仮面ライダーゴースト〜命を燃やす少年少女〜 作:Purazuma
「あなた………仮面で見えないけど、魔法少女よね?」
「へ?」
いや、俺は正真正銘の男なんですけど。
突然目の前に現れた少女は、大量のマスケット銃を乱射し、魔女の使い魔達を一気に蹴散らしたのだ。
明らかに戦い慣れている様子、女の子なのに。
「いえ………俺は男ですが……?」
「え!?キュゥべえ、どういうこと!?」
どうやらキュゥべえの事も知っているみたいだ。
「うわあ!?」
俺達がそんなやりとりをしていると、魔女は何か破壊光線のようなものを俺達に発射してきた。
「話は後にしましょう!君も手伝ってくれる!?」
「え!?は、はい!」
少女の言葉につい口が勝手に動く。
この人も、キュゥべえと契約を………?
少女はマスケット銃を1発ごとに使い捨て、その度に新しいマスケット銃に変えて攻撃をする、という戦闘スタイルだ。
対して俺は
「ふんっ!!おらぁっ!!!」
ガンガンセイバーで片っ端から切りまくる。たまに銃モードにして遠距離攻撃もするが。
「トドメ、行くわよ!」
トドメ?
少女はリボンでぶら下がり、空中にとどまった。
そしてリボンを前方に展開し、巨大な大砲の形へと変える。
「ティロ・フィナーレ!!!」
砲弾が魔女に襲いかかる。
この威力の物が当たれば恐らくあの魔女はひとたまりもないはず。
もしかしたら俺にも必殺技とかあるのかな?
「!!しまっ………!?」
少女が声を上げる。
魔女の方を見ると、魔女は砲弾をものすごいスピードで避け、少女に攻撃を仕掛けていたのだ。
「あ、あいつ!こんなに早く動けたのか!?」
まずい、このままじゃあの人が…………!!
「ええいままよ!!!」
俺はなんとなくベルトのレバーをもう一度引き、押し込む。
すると…………
《ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!》
「ん?」
次の瞬間、右足の方に凄まじいエネルギーが集まるのを感じた。
「よし!このまま…………!」
俺はヤケクソで空中へと飛び上がり、少女を攻撃しようとする魔女に飛び蹴りを放つ。
「くらえええええ!!!」
「きゃっ!?」
魔女に蹴りが直撃した数秒後、魔女は急に爆発を起こした。
俺達を囲んでいた謎の空間はたちまちボロボロと崩れていき、気づいた時には元いた歩道に立っていた。
「ふぅ………!」
自然に変身が解ける。
「ありがとう、助かったわ。それにしてもすごい力ね。」
疲れて膝をついている俺に少女が手を差し伸べてきた。
その手を軽く握り、立ち上がる。
「こちらこそ助かりました…………えーと………」
「巴マミ、魔法少女をやってるわ。」
「魔法少女…………俺は天空寺幽斗っていいます。」
仮面ライダーとは違う存在なのか?
「キュゥべえ、どうして男の子の天空寺さんがあなたと契約できたの?」
マミさんはキュゥべえに視線を向け、少しだけ眉をつりあげる。
「ごく稀だけど、男性の人間でも特別な素質、君で言う魔法少女の素質があることがあるらしいんだよ。」
「もう…………どうして言わなかったのよ。」
「聞かれなかったからさ。」
どうやらこの二人は結構長い付き合いらしい、歴戦のコンビ、みたいな、そんなオーラを感じる。
「じゃあ、女は魔法少女で、男は仮面ライダーになるって事か?」
「それは当人の性質しだいだね。男性が魔法少女になる可能性は0だけど、女性が仮面ライダーになる時もあるらしいよ。」
うーん…………さっきかららしいらしいって…………随分曖昧だな。
あ、でもそういえば前例が少なすぎる、とも言ってたし仕方ないか。
「マミさんは………いつから魔法少女に?」
「かなり前だから……………私が先輩ね!」
そう言うとマミさんは心の底から嬉しそうに笑った。
「ここで会ったのも何かの縁だわ、どう?うちに寄っていかないかしら?」
「え?」
おいおい…………彼女いない歴=年齢の俺が引っ越し初日に女の子の家に上がれるって!!
なんて日なんだ今日は。
「じゃあお言葉に甘えて。」
これは断る理由が無い。
必死で平静を装うも、恐らく向こうには俺がテンパっていることに気づいているだろう。
だって今マミさん少し笑ったもん………………
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マミさんの家へ向かうのに、なぜか段々と俺の住んでいるマンションに近づいてきた。
まさか……………ね。
次にマミさんはなんとそのマンションに入った。
ああ…………予想当たっちゃった。やっぱり同じマンションなんだ。
階段を上がっていく。
ここも偶然にも俺の部屋がある階で止まった。
嘘だろ……………嘘だろ……………
「ここよ。」
マミさんが一つの扉の前に止まり、指を差す。
………………やっぱり………………
「マミさん。」
「何かしら?」
ここ…………………
「俺の部屋の隣です……………」
少しの間沈黙。
「そうなの!?すごい偶然じゃない!!!」
マミさんはまたもや小さな子供のように無邪気に喜ぶ。
「あら?ということは見滝原中に通ってるのよね?見たことないけど………」
「ああ、俺、今日からこの街に引っ越してきたんです。それで登校は明日からなんです。」
「ああ、なるほど…………あ、立ち話もなんだし早く上がって、紅茶を淹れるわ。」
「あ、ありがとうございます。」
リビングに案内され、俺は適当にテーブルの前に座る。
部屋の作りは俺の住んでいる部屋と同じ作りだ。
マミさんの方はインテリアとかが置かれていていかにも女の子らしい部屋だけど。
「はい、どうぞ。」
「いただきます。」
マミさんは二つのティーカップをテーブルに置くと、俺の向かいに上品に正座した。
「でも驚いたわ、私以外で魔女と戦ってる子に会うのなんて滅多にないし、しかも男の子なんて初めてよ。」
「ははは…………いや、俺も正直実感無くて…………さっきの事も、まだ信じられません。」
「無理もないわ……………魔女は人を絶望させたり、悪さをするのよ。私達がそれを止めないとね。」
「俺も今日からえーと…………仮面ライダー?か……………」
オレゴーストアイコンを取り出して眺める。
それにしてもどうなってるんだろうこれ。あの変なベルトに入れただけですごい力が出せた。
「あら?あなたが持っているのはソウルジェムじゃないの?」
マミさんが俺の持っているアイコンを見て、不思議そうに言ってきた。
「マミさんのはアイコンじゃないんですか?」
俺がそう言うと、マミさんはポケットから黄色に光り輝く宝石を取り出して俺に見せた。
「わあ…………綺麗ですね。」
「ソウルジェムって言うの。」
マミさんはそう言うと再びポケットにソウルジェムを戻した。
俺も続くようにアイコンをしまう。
「そうだ、これからも魔女は俺達で協力して倒すことにしませんか?」
「え?」
俺の言葉にマミさんは唖然する。
「ほら、その方が安全ですし。」
「…………そうね。ありがとう天空寺君、嬉しいわ。」
マミさんは下を向いていて表情がよく読み取れなかったが、どうやら泣いているようだった。
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「じゃあ、また明日。」
「ええ、初日から遅刻しないようにね。」
「はーい。」
俺はマミさんに挨拶を済ませ、自分の部屋へと戻った。
誰かに見られているのも気づかずに。
「…………幽斗。」
青い影が、ビルの上から天空寺幽斗を見下ろしていた。
「そんなところにいたの?」
「…………ほむらか。」
暁美ほむらが青い影の隣に立つ。
「まだ行動を起こすのは早いわ、今は待ちましょう。」
「…………わかってる。」
ゴーストも早くも3人目のライダーの存在がほのめかされて盛り上がってますよね。