魔に魅入られた少年の話   作:新参者基本読み専

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久しぶりの更新です。仕事が忙しくて中々更新が出来ませんでした。
今回は短めになっています。


先人の教え

 

今日は朝から驚くことがあった。昨日受けた毒の治療の為保健室へ向かい、保健医の間桐桜の治療を受けている時、敵マスターダン・ブラックモアが保健室を訪ねて来たのだ。アーチャ-が警戒して姿を現したが彼は自分に謝罪をしに来たと述べたのだ。そして彼は自分のサーヴァントに何と令呪を使い行動の制限、そして宝具であろう名を述べそれを決戦以外での使用を永久に禁じたのだ。そして彼はこちらに頭を下げ保健室を去っていった。

 

 「ふむ、あ奴とは違い、あの老将は真の武人であったか。そして令呪を使い、なおかつペナルティでステータスを下がっている状況で尚勝つ覚悟が十分にあるという事か。この戦いはお主にとっては重い相手であろうな」

 

 アーチャーにここまで言わせたのは凄いとしか言えない。でも疑問が残る、何故令呪を使ったのかだ。これについてはお互い分からなかった。そして治療が終わると桜から

 

 「今日一日は安静にしてくださいね。たった一つしかない身体なんですから大事にしてくださいよ」

 

 と言われ、今日はマイルームに戻り、休むことにした。

 

 

 

 一日休むを身体を蝕んでいた毒は完全に消えていた。その事に驚きを安堵していると端末から電子音が鳴った。見てみるとトリガーが生成されたので第二層で取得する様にという事だった。昨日は治療で何も出来なかったのでこれが昨日じゃなくて良かったと内心安心した。後でアリーナに行くとして情報収集をしようとアーチャーに言ってみたらアーチャーも納得したのでマイルームを一緒に出た。

 

 

 特に何かを思った訳でもないが、教会前の花壇に足を進めたらそこには緑色の服に身を包んだ軍人、ダン・ブラックモアがそこにいた。彼がこちらに気付くと

 

 「君か。昨日はすまなかったな。あの傷が君の命に関わらなかったことが不幸中の幸いなのだろうが」

 

 そう話しかけて来た。そしてアーチャーが姿を現し、昨日自分たちが感じた疑問を彼に尋ねた。

 

 「老将よ。昨日の行為は人として立派ななものと言えよう。じゃが何故令呪を使ったのじゃ?使ってもこれと言って其方には何の得も無いのじゃぞ?」

 

 すると彼はこう答えた。

 

 「そうだな。自分でも昨日の事はどうかしていたと思っていた所だった。だがな、あの時はそれが当然だと思ったのだ。この戦いには女王陛下からたっての願いという事もあったのだが、わしにとっては初めての個人的(プライベート)な戦いだからな。昨日は当然の事の様にそうしたのだ。これが軍務として与えられたというのならばアーチャーのやり方を良しとし、あのような事はしなかったであろう。だが・・・今のわしは一人の騎士なのでな、そう思った時、不思議と妻の面影が頭を過ったのだ。彼女はそんなわしの行為を喜ぶのだろうか、とな」

 

 「ほう、妻子がおったのか」

 

 「子はいないさ。そしてわしは妻の顔や声、面影すら思い返す事が出来ん・・・・。少し考えれば当然であった。軍人として今まで行き、軍規に徹して来たのだからな。そこに(ひと)としての人生(こうふく)等立ち入る余地はないのだ。・・・・・・君も気を付けたまえ。結末は全て過程の産物に過ぎん。後悔は轍に咲く花の様なものだ、故に、だ、少年。己に恥じぬ行為だけが後頭の憂いから自身を開放する鍵なのだよ、その事をこの戦いを見て識るといい」

 

 誤りだったと感じた過程からは何も生み出さない。あるのは後悔だけ。誇れる過程の先にこそ聖杯を掴む道がある・・・・という事か。

 

 「らしくないな。つまらない話に付きあわせてしまったな、老人の独り言と笑うが良い」

 

 そう言って彼は去っていった。・・・自分はさっきの話を彼なりの助言として受け止めていた。彼ときちんと決戦を迎えられるようにしなければならないなと思い、アリーナへ向かおうとした時、

 

 「(マスター)、あの褐色露出娘にあの矢を見せてはどうだ?何か得られるかもしれんぞ?」

 

 褐色露出娘・・・・・ラニの事か。フォローしようと思ったけど・・・・・無理だな、うん。あれを見たら百人中百人がこんな評価を彼女にするだろう。彼女の師に常識ってものを教えるべきだと自分は思った。それは置いておくとして、それもそうだな。彼女も何か遺物を見せて欲しいって言っていたし、問題はないだろう。情報を得る為ラニを探すことにした。

 

 

 

 

 

 ラニを見つけ情報を得、アリーナでの鍛錬の後(もちろんトリガーとメガネは収得済み)マイルームへ戻った時、ラニから得た情報を思い出す。

 

 「時に汚名も負い、暗い闇に潜んだ人生。賞賛の影には自らの歩んだ道に対する苦渋の色が混じったそんな色が見えます。緑の衣装で森に溶け込み、陰から敵を射続けた姿・・・・・・・だからこそ憧憬が常に有るのかもしれませんね。陽光に照らされた偽りのない人生に」

 

 「道化を演じるしかなかった男、か。わしはわしなりに色んな人物を見て来たがあんな者はいなかったのう。じゃが、少しばかり奴の事が分かった気がするな」

 

 アーチャーはそんな事を言っていた。彼女もまた苛烈な人生を歩んだのだろう。だが、今の自分は彼女の事をまだ知らない。これから勝ち進んで行ければ分かるのだろうか。

 

 「しかし、奴が自分の口から自身に関する情報を発した事は嬉しい誤算じゃったな。そして奴のもう一つの宝具も分かったし、これで情報は揃った。後は鍛錬をきちんとし、作戦をしっかり立てて勝ちに行くかのう」

 

 シャーウッドの森、そして顔のない王(ノーフェイス・メイキング)、これらが当てはまる英雄は一人しかいない。・・・ロビンフッド、それが彼の真名だろう。決戦の日は確実に近付いて来ている。死にたくない・・・・・願いなんて持っていない自分がこのまま勝ち進められるか、いや、そもそもこの決戦に勝てるかどうかも分からないのだ。

 

 「…」

 

 サーヴァントは問題なくても、マスターに違いがありすぎる。ペナルティーの影響で本来のサーヴァントの力を引き出せない彼と違い、こっちは元から引き出せていないのだ。彼女は気にするなと言っていたけど、どうしてもその現実が頭の中から離れない。彼女に相応しいマスターになろうと心に決めていたけど、こうまで不安になるとは思わなかった。覚悟を決めたつもりだったけど今だ不安しかない自分が忌々しい。

 

 「スター、主!」

 

 アーチャーの呼び声にビクッと驚くと彼女はため息をつきながら

 

 「お主、また自分を責めておるだろう。それは気にするなと何度も言っておろう。それとお主は何でも一人で抱え込もうとする癖が有るな、お主にはわしが居るのだ。つらいことはわしに話せ、っと言ってもお主の場合は分かり易いがな。お主の鍛錬のおかげでわしも少しずつ力を取り戻してきておる。それで良いのだよ。だから今後己を責める事を辞めよ、良いな」

 

 本当に自分は分かり易いんだなと改めて思った。でも、彼女の言葉で少しだけ軽くなった気がする。まだ頼りないかもしれないけど、いつか彼女に相応しいマスターになってみせると改めて心に誓った。本当、彼女には助けられてばっかだな。

 

 「分かった、有難うアーチャー」

 

 そう言ってベットに横になった。負けるわけには行かなくなった。彼女のため、自身の心に誓った誓いの為、この決戦も勝つと思い、そのまま眠りに落ちた。




久々なのでちょっと変わった所があるかもしれませんがご了承ください。
さて、FGOの次のイベントは空の境界みたいですね。式はtypemoonで一番好きなキャラなので結構楽しみです。イベントで手に入ってほしいと心から思っています。

仕事が忙しいので更新もまちまちになりますが、頑張りますのでこれからも応援お願いします。
コメント、感想歓迎ですので宜しくお願いします。
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