねェぞ」

 

「まぁ、確かにそんなXANXUS見たら別人かと思うね」

 

「・・・その口の悪さまで変わってねぇな・・・」

 

 冷たい雰囲気をまとってあっさりと本性を曝した幼い頃のツナを思い出す。その頃とまったく変わらない、いや、むしろ更に容赦のない言葉。

 

「んー?・・・まぁ、あの頃から結構スレてたからねェ」

 

 ニッコリと笑うツナに、XANXUSは額を抑えた。

 

「・・・なんで、俺はこんなのに」

 

 “惚れたんだ?”という言葉は呑み込んだ。ツナが恋愛事に疎いということには気づいていたから、ゆっくりと時間をかけてオトすつもりなのだ。

 

「ん?こんなのに、何?」

 

「なんでもねェ。・・・それよりお前こそその状態は何だ」

 

 XANXUSの言う“状態”が何のことかわからず、ツナは首を傾げる。

 

「ん?何が?」

 

「・・・なんで、アルコバレーノを肩に乗っけていやがる」

 

「ああ、いつものことだよ。コイツ移動がめんどくさいからって、俺の肩に乗るんだ」

 

 そう説明するツナの顔の脇でリボーンがニヤリと笑う。ツナが意図的に窺わない限り表情が見えないその好位置。

 

 その意図に気付いたXANXUSは口元を引き攣らせた。

 

(コイツ・・・!!)

 

「ツナは俺の生徒だからな。家庭教師を敬うのは当たり前だぞ」

 

「あのなぁ、リボーン。・・・だからって肩とか頭に乗るのはどうかと思うぞ」

 

 一応ツッコミは入れるが、それが聞き入れられることが無いと知っているツナは既に諦めモードである。

 




あともう1話、30分後に予約投稿済みです。
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