「()」や『()』での会話は、個別念話や個別通信だと認識して頂ければと
私的には「一方その頃」形式は良いですけど「実はその時」形式としてサブ設定以外が出るのは避けたいと考えてますが、使い勝手が便利なんですよね、「実はその時」形式って。
~時間は少し遡ってある陣営~
とあるマンションの一室に到着する3つの人影
「ここだよ。ここが私とアルフの、この世界での拠点」
そういって扉を開き招き入れる身の丈ほどのマントを羽織った黒衣の少女、フェイト。その後ろには、肌を多く露出させた犬耳の女性、アルフ。そしての二人の後ろから腕に不思議に捻じ曲がった腕輪を付けた女性、リニスが付いて行く。
「こんな近場に居たんですね」
「まぁ、一時的な拠点ってだけだからアタシ達は何処でも良かったんだけどね……」
なにやら言い辛そうに頬を掻きながら答えるアルフ。
「? 何か理由があるみたいですね、此処は結構上質な所のようですし」
「いやーあっはっは……アタシやフェイトには理由はないんだけど、プレシアが、さ」
どうやら彼女達とは別の人物の意思と指示により、拠点は決められていたようだ。聞くにプレシアと呼ばれた人物が彼女達の拠点を決めたようだ。
「あのプレシアが……ですか」
『(マジで何処からズレてるんだ……いや、もうソレはいい、リニスが助かってる時点で今更だ。”どこまで”ズレてるかを見極めるべきか)』
それに対して、もし自分の知っている人物だとすると少し前にも聞いたのだが、やはり行動があまりにもかけ離れていると考え込む者が二人いた。リニスとアルサナである。
――方やまだ自分が彼女の使い魔であった時代、その人物はそのような優しさを出せる余裕など持ってはいなかった。一つの物事に囚われ続け、自分が去るまで
――方や自らの知り得ていた記憶、物語中でのその人物の描写。その人物はある人の蘇生の為に全てを投げ出し、ただその事だけに囚われ続けて居て、フェイトに対しても辛く当たっていた筈だった。
まだほんの一触りの外聞しか聞いてはいないが、その話を聞く限りでも二人のそれぞれが記憶している人物からはあまりにもズレていた。
『(リニス、お前はどうしたい? 恐らくお前が言えばフェイトはなのはに協力する方向にも動くだろうが、”プレシアにも聞いてみた方がいい”と
「(私が決めてもいいんですか? アナタが決めた方が良い方向に働くと思うのですが)」
『(俺の立場はあくまでデバイスだ、そしてリニスは一時的とはいえ所有者、つまりは主だ。今の俺はお前の意思を尊重して、補助するのが役目だ。だがこちらの考えている事より大幅にズレたり、またはリニスの身に危険が迫った場合には容赦なく動くからその心算だけはしておいてくれ)』
あくまで、主として動くのはリニスに任せるべきであると、そう考える。リニスが生存している時点で、もはや物事の事象は原作に戻ることは無い。ならばせめて展開だけでも原作に”近付ける”様にしようと。そうすれば某運命石の扉作品曰くの”世界線を超える”様な大幅なズレを起こす事は無くなるだろうと。
そしてその為の一つの予防線が”この世界の基準となった物語に元から居る人物に行動させる”というモノだ。完全なIFの存在が介入するのではないのだ。確かにその行動の裏に
『(プレシアに会い確かめたいならさっきも言った通り、フェイトに一言”プレシアにも相談してみよう”と声を掛ければいいさ。どうもお前が知ってた人物像とはかけ離れてるみたいだがな)』
「(ですが、そういう演技をしているだけという可能性も)」
『(そういうのも含めて会えばわかんだろ。まずは”会う事”を考えろ。フォローはしてやる。それにどうするにせよ、俺はお前に付いてないと動けないしな)』
アルサナの言う通り、まずは会わなければ判断は付かないだろう、そう考えるリニス。自分が居なくなった後に”何か”があったのだろう。その”何か”を確認したいのはリニスだけではない。
『(何が原因かは知らないが、あまりにも正史と違いすぎる。フェイトの言い振りだと、プレシアが病魔に侵されているのは正史どおりだろうし、アリシアもそうだろう。そしてリニスの言い方やフェイトが居る時点で、プロジェクトFは存在してるだろうし完成まではこぎつけたんだろうな。なら改心したような形になってる切っ掛けはなんだ? ……全くわからねぇ)』
考えれば考えるほど、原因と切っ掛けに為る物が判らない。在るとする可能性は一番考えたくない”世代の違う転生者”という可能性。
そんな存在が居たら、自分達がいくら足掻こうとも正史に近付け整える難易度は跳ね上がる。”先手を打たれて布石を蒔かれている”など、もはや不利な状況という生易しいものではなくなる。
『(改心の具合にもよるな。ただ丸くなっただけなのか、今が大事だと気が付いたか。プロジェクトFの扱いに関してもどこまで変わっているのか……)」
深く考えるアルサナを余所に、フェイト達は会話を進めていた。
「それで、フェイトにアルフ、どうしますか? 私はあの子達、なのはとユーノは事情を話せばある程度の融通は利いてくれると思いますよ?」
「アタシもリニスの意見に賛成だね。あの子はどう見てもお人好しだよ」
リニスの意見に賛成するアルフ。彼女は良くも悪くも直感型なので自分の気持ちを素直に出す。それに対してフェイトも
「私もそう思うよ。あの子は魔導を扱う技術も
っと同意する。リニスが”魔導師として一人前に”という契約の下にフェイトが教育されたのが数年前、其処から更に力を付けていたであろうフェイトは他人の力量を一度交えただけである程度は把握できるまでに成っているようだ。
「でも、あの子のまだ見えない才能?っていうのかな、出て来てない部分は私を超えると思う。そういう点では争いたくは無いかな」
「そうですね、あの子は才能という点で見れば、おそらくフェイト以上でしょう。ですが彼女はまだ魔導に関わって日が浅い。ジュエルシードを巡る争いに成っても2~3戦ほどであればまだフェイトとアルフに分があるでしょう」
そこまで言ってからも「しかし」と付け加え、話を続けるリニス。
「それも、私たちと正面からのジュエルシードを取り合う衝突が続いていけばの話です。おそらくそうなっていれば交える内にあの子はフェイトの技術を吸収してゆき、暫くもしない内にやられていたかもしれません」
そう付け加えた。原作でも最初の衝突から約半月ほどで何とか撃墜するまでに成長するのだが、常識的に考えてみても驚異的な成長速度である。
「そんなあの子と敵対するのは辞めておきましょう。控えめにみて損しかありません。幸い、あの子もこちらに歩み寄ってきてくれているので、受けない手は無いです」
これを利用しないのは愚か者だろう。向こうから無条件で歩み寄ってくれているのだ。此方が少し寄れば頷いてくれると言っていいほどまでに。
「ですが、コチラの意見ばかりを押し出すのは、交渉として悪手です。なのでコチラでどれだけの数が最低必要なのか確認しておきたいのですが……フェイト、わかりますか?」
「えっと……私も母さんから集めてくるようにお願いされただけで、多い方が良いぐらいにしか考えてなかったけど……」
「まぁ、そうでしょうね。おそらくですがプレシア自身もジュエルシードの情報をどこから仕入れたのかはわかりませんが、それが総称で複数個はあるという事を知っただけで総数は知らなかったのかもしれません。だから”集める”という言い方に成ってしまったのでしょう」
「あっ、でも2~3個集めたら一度持ってくるように言われたよ。”どれくらいのモノか実際に確認したいから”って」
リニスは考える”実際に確認”という事は”誰かからある程度は聞き及んだ”という事が在り得る。ならば
「フェイトは今いくつ持っているんですか?」
「えっと二つかな? 少し前に初めてあの白い娘と対峙した時のと、リョウが持ってきてくれたの……あっ、リョウっていうのはね、この世界で出会って協力してくれてる子なんだ」
おそらくは子猫の時に居たフードの子であろうとリニスは辺りを付ける。協力者なのに今夜も居なかったしこの場に居ないのも少し気にはなるが、居ないのであれば仕方ないと考える。
「その子も確認して起きたい所ですが……いずれ会えるでしょう。それよりも2個ですが一応届けに行きますか?」
「うん、リニスに会えた事も母さんに報告したいから」
そういうと何やら英数字の羅列を唱え始めるフェイト。次第に足元に部屋いっぱいまで魔方陣が広がる。そこに色々抱えたアルフが近づいてくる
「途中から姿が無いと思ってましたが、その荷物はなんですか?アルフ」
「ん?あぁこれかい? プレシアへの土産やらこの世界の医薬品とかだね」
「土産は……まぁわかりますけど、医薬品ですか?」
「なんでも、プレシア自身も病に
「なるほど……」
一理ある。とリニスは思う。魔導は一般的にはプログラムに乗っ取ってデバイスで発動するものだ。それを組み上げるのであれば、特性を理解し方向性を示して組み上げる方が燃費も性能も良くなるだろうと。
「まっ、アタシにはそっちの話はさっぱり理解できないけどね」
っと笑って締めたアルフ。そうこうしている内にフェイトの転移座標指定も終わろうとしていた。
「……よし、繋がった。リニス、アルフ、行こう」
「わかりました」「あいよー」
三人は転移魔方陣に乗ると光が溢れ、部屋から姿を消した。
~時の庭園~
次元の海を漂う島の様な場所の一角に三人の姿が現れる
「っと、ここが母さんと今居るところだよ。多少、寂れちゃってるけどね」
”寂れている”フェイトはそう言ったが、まだ草木は広がるように残っている。確かに、所々荒廃した様な雰囲気はかもし出されていたものの、整備が届いていないだけだろう。
「じゃあ、コッチだよ」
フェイトが先導して、アルフが持ってきた荷物を持って、リニスがそれに付いて行く。しばらく案内されると、少し豪華な扉の一室にたどり着き、扉をあける。
「母さん、ただいま。お願いされてたモノ探してきたよ」
扉を開けた先は広間のような所。その奥に大きめの椅子、そこに座っている人物が居た。フェイト達が入ってきた事に反応してその人物が声を上げる。
「あら? もう戻ったのフェイト、アルフ。……それに貴女、もしかしてリニスかしら?」
その人物、プレシアが椅子から立ち上がって驚いた表情をする。フェイトとアルフはその意味がわからない様だが、プレシアはリニスが分かれた時にもう契約が切れ、魔力供給が無くなり消える運命だった事を知っている為だ。
「お久しぶりですね、プレシア。残念ながら貴女の”頼み事”の探し物はまだ見つかってないのですよ」
フェイトから聞いた情報にあわせてプレシアに話しかける。もしプレシアが昔のままなら此方に合わせてくれる事は無い筈だ、だがそうでないのなら……
「……そう、貴女には難しい事をお願いしてしまったわね。その事だけど、今フェイトとアルフにお願いしているジュエルシードが丁度代わりになりそうだから、ソレを手伝って上げてくれるかしら?」
リニスの考えは杞憂に終る。それでもまだ最終的な判断には至らない。しかしフェイトに関しての感情、あたりかたは以前のプレシアからは全く違うものであった。
「わかりました。以前の頼み事の件も念の為捜索を続けますが、今はフェイトとアルフを手伝えば良いのですね」
「えぇ、お願いするわ」
詳しい事情の確認等はアルサナも交えてまだ話すべきではないと決めていた。いずれ全てが終ってからなら、いつきの事含めて話しても良いとも。なんにせよ、フェイト・アルフがいる状態でプレシアと余り話し込むと、共にボロが出かねない。早々に話題を変える。
「そういえばプレシア、その関係で少しフェイトから相談事があるのですが聞いてあげてくれますか?」
「えぇ、大丈夫よ。フェイト、相談事ってなにかしら?」
「うん、散らばってしまったジュエルシードを回収するのを手伝って欲しいって言って来た子達が居たんだ。ソレで私達は協力してもいいかな?って思ってるんだけど、母さんに話をしておきたくて」
プレシアの下に一度戻ってきた目的を話し始める、集めている最中、それの本来の保持者であろう者とその協力者と出会った事、そしてそのものから協力を申し出られたことについてだ。
「そうね……フェイト、貴方が協力しても大丈夫だと判断したのなら、それで構わないわ。でも、私の方もジュエルシードは必要だから、幾らか持ってきたのでしょう?調べてみるから貸しなさい」
そういわれて、バルディッシュからジュエルシードを取り出し渡すフェイト。ソレが手元まで渡ると調べ始めるプレシア。
「これなら……そうね、ムラがあるけれども低い方の数値から見ても後2~3個ほどあれば十分かしら? 複数在るのは此処に二つあるからわかるけど総数がわからない以上、その子達がどう反応するかわからないわね」
個数次第では協力したとしても望む数は得られないかも知れないと思案するプレシア、そこに言葉を重ねるリニス。
「それについてですが、一つ良いですか、プレシア」
「あら? 何かしらリニス」
「見て分かる通りジュエルシードには個別にナンバーが振られているのですが、私の確認した限り、その協力を申し出てきた子が持つ一つのナンバーが”
リニスが告げると「それなら」っと少し考えてから
「ならフェイト、まずは21個を最高個数として1/3、7個を一時的に使わせて貰う事を条件に言ってみなさい。勿論、悪い様には使わないと言ってね。それと使い終わったら直ぐにでも返すからともね」
”何に”使用するかは伝えることが
「それでもおそらく、元の所持者からすれば快い返事は難しいと思うから、相手が考えるそぶりを見せたら、妥協として、ならば5個でもいいと伝えなさい。そうすれば向こうも協力を得れるのであれば妥協すると思うわ」
交渉事における、吹っ掛けと見せ掛けの妥協。まだ精神的に成長しきれていないフェイトでは出ないであろう案だ。
「……これはあくまで建前よ。最初にも言ったけどフェイト、貴方が自分で判断した事なら、それでいいのよ」
協力者に対する返答もフェイトの好きにしていいという事になり、土産や医薬品なども渡し終えて暫く話し終えた後
「フェイト、次はプレシアと二人きりで話させて貰ってもいいですか? あの件はまたその後ででも」
「うん、わかった。じゃあアルフと一緒に外で待ってるね」
フェイトとアルフが部屋から出ていく。ここからが自分たちの本来の目的であるとリニスは少し雰囲気を変える。
「率直に言いますね。プレシア、何が貴方を其処まで変えたんですか?」
「……なんてことは無いわ、ただ気が付いただけよ。生まれはどうあったとしても、あの子は私の娘だって」
「そう……ですか、いえ、ソレが本当なら私から聞くことはありません」
完全に納得したわけではない。それが本当だとしても、いや、変わりようからして本当なのだろうけれども、”それだけ”で此処まで変われるとは昔を、そしてそうなった経緯を知ってる以上リニスは思えなかった。
「私の事はまた機会が在れば教えてあげるわよ。……それで、リニス。貴女はどうやって生きていたのかしら?」
「私はあの後、今ジュエルシードが散らばっている地球に辿りつき、其処でとある人物に助けられて今まで過ごしていまして、その人が偶々魔導系統の技術を持っていたので生き長らえました。今現在もその人からの魔力供給によって存在できてるんですよ。そして場所が場所ですし、この”時の庭園”も特殊な環境ですので、今まで自力では来れなかったのですよ」
今までの自分の置かれていた状況を、簡潔に説明するリニス。特に嘘は無いが全てが事実というわけでもない。助けられた事は事実だし、今居る時の庭園の場所を把握できなかったのも事実だ。ただし、”誰に”助けられたか”いつから”助けられて居たかなどは伝えていない、いつきがどう在ろうとして居るかを聞いているリニスなりの配慮なのだろう。
「それで? 貴女の現状は判ったけど、貴女が聞きたいのは私の気持ちだけではないのでしょう?」
プレシアの側から促がされたのでどうしても聞いておきたかった事を聞こうと決めるリニス。今の彼女は”そんな事はしない上、おそらく出来ない”という事は感覚でわかっていても、こうなる前の彼女を知っているから聞かずには居られない。
「今回のジュエルシードに付いて、原因はプレシア、貴女ですか?」
「……私は”何もしていない”わ。そんなロストロギアを運んでいた船があること自体も知らなかった。そもそもリニス、貴女が居た時でも私にはそこまでの規模の魔法を安定して発動させるほどの力が出なかったのよ」
プレシアは
「ではプレシア、貴女は何処でジュエルシードの情報を手に入れたんですか?」
当然の疑問として残るもの。今や満足に動く事が出来ないプレシアなのは見てわかる。その具合から察するに既に半年程は前からは臥せっていたのだろう。そんな彼女が自ら情報を集めて回ることは容易ではない。
「もう其方の方には手を付けてなかったけど、情報だけがいきなり届いたのよ。”とある世界、地球という場所に君が求める物が少なからず在るだろう、そのロストロギアの名はジュエルシードだ”ってね」
情報源が余りにも不確定過ぎる。なのに情報としての正確性が的確過ぎる。曖昧に”少なからず”としてはいるけれども、それは”一つではない”と読むこともできる。
「名前も判らない相手からですか……」
「いえ、名前は存在を誇示したいのか署があったわね。それに相手の一方のおおよその予想は付いていたから。確か――”J”」
その
それだけで在ればまだ”想定の範囲内”であると考えて居たが、続く言葉に思考が切れる。
「
~次回予告的な何か~
巡り合うのは本来まだ協力しない筈の主人公達
介入するのは元々の流れに沿わす為
犠牲になるのは、只一人だけでいい
だからこれは仕方の無い事。
・・・・・・すいませんやってみたかったんです。