Ciao!~大空の少年と憤怒の青年と黄のアルコバレーノの物語~   作:cibetkato

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ツッくんが行く! 16

 並盛中の屋上に照準をあわせていた男は、突如こちらに向かってきた炎の塊に驚き、スコープから目を離した。

 

 その一瞬で。

 

「ヒッ!?」

 

 炎の塊、もとい“ボンゴレ10代目候補・沢田綱吉”は彼の目の前にいた。

 

「お前の他に何人並盛に入っている?それから黒幕は誰だ?」

 

 静かに問うツナだが、超死ぬ気モードになっている時の特徴である淡々としたもの言いに、男は震えあがった。

 

 ガタガタと震える男にツナは目を細める。

 

「・・・全てを正直に話せば、命までは取らない」

 

「っ・・・は、話す!話します!!だからっ・・・命だけは!!」

 

 平身低頭する男を促し、ツナは情報を聞き出す。

 

「・・・ツナ」

 

 そこにXANXUSが到着する。

 

「XANXUS・・・黒幕、わかったよ」

 

 ツナの告げた名は、XANXUSが良く知っている人物だった。

 

「・・・ヤツか」

 

 そう呟き、眉間にしわを寄せる。XANXUSの機嫌が急降下した証拠だ。

 

「ざ、XANXUS様・・・」

 

 呻く男に殺気混じりの視線を向ければ、彼はその殺気に中てられて失神してしまう。

 

「・・・フン、気の小せぇヤローだ。これでボンゴレ10代目候補を狙おうなどというんだから、笑わせる」

 

「XANXUSに殺気を向けられて、怯えない人なんて滅多にいないんだからしょうがない」

 

 ツナが言えば、XANXUSは首を捻る。

 

「うちの隊員とツナの守護者、アルコバレーノ、跳ね馬とその付き人は怯えねェだろうが。決して少なくない」

 

「・・・あのさ、比べる相手を間違ってると思うんだけど」

 

「そうか?」

 

「・・・XANXUSってさ、変なトコで天然だよね?」

 

「・・・・・・そうか?」

 

「うん」

 

 即答され、XANXUSは微妙な表情をうかべる。

 

 その時、屋上のドアが勢いよく開かれる。

 

「う゛お゛ぉ゛いッ!!敵はどこだぁ!!」

 

 真っ先に聞こえたのは、やはりスクアーロの叫び声だった。

 

「・・・シシシ、綱吉とボスがいるんだから、殲滅済みってわかんねーの?」

 

「・・・はぁ、状況を確認してからものを言いなよね」

 

 そんなスクアーロにツッコミを入れたのは、ベルフェゴールとマーモン。

 

「カス鮫ウルセェ!もう敵なんざいねェ。黒幕を吐かせた。9代目のジジィと家光に報告だ」

 

「・・・わかったぜェ!!」

 

 スクアーロが本部に連絡を入れている間、XANXUSは気絶している男を掴み、レヴィに放り投げた。

 

「留守番中のルッスーリアに連絡入れろ。残党狩りをする」

 

「っ・・・了解しました、ボス」

 

 男を受け止め、抱えたレヴィはそう言って屋内に入り、ビルを降りて行く。

 

「XANXUS・・・」

 

「ツナ、言いたいことはわかるが、俺達の部隊は何をメインにしているか覚えているだろう?」

 

 ツナに名を呼ばれ、その責めるような目を見て、XANXUSは溜息交じりにそう言った。

 

「・・・暗殺・・・」

 

 ポツリ、と呟くツナに、XANXUSは頷く。

 

「そうだ。・・・ジジィも家光も、まだツナには関わらせたくないと思っているようだが、もう10代目候補に正式に決まってんだ。少しは慣れろ。

 ・・・お前の命令次第で、多くの人間が死ぬことを覚えておけ」

 

「うん。わかってる。俺が継ぐのはマフィアのボスだものね。・・・でも、俺はマフィア界を変えるために10代目になるんだ」

 

「・・・そう言ってたな」

 

「・・・だから慣れたりなんかしない」

 

 ツナの強い視線を受けて、XANXUSはクツリと笑った。

 

「・・・そうか。ツナがそう決めたのなら、俺は何も言わねェ」

 

 ツナの望んでいることは今の自分を全否定することと同じだ。だがXANXUSはそれを許した。

 

 なぜなら、ツナは暗殺を拒絶しても、暗殺をしているXANXUSを拒絶しないからだ。

 

(それだけで充分だ・・・)

 

 XANXUSはそう思う。己の力はツナの為だけに使うと、命を長らえたその瞬間にそう決めたのだから。

 

「ありがとう、XANXUS」

 

 ニコリと笑うその顔はまだ幼い。

 

「俺の役目はツナが理想を追い続けられるように、邪魔する連中を薙ぎ払うことだからな」

 

「ん」

 

 XANXUSが何のために手を汚すのか、それがわかっているからツナは頷く。

 

 すっかり2人きりの世界に浸っていたのだが、再び屋上のドアが勢いよく開いた。

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