仮面ライダーゴースト〜命を燃やす少年少女〜   作:Purazuma

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原作のまどマギの話の展開を少し弄ります。


想いは募る

 

 

上条恭介。

 

あたしの幼馴染。

 

小さい頃からヴァイオリンが得意で、私もよく発表会を観に行ってた。

 

でも…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、やあさやか。」

 

「また来ちゃった!」

 

 

 

恭介の左手は事故に遭って以来、動かなくなってしまった。もちろんヴァイオリンも弾けるわけがない。

 

でもあたしはいつか恭介の腕が治ると信じてる。

 

 

 

 

「はい、これ。」

 

前にデパートで見つけたCDをベッドで横になっている恭介に渡した。

 

「いつもありがとうさやか。さやかはレアなCDを見つける天才だね!」

 

喜んでもらえたみたいだ。

 

恭介もまた、いつか自分の腕が治ると信じているのだ。

 

 

「この人の演奏は本当に凄いんだ。さやかも聞くかい?」

 

 

と言って恭介は片方のイヤホンを差し出してくる。

 

「えっと……」

 

イヤホン片方ずつかあ……なんか恋人同士みたいだな……なんて……

 

イヤホンを付けると、恭介との距離がさらに近付いて、あたしの顔が紅潮していくのが自分でもわかった。

 

 

 

 

 

「…………」

 

恭介は泣いていた。

 

自分の腕が動かない事を確認するように、左手に力を入れてるようにも見えた。

 

あたしは流れてくる音楽なんかを聞かないで、恭介の横顔を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして恭介なんだろう。

 

 

例えばあたしの腕。

 

あたしの腕がいくら動いたって、何の役にもたたないのに。でも恭介は違う。

 

「あたしの願いで恭介の腕が治るのなら……」

 

 

あたしの願いで恭介の腕が治ったとして、それを恭介はどう思うのだろう。

 

 

あたしは''ありがとう''って言われたいの?

 

それとも、それ以上の事を言って欲しいの?

 

 

「あたしって……嫌な子だ。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

《ダイカイガン!ブースト!オメガドライブ!》

 

「そりゃあああああっ!!!」

 

仮面の下で叫びながら魔女に拳をぶち込む少女。

 

 

かなり戦闘慣れしている。

 

もしかしたら俺より……いや、雄也と同じくらい…………

 

 

 

 

 

 

「ほらお兄さん!ぼーっとしない!」

 

「え!?お、おう!」

 

 

俺はゴーストドライバーのレバーを操作し、必殺技を発動させた。

 

《ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!》

 

 

「くらえええええええっ!!!」

 

巨大な斧を持つ魔女に、俺の跳び蹴りが炸裂した。

 

 

 

 

 

「やるね〜えーと……仮面ライダーオレさん?」

 

「ゴーストだよ!」

 

そういえばなんで俺のアイコンの名前は''オレ''なんだろう…………

 

 

今はそんなこと気にしている場合じゃないが。

 

 

 

 

 

「…………!またか!」

 

今戦っている魔女。

 

こいつはいくら倒しても再生してしまう。キリがない。

 

 

 

「っくそ!!」

 

巨大な斧を振り上げ、突進してくる魔女を避ける。

 

 

と思ったらなんと魔女が二つに分身した。

 

 

「んなあっ!?」

 

「危ない!」

 

《サングラスラッシャー!》

 

 

ブーストがベルトから赤い剣を取り出し、二体の魔女を切り裂いた。

 

が、やはりまた新しい肉体が現れる。

 

 

 

 

 

 

「あーもう、めんどくさいなあ。」

 

頭を掻きながらブーストが愚痴を吐いた。

 

 

 

この魔女……いくら倒しても再生する……一体どうすれば………

 

いや、もしかしてこいつは''魔女じゃない''?

 

 

 

 

「!」

 

そうだ、あの斧!アレはさっきから再生する事なく、同じ物が使われている!

 

 

 

 

「君!斧を狙え!」

 

「え?斧?」

 

「そうだ!この魔女の本体は斧だ!アレを壊さない限り体は再生し続けるんだ!」

 

 

魔女の攻撃を回避しながらブーストに説明する。おかげですぐに息が上がってしまった。

 

 

 

「こんのやろっ!!!」

 

エジソンゴーストアイコンを取り出し、ゴーストドライバーに装填した。

 

 

《バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!》

 

《カイガン!エジソン!エレキ!ヒラメキ!発明王!》

 

 

ガンガンセイバーをガンモードにし、ゴーストドライバーにかざす。

 

 

 

「気を付けろ、当たると痛いぞ!」

 

痺れさせて……動きを止める!!

 

 

《ダイカイガン!》

 

《ガンガンミナー!ガンガンミナー!ガンガンミナー!》

 

《オメガシュート!》

 

 

トリガーを押し、ガンガンセイバーから電撃を纏った太い光柱が放たれる。

 

 

魔女はそれを回避しようとするが、直撃は避けれたもの、周りに拡散された電撃に当たり動きが止まった。

 

 

 

「今だ!」

 

「了解!」

 

ブーストはサングラスラッシャーのカバーを上げ、二つのアイコンをセットした。

 

 

《マブシー!マブシー!マブシー!》

 

《ダイカイガン!》

 

 

 

ブーストは腰を低く構え、力を溜める。

 

 

「あっつ…………!」

 

彼女の周りに高熱が発生し、俺はどっと汗が出てくるのを感じた。

 

 

 

 

「はあっ!!」

 

《オメガシャイン!》

 

 

 

サングラスラッシャーの刀身が赤いオーラを纏い、伸びる。

 

そのまま巨大な刃で斧を両断した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結界が崩れ、周りの光景が現実の世界へと戻る。

 

 

 

俺とブーストは変身を解き。同時にため息をついた。

 

 

「お疲れ様。」

 

結界の外で待機していたまどかが駆け寄ってくる。

 

 

 

「手伝ってくれてありがとう!これ、あと一回くらい使えるからどうぞ!」

 

そう言ってブーストに変身していた女の子が一つのグリーフシードを差し出してくる。

 

 

「いいの?」

 

「うん!ボクはもう使ったしね!」

 

早いな。

 

まあくれるっていうんなら……素直に貰っておこう。

 

グリーフシードを受け取り、オレゴーストアイコンの穢れを取り除く。

 

 

「そういえば自己紹介がまだだったね!ボクは遠野優香!見滝原中学の一年生だよ!その制服、お兄さん達も見滝原だよね?」

 

一年生ってことは、俺とまどかより一つ下か。

 

「ああ、俺は天空寺幽斗。見滝原中学の二年生だ。よろしく。」

 

「私は鹿目まどか。幽斗君と同じで二年生だよ。」

 

「先輩だったんだ!」

 

優香は大袈裟に驚く仕草を見せた。

 

先輩とわかっていてもフレンドリーに接してくるその態度、俺は好きだ。

 

 

 

「幽斗と、まどかね、うん!覚えた!じゃあ明日も会えたら学校でね!」

 

 

優香はそう言うと高くジャンプして建物の上に飛び乗った。魔法で身体強化でも付けているのだろうか。

 

 

「なんか、元気な子だったね。」

 

「ああ……」

 

 

この街には一体……何人の魔法少女と仮面ライダーがいるんだ?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

遅くなってしまったので、俺はまどかを家に送った後に帰宅する事にした。

 

 

「じゃあ、また明日な。」

 

「うん。バイバイ幽斗君。」

 

 

挨拶を交わした後、まどかは自宅に入っていく。初めて来たけど、ずいぶん立派な家だ。

 

 

 

 

 

「はあ…………」

 

ため息を吐きながら暗い道を一人で歩いた。

 

 

「仮面ライダーって……結構いたんだな。」

 

キュゥべえは少数って言ってたけど……あれは魔法少女に比べて、という事なのだろうか。

 

仮面ライダーが他にもいるっていう事は……その分アイコンの争奪戦も激しいわけで…………

 

 

「うーん…………別にこれ以上叶えたい願いとか無いしな……別に集めなくてもいいかもな。」

 

戦力の増強って事に関しては役に立つけど。

 

 

 

「やあ、幽斗。」

 

急に声をかけられて少し体が震えた。

 

この声はキュゥべえか。

 

 

「どうしかしたのか?」

 

キュゥべえは俺の肩に乗ってきて淡々と話し出した。

 

 

「君に伝えておこうと思ってね。新しいアイコンの予感だ。」

 

「え?」

 

新しいアイコンの予感?キュゥべえはアイコンの場所……つまり眼魔の居場所がわかるのか?

 

 

「予感ってどういう事だ?」

 

「最近、変わった奴を見つけてね。なんでも別の世界に引きずり込む魔女がいるらしい。眼魔の可能性もある。」

 

「そんな情報をどこで……」

 

「既に魔法少女達の間で噂になっているからね。」

 

 

別の世界って…………結界とは違うのだろうか?

 

少し興味が湧いてきたな。

 

 

 

「わかった、頭に入れておく。」

 

「わかったよ。」

 

「ああ、あとキュゥべえ。」

 

「なんだい?」

 

前から気になってきた事があったのだ。

 

 

 

「スペクター……雄也と、あと暁美。こいつらについて知っている事を話してくれないか?」

 

 

あの二人には何か気になる事があった。

 

なぜアイコンを狙うのか。なぜ邪魔をしてきたのか。

 

 

 

 

「それは正直僕にもわからない。彼らはとびっきりのイレギュラーだ。」

 

イレギュラー……

 

そうだ、キュゥべえはあいつらと契約した覚えが無いと言っていた。それも気になる。

 

 

 

「一度、あいつらともちゃんと話してみたいな。」

 

 

 

 

 

 

この時、俺はまだ思いもしなかった。

 

あいつらが戦う理由に気づいた時、俺は……いや、俺達は、

 

 

 

 

 

 

 

絶望のどん底に立たされたのだ。

 

 

 

 

 




今回からさやかの話をちょくちょく入れていこうと思います。
キュゥべえが言っていた別の世界に引きずり込む、というのは……とりあえず眼魔の世界ではないです。

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