仮面ライダーゴースト〜命を燃やす少年少女〜 作:Purazuma
サプライズラビットとのコラボ編第一回目!
作者もリョウタやココア達の話がまた書けて嬉しいですよ!
木組みの街に迷い込んだアリス達
「っ……!マミさん頼みます!」
「わかったわ!美樹さんそっち!」
「了解!」
マミさんにさやかがキュゥべえと契約した事を話し、これからは三人で魔女や眼魔を倒そうという事になった。
「くっ……!ほむら!」
「ええ!」
そして、今回は偶然居合わせた雄也と暁美も一緒だ。
俺達は今、戦っている真っ最中。五人がかりでも苦戦するような相手だ。
そして、そいつは眼魔でも、魔女でもない者だった。
「喰らえ…………!!」
真っ黒な影を纏った男から凄まじい威力の衝撃波が発生した。
全員、それを回避できずに吹き飛ぶ。…………俺とさやかとマミさんはともかく、以前は非協力的であった雄也と暁美も一緒に戦っているのは、こいつを倒すためだ。
前に俺達を襲ってきた黒い影を纏った男。確かに奴だった。
「くっ…………!そ…………!!」
「まるで歯が立たない…………!!」
「ここまでとはな……!」
ボロボロになりながらも俺達は立ち上がった。じゃないと……抵抗しないとすぐに殺される。
「みんな!」
遠くでキュゥべえを抱いたまどかが叫んだ。
「お前……一体なんなんだ!!」
「…………」
あくまで沈黙し続ける男に俺の怒りは頂天に達していた。
「答えろおおおおおおおっ!!!」
「天空寺君!ダメ!!!」
マミさんの制止を無視し、奴に突っ込む。
ここで倒さなきゃダメだ。危険すぎる。こいつには世界を滅ぼすだけの力はあるはずだ。
ゴーストドライバーのレバーを引き、押し込む。
《ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!》
右足にパワーを集中させ、男に飛び蹴りを放つ。
「なっ……!?」
しかし男はそれを避けもせず、防御もせずに、ただ立っているだけだ。
そのまま直撃する………………
「ぐあああああっ!!!」
吹き飛ばされたのは俺の方だった。
指一本動かさずに、奴は俺の必殺技を弾いたのだ。
「効かないのか…………!!」
男はゆっくりと歩き出し、俺達の近くまで寄ってくると、小さな声で言った。
「この世界を救ってやる、その為に…………お前達には消えてもらう。」
「何だと…………!?」
「この世界と……あと一つ。平和な世界を融合させればきっと…………」
「何を言ってるのよ!!!」
さやかがよろよろと立ち上がり、剣を男に向けた時。
「「「「「!?!?!?」」」」」
地面が輝き出し、浮遊感を感じた。
「な、何……!?これ…………!」
「気をつけてみんな!!」
黒い男はブツブツと何かを言っている。
「きっと……きっと大丈夫だ…………きっときっときっときっときっときっと………………」
次の瞬間、目が焼けたかと思うほどの閃光に包まれ、俺達の意識が飛んだ。
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「「行ってきまーす!」」
「行ってきます。」
挨拶を済ませて、俺達は今日も学校に向かっていた。
「ふわぁ〜…………」
「リョウタ君寝不足?」
「ちょっとね…………」
「そういえば昨日夜遅くまでピットにいましたけど…………何してたんですか?」
チノの質問に答えようとした時、肩に一台のシフトカーが止まった。
シフトスピード、ベルトさんの分身とも言えるシフトカーだ。
『少し話し合いをしていたのだよ。ロイミュード達も強力になっていってるからね。』
「でもさ……話し合いなんかしなくても、とにかく倒せばいいんだろ?」
『こらリョウタ!また何も考えないでロイミュードと戦う気だな!?』
と、シフトスピードが肩の上で暴れる。
「リョウタさんらしいです。」
「あはは!だね!」
うん…………いつもと変わらない日常。変わらない…………変わらないんだけど…………
「何かおかしい…………」
「え?」
そうだ、おかしいぞ…………何がおかしいかわからないけど…………なんかこう……とにかく違和感を感じる。
「リョウタ君?」
ココアが顔を覗き込んできた所で我に帰る。
まあいいか。思い出せそうにないし。
「チノちゃんの学校では、最近何か変わったこととかないの?」
「最近ですか…………」
ココアの質問に顔を下げ、少し考えてからチノは答えた。
「今度うちの学校に転校生が来るらしいです。」
「そうなの!?」
「転校生か…………仲良くなれたらいいな。」
「そうですね……あっ。」
チノの視線の先には、チノと同じ中学校の制服を着た二人の女の子がブンブンと手を振りながらチノを呼んでいた。
チノの同級生である、マヤちゃんとメグちゃんだ。
「では私はここで。」
「気をつけてねー!」
「いってらっしゃい。」
俺とココアの高校とチノの中学は方向が違うのでここで別れなければならない。
「さて、俺達も行くか。」
「うん!」
俺とココアは横に並び、学校を目指した。
十分ほど歩くと、橋が見えてくる。そこでいつも合流し、一緒に学校へ向かう友人が二人。
「おはよう、流星、千夜。」
「二人共おはよう!」
「おはようココアちゃん、リョウタ君。」
「おっす。」
いつもこの四人で学校へ向かうのだ。あ、ベルトさんも入れて五人かな?
ちなみに俺達が学校へ行っている間のラビットハウスは、タカヒロさんとチェイスが店番してくれている。
「よしっ……今日も張り切っていくぞー!」
何を張り切るかは自分でもわからないが、眠気を覚ますためにとりあえず大声を上げた。
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て…………
おきて…………
「幽斗君!」
「はっ…………!」
まどかの声で目が覚めた。
上体を起こし、周りを見渡すと、部屋の中だった。恐らくはマンションの一室か。随分広い。
そして部屋の中を調べているマミさん、さやか、キュゥべえ、雄也、暁美がいた。
「あ、幽斗起きた?」
さやかが壁に取り付けられたカレンダーから目を離し、俺に顔を向ける。
「ここは…………?」
「私達にもわからないわ。」
さっきまでいた場所とは違う。
とりあえず、部屋の中心にあるテーブルの前に全員で囲むようにして座り、今後のことを話し合った。
まずは暁美が口を開いた。
「まず確認したいことがあるんだけど…………ここは私達のいた世界じゃない。いいわね?」
「なんで…………」
全員が頷いてる中、俺だけがその理由がわからなかった。俺が気絶している間に何かわかったことがあったのか?
「その部屋の窓から見た景色……明らかに見滝原ではなかったわ。」
「僕もそう思う。恐らくは''あいつ''が連れてきたんだと思うよ。」
''あいつ''とはさっきの黒い男で間違いないだろう。
「元の世界に帰る方法は……」
「まだわからないわ。」
「そ、そんな!」
さやかが世界の終わりでも見たような顔で言った。
でも確かに絶望的な状況だ。別の世界に迷い込み、帰る方法もわからない…………
「キュゥべえ、もしかして前に言ってた……別の世界に引きずり込む奴って……」
「間違いないね、さっき僕らが遭遇した奴だ。」
やっぱり。
あの全身黒い気味の悪い男。影で表情が読み取れないのがさらに不気味だった。
「どうすればいいんだ…………」
「とりあえず、この世界の事を調べてみよう。」
冷静に雄也が言う。それと同時に、何やら制服らしき物を俺達に差し出してきた。
「これは……?」
「制服……みたいね。」
それはわかる。どうしてこんなものが…………
「この世界で与えられた、私達の役割……なのかしら。」
役割…………それが元の世界に帰るヒントなのだろうか。
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「じゃあ決まった事を纏めるぞ。」
まず明日からさっき見つけた制服を着て、その学校へ通う。できればそこでこの世界について調べられるといい。
その後に街全体を調べる。
「これ着るのかあ……帽子もあるね。」
「私、結構このデザイン好きかも。」
制服はどうやら、全員同じ中学の物らしい。好都合だ。みんなバラバラにならないで済む。
「よし……何としてでもこの世界から抜け出して、元の世界に帰る!」
協力していかなければならない。
俺とまどかとさやかとマミさんは問題ないと思うが、雄也と暁美が心配だ。特にさやか辺りと喧嘩にならなければいいが…………
「ほむら!足引っ張らないでよね!」
「それはこっちのセリフよ。」
思ってる側からこれだ。
「よし、じゃあ今日は少しだけこの街を調べよう。」
「わかった。」
そういうことになり、俺達はマンションを出て木組みで出来た街へ繰り出した。
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最後のチャイムが鳴り響いた。
周りの生徒達は帰り支度をしている。俺も鞄を開き、中にあるベルトさんを避けながら教科書類を入れた。
『む……?』
「どうしたベルトさん?」
ディスプレイに困り顔が表示されたベルトさんを一瞥する。
『いや、何か…………違和感を感じてね。』
「違和感?」
今朝の俺と同じ事を…………
「リョウタ君、帰ろ!」
ココアが肩を叩いてくる。
教室の出口には流星と千夜も待っているみたいだ。
俺も鞄を肩にかけ、みんなと教室を出て行った。
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ラビットハウスに着くと、既にチノが制服を着てカウンターにいた。
チェイスは……ピットだろうか、一階にはいないらしい。
リゼもどうやらまだ来てないみたいだ。
俺とココアはすぐに二階に上がり、制服に着替えてから下に降りた。
「ふう……」
この街に来てから今日まで、戦いの日々だったけど…………
これからは明るい未来が待っている。
少なくとも俺はそう思っている。
「あれ?」
この街に来てから…………今日まで?
何を言ってるんだ俺は。まだロイミュード達は残っている。戦いが終わったわけじゃ…………
カランカラン。
玄関が開き、数人のお客さんが入ってきた。
「あ、いらっしゃいませー!」
四人…………か。高校生かな?随分大人びた子が混ざってるけど…………
男子一人に女子三人。爆発してもええんやで。
「あれ?うさぎがいないよ?」
「さやか……あんまりキョロキョロするなよ…………」
聞こえてますよ。
うさぎね……確かに''ラビットハウス''なんて名前だとうさぎがいるって勘違いしちゃうかもな。
「ご注文は?」
オーダーを取りに四人が座ってるテーブルに向かう。
「あの……あの娘の頭に乗ってるうさぎって触ってもいいでしょうか!?」
男子がいきなりそう聞いてきた。
「チノーーーー!ティッピーお願いーー!!」
「非売品です!……けど、コーヒー一杯で一回、モフモフできますよ。」
「懐かしいやりとりだね〜…………」
なんかココアがしみじみと天井を見上げている。
「じゃあオリジナルブレンドを四つ、お願いします!」
「かしこまりましたっと…………」
喜べ少年、これで君は四回モフモフする権利が与えられた。
さて、違和感を感じているリョウタとベルトさん。
ていうかなんでベルトさんやチェイスが存在しているのか…………その辺はまた今度。