リリカルなのは:介入するなら頑張って   作:ゆかりフリカケ

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前回と今回で1話分としたいです

基本6千~9千字程を1回としてサクッと読めるように(作者基準ですが)
書かせてもらってます。


#09 表側、其々

~所変わっていつきが自問自答トリップ中になった時のフェイト達~

 

 

「戻りました、フェイト。さぁ行きましょうか」

「えっと、もういいの?」

「えぇ、こちらに居る間に少し一緒にいた人に挨拶をしに行っただけですので」

 

 そう言ったリニスの腕には受け取ったアルサナが()められている。フェイトが「それは?」と聞くとリニスは「餞別として頂いたものです」と答える。まぁ嘘ではない。

 

 

 いざその場から去ろうとすると橋の入り口の茂みから人影が出てくる。

 

「あ、あの、待って! この辺りで、ジュエルシードが発動したと思うんだけど……その、貴女達が回収したんですか!?」

 

 出てきたのはなのはとユーノ。

彼女達もジュエルシードの反応を捉えていたが、いざその場に行ってみるとなんとも出て行きづらい雰囲気の空間になっていたリニス達が居たので様子を伺っていて出て行くタイミングを失い、そうこうしている内に用事は済んだとばかりにフェイト達が立ち去ろうとしたため、ジュエルシードは彼女達が回収したのかと確認する為に飛び出てきたのだ。

 

「?、私じゃないよ。私が来た時には既に反応は無くなっていた。貴女達でもないとするなら……そうだ、リニスは何かわからないかな? 私より先にここに居たんだし」

「あぁ、それですか、それならイツk……」

 

 首をかしげて「自分ではない」というフェイトと、話し始めて言葉を詰まらせるリニス。彼女の事は伝えるべきではない――もし言ってしまっても「まぁ仕方ないね」と許すかもしれないが――リニスとて消えそうだった所を助けてもらった恩義は感じているつもりだ。それを反故にするつもりはない。とりあえず預かった彼女の相棒に話を持ちかける。

 

『(どうすればいいですかね?)』

『(あ? あぁ「口元隠れてない変な仮面付けた奴が持ってった」とでも言っておけばいいだろ)』

『(それは言っても大丈夫なんですか? あの子は余り目立ちたくないと)』

『(構わねぇよ、駄目だったとしても”俺がそう言えと言った”って言やぁ納得する)』

 

 ぶっきらぼうに言い放つアルサナ。数年共に過ごしたが、未だにこのデバイスと彼女の関係性がわからない。ただのインテリジェントデバイスとその使い手(マスター)という枠では収まらない何かがあるように感じる。

 

「リニス? どうしたの?」

「え?えぇと、どう言えば良いものかと考えてまして」

 

 ”どういう奴をみたか”という事ではなく”どういう事にするか”の言い回しを考えていただけなのだが――

 

「その話、詳しく教えてほしいの!」

 

 橋の入口付近に居た筈のなのはが肩に乗ったユーノを飛ばさんとばかりの勢いで間近まで近づいてくる。もしかしたらこの間の人の手掛かりになるかもという考えでも在るのだろう。まぁそのものズバリその人であるし、今話してる相手はその時居た猫なのだけれど。

 

『(リニス。俺達と彼女は”初対面”だ)』

 

 この展開なら”流れ”だけでも原作通りに持って行けると考えたアルサナが念話でそう告げる。それに対し「わかりました」と返しされる。

 

「えっと……どなたですか? フェイトの知り合いですか?」

 

 そう問うと「少し前にジュエルードが発動した時にその場に居ただけ」っと言って知り合いではないと返される。もっともその事自体は、リニスは知っているし彼女が危険で無い事もハッキリとわかっているのだが。

 

「この際、敵対者かどうかは置いておきまして此方も名乗りますので名乗っていただいても? 私はリニスといいます」

「あっ、私、高町なのはっていいます、こっちがユーノ君」

「では、なのはにユーノ。何故私の見た者の話を聞きたいのですか?」

「私達、訳あってジュエルシードを集めているんだけど、それはとっても危険なモノなの。えと、そっちの子も、この前はお話出来なかったけど、集めている理由が話すことが出来るなら話してほしいし、もしかしたら私達と協力できるかもしれないから」

 

 そう訴えかけるなのは。フェイトはやや困惑気味だ。前の時ならいざしらず、今はリニスが居るというのも大きい様だ。自分を理解していて過去には教えを説いてくれていた存在だ。多少なりとも依存してしまうのだろう。

 

「リニス、どうしよう……?」

「私は、彼女になら話しても大丈夫だと思いますよ。彼女は本当にお話したいだけの様ですし、ですが決めるのはフェイト、貴女です。とりあえず、名前だけでも名乗ってあげてはどうですか」

 

 おそらくは自分たちが呼び合ってるのでわかっては居るのだろうが、こういうのは名乗るという形が大事なのだという。

 

「うん、わかった。私はフェイト、フェイト・テスタロッサ。貴女がナノハでそっちがユーノだよね」

「うん! それで、なんだけど、理由、教えてくれないかな?」

 

 フェイトが行動していた理由はプレシアに頼まれたという事だけ。話せる事も姉であるアリシアとプレシア自身をなんとかする為に必要であるというぐらいだ。だがここで其処まで伝えて大丈夫なのかはまだフェイトの中で判断を付けかねるのだろう。フェイト自身に決めさせるつもりでいたリニスだが、このままでは進展が無さそうとアルサナがリニスに口を挟むように助け船を出す。

 

『(リニス、フェイトはまだ子供だろ、ウチのアレとは違うんだ、まだそこまで考えられるほど出来ちゃいねぇ筈だ。お前が助けてやれ)』

『(え? いや、しかしですね)』

『(だからな”フェイトはまだ子供”なんだよ。アレ程自分で考える力を持ってるわけじゃねぇんだ、いくらしっかりした子でもな)』

 

 確かにアルサナの言うとおりだと改めて考え直す。暫く一緒にいたアレ呼ばわりされているいつきが”出来過ぎて”いた為忘れそうになっていた。それにフェイトは生まれが生まれだ。実際の経験年齢は見た目の年齢より更に低い。

 

「(仕方ないですか……)フェイト、纏まらないようでしたら一度相談して決めましょうか」

「え、う、うん。……ゴメン、ちょっと考えさせてほしい」

「そういうわけです。なのは、ユーノ。申し訳ありませんが今は時間を下さい、コチラで決まりましたら知らせますので、よろしければそちらのデバイスの通信コードを教えてくれますか? もしくはどちらかの魔力反応を記録させて頂ければ」

 

 アルサナの記録にはもちろん全員分の魔力反応のパターンが登録済みなので、その気に成れば現状ではまだ会っていないアースラ組やプレシア以外との連絡や探知は容易なのだが、リニスはそれを知らないし、アルサナもそれで便利アイテム扱いされるのも癪なので教えるつもりはない。

 

「わかりました。ですが、魔力反応を記録となるとコチラの位置が常に把握される結果に成ってしまいますので、それはまだお互いに関係性を築けていない以上……レイジングハートの通信コードをお教えします」

 

 そう答えるユーノに、確かなのはと同年代だったはずなのにしっかりし過ぎてんなぁっとアルサナは思う。リニスに悪気は無いだろうが、魔力反応を押さえられたら特殊な機器を使ったりして隠蔽しない限り自分がどこにいるかなど丸分かりになってしまう。自分から好き好んで探知され易くするなど在るわけがない。

 

 そうこうしているうちにレイジングハートの通信コードの教えも終わり最初の話題に戻る。

 

「貴方達がコチラに危害を加える意思がない事はわかりましたので、まぁあの者に危険は無いと思いますが伝えておきますね」

 

 勿論、今回ジュエルシードを回収した者の話題ではあるがそれはいつきであり、危険など皆無過ぎるが得体の知れない人物がいる危機感というのは持っていることで、多少なりとも不測の事態への対応力が上がるから。っとアルサナに告げ口された為である。

 

「フェイトやなのは達が感じたというジュエルシードの反応、実は私も偶々この近くに居たのでその反応を捉え向かったのですが、既にそこには妙な仮面をつけた人が居て、それらしいモノを手に持ち立ち去る所でした。恐らくはその人が回収していったのでしょう」

「仮面……あの、背丈とか髪型とかってわかりましたか?」

 

 質問するのはなのはだ。どうやら”以前助けてくれた人と同じ人かも?”と勘繰ったのだろう。そのものズバリなので主人公補正による勘というのは素晴らしい。尤も、前回出ていくときに仮面付けただけで髪型そのまま髪色そのままで出ていったいつきもいつきではあるのだが。

 

「髪型ですか……そうですね、フード付のコートで全身を覆っていたので判りませんでしたね。私に気が付いたのかこちらを振り返った時に丁度月明かりで仮面をつけて居たのが確認できただけで、直ぐに何処かに行ってしまいました。そのすぐ後にフェイトが来たので追えず仕舞いでしたけど」

 

 打ち合わせもしていないのにスラスラとでっち上げの状況説明が出てきたので「役者だな、リニス」っと感心するアルサナ。

それに対するなのはの反応はと言えば

 

「そう……ですか、情報ありがとうございます」

 

 少し落胆気味である。思った情報が得られなくてガッカリしている様子だ。

 

「ではそろそろ、私たちは行きますね。こちらの理由を話すにせよ、話さないにせよ。必ず連絡は致しますので。それでは」

 

 最後にそう言ってリニス・フェイト・アルフは森の中へと去って行った。その場に残ったのはなのは・ユーノである。

 

「行っちゃった……結局、理由は教えて貰えなかったけど、名前は教えて貰ったし、それにこの前と雰囲気が違ったね」

「そうだね、多分あのリニスって人が居た事が影響しているんだと思うよ。フェイトって子はあの人に頼っているような雰囲気があったからね」

 

 なのはが本当に知りたい事はまだ教えてもらわなかったけれど、名前を教えあったから一歩前進して、以前の時の話し合う余地も無いような雰囲気から幾分か和らいでいる感じがしてなのはとユーノはコレならば話し合える、っと思った。

 

「それにしてもユーノ君、私あの人にどこかで会った気がするんだけど気のせいかな?」

「なのはもそう思ったの? 僕も最近会った様な気がしたんだ。でも会った事が無いはずなんだよね」

 

 何故かはわかってはいないが、なのはは何処かで会った様な既視感を感じていた。まぁ、その既視感というの特別なものではなく、

 

「あっ、そうだ! 雰囲気もそうだったけど、あの人、リニスって人が腕に付けてたデバイス?なのかはわからないけど、あの不思議に捻じ曲がっていた腕輪、アレってこの間子猫が大っきくなっちゃった時に来た、不思議な仮面を被った子が付けてた奴と一緒だったよね」

「……確かに、あの子はアレに似たモノを付けていた気がするけど、関係あるのかな?」

「わからない、けど手掛かりが何も無いよりはいいと思うの!」

 

 人の雰囲気から察する辺り、感覚の鋭さは才能などという域をもう超えているかもしれないなのは(この世界の主人公の一人)。彼女は”身に着けた小物”から人物を探そうと決める。

余談ではあるがアルサナを常に身に着けているいつき、当然”学校にも”そのまま腕に付けて行ってるのでバレる可能性が出て来てしまっているのだが、なのははまだ”魔法関係の人”にのみ意識が行っているので、自分がそうであるにも関わらず、それを隠し一般人として行動している人が居るという考えに至っていないのが不幸中の幸いであった。

 

 

 

□~~~~~~~~~~~~□

 

 

 

 一方トリップから我に返り、旅館で一人のんびりしてたいつき。

 

「……そういえば亮夜君ってもしあのゲームの主人公のままなら双剣/大剣/鎌って普通にフェイトちゃんと丸被りの武器構成ですねー、取得順序は真逆だけど。……A's(Vol2)で既に彼をXthフォームまで上げれないかなぁ、もしくは終わった後にでも。彼に双銃短双剣の使い方マスターさせれば、どうせ主人公組に絡むだろうしという事で、オレンジの娘のいい師匠になると思うんだけどなぁ。あぁ、でも体が出来上がってないとトリガーまで指が届かないし速射(クイックドロウ)も出来ないですよね。他の武器適性とか貰っててくれたら嬉しいなぁ」

 

 自分が如何に楽をするかの”他の人の強化プラン”を考えていたりした。勿論ソレは一人だけでなく

 

「ていうか悠次君の方はなんでペルソナそのものじゃなくて技だけなの? その所為で”ペルソナの種類から今使える技を見極める”って出来ないから行動予測が付かないんですけど。A'sに入るまでは其処まで危ない事件や出来事は無いとは言え後手に回らざるを得ないのは怖いんですよねぇ。使ってる剣術?も流派とか無さそうで只我武者羅に振ってるだけの様にも見えましたし」

 

 ペルソナ自体を貰わないなら別作品要素入れちゃっても良いからなんで剣術才能を貰わなかったのか! と言えるなら叱咤したい、表に出る気が無いからそんな真似出来ないけど。そして本来の主人公の事も

 

「なのはちゃんはなんか原作より才能溢れてましたねぇ、やっぱり主人公足る者、周りの影響に及ぼされて尚世界の補正も受けるんですかねぇ。その点で考えればフェイトちゃんも同じように強くなってるって事ですよね。A's編でヴォルケンズが負けるみたいなIF過ぎるルートに入らないように注意しないといけないとかちょっと私には荷が重いんですけど」

 

 なにが悲しくて本編で強キャラ陣営だったほうに注意して力を貸さねば成らないのだ。私は弱キャラの方が好きなのだ。愛を持って使い続けて強くなればいいのだ。などと関係ないことも考えつつ

 

「まぁ無印・A's共に犠牲者らしい犠牲者は特に居ませんし……いや、リンカーコア蒐集された局員とか……は別次元世界だと助けられないじゃないですか、そっちは良いかなぁ。それよりも後の六課陣の人たちを如何に強化してゆりかごの起動自体を無かった事にできるかが問題ですかね、でもそうしちゃうとVividに影響してくるんですよねぇ」

 

 今のストーリー所か、次のストーリーよりも更に先を無駄に考えていた。

 

「あぁ……メンドクサイ。他の皆が頑張ってくれればいいのに……」

 

 

 

□~~~~~~~~~~~~□

 

 

 更に、(つい)ぞその場に現れなかった二名はといえば……

 

~番神悠次の場合~

 

「何故初期技以外の上位技や範囲技が使えないんだ……魔力量は問題ないはずなんだ……まさか、元となった作品同様にコミュを行わないといけないのか!?」

 

 などと考えたりしていた、結論から言えばソレが正解なのだが、所謂無印の物語の期間は其処まで長くは無い。故に別作品の能力で無双しようにも出来ない状況ではあるし、彼が今行うべきは"近接戦闘”をどうするかなのだが、其処まで頭は回らなかった。そしてそんな余計な事をずっと考えていた為”連休での温泉”という事もすっかり忘れ、イベントをスルーしていた。

 

 

~崎神亮夜の場合~

 

「奴が使っていた剣術は漫画とかにあったそれっぽいのじゃなくてわからなかったが、技はペルソナに出てきたモノだった。ってこたぁアイツは俺と同じ転生者かそれに近い者だろうな。だがまだ近接戦闘なら俺の方が圧倒的に優位だ。技を使わせなきゃ十分だが……なぜか双剣以外出せねぇんだよなぁ……」

 

 などと、もう一人よりは現状を考えていた。あえて、なのは陣営ではなくフェイト陣営に居るのも”一応”考えがあったのかもしれない。彼が双剣しか出せないのは、ある意味原作どおりではあるのだ。あの作品は”三部作”であった。彼の要望では”全種類”は使えるのだが、彼の実力がソレに沿わないので、まだ出せないだけである。因みに彼が温泉地に居なかったのは”少し一人で修行する”といいフェイトととは別行動を取っていたからである。彼にとっては”物語は物語で何もしなくてもそのとおりになる”と思っている節があるのだった。

 

 

 

 

 

 両者共に別ごとでイベントを忘れて居たり、行かなかったりしているだけだった、因みに彼等が自身の能力についてなどを知る術はない。おそらく、このままでは知る機会もない。それを彼らはまだ危惧していない。

 

 

 

 

 

 

 

 




”基本原作沿い”としながら”改変”してしまってるのは
少しでもオリジナルを組み込もうと四苦八苦してしまった結果のモノです

展開は原作に沿う……筈……



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