Ciao!~大空の少年と憤怒の青年と黄のアルコバレーノの物語~   作:cibetkato

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ツッくんが行く! 8

(びっくりした!びっくりした!!びっくりした!!!)

 

 熱くなる頬を押さえてツナは階段の真下で丸くなるようにうずくまっていた。

 

「ざ、XANXUSが、あんなことするなんて・・・!」

 

 皆から向けられる好意には気付いていた。それが友情や敬愛を超えていることもなんとなくだがわかっていた。

 

 特に獄寺や山本はわかりやす過ぎて、ツナにしてみれば気付かないふりをするのはとても簡単なことだった。

 

 誰か1人を選べば他の人達とはギクシャクしてしまう。

 

 そう思っていたから余計に気付かないふりをした。だが、XANXUSは皆が踏み越えられなかった一線をあっさりと越えてしまった。

 

「・・・XANXUS、何を焦ってるんだろ」

 

 恥ずかしさもあるが、それよりもXANXUSがあんな行動に出た理由が知りたかった。

 

 荒っぽく見えても綿密な作戦を練ることもできる思慮深さを持っているXANXUSが、あのように直接的に好意を示すなど余程追い詰められない限りは無いと思っていただけに、余計に驚いた。

 

「・・・あぁ・・・穏健派、かな」

 

 超直感が訴えていた。XANXUSは今、微妙な立場にある。

 

 ツナが正式に次期10代目と認められたからこそ、ツナを推していた穏健派が立場を強め、逆にXANXUSやXANXUSを推していた過激派の立場が弱くなった。

 

 つまり、多少の無理を穏健派が通せるようになったということ。

 

「9代目もXANXUSを擁護しにくいんだろうなぁ・・・あの人も穏健派だし、父さんは門外顧問だから内部のコトに口出すのも限りはあるだろうし・・・」

 

「ツッ君?・・・具合でも悪いの?」

 

 ブツブツと呟いていたツナの頭上から奈々の声が降ってきた。

 

「かっ・・・母さん!?」

 

 ガバッと顔を上げ、奈々の顔を視界に入れる。

 

「大丈夫?」

 

 キョトン、とした様子の奈々にツナは苦笑をうかべた。

 

「うん、大丈夫・・・母さんにXANXUSをどこに寝かすか聞こうと思って」

 

「じゃあ、客間で良いんじゃない?・・・そう言えばXANXUS君のパジャマどうしましょう。お父さんので大丈夫かしら?」

 

(・・・XANXUSが、父さんのパジャマ・・・!)

 

「ブハッ!~~~~~ひぃ~クク・・・ッ!」

 

 XANXUSが家光のパジャマを着ている様子を思い浮かべてしまったツナは思わず噴き出して腹を抱え、バンバンと壁を叩く。

 

「何の騒ぎだ!?」

 

「ツナ??」

 

 騒ぎを聞きつけたリボーンとXANXUSがリビングのドアから顔を出す。

 

「ひ~・・・、XANXUSの・・・パジャマ!!」

 

「「・・・は?」」

 

 爆笑中のツナがXANXUSを指さし発した言葉に、リボーンとXANXUSは同時に首を傾げたのだった。

 

 

 

 ***

 

 

 

 翌日、いつも通りツナを迎えに来た獄寺は玄関で固まっていた。

 

「気をつけて行って来いよ?」

 

「ちょ、XANXUSッ!は、恥ずかしいからっ」

 

「もし何かあったら、ベルとマーモンを身代わりにして俺のトコに逃げてこい」

 

「さりげなく自分の部下を切り捨てないで!!」

 

「大丈夫だ。丈夫にできている」

 

「丈夫にとか違うから!」

 

「愛してるぜ?ツナ」

 

「脈絡ない告白―――ッ!!?」

 

 ツナがつっこみまくっているにも拘らず、XANXUSの暴走は止まらない。

 

 しかもツナを抱きしめながらそんな言動を繰り返しているのだから、羨ましくて仕方がない。

 

 

 

 ズガンッ!!

 

 

 

「いつまでもそんなトコでイチャイチャしてんじゃねェッ!!ツナ!さっさと学校行きやがれ!」

 

 いい加減にキレたらしいリボーンの愛銃が火を噴く。

 

「チッ」

 

 XANXUSが舌打ちをしてツナから離れると、あからさまにほっとしたツナは未だに固まっている獄寺の腕を引いた。

 

「獄寺君!行こう!」

 

「ハッ・・・は、はい!10代目ッ!」

 

 ツナの声で覚醒した獄寺は腕を引かれていることに赤面しながらも、そう返事をしてついて行く。

 

 それを見送ったXANXUSはじろりとリボーンを睨んだ。

 

「邪魔すんな、黄のアルコバレーノ」

 

「邪魔するに決まってんだろーが!!そう簡単にツナをオメェに渡すつもりはねェぞ!」

 

「・・・呪いが解けるまでは俺がツナを甘やかしてイイんだろうが」

 

「オメェがやってんのは、甘やかすじゃなくて愛を囁くじゃねェかッ!!」

 

「これが俺なりの甘やかし方だ」

 

 ここにツナがいたら“嘘つけーッ!!!”と叫んでいたはずだと思いながらリボーンは溜息をついた。

 

「ああ言えばこう言う・・・」

 

「・・・心の狭い男は嫌われるぞ」

 

「オメェに言われたかねェんだよッッ!」

 

 すっかりXANXUSのペースに乗せられてしまったリボーンは、心の中で腐ってもヴァリアー隊のボスかとぼやく。

 

「おい、黄のアルコバレーノ・リボーン」

 

「~~~っ、なんだ?」

 

 不機嫌そうに応じるリボーンを見つめ、XANXUSは口を開く。

 

「ツナが学校行ってる間は、テメェ、ヒマだな?」

 

「・・・ああ。それがどうかしたか?」

 

「なら“狩り”に付き合え」

 

 XANXUSの言葉にリボーンは眉を顰める。

 

「“狩り”だと?」

 

「ああ“狩り”だ。家光とジジィからその事も命じられている」

 

「・・・そういうことか。だからヴァリアーの幹部が揃ってツナ預かりってことになったんだな?」

 

「量より質だ。それに奴らは俺を裏切らねェ」

 

 自信たっぷりに言うXANXUSにリボーンはニヤリと笑った。

 

「良かったじゃねェか、ちゃんと気付けて」

 

「ああ・・・ツナのおかげだな」

 

 頬を叩かれてツナに怒られた時の事を思い出したのか、苦笑いをうかべるXANXUS。

 

「まぁ、学校ではベルとマーモンが“守ってる”からな。後は“外 ”でツナを狙ってやがる連中の始末だ」

 

「・・・後で雲雀にも言っておくか。この並盛で勝手に暴れるとへそ曲げるからな」

 

「ったく、雲雀といい六道といい、面倒なのをツナの守護者にしやがって。苦労するのはツナだぞ」

 

「ツナには必要なんだよ、ああいう連中もな」

 

 フ、と笑うリボーンを見て、XANXUSは盛大に眉を顰めたのだった。

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