仮面ライダーゴースト〜命を燃やす少年少女〜 作:Purazuma
コラボ編最終回!
「ココア達は隠れててくれ。」
「うんっ……!」
ココアがまどかちゃんの手を引っ張り、チノ達と共に物陰に隠れた。
また、仮面ライダードライブとして戦う日が来るとは思わなかった。
あの日で俺達の戦いが終わり、この街にも平和が訪れた。でも…………失った物も少なくない。
この戦いで勝てば、世界は元通りになる。けど、それはチェイスやベルトさんとの別れ…………
それでも俺達は…………未来を取り戻す!!!
「リョウタさん!」
「ああ…………みんな!行くぞ!!!」
幽斗と俺に続き、全員が戦闘体制に入る。
『OK!スタート・アワー・エンジン!!!』
『ファイヤー!オールエンジン!』
ベルトさんのキーを回し、シフトブレスにシフトトライドロンを装填する。
幽斗の仲間達もそれぞれ変身するための宝石を取り出し、前に突き出した。
「LET'S…………」
聞き慣れた流星の掛け声。
そうだ、はっきり頭の中に映像が浮かんでくる…………俺達は。
こうやって、みんなで戦ってきた…………!!!
『「「「「「変身!!!」」」」」』
《カイガン!スペクター……!レディゴー!覚悟!ドキドキゴースト!》
《ライダー!!!チェイサー!!!》
《ライダー!!!マッハ!!!》
《カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!》
『ドライブ!!!タイプ!!!トライドロン!!!』
三人の魔法少女と、五人の仮面ライダーが並んだ。
中心に佇む黒い影を睨む。
「仮面ライダー…………か。」
奴の周りにドロドロとした黒い''何か''が生成され、そこから不気味な黒い怪物が姿を現した。
「眼魔コマンドだね。」
キュゥべえが隠れているココア達の方からテレパシーでそう教えてくれる。……魔法ってすごいな。
さあ……俺達にとってはこれが……本当のラストラン!!!
「みんな!!ひとっ走り…………付き合えよ!!!」
俺と幽斗が同時に駆け出す。
それに続いて後ろからは雄也、流星、チェイス、さやかちゃんにマミちゃん…………
あれ?ほむらちゃんがいない…………
ドムッと目の前で巨大な爆発が起こった。爆発に巻き込まれた眼魔コマンド達が吹き飛ぶ。
「うおあ!?」
ろ、ロケットランチャー…………か?
「後ろは任せて。」
いつの間にか空中を漂っていたほむらちゃんが巨大なロケランを担いでそう言った。
「あら、私もいるわ…………よっ!!」
マミちゃんが飛び上がり、複数のマスケット銃を作り出す。
そしてそれを一斉に、掃射。眼魔コマンドが一気に減り、道が出来る。
「頼もしいね…………!」
『!来るぞリョウタ!』
「わかってる…………!流星!チェイス!!!」
背中はほむらちゃんとマミちゃんに任せ、俺達は進む。
「チェイス!同時に叩くぞ!行けるか!?」
「ふん……当たり前だ。俺達は…………」
「「ダチだからな!!!」」
そう言って流星とチェイスが左右から飛び出し、チェイスはシンゴウアックス、流星はゼンリンシューターで眼魔コマンドの群れへと突っ込んだ。
「すごい連携ですね……!」
「……勉強になります。」
一緒に走っている幽斗と雄也がそう呟く。
そうかな…………慣れてくるとこのくらいどうってこと…………
「っ!!」
紙一重で地面から溢れ出た黒い泥を回避する。
その泥が人型になった瞬間、思った。
こいつは……俺が倒す!!!
「幽斗!雄也!先に行け!」
「リョウタさん!?」
「こいつは手強い……俺が倒す!お前達は奴を!」
あの黒い男さえ倒せば俺達の勝利なのだ。年下を先導させるのは気が引けるが、仕方がない。
「わかりました!!!」
オレンジと青の幽霊が黒い男の方へ向かったのを確認し、俺は目の前の宿敵に目を向けた。
『まさか……君まで蘇るとはね…………』
「ははっ!つくづく魔法っていうのは…………すごいな…………!!」
死んだはずのチェイスがこの結界内で生前の記憶を残しているのなら…………''こいつ''も…………!
「久しぶりだな、リョウタ。」
「ああ…………ハート。」
ハートは嬉しそうに笑った後、ロイミュードとしての姿に変身した。
黄金の輝き…………ハートロイミュード超進化態に。
「俺達の負け……とは言ったがな、リョウタ。やっぱり俺は心残りだったみたいだ。」
「そうだろうとは思っていたさ。」
この男なら、そうだろうという確信があった。
「悪いが俺はあの黒い男の方につき、お前と戦うことにするよ。」
その言葉を聞いた途端、言葉にできない高揚感のような物が俺の中に湧き出ていた。
その言葉を待っていた、と。
「ロイミュードとか……人間とか…………そういうのは関係なく…………」
ハートが一歩前に出る。
「俺はなリョウタ……!お前ともう一度戦いたいと思っていたんだああああっ!!!」
繰り出された剛腕を両手で受け止め、ハートを見据える。
「ああ……!奇遇だなハート…………俺も、お前との決着を!つけたかったところだ!!!」
果たされるはずの無かった決闘が、始まった。
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「はああああああっ!!!」
「うおおおおおおおっ!!!」
俺と雄也はガンガンセイバーとガンガンハンドを同時に黒い男に叩き込んだ。
相変わらず、奴はノーガード。全く効いていない様子だ。
「お前達のアイコンも……全ていただく。」
「なんだお前……雄也みたいな事言いやがって……!!」
「どういう意味だ。」
一瞬雄也から殺気のような物が感じ取れた。が、もう慣れている俺はひるまない。
「ぐっ!?」
「っ……ちっ…………!!」
黒い男が片手を一振りしただけで地面が抉れ、俺達は吹き飛ばされそうになる。
地面にガンガンセイバーを突き立ててなんとか耐える。
「大人しく殺されろ。それで……みんな幸せになれるんだよ。」
「お前何言って…………!」
「耳を貸すな!!」
珍しく雄也が激昂する。
ガンガンハンドを握り締め、奴に突っ込んでいった。
突如奴の腕から日本刀が出現し、振り下ろされたガンガンハンドを受け止める。
「ぐっ……!」
「……邪魔。」
体を大きく回し、今度は電撃を雄也に放った。
「雄也がここまで押されるなんて…………!」
やっぱり、目の前にいる敵は尋常じゃない力を持っている。
今の俺達では到底敵いっこない。
「くそっ!!」
雄也はノブナガゴーストアイコンを取り出し、ゴーストドライバーに装填した。
《アーイ!》
《バッチリミロ!バッチリミロ!バッチリミロ!》
空中に浮遊するノブナガゴーストが黒い男に牽制する。
《カイガン!ノブナガ!我の生き様!桶狭間!》
ガンガンハンドから銃口が突き出す。
「はっ!」
雄也は黒い男に向けて銃弾をめちゃくちゃに撃つ。
「…………」
やはりガードすらしていないのに無傷だ。
奴は片手を高く上げ、地面へと振り下ろした。
その直後、発生した爆風と衝撃に俺と雄也が吹き飛ぶ。
「「ぐああああっ!!」」
くっそ…………!こんな奴……一体どうすれば…………!!!
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一撃、一撃、一撃が全身に響く。
この感覚も、最後に感じたのは数ヶ月前なのに、まるで昨日の事のように思い出せる。
熱い拳。
「…………!!!」
「っ…………!!!」
言葉はもう必要無かった。
お互いに、ひたすら己の''全力''を叩き込む。
『カモン!フレアスパイクシャドー!』
『タイヤ!カキマゼール!アタック1・2・3!!!』
「でああああああああ!!!」
ハートに真正面からパンチパンチパンチ…………
俺もハートも、ろくに回避すらしていなかった。お互いに拳を使いたくて仕方がないのだ。
一発当てるごとに、喰らうごとに、懐かしい痛みと喜びが込み上げてくる。
「はははっ…………!はははははっ!!!」
隠す気もない喜びの声を上げるハート。
「ははは…………なあハート……俺達友達だよな?」
「ああ、そうとも!」
「これじゃあ、はたから見たら…………!!」
体を捻る。
人を殴る事に上手くなってしまった自分が嫌というほど実感できた。
「ただの喧嘩だぜ!!!」
ハートの胸にもう一発。
「ぐうっ…………!?……!はっははっ…………はぁっ!!!」
ハートお得意のアッパーだ。
腹に喰らい、空中に高く吹き飛ぶ。
まだ倒れるわけにはいかない。一回転し、足から着地する。
「はあ…………はあ…………」
オーバーシステムが消滅して、正真正銘人間となったこの体。
こういう時は不便に感じる…………!!
「べ、べる……ろ……さん。」
『おいおい、呂律が回ってないぞリョウタ……大丈夫か?』
「へへっ…………!俺は今……!!」
地面を一蹴りする。
「さいっこうに楽しい!!!」
「来い!泊リョウタ!!決着をつけるぞ!!!」
ベルトさんのキーを回し、シフトブレスのボタンを押す。
『ヒッサーツ!フルスロットル!トライドロン!』
赤い閃光が右足から発生した直後、俺は片足で高く飛び上がり、蹴りの体勢になった。
「デッド……ゾオオオオォォオオオォオオォン!!!!」
ハートも地面が崩壊する程の脚力で飛び上がり、空中で拳を引き、俺と並んだ。
「ハァァァァァァトォオオオォォォ!!!!」
「リョウタァァァァァアァアアア!!!!」
お互いの全力がぶつかる。
赤い閃光と赤い雷撃が交わった瞬間。周囲の岩は爆風と熱で吹き飛んだ。
「ぐっ……!おおおおおおおおおおおお!!!」
負けたくない。負けたくない。負けたくない。
俺はハートに…………!!!
「勝ちたい!!!」
ビキ、と音を立ててハートの腕が崩壊し始めた。
「はははははっ!!!これで、本当にお別れだ、泊リョウタ!!」
「ああ……天国にいる…………ブレンとメディックに……!よろしくな!!!」
そのままハートの腕と体を貫き、地面に大きなクレーターを作って着地した。
『ナイスドライブだ、リョウタ。』
「ああ……でも、まだだ。」
幽斗達の所に行って…………元凶を倒す!!!
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「リョウタさん達、苦戦しているみたいです……」
「だ、大丈夫だよチノちゃん!リョウタ君達ならきっと!」
ココアさんとチノちゃんもみんなを心配してるみたい……
「これは…………!」
「キュゥべえ?」
私に抱かれているキュゥべえが突然驚いた様子で声を上げた。
「大変だまどか!この反応は……アイコンだ!」
「ええ!?」
アイコンって事は……近くにあの怪物が!?どうしよう……幽斗君達が!
「でもこの反応は眼魔じゃない…………」
「え?それって一体どういう…………」
「あっ……!!」
リゼさんが口元を覆い、たじろぐ。
その視線の先には、黒い影になす術もなく倒れている幽斗君の姿があった。
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「まずはお前だ。」
「くっ…………!!」
黒いエネルギーの塊が俺に発射される。
避けきれない…………!!
「お願いします!」
「おう!!」
「任せろ。」
黄色のリボンをジャンプ台にし、高く飛び上がった白と銀の仮面ライダーが同時に片足を突き出す。
《ヒッサツ!!フルスロットル!!!マッハ!!!》
《ヒッサツ!!フルスロットル!!!チェイサー!!!》
エネルギー弾に向かって放たれたソレで弾道は逸らされ、俺には当たらずに済んだ。
「流星さん!チェイスさん!避けて!」
「ん?ってうおおおお!?」
その二人の後ろから剣を構えたさやかが突進してくる。
剣は真っ直ぐに黒い男へ向かっていった。
「ぐっうううううう!!」
さやかは通らない刃を無理矢理押し込もうとしている。
「うわっ!!」
やはりその剣も弾かれ、さやかが後方に吹き飛んだ。
「無駄だ、お前達では俺を倒すことは…………」
「まだ、だ。」
こんな所で死んでたまるか…………!!
俺達にはまだやる事がある。こんな所では絶対に死ねない。
「まだ諦めないぞ……!俺達は走り続ける…………!!」
例え勝てないとしても、結果は決まっているとしても…………!!!
「トップギアで!!!」
俺がガンガンセイバーを振り上げ、黒い男へ接近したその時。
「よく言った!幽斗!」
仮面ライダードライブ……リョウタさんが飛び込んできた。
手にはハンドルのついた剣を持っていて、黒い男に向かってそれを振りかざす。
「ぐうっ…………!?」
!!!
効いてるのか…………!?
「みんな、よく考えろ。こいつは小細工じゃ倒せない。」
「え?」
リョウタさんがハンドル剣で斬撃を放ちながら話はじめる。
「だったら…………ゴリ押ししかないだろ!!」
「またそれか…………」
流星さんが呆れたように溜息を吐き出した。
ゴリ押し…………そんないい加減でいいのかな…………
「でも、他に方法も無いみたいですしね。」
やってみる価値はあるはずだ。
「よし…………行くぞ!!!」
リョウタさんが一歩前に出た瞬間。
一台のシフトカーが発光しながら俺の前に飛び出してきた。
『シフトスピード!?なぜ勝手に!?』
そうか…………キュゥべえが言っていた新しいアイコン…………それは…………!
「この世界にいる英雄、仮面ライダードライブってわけか!!」
俺はシフトスピードに手をかざし、眼の形描いた。
するとそこから赤く、ドライブに酷似したパーカーゴーストが出現する。
「お、俺!?」
横でリョウタさんが驚いているが、気にしない。
ゴーストドライバーにパーカーゴーストを取り込み、アイコンを作り出した。
ムサシとはまた違った、赤いアイコン。アルファベットで「ドライブ」の文字。
「これで決める!!!」
ドライブアイコンのスイッチを押し、ゴーストドライバーに装填した。
《アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!》
《カイガン!ドライブ!》
オレゴーストが消滅し、上からドライブゴーストが重なる。
《バリスタ!正義感!タイヤコウカン!》
ドライブをモチーフとした頭部、パーカー。
手にはハンドルのついた剣とドアのような銃。
「仮面ライダーゴースト……ドライブ魂…………!」
黒い影が質量を持って俺達を襲ってくる。
全員バラバラになり、それを回避する。
「イグアナゴーストライカー!」
俺がそう叫ぶと、空中に大きな眼のマークが浮かび、イグアナゴーストライカーが直接出てきた。
「ライドブースター!!!」
続いてリョウタさんも叫ぶ。
すると今度は赤と青の空を飛ぶ乗り物がこっちに飛んできた。
それは俺達の所に来ると、イグアナゴーストライカーの両端に合体した。
「ええっ!?なにこれ!?」
「いいねぇ!!こういうの!!ほら、行くぞ幽斗!!」
「は、はい!」
二人でイグアナゴーストライカーに飛び乗り、空中から黒い男に攻撃を仕掛けた。
「「はあっ!!」」
二つのハンドル剣で同時に攻撃する。
「ぐっ…………!」
効いている。
このような事態になるのは想定していなかったのか、奴は少し焦っている様子だ。
「このまま決めるぞ幽斗、ベルトさん!!」
「はいっ!」
『任せたまえ!!』
ゴーストドライバーのレバーを引き、押し込む。
《ダイカイガン!ドライブ!オメガドライブ!》
『ヒッサーツ!!フルスロットル!!!トライドロン!!!』
空を飛ぶイグアナゴーストライカーが黒い男を囲むように回り始める。
俺とリョウタさんはそこへ同時に蹴りを放った。
「「はあああああああっ!!」」
蹴りを当てて、イグアナゴーストライカーを蹴り、再び黒い男を蹴る。
これを二人同時に繰り返した。
「がはっ………!!」
俺と雄也の攻撃でビクともしなかった奴が、ひるむ。
「これで終わりだああああ!!!」
最後の一撃。
俺の蹴りは奴の顔面に当たり、吹き飛ばした。
着地するのと同時に、ビシ、という音が聞こえる。
「…………っ………ちっ…………!!」
頭から血を流した黒い男は、地面に発生させた黒い霧にまぎれ、消えて行った。
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結界が崩れ始めた。
奴はまだ生きている……恐らく俺達が元の世界に戻ったら、奴はそこにいるはずだ。
「でも、向かってくる敵は倒す。」
自然と口に出た。
「お疲れ、幽斗。」
「リョウタさん。」
変身を解いたリョウタさんが手を差し出してくる。
その手は力強く。何かをやり遂げた人の手だった。
俺はその手を握り、リョウタさんと目を合わす。
「あともう少しで、この結界は消えます。それで俺達は…………」
「ああ、わかってる。ほんのちょっとの間だけど、会えてよかったよ。」
「俺達より……あっちの方に行ってくださいよ。あの人達ともお別れなんでしょう?」
と、視線だけを遠くにいるチェイスさんに向ける。
「ああ、そうだな…………ベルトさんとも、な。」
リョウタさんは目をつむり、ベルトさんに触れた。
その時、俺やまどか達の体が光りだし、徐々に体が消えかけていった。
『さあ、私達も行こう。みんなが待っている。』
「ああ、そうだな。じゃあな幽斗、雄也、ほむらちゃん、マミちゃん、さやかちゃん、まどかちゃん!」
「はい!リョウタさんもお元気で!!」
俺達はリョウタさんに手を振り、元の世界へと戻って行った…………。
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「見送り、終わったぞ。」
「あれ!?いつの間に!私も幽斗君達に挨拶したかったなあ…………」
まあ、それもいいが…………こっちも見送らなきゃな。
「チェイス。ベルトさん。」
「…………ああ。」
『このように別れるのは二度目だが……やはり、慣れないな。』
俺もだよ。と言おうとしたが、やめた。
それを言ってしまうと、余計心残りになってしまう。
「チェイス、私は…………」
リゼぎスカートの裾を握り、小さく言った。
「わかっている。リゼ、…………しかし俺は行かなくてはならない。」
チェイスももう消えかかっていて、ほとんど姿が見えない。
「俺はお前達を、人間を愛して良かったと思っている…………」
「ちょっ……正面からそういうこと言うのやめろよ、気持ち悪い!」
そう言う流星だが、隠している目から涙が溢れているのは全員にわかった。
『そろそろ時間のようだね。』
「ああ、クリム。…………さらばだ。俺の……ダチ達。」
結界が完全に消えると同時に、ベルトさんとチェイスは消滅していった。
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騒動から一週間…………
今、この俺泊リョウタは。これまでの戦闘と同じくらいの正念場に突入していた。
「リョウタ君、話って何?」
場所はドライブピット。
…………俺は今、ココアにこ、こ、…………告白しようとしているのだ。
ココア以外に場所と時間を言った覚えがないが、なぜかピットの出入り口の隙間から覗いている視線が複数あるのがわかる。
ちいいいっ…………!あいつらぁ!
落ち着け…………落ち着け俺……そうだ、素数、素数を数えろ。1……いきなりまちがっt………!!
「リョウタ君?」
「はい!!!」
「風邪でもひいたの?顔が真っ赤……というか、本当に赤い!」
やばい。頭に血が上りすぎて鼻血でも出そうだ。
「わ、私ちょっと冷たい水でも取ってくるよ!」
「ま、待ってくれ!!」
咄嗟にココアの手を掴み、俺は言った。
「好きだ!!!」
一瞬、時が止まった。
出入り口からヒソヒソと「ついに言ったぞ」だの「ココアさんはどう出るんでしょう?」だの色々聞こえる。
「あ、え、え、えと…………」
ココアもボフッと一気に耳まで赤くなった。…………俺も変な汗出てきたよ。体中がチクチクする。
「あの、リョウタ君……?」
ここまできたらヤケクソだ。
目をぐるぐるさせながら混乱するココアに、俺はさらに畳み掛ける。
「俺と、付き合ってくれ。」
「うぇえ!?」
ココアは少し間を置いて、ココアの腕を掴んでいる俺の手を、空いている手で触れ、言った。
「は………………ぃ。」
「「「「「おめでとーーーーーーーっ!!!」」」」」
「「うわああああっ!?」」
出入り口から現れた奴らが一気になだれ込んでくる。
「ココアちゃん!結婚式には私も呼んでね!!!」
「ちょっ!千夜!気が早すぎるわよ!」
「リョウタあああああっ!!リョウタあああっ!!」
「ああもう黙れ流星!!!」
これで、未来は作れただろうか?
「待ってろ、ショコラ!」
俺は自分でも誰に言ったかわからない言葉を発した。
これでサプライズラビット、リョウタ達の物語は終止符を打ちました(カッコよく言ってみる)。
次回からは仮面ライダーゴースト〜命を燃やす少年少女〜二部に突入します!