リリカルなのは:介入するなら頑張って   作:ゆかりフリカケ

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#16 宝種、探索

 前回より更に数日……も経つわけないじゃないですか、普通に休日明けの平日ですよ。

 

 アレから数日してアルサナを通して大まかな流れの説明の為の連絡があったのだが、どうやらアースラ組が主となる形をとって全員でジュエルシードを捜索する事となったようだ。原作通りユーノ君が人型に成って驚かれたり、リンディさんの和?に対する感性が微妙だったりと、展開自体はそのまんまだった様子。

 その際にプレシアさんの事。『J』や『I』といった存在。などにも触れたようだが”目先の危険であるジュエルシードを回収して事が片付いてから対処をする”という事になったらしい。

気がかりだったのはリニスの気持ちなのだが、プレシアさんの事もあり断るんじゃないかな? って思ったけど断らずに協力しているらしい。杞憂だったみたですね。

 

 そしてそれならば、なのはちゃん達は原作みたいに学校休まずに済むんじゃ? と思ったけど、どうもそうはならなかった様で……

 

 

 

「高町は家族から連絡があって暫く学校を休むとの事だ、どうも家族の間で片付けねば為らん事があるらしい。あぁだが心配はするな、親戚の訃報だとかいう事では無いらしいからな」

「せんせー、じゃあ悠次や亮夜はー?」

「他二人については知らん、連絡も無いからな。だが、奴らも子供だとはいえ男だ、学校より優先すべきモノに出会っちまったんだろう……」

 

 それだけ言って窓の外を遠い目をして眺める担任の先生。前から思ってましたけど原作の担任の人って女性じゃなかったでしたっけ? まぁこれくらいは気にする程のものじゃないかな。

 

「せんせ、その年でまだ電波受信してるんですかー?」

「いい加減なおせよー」

「うっさいわ! 男はいつまでも遊び心と共に生きる生き物なんだよ! それにまだ20前半じゃ!!」

 

 外面も(つくろ)わずムキになって子供と言い争う担任先生……こういうのが俗に言う”良い先生”なんでしょうね。

 それにしても二人はともかくなのはちゃんまで休みましたか、原作からかなり変わってしまって結構平和な物語に成って仕舞っているのに何故原作に沿う形に成ってるんでしょう? まぁその方が私としては安心できますけどね。

 

 しかしそうなってくると、ジュエルシード捜索人員は数多く且つ戦力も大きいという感じになってしまってるんですかね。原作で描写は無かったですが流石に他の艦員が捜索を全く手伝わなかった、なんて事は普通に考えたら有り得ませんし。

 その辺りを考慮するとこの街周辺を主役陣が、その他周辺の郊外などをクロノ君やロディル君以外の局員が赴いたり、アースラの設備でサーチしたりといった感じでしょうか。そうなると主要人との遭遇リスクを減らす為に郊外に出たりする方が捕捉されてしまう可能性が高くなりそうですね。

 

 ならば、まだ暫くは海鳴市を中心に探しましょう、学校が終わり次第探索開始だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンタの言ったとおり、なのはに暫く会えなくなったわね……なんか知ってんだったら白状しなさいよ!」

 

 っとはスムーズに行かず、只今絶賛アリサちゃんから詰問(オハナシ)受けてます。きゃーこわーい……なんて言ってる場合ではない気はする。

 

「直接本人に連絡してくださいよー私は知りませんってばー」

 

 嘘は言ってないよ、嘘は。”詳細までは”知らないから。それに原作の流れ的にアリサちゃんとすずかちゃんがこの事(魔法)を知るのは確か……12月?だった筈ですしそれまでに知ってると多分干渉するでしょう?貴女達の行動力なら。そんな事はさせません、私の安寧の為に! 分岐要素は少ないに越した事はないんですよ。

 それよりもですね、既に学校終りましたんで解放してくれませんかね?こっちもこっちでのっぴきならない事情(残り3つ程の行方不明ジュエルシードの捜索)があるんですけど。

 

「だ・か・ら! 私達から連絡しても連絡が付かないからアンタに聞いてんでしょーが!」

 

 ッバーン!っと壁に追いやられて顔の横に手を付けられる。

こ、これがかの有名な(?)壁ドンですか。本来の意味を知ってるので前世ですら、する側になる事も無かったけれど、まさか果てにされる側になろうとは。

それにしてもこれ、現在の私の体格(なり)の所為でそれなりの感じになってしまってますよ……存外ドキドキしますね。耳の横で大音が鳴るという事と迫られているという圧迫感で!

しかし、やはりあの告口(アドバイス)は余計でしたか、これはもう浅はかな行動をした自業自得の結果ですね。というかあの後連絡しなかったんですか?

 

 既に違う結末が訪れそうなぐらい変わって来て見通しが立たなくなってるので、例え表立っては本編に関わって来ないアリサちゃんやすずかちゃんに対してでもこれ以上の過干渉はしたくないんですよねぇ、どうしましょう。個人的な感覚で言えば”教えちゃってもいいさ”と考えるが、この世界がリリカルでなのはな物語で流れという”運命”があると大局的に見てみると此処で教えると力のない一般人が友人を想い首を突っ込んで行くという、もうデスフラグ以外の何物でもないモノが建設される気がしてやまない。無印編はもう大丈夫っぽいですけど、これから始まるであろうA's編は危険性が未知数ですし。

 

 どうしたものか、と考えつつ”そういえばストッパー役のすずかちゃんが居た!”とアリサちゃんの後ろに居るすずかちゃんをチラッと見ると、にこやかに笑っていた。「今回は逃がしませんよ?」と言わんばかりの笑顔で。あっ、これもう駄目ですね。仕方ないか。

 

「もぅ……ホントに知らないんですってば。って言っても納得してくれないですよね、バニングスさんも月村さんも。じゃあ、ハイ、コレ」

 

 そう言って私はすずかちゃんに向けてアンテナの様なモノが付いた小さな機械を投げ渡す。

 

「ぅわっと、神在さんこれは?」

「私自身、ちょっと前にああは言いましたけど高町さんの”現状”は本当に何も知りません。ですが、それでは言った言葉に対して無責任過ぎますのでソレをさしあげます。ソレを携帯の充電口に挿して連絡してみてください、繋がる筈ですので」

「なんかよくわかんないけど、こんなの持ってるのに何でアンタは何も知らないのよ」

「だって私、高町さん個人に繋がる連絡先知りませんし」

 

 なのはちゃんの携帯の連絡先知らないのは本当だししょうがないよね、ソレを用いた接続先は携帯じゃなくてレイジングハートさんだけども。え?いつレイジングハートのコードを知ったかって?アースラ組と協力することに成った際リニスが聞いてたみたいですよ、つまりはアルサナも知ってるんです。そしてアルサナからの連絡時に情報の一つとして有ったのですよ。勝手にソレを他者に伝えていいのか?この二人なら大丈夫でしょうし、コラテラルコラテラル。

 手渡されたすずかちゃんの元にアリサちゃんも寄って行きモノをまじまじと見ている、よし私は今自由になった。

 

「それじゃあ私はもう帰りますね」

「あっ、ちょっと待ち――」

「ませんよ。今、この場で二人は半信半疑であろうとも”それを使って高町さんと連絡を取る”という用事が生まれたように、私もやる事があって暇ではないのでー……あ、それ私から貰ったというのは”一応”内緒でお願いします」

 

 さぁ逃げよう。これでバレる可能性は増えてしまったけれど、発端は自分の所為ですし仕方ない。今度から余計な事はしないように心がけよう。でも追求されたら全力で誤魔化しますけど。

 

 

 

 

 

□~~~~~~~~~~~~□

 

 

 

「今日新しく反応を捉えたのは神社の件が在った山の奥の何処か……原作に描写の無い場所に行くのは少し怖いですね、対処法がその場その場で生み出さないといけないですし。それにしても海の反応は相変わらず残ってるけど反応の仕方からして”複数ある”のは判るけど個数は不明ですね。原作通り6つなら良し。変わっていても増えてるなら別に構いませんが減ってるとなると他の場所での事件が起こる事になるから勘弁して欲しいですね」

 

 今までがそうだったように、ジュエルシードの発生だけは原作通りになりそうな予感がしてますがどうもそれ以外の事柄が平和的(プラス)な方向に傾きすぎて不安がありますね。良い事が起こっているという事は悪い事が起こっていた、若しくはコレから起こると考えたほうがいいですから。

 

「フェイトちゃん達はなのはちゃん達(+管理局)と協力する方向のようですが、そうなるとジュエルシードは管理局預かりとなり、使おうと思っても使えない状態になると思うんですがその辺りフェイトちゃんは考えてるんですかね? 原作通りの管理局だった場合恐らくはそんな融通は利きませんからね」

 

 クロノ君は第一印象を遠めに見た限りその態度というか纏っていた雰囲気に原作との差異は無さそうだった。第一声から管理局の統制こそ絶対正義とでも言いかねない様な感じが少なからず在ったしやはりまだ周りを見れていない様子が見て取れた。いくら魔法を使っていた相手だからと言っても魔法文化の無い世界に居る時点で、ソレを使って何かする無法者か、たまたま魔法に関わってしまった無知者のどちらかしかないと思うんですよね。前者であれば真正面から向かっていくには正々堂々とし過ぎているし、後者であるならば高圧的な態度で挑まれた方は混乱するだけである。

 しかし、その辺りはロディル君とやらが居てくれるおかげで改善されそうではありますね。彼は恐らくまともな思考の持ち主が転生者で、何の目的かはわからないけどクロノ君の近くに居て正してくれてるっぽいので今後も安泰ですかね。最初の時の弁明から察するにどうやら彼は彼で局側として考えた上で動いていてくれていた様ですし、もしかしたら彼を援護する形を取れば本格的に私が表に出なくて済むかも知れませんね。まぁ”闇の書”に関しては彼らが早期にはやてちゃんと接触したりは出来ない限り、影響はないと思い……たいなぁ。

 

 そんな彼らの変化や現状すべき事など考えながら、今回反応の在った山に入り更に奥へと向かいつつこれからに付いて思考してふと疑問に思ってしまったことが一つ

 

「そういえばフェイトちゃんとの敵対が無くなったという事は、もしかしてS.L.B(スターライト・ブレイカー)の習得イベント無くしちゃった……? あれ、それってマズイんじゃ……」

 

 彼女を表すモノで秘奥義級の威力なのに波動拳並みの気軽さで放たれる代表技。後にオレンジの娘にも受け継がれるモノ。習得されない・受け継がれない程度ならまだ(良くは無いが)良いのだけれど、この技にはまだ役目が在った筈。まず次の事件である”闇の書事件”で最終的に保護防衛プログラム暴走体の防壁外殻を完膚なきまでに剥ぐ為の三位一体技の一つである事、そしてStS編でのヴィヴィオへのやり過ぎに見えなくもない正気への復帰法。どちらも物語の最終局面で最重要ポイント、どこかのタイミングで習得してくれるのを祈るばかりである。それが叶わないようで在れば次の最終局面前か騎士達との初戦後のやる気モードの時にでもリニスを通してでも習得してもらいましょう。彼等(悠次・亮夜・ロディル)がその事を気にかけてどこかで教えておいてくれるような感じであればいいのですがロディル君以外に期待は持てませんね、彼も若干不安ですけど。

 

「プログラム組んでおいてレイジングハートに刷り込ませて置くだけでもいいかも。基礎理論は確か”周辺宙域に散布されてる魔力素の収束、それをなんやかんや操作固定し、ぶっぱ”でいいはずだし」

 

 メリットは改良してから渡すことが出来るので、原作で言われていた”年齢や技量に合わない、魔力量とセンスだけで組み上げた事による育ち切っていない肉体への負担”を減らす事がおそらく可能であるという事。コレがあればA's後の撃墜イベントも多少は軽くなると思いたいのだけれど、アレは確か”カートリッジシステムや収束砲の使用等の今までの無理も祟って”という追加の原因も在った筈なので。まぁ別の対策も用意する算段ではありますが。

 デメリットは……あれ?特にない? 強いて上げるなら、なのはちゃんが”感覚で組み上げる”という感性の経験をしなくなる事ぐらいでしょうか? しかしそれも”戦い”がA's以降付きまといますし大丈夫でしょう、まだ無印編も終わってませんし、ジュエルシードが共鳴して強大な何かが出る可能性もありますからね。

 

 よし、コッチで作製して渡す方向で行こう。そうと決まれば早速今日の探索終了後から組み上げていこう、なるべく使用者への負担を減らしつつ、かといって全く負担をかけないようでは技量の上達に支障をきたしそうなのであえて粗も残しつつといった感じでしょうか、完璧に仕上げるより難しいですね。レイジングハートには演算等の負荷を掛けてしまうかもしれませんが、その辺りも何かしら考えてあげましょう。そういえばこの世界の”デバイス”というモノ、PCなどの機械と同じ認識で大丈夫なんでしょうかね? アルサナが有能(チート)過ぎて気にも掛けてませんでしたが、可能なら魔導術式パッチや外部拡張アタッチメントも出来たりしたら面白そうですね。リニスに渡したデバイスで試しておけば良かった。

 

「さて反応も近くなってきて……ってなんですかこの場所は……」

 

 気が付けば光もあまり入って来ない鬱蒼とした森の奥まで来てしまっていた、そしてそこに見えてきたのは朽ち果てているようだが形は原型を残したままに外壁に植物が這い巡っている洋館と思われる建物。

 

「うぇ……此処探すんですか……帰りたい。前世から蟲、特に多足生物が苦手なんですよぉ……絶対大量にいますよこれ」

 

 蟲、特に蜘蛛の類だけは本当に相容れない。益虫が居る事も判っている、だけど無理なものは無理なんです。それにしてもこの屋敷、何処かで視た事ある形状してますがはて何処で視たんでしょうか?

 

「とりあえず中に入りますか……お邪魔しまーす」

 

 入ってみると、外見とは裏腹に中は小綺麗としていた。入ってすぐには広いエントランスと目の前にも左右に2階へと上がる階段。その奥に少し広めのホールがあり、そこから更に奥に部屋があるようだ。

 

「う~ん、この造りやっぱり何処かで?」

 

 2階も在るようだが先ずは1階から調べていくのが定石だろう、地下への階段が見つかったら二階から調べるように変更しますけど。

 この手の屋敷のような場所で超常現象が起きるとすればポルターガイスト辺りですかね? そうなるとジュエルシードが作用している場合、部屋などではなく屋敷全体に作用していると思うので屋敷の中心辺りにありそうですね。

 

「さて、先ず一階奥は……食堂、ですかね?」

 

 奥に進むとそこにはとても長細い机に十数個の椅子が並んでいた。左手奥には恐らくだが厨房の様な場所、右手奥は扉があってその中までは見えないがおそらくは物置か何かだろうか。まずは左手奥に見える厨房らしき場所に向かう。

 少し汚れてはいたが、鍋などの調理器具も多少汚れてはいるものの錆びては居ない、しかし生活臭がまるでなかった。厨房は確認したが何もない様子なので今度は入口から見て右手側に見えた場所に向かい扉を開ける。周りの風貌から開けたら埃が舞うかと身構えたが、そんな事も無く薄暗く物が少し散乱している部屋だった。

 

「この部屋は……やっぱり物置かな? 色々置いてありますが反応の大きさも変わりませんしここにも無さそうですね」

 

 まぁそんなに簡単には見つかりませんよね、地下への入り口もぱっと見無さそうですし細かいところは後にして次は二階に行ってみますか。

入り口から見て左の階段を2階に上がると、先ずそれぞれの階段を上がって直ぐの所にそれぞれ一部屋ずつ、更に中央に奥に広がっているであろう扉がある。階段直ぐの左右二部屋に入ってみるが何も無かった、ハズレですか。

 そのまま奥の扉を開けると左右に広がる廊下、そして部屋は5つあるようだ。右奥から見ていきますか。

 

・一番右奥、なにもない! 本当に何も無い。ハズレ。

 

・右から二番目、ベッドが一つあるだけで何もない。ハズレ。

 

・真ん中、あれ、開かない? ドアが壊れてるのかな? 当たりの可能性あり。

 

・左から二番目、テレビがある、テレビしかないとも言う。電気来てなさそうなのにテレビ? しかも壊れてるよな感じもしない、こちらも怪しい。

 

・一番左奥、ダンボールやら何やらが色々在るがそれ以外に変わったところは無い、実家から出て行った子供の部屋とかって感じですね。ハズレ。

 

「真ん中とその左の二択かなぁ……」

 

 定石で考えればこの屋敷にはしかなかった電化製品であるテレビのあった部屋。常識で考えれば中央の閉ざされた部屋。が、その部屋を開ける手段が存在しない、鍵穴は有ったがその鍵が見つからない。探すのも良いが面倒、テレビを調べてハズレならそこから横に打ち抜こう、そうしよう。

 

 テレビが在った部屋で捜索をするが何もない。本当にコレが在るだけなのか。それにしてもテレビですか……まさかとは思うけれど。

 そっと画面に向けて手を伸ばす、すると抵抗感もなく触れた所から波紋の様に画面が揺らぎ手がズブズブと入っていった。

 

「うっわ、入っちゃったし。でも引き連りこまれる様な感覚はないか。向こうに空間とか無いのk、へぶッ!」

 

 顔を入れて中を覗こうとしたら画面にぶつかった、どうやら入るのは手だけの様ですね。

目視する事が出来ずに手さぐりで中を掻き回していると手に当たる感触があった。ビンゴ!

 

「よっと、ジュエルシード発見。……それにしても”テレビの中に入る”現象ですか、やっぱり混じってますねぇ色々と」

 

 その原作の事件が起きない事を切に願う。まぁ起こったとしても関わるのは私ではないでしょうし、私がお願いされてるのはこの物語(リリカルなのは)の調整だけですので。まぁとりあえず、今日はこれで終わりですね。

 

「まだ私だけじゃ無理でアルサナがまた戻ってくるまでは封印出来ないから、とりあえず魔力糸でギチギチに巻いて抑えて……【偽・顔のない王】で包んで反応が漏れない様にして擬似封印っと」

 

 そうやってジュエルシードの回収を終えると、屋敷は何事も無かったかのようにその姿を溶かしていく。どうやら誰かの考えをもとに再現されていた場所のようだった。

 

「うわっと、そういうことですか。こんな山奥に普通は屋敷なんかあるわけないですもんね」

 

 周りを見渡せば、鬱蒼とした森など無かったかのように疎らに木が存在し、時間も思ったより過ぎていたのか紅に染まった光が射してきていて、良くある山の森の夕暮れといった感じになっていた。どうやら森そのものも影響によって生み出されたか変質していたモノだったようだ。

 

「さーて、そろそろ暗くなって来ましたし、切り上げて帰りますか……ってあれは」

 

 ふと屋敷が在った方を見ると降ってくる人影が二つ。何事!?っと驚いたがそのままでは地面に向かって紐無バンジーそして激突ッとなりかねないので、落下地点に衝撃吸収陣を展開し落下物(ひと(?))を受け止める。

 

コレ(この二人)が今回の原因……って悠次君と亮夜君じゃないですか。物語(ストーリー)を知ってる人物で、ある意味神の視点という原作知識持ってるであろう筈なのに、ジュエルシードに取り込まれてどうするんですか……」

 

 なんだろう、もうこの二人にはこの事件の間は期待が出来ない気がします。成長速度とか諸々が原作組と一緒じゃないですか。

 いや、二人とも武器を持ってて衣装(バリアジャケット?)も着替えてるという事は、秘密の特訓でもしてたんでしょうかね? 次の事件の決戦までにゆっくり行えばいいのに……まぁカッコつけたがるのは男の性質(サガ)ですし、仕方ないでしょうか。

 

 このままにして『男の子だし大丈夫だよね』っとか薄情な真似はしませんよ。とりあえず顔は以前ユーノ君に会った時の白皇さんの仮面をつけて、衣装もその時の(MHのレイア装備)に変えてっと、よし、大丈夫。

 

「お二人方、起きてください」

 

 倒れてるままにして肩を揺さぶり覚醒を促す。何処かやられているかも知れないので、ヒーリングもかけつつに。

 

「……んぁ?」「逆刃刀が欲しい……」

 

 一人(亮夜君)は覚醒しましたが、一人(悠次君)はまだですね。それにしても逆刃刀かぁ普段は刃が無いようにして魔力刃発生させるようにすればそれっぽくて非殺傷の打武器になりますし良いかもしれません、でも本家番長はずっと抜き身で戦ってた気がしますけどね。

 

「起きました?」

「あ、あぁ……って誰だお前は!?」

「んン……どうした亮y……って誰だお前は、敵か!?」

「意見を揃えて頂けるのは答える側としては有難いですが、お答えしかねます。ですが私は敵じゃありません。もしそうであったなら貴方達を起こしませんし逆に永眠させていたでしょうね」

 

 それを聞いてか少し考え、青ざめる二人。もうちょっと危機感を持ってくださいね、A's編以降はバトルが続きますよ。

 なんとか冷静に戻ったか彼らは次々と質問してきたので、当たり障りなく答えておいた。

 

――何故自分達を放置せず起こしたのか。と聞かれれば”こんなところに普通の子供が寝てるまま放置する方がおかしいでしょう”と返し、

――お前も同い年くらいの見た目じゃねぇか。言われれば”人の外見と年齢は必ずしも一致しないモノですよ”と返す。

 

 逆に私が質問すると、どうやら二人一組で捜索していて、探し回るついでに特訓できる場所も探していると、丁度いい感じの場所がこの山奥だったのでついでに特訓を行っていたとの事、ある程度興が乗って来た所で目も開けられないくらいの発光が起きそこから今起きるまでの記憶がないとの事だった。偶然なのかそれとも……

 

「まぁ何してるのか詳細は聞かれたくない事だと思うので聞きませんが、もう少し緊急時の事も考えておいた方がいいでしょう。今回偶々通りかかったのが私だったから良かったものの、貴方達が最初警戒したように敵と目される人物だった場合、最悪も――考えられますので」

「おぅ……」「肝に銘じます」

「なら大丈夫ですね。では、私はこれで」

「ま、待ってくれ、結局君は何者なんだ? 何故顔を隠す? もしかして俺達と同じ”転生者”なのか?」

 

 問いかけてくる悠次君。どう答えましょうか。それっぽく匂わせておいてもいいですがそれは愚策ですかね。これも当たり障りなく答えておきましょう。

 

「転生? 死んで別のモノとして生き返るっていうアレですか? もしその事なら”わからない”としか言いようがないですね。私も誰かが転生した後の人物かもしれませんし。まぁ少なくとも良くあるような”前世の記憶”とかだったりは持ってませんので”私は私”としか言えませんね。この仮面は諸事情(表舞台にまだ出たくないという理由)で外せないんですよ」

「そうか……いや、変な事を聞いたな」

「いいえ。初対面の、しかも素顔を隠してる相手を疑うのは持って然るべき警戒心です。それ一辺倒では駄目ですがあって困るものでも無いので」

 

 もっと周りへの警戒心高めてね、そうじゃないと蒐集されて”闇の書”が使える能力増えるなんて事態は勘弁していただきたいので。障壁系の機能を付けた武具でも今度渡しますかね? まぁ次が始まって冬になるまでに考えておこう。

 

「もういいですか?」

「あぁ、じゃあ最後にもう一つだけ。もし俺達が”これから起こる事を知っていて、それに協力してほしい”って言ったら手伝ってくれるか?」

 

 ――ほほぉ、そうきましたか。むこうから切り出されたのであれば此方で条件を付けて優位に立ち、支援も簡単になるので(やぶさ)かではないですが……

 

「内容によりますが……多分これから言う私の言葉がそれに対する答えとなるでしょう。”その知っているという『起こる事』に私や……貴方達は登場してますか?”」

「……ッ!」

「わかりましたか? それが答えです」

 

 居る筈無いですからね私達が。貴方方が知っていると語る”原作”には。そして自分達も同じように其処には居ないので事象は変化すると自覚してください。もし変わらないなら私がもっと楽できたはずなんです、本当に。

 

「貴方達のその反応で判りましたが、その”起こる事”とやらに私達は居ないのでしょう。ならば私が手を貸すと決めた時点で貴方達のその知識は無意味になります。ですが運命は固定ではありませんが可変ではあります。今は兎も角この先、私も共に行動する未来に変わるかもしれません。しかし現時点では私もやる事がありますので申し訳ないですが貴方達で頑張ってくださいね。それでは」

 

 それだけ言い残しその場を去る。もっとも、そんな未来が来ない様に頑張ってるのでそこに到達させるわけにはいかない。あくまで私は頑張らない為に頑張るのだ、君達は表だって介入したんだからもっと頑張ってね。

 

 

 さて、明日はどこを探しましょうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まるで知らない人物……か、敵でないのという感じがするのが幸いだな悠次」

「そうだな。少し会話した程度だが悪い人ではなさそうだ。彼女も言った様に機会があれば巡り会えるさ、その時にまたお願いしてみよう」

「あぁ、最後の物語をより良くするには戦力が多い方が良いからな。……しかし」

「俺達の現時点での能力不足か……」

「「はぁ……」」

 

 転生者で在るにも関わらず、彼らの力は開花不良の様であった。頑張れ少年達、自分たちの力の”原作”にも意識を向けろ。

 

 




そして、シレっと補足(言い訳ともいう)

前半→なくてもいいけど、それだとご都合主義が過ぎますので、蒔いた種は咲いてしまうモノ。作者がINNOCENTに詳しければ参戦も在り得たかも。

後半→もっと色々起こすつもりだったけど長くなったのでバッサリカット。チムとかシャドウ出す気では居た。
※モデルはまんまポケ〇ンの森の洋館。

二人について
→どっちの作品共二週目だろうと解放できてない能力は使えないからね。


展開がスロウリィ!?って叫ばれてファイナルブリット喰らいそうな速度ですのでそろそろキンクリするやもしれません。無印編終わりは決まってて出来てるんです、繋ぎが創れてないんす…
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