Ciao!~大空の少年と憤怒の青年と黄のアルコバレーノの物語~   作:cibetkato

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ツッくんが行く! 17

「畜生!なんでエレベーターが動かねェんだ!!」

 

 ゼェゼェと荒い息をしながら、屋上に転がり込む様にしてあがってきた獄寺が呻く。

 

「ハハッ、獄寺は体力ねェのな~」

 

「まったくだぞ、極限鍛え方が足りん!!」

 

「ウルセェ!脳味噌まで筋肉のテメェらが規格外なんだよ!!!」

 

 山本がカラカラと笑い、了平が極限に叫び、獄寺ががなる。

 

「うるさいよ、君達」

 

 そこに不機嫌そうな雲雀がやってきて、トンファーを構える。

 

「オメェら、いい加減にしやがれ!そうやって内輪もめするからヴァリアーに先越されんだろうが!!」

 

 さらに半ギレ状態のリボーンが飛び込んできて、有無を言わさず愛銃をぶっ放す。

 

「・・・うわぁ・・・うちの守護者が集まった瞬間、すっごい賑やか・・・」

 

 思わず呟いたツナに、XANXUSは呆れたような視線を向けた。

 

「賑やか、じゃねぇだろうが・・・これはウルセェっていうんだ」

 

「あー、そうともいうねぇ・・・でも、うちはこれが普通だからさぁ」

 

 ニコニコと答えるツナ。XANXUSは思わず納得してしまった。

 

「・・・まぁ、そうだな」

 

 自分の目で見たツナの守護者達は常にこんな感じだ。特別な時に騒ぐのではなく常に騒いでいる、そんなイメージ。

 

「一緒にいると楽しいよ。ホント」

 

「まぁ、ツナがそう言うなら何も言わねぇよ・・・それに、奴らそれぞれの力はまだガキだということも含めて、認めてやっても良いレベルだしな」

 

「・・・ホント?XANXUSが認めてくれるってすごいと思う。甘く見てない?」

 

「ツナの守護者だ。見る目は普通より厳しくしてるぜ」

 

 XANXUSが言えば、ツナは嬉しそうに笑みをうかべた。

 

「アリガト、XANXUS」

 

 そんな甘ったるい空気にようやく気付いた守護者達は顔色を変えた。

 

「10代目!!お怪我はありませんか!?」

 

「ツナ~、敵はもういねーのか?」

 

 そう言いながらツナに群がり、XANXUSから引き離す。

 

「・・・(怒)」

 

 さすがにXANXUSもムッとするが、ツナが笑っているので双銃を握り締めるだけに止めた。

 

「もうヴァリアーが動いてくれてるから大丈夫。・・・これで今まで通りだよ」

 

「じゃあXANXUS達も帰るのか?」

 

 “今まで通り”との言葉を山本はそう解釈したらしい。

 

 ツナは苦笑をうかべ首を横に振った。

 

「まさか。XANXUSを含め、ヴァリアーの“更生”がまだだから」

 

 その言葉に至極残念そうな表情をうかべた山本と獄寺。

 

 と、その時、ボンゴレ本部と連絡を取っていたスクアーロがこちらを振り返った。

 

「う゛お゛ぉ゛いッ!本部からの通達だぁ!」

 

「・・・なんて言ってきやがった?」

 

「今回の処理のために、家光と門外顧問チームを日本に送るとのことだぁ」

 

「えっ!父さん帰って来るの?」

 

 XANXUSよりも先にツナが反応する。

 

「そう言ってたぜェ!!」

 

「そっかぁ。母さん喜ぶね。・・・あと俺を除け者にしてくれたお礼をしなくっちゃ」

 

 ニコニコと言うツナだったが、前半と後半の口調が正反対だった。

 

「・・・ツナ、手加減はしてやれよ」

 

 リボーンの言葉は、事実上口も手も出さないぞ宣言だ。

 

「はーい。わかってるよセンセー♪」

 

 機嫌良く答えるツナ。

 

 そのやり取りを見ていたXANXUSは思わず呟いた。

 

「・・・家光、帰ってこねェ方が身の為だぞ・・・」

 

 

 ***

 

 

 その夜、ツナと並んで庭を眺めていたXANXUSはふと気になっていたことを口にした。

 

「なぁ、ツナ・・・ベルとマーモンから聞いたが、第六感を封じていた時にすっかり“ダメツナ”に戻ってたっていうのは本当か?」

 

「うん。本当だよ?・・・そしたらベルやマーモンのなけなしの良心だって、痛むでしょ?」

 

「・・・あー・・・そういうことか」

 

 溜息をつくXANXUS。

 

「フフ・・・何が起きてるかはわからなかったけど、俺の超直感を封じるなんて芸当、並の術師じゃ無理でしょ?犯人が誰かなんてすぐわかるじゃない」

 

 つまり、ツナは最初からベルやマーモンが関わっているとわかっていたのだろう。そして、その裏にはXANXUSがいることも。もしかしたら9代目や家光の影すらも捉えていたかもしれない。

 

「・・・超直感や読心術なんざ、ツナにとっちゃ補助的な能力にしかすぎねェってことだな」

 

「んー、まぁ、そうかも。・・・でも便利だからねぇ、つい頼っちゃうところもあるよ。今回のことは今後の参考になったよ」

 

 ニコニコと答えるツナの視線に責める色はない。

 

「俺は・・・“お礼”の対象にはならねぇのか?」

 

「ん?だってXANXUSはごめんなさいって言ったじゃん」

 

 心底そう思っているかのごとく返されて、XANXUSはあの時素直に謝って良かった、と今更ながらに自分の行動を褒め称えた。

 

「じゃあ、家光が謝ったら許してやるのか?」

 

「うん。でも父さんは簡単には謝んないと思うけどね」

 

 さすが親子と言うべきか。家光の行動などツナにはお見通しということだ。

 

「・・・まぁ、家光の自業自得だな・・・で、9代目のジジィはどうすんだ?」

 

「9代目は怪我人だし・・・心底戦いを嫌う俺のためを思ってくれてのことだろうし、不問ってとこかな?」

 

 9代目には後ろめたいものもあるのだろう。ツナはそう言って苦笑をうかべた。

 

「9代目のことは全部俺のせいだ・・・ツナが気にする必要はねェのに」

 

「でもね、俺もわかってて攻撃したし・・・それに、次期10代目が9代目に手を出すわけにはいかないでしょ?さすがに」

 

 そう言われてみればそうなのでXANXUSは頷く。

 

「まぁ、そうだな」

 

 本来、門外顧問にも手を出すのはマズイのだろうが2人は親子だ。親子喧嘩でもしましたと言えば、周りも納得するだろう。

 

「でも・・・リボーンから9代目に言っておいてくれる?・・・俺はちゃんと覚悟は決まってますって」

 

 ツナはクルリと振り返って、傍まで来ていた家庭教師に微笑んだ。

 

 XANXUSは小さくいつの間にと呟き、そして2人きりの時間は終わりかと嘆息した。

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