教室を出たはいいがどこで弁当たべるんだろうか?
「夕乃さん。これからどこで弁当たべるんですか?」
「中庭で食べようと思ってたんですけど、人が多そうですね。屋上にしましょうか?」
「屋上ですか?生徒に一般開放されてるんですか?」
「一般的には開放されてませんが、生徒会から許可もらってますのでいつでもいけます
♪」
夕乃さんはそういうと、熊?のキーホルダーがついた鍵を見せた。 ってか生徒会から昼食食べるために、許可をいちいちもらってきたんだろうか……?
「蒼那ちゃんと去年同じクラスで知り合いだったんです。そのとき許可もらったままずっと借りっぱなしなんです」
「蒼那ちゃん……? あぁ!生徒会長か」
それって借りパク……? ってか
「なんで考えてることがわかったんですか!?」
「刹那さんの顔に書いてありました。 刹那さんはいつまでたってもわかりやすいままです」
「うっ……」
そういえばすぐ顔に出るんだった…… 夕乃さんに何度も言われてたのに…
「そういう素直なところ 好きですよ♪」
「ははは…… ありがとうございます」
褒められてるんだろうか・・・? まぁいいか
そんな会話をしながら屋上へ向かった。屋上の広さはそこまで広くなかったが、整備され町を一望でき、すごくキレイだった。
「風が気持ちよくていい眺めです。ここはいいところですね」
「そうですね。この学校で一番キレイな風景だと思います。さて弁当たべましょう!」
夕乃さんはそういうと小さなシートを広げ始めた。
「シートもってきてたんですか?」
「はい♪本当は中庭で食べようとおもってたのでシートもってきてたんです。せっかくなので使っちゃいます。さぁどうぞ♪刹那さん」
靴を脱いでシートに座った。夕乃さんの料理は結構久しぶりだなぁ
夕乃さんがかばんから重箱を取り出した。 ……重箱?
「……夕乃さん? その2段の重箱がお昼ごはんですか?」
「はい。そうですよ。刹那さんは育ち盛りなんですからいっぱい食べませんと」
「ははは…… ありがとうございます」
全部食べれるだろうか。不安になってきた。
あけてみると和風で統一された料理の数々だった。1段目にはおにぎり2段目には筑前煮 肉じゃが 煮物 etc...
とてもおいしそうだ。
「いただきます!」
そういって始めに煮物を食べた。冷えているのに味がしみこんでいておいしいっ!
「どうですか……?」
夕乃さんは少し不安げに聞いてきた。
「おいしいですよ。 冷えているのに中まで味がしみこんでいておいしいです」
そう答えると夕乃さんは顔をほころばせてうれしそうにいった。
「まだまだたくさんありますのでどうぞ♪」
「はい。ありがとうございます」
そういって昼食を続けた。 夕乃さんの料理またうまくなっているなぁ。 自分も久しぶりに料理しようかな
そんなこと考えながら食べていると
「あ。 そういえば刹那さん。 今日の放課後 暇ですか?」
「部活入る予定もありませんし今日はこれといって予定はないですけど」
「それなら崩月家に来ませんか? 最近崩月家にいらっしゃらないので千鶴やお母さんが寂しがってますし、それに鍛錬も最近見てませんし祖父も会いたがってます」
そういって崩月家に誘ってきた。千鶴とは夕乃の妹で、まだ小さく崩月家にいたころよく遊んであげていた。
崩月家の人にはいろいろお世話になっており、これ以上迷惑はかけたくないんだけどなぁ……
「迷惑ではありませんよ? 刹那さんは家族なんですから。むしろ迷惑かけてください」
また顔にでていたようだ…… そこまで言われると断れないな ……本当に崩月家のみんなはやさしいなぁ
「わかったよ。 今日の放課後崩月家にいくよ」
「そうですか! なら帰り迎えに教室までいきますね♪」
そう顔をほころばせて笑顔で言った。 何がそんなにうれしいんだろうか・・??
「いや……校門で待ち合わせしよう。 教室だといろいろまずいから・・・」
またたくさんの殺気を浴びるのは勘弁したい。 ってか手遅れのような気がする。
「わかりました。校門で待ってますので」
そのあと昼食食べながら話をしたりしながらすごした。
重箱は無理やりすべて食べました。
そのあと教室戻ったあと女子や男子にいろいろ問い詰められたが遠い親戚であると説明した。
女子はほっとしたように納得したが男子は完全には納得してないらしい…
そのあと体操着の販売や先生の話などを聞き放課後になった。
「祐斗また明日な。 今日はこれから夕乃さんの家に行くんで」
「そうなんだ?僕も部活へいかなくてはならないんだ」
部活もう決めたのか!?と驚いた顔をしていると
「実は部活関係の推薦で入ったんだ」
「なるほど、だからもう部活きまってたのか」
もしかして、祐斗ってすごいやつだったのか…? タダのイケメンではなかったらしい。
推薦ってことはスポーツ系かな?
「まぁ部活がんばれよ 応援してるから」
「ははは、ありがとう また明日ね。刹那くん」
そういって祐斗と別れ玄関に向かった。玄関につくと既に夕乃さんがいた。
「すみません、夕乃さん。 またせてしまいましたか?」
「大丈夫ですよ。着いたばかりですから」
そういってならんで歩き始めた。 ………たくさんの疑惑の視線と殺気がぁ…
明日から学校行きづらいなぁ
崩月家とは、古くから伝わる武術の家系らしく 最近までは殺し屋、戦闘屋などをやってお金を稼いでいたらしい。
師匠の代までは殺し屋稼業をしていたらしい。今はすでに廃業してるらしいが、
そのため裏の間では有名らしく、未だに命の危険に陥る危険性もあるらしい。
崩月家の武術は、先祖から伝わる一部を扱うために体を作り変える必要があり、そのため地獄のような修行をした。
骨を砕かれ、折られ、血反吐を吐き、体中の骨が一度も折れてない箇所はなく、内臓の位置すら変わるような修行することになった。
始めは苦しくつらかったが"つらい現実を生き抜くため"に死に物狂いで修行をした。
学校へ行き、まっすぐ帰宅し修行をする。そのようなことを中学卒業までずっと続けてきた。
その家の長女である、崩月夕乃さんはもちろん修行をしてきた。いわゆる一つ上の姉弟子である。
……実力差は年の差以上に圧倒的だけど
「刹那さん!守りが甘いです!」
そういうと足を横なぎに蹴りを放ってきた。避けきることができず、腕を交差し、蹴りを受けた。
「くっ!」
「こんどは守りに集中しすぎて足元が留守ですよ!」
そういうと反対の足で、ひざ下に蹴りをしてきた。
「うわっ!」
とっさに下がろうとしたが体制を崩しそのまま投げ飛ばされた。
「はい。刹那さん。終わりです」
攻撃すれば、受け流され、受け止められ わずかな隙さえも見逃さず
今の自分よりも圧倒的に強い…… もっとがんばらなくてば…
「刹那さん。あわてずとも大丈夫です。 今の刹那さんはがんばってます。
しかし、がんばりすぎて体を壊しても意味がありませんよ」
確かにその通りだが…
「人間の体は簡単に壊れます。でも大事に使えば一生使えるんですよ。ですから自分の体をもっと大事にしてください。」
……頭で理解していても、心が納得しない… 強くなければ守ることも助けることも、"つらい現実を生き抜くこと"もできない…
「刹那さん。一人でできることも限られています。人は一人では生きていけません。"家族"なんですからもっと頼ってください。支えることぐらいなら私だってできるんですから ね?」
夕乃さんはいつもやさしすぎるなぁ… つい甘えたくなってしまう……
「……」
「お返事は?」
「は、はい!」
「よろしい」
そう言うとニッコリと微笑んだ。
「そういえば、刹那さん。おじいちゃんが呼んでましたよ
では夕飯のお手伝い言ってきますね」
そう言うと道場から出て行った。
「師匠が…? 何か用事でもあったか…?」
そういうと顔と体を洗いにいくため、井戸の方へ向かった。
「…おにいちゃん」
「ん?」
井戸にいくとタオルを持った千鶴ちゃんがいた。
「おねえちゃんにいじめられたの……?」
千鶴ちゃんは目を涙で潤わせながら言った。
「ははは、そんなことないよ。ちーちゃん。夕乃さんはいつもやさしいだろ?」
そういうと千鶴ちゃんは足にくっつき、笑顔で笑った。
崩月家のみんなは……本当にいい人ばかりだ…
身寄りのない自分を引き取り、優しく厳しく家族の一員として接してくれた。
この家の人には本当にお世話になりっぱなしだ… なおさら世話になりたくない気持ちが強くなってしまう。
いつか恩返しがしたいと思うが今の自分では何もすることができないほど弱い。絶対いつか恩返しをしようと思う。
井戸で顔と体を軽く洗い汗を流した後、師匠の部屋へ向かった。
「失礼します。師匠呼びましたか?」
「おう!呼んだぜ。それでどうだい?一人暮らしは?足りないものとか何かあるか?」
そうフレンドリーに話かけてきたこの人が、夕乃さんと俺の師匠の崩月法泉さんだ。
「はい。新しい生活のためまだあまりなれていませんが、すぐなれると思います」
「ははは、 引っ越したばかりだからしかたねーか!」
そう豪快に笑いながら言った。笑い終わった後打って変わって真剣な表情で聞いてきた。
「"角"の調子はどうだい?」
「今のところ大丈夫です。 使っていませんし。」
「そうかい。 だがまだそれは使ってはだめだぞ。 下手すりゃあ寿命縮むからな」
「わかっています。」
そういうと師匠は、真剣な顔を崩してニヤリと笑って聞いてきた。
「それはそうと学校のほうはどうだい? これでもできそうか?」
そうニヤニヤしながら小指を立てながら聞いてきた。 ……ってか
「今日入学したばかりです! できるわけないじゃあないですか!」
「ははは!若い頃は、遊んでおいたほうがいいぞ! 俺だって刹那ぐらいのころは日替わりにズッコン、バッコンしてたぜ!」
そう豪快に笑いながら言ってきた。 崩月家はなぜか、性に関してはおおらかなんだよなぁ… 冥理さんも笑顔で、直球で聞いてくることあるし…
「まぁ、人生に一度しかない高校生活だ! 楽しめよ!」
そう言うと笑いながら立ち上がった。
「そろそろ冥理が夕飯作って待ってる頃だ。 いくか」
「はい」
そういって、部屋を一緒にでた。
その後夕飯を一緒に食べた。 久しぶりに崩月家で食べたご飯は安心し、気がついたら作っていない笑顔で楽しそうに食べていた。