仮面ライダーゴースト〜命を燃やす少年少女〜   作:Purazuma

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バトライドウォー創生買いました!ドライブ好きの僕は真っ先にドライブとマッハを育ててます!
vita版は敵が少ない…………


動き出す歯車

 

 

授業中、俺は誰も座っていない二つの席を交互に眺めていた。

 

今日は、雄也とほむらの二人が学校に来なかったのだ。

 

昨日雄也が言っていた言葉を思い出す。

 

 

『とりあえず、謝っておく。すまなかった、幽斗。』

 

 

謝っておくって…………どういう意味なんだよ…………

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「まどか、さやかの事だけど……どうだった?」

 

昨日、さやかは様子がおかしかった。

 

まどかがその理由を知るためにさやかに話を聞きに言ったはずだ。

 

 

まどかは少しためらった後、俺を連れて教室から出ていき、人気の無い所に移動してから言った。

 

「その、上条君の事でちょっと…………」

 

 

上条恭介……さやかの思い人であり、俺たちの同級生。

 

腕の怪我はさやかの願いで治り、ヴァイオリンも弾けるようになったはずだが、まだ何か…………

 

 

「仁美ちゃんも、上条君の事が好きだったんだって。」

 

「!?……それはつまり…………」

 

「うん……それで、前に仁美ちゃんに言われたんだって。今度、上条君に告白するって。それまでに上条君に思いを伝えるか決めてって……」

 

 

それはまた、随分急な話だ。

 

さやかはそれで……まだ覚悟は決めれていないってわけか?

 

「で、さやかは何て?」

 

「まだ迷ってるみたい。私もどうしたらいいかわからなくて……」

 

まどかは困ったような顔で俯いた。

 

当然だ。まどかとさやかと志筑さんの三人は、小さい頃からの親友。どちらかの恋を応援すれば、必ずどちらかの不幸を招く事になる。まどかも迷うわけだ。

 

確かにさやかも辛いと思う……でも、これは志筑さんとさやか、二人の恋だ。俺達がどうこう言う義理は無い。

 

でも……

 

 

「俺も少し、さやかと話をしてみるよ。」

 

 

 

 

 

 

教室に戻り、さやかの机に視線を向けると……そこにさやかはいなかった。

 

教室をよく見渡すと、志筑さんもいない。

 

 

あの二人、一体どこに…………

 

 

俺が教室の出入り口を見ると、ちょうどさやかと志筑さんの二人が入ってくる所が見えた。

 

二人の表情は、まるでこれから戦いにでも行くような引き締まったものになっていた。

 

俺はさやかの方へ寄り、声をかけた。

 

 

「さやか……その、まどかから聞いたんだけど…………」

 

「ごめんね、さやかちゃん……」

 

「え?」

 

一瞬、何のことかわからない。という顔になった後、さやかは明るい表情を取り戻して言った。

 

「あ、ああ!恭介のこと?さっき仁美にも話したんだけどね…………」

 

 

さやかの口から、俺とまどかが予想していなかった言葉が飛び出した。

 

「あたし、一週間後に、恭介に告白する。」

 

いつものさやかとは違う、真剣な表情。

 

もう覚悟は決めた、という表情だった。

 

 

「さやかちゃん!」

 

「えへへ……」

 

まどかも安心したのか、笑みがこぼれる。

 

どうやら…………俺達に心配する必要はなかったみたいだな。

 

 

「でも、何で一週間後なんだ?」

 

「え?そ、それはさ……まだ、心の準備というか、なんというか…………」

 

 

前言撤回。心配したほうが良さそうだ。

 

 

つまり、一週間志筑さんは、さやかが上条に告白するまで待ってくれるということか。

 

一週間もあればさやかも大丈夫だろうが…………

 

 

「まあ、頑張れよさやか!」

 

「あんたに言われなくても!」

 

 

さやかはその時、笑っていた。満面の笑みだ。

 

 

一週間後…………それまでに俺達は、知る事になる。''本当の事''を…………

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「そっちから…………来るとはな…………」

 

「…………」

 

ほむらが横でソウルジェムを取り出すのと同時に、俺もゴーストドライバーを出現させた。

 

 

死ぬかもしれない。

 

目の前の敵を見据え、しっかりとスペクターゴーストアイコンを握りしめる。

 

死ぬかもしれない。

 

「……お前は、俺達が倒す。倒さなきゃならないんだ…………!」

 

黒い影は、不敵に笑うと、腰に黄金に輝く巨大なアイコンの形をしたベルトを出現させた。

 

「倒すって…………俺をか?」

 

死ぬかもしれない。

 

魔法少女や、仮面ライダーを次々と襲い、殺した。''邪悪な願い''。

 

正直、勝算は全く無かった。だけど……俺達はやらなくてはいけなかった。

 

 

「ちっ……くそっ……!」

 

恐怖で全身が動かない。まるで金縛りだ。

 

 

確実に、戦ったら死ぬ。

 

 

 

相手は''十五個のアイコンを持った願い''だ。勝てるわけがない。

 

 

勝てるわけが…………

 

 

その時、左手に温もりを感じた。

 

ほむらが、優しく俺の手を握ってくれていた。

 

 

「大丈夫。あなたは私が守る。」

 

「ほむら…………」

 

 

黒い影は頭を掻き、溜息を吐き捨てた。

 

「はあ…………やっぱりお前らは''変身''するまでもない。」

 

「なんだと……!?」

 

 

今までの奴の行動を振り返る。

 

 

確かに奴は……今まで俺達を、変身する事なく圧倒してきた。

 

あの廃墟で戦った時も……木組みの街で戦った時も…………

 

こいつは、変身する事なく…………

 

 

 

 

 

「ああ……なんか、もういいや。」

 

 

黒い影は腰のベルトに手をかざし、消滅させた。

 

俺達に背を向け、歩き出す。

 

 

 

「何のつもりだ!」

 

「…………お前達を殺すのは、また今度だ。」

 

その言葉が苦し紛れの言い訳だという事を、俺とほむらは瞬時に理解した。

 

なぜ、俺達を殺そうとしないのか。

 

ほむらは離れていく黒い影に対して聞いた。

 

 

「あなた……記憶が…………?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

放課後。

 

今日はまどかやさやかの他に、偶然会ったマミさんも一緒に帰宅する事になった。

 

 

「告白かあ……美樹さん、頑張ってね!」

 

「はい!」

 

すっかり元気になったさやか。

 

俺達は不安を完全に解消し、笑いながら談笑して帰った。

 

 

「マミさんは恋、した事あるんですか?」

 

恋バナという男子の俺には気まずい状況で、少し興味のある話題が出てきた。

 

マミさんの恋か……なんか、すごく大人っぽい話が出てきそうだな。

 

 

「私は……うーん……無いかな。鹿目さんは?」

 

「えっ!?私ですか!?」

 

 

答えたくなかったのか、マミさんは矛先をまどかに変えた。

 

 

まどかの好きな人ね……これは……どうだろうか。想像つかない。

 

 

「うーん……好きっていうか…………気になるなーっていう人はいるんだけど……」

 

「ええっ!?あたし初耳だよそれ!」

 

幼馴染であるさやかですら知らなかったらしい。

 

 

「だ、誰!?誰なのまどか!?」

 

「こ、ここじゃ言えないよ!!」

 

頬を紅潮させたまどかに迫るさやか。当然、まどかはそれが誰なのか言わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら……?」

 

マミさんが咄嗟にソウルジェムを取り出す。

 

釣られて俺もオレゴーストアイコンを取り出した。

 

 

「マミさん!これ…………!!」

 

「ええ……」

 

 

魔女の反応だった。それも、かなり強力な。

 

マミさんもこれほど強い魔力の反応は見た事が無いらしく、神妙な表情で唾を飲み込んだ。

 

 

この強い反応…………まさか、あの黒い奴じゃないよな……?

 

 

 

「行きましょう!」

 

「ええ!」

 

マミさんが先導して走り、少し遅れて俺とさやか、まどかが走った。

 

近い。

 

五分ほど走った所で、既に半径五十メートルの範囲にその反応がある事がわかった。

 

「こっち!」

 

狭い路地裏を、魔力を辿って駆け抜ける。

 

遅れをとらないように、俺は走りながらゴーストドライバーを出現させ、アイコンを構えた。

 

 

「あれだ!」

 

魔力の発生源である結界の扉が見えた。

 

そしてその隣に立つ、一人の少女。

 

 

あれは…………優香か……!

 

 

見滝原の制服を身に付け、腰にゴーストドライバーを装着した少女。

 

女性の仮面ライダーは少ない事から、すぐに優香だとわかった。

 

 

「優香ちゃんもこの魔女を!?」

 

優香はまどかの声に驚き、こちらを振り向いた。

 

「先輩?」

 

 

「天空寺君、この子は……?」

 

「この子は遠野優香。見滝原中の一年生で、俺と同じ仮面ライダーなんです。」

 

「へえ、キュゥべえが言ってた通り、女の子でも仮面ライダーになる事があるんだね。」

 

 

キュゥべえ…………そういえばドライブアイコン預けたままだな。今日は会ってもいないし。

 

 

「先輩達もこの魔女を追ってきたんですか?」

 

「ああ!ちょうどよかった……反応からして、この魔女は強い。一緒に戦おう!」

 

俺がそういうと、優香は顔を青くして首を横に振った。

 

「ごめんなさい、この魔女はボクだけで倒します。」

 

予想もしなかった言葉に、俺達は戸惑った。

 

前に見た戦いぶりからして、優香は俺よりも前に仮面ライダーになったはずだ。魔力の濃さで敵の強弱くらいはつくだろう。

 

この魔女は、明らかに一人では勝てない。そんな事は明らかだった。

 

しかし、優香はこの魔女を一人で倒すと言った。

 

 

「で、でも遠野さん?いくらなんでも、この魔女を一人で倒すのは…………」

 

「ごめんなさい、確かにマミさん達の力を借りられれば、この魔女は倒せるでしょうが……」

 

優香が既にマミさんの事を知っていたことに驚く。やっぱり魔法少女や仮面ライダーの間では、実力のあるマミさんは有名なのだろうか。

 

 

「ボクは一人で、この魔女を倒します。」

 

優香はブーストゴーストアイコンではなく、ピンク色のアイコンを取り出し、ゴーストドライバーに装填した。

 

 

《アーイ!》

 

《バッチリミヨウ!バッチリミヨウ!バッチリミヨウ!》

 

「変身!」

 

《カイガン!ヒミコ!未来を予告!邪馬台国!》

 

いつものブーストとは違い、よりピンク色が目立つ姿。

 

「優香も、英雄のアイコンを……」

 

ヒミコゴーストアイコン。名前を聞くに卑弥呼の魂が込められた英雄アイコンだろう。

 

 

「それでは……」

 

それだけ言うと、優香は一人で結界の中へと飛び込んでいった。

 

 

俺達もそれで大人しく引き下がるわけがない。

 

「幽斗!マミさん!」

 

「ええ!」

 

「わかってる!」

 

優香一人じゃこの魔女を倒す事は出来ない。俺達も加勢する必要がある。

 

マミさんとさやかはソウルジェムを取り出し、俺はオレゴーストアイコンを装填した。

 

《アーイ!》

 

《バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!》

 

「変身!」

 

《カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!》

 

 

まどかは拳を握りしめ、恐怖をかき消そうと頭を振った。

 

さやかが剣を、マミさんがマスケット銃を取り出す。

 

 

「さあ……命、燃やすぜぇ!!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マンションに向かう。

 

この後は、ほむらの部屋でワルプルギスの夜を打倒するための話し合いが開かれる予定だった。

 

「……?」

 

「どうしたほむら?」

 

自室の扉に手をかけたほむらが眉をひそめた。

 

「鍵が開いてる……」

 

「……もう来てるみたいだな。」

 

扉を開くと、玄関に一組のブーツが汚く脱ぎ散らかされていた。

 

 

リビングに移動すると、案の定赤い髪を一つに束ねている少女があぐらをかいて何やら菓子を食べていた。

 

 

「勝手に部屋に入らないでくれるかしら、佐倉杏子。」

 

俺達に気づいたのか、杏子は座ったまま顔だけこちらに向けた。

 

 

「勝手にって、人を呼んでおいて留守にしてた方が悪いじゃんか。」

 

確かにそうだが、魔法まで使って鍵を開けるのはどうかと思う。

 

 

俺達は杏子と向かい合うようにして座った。

 

 

「暁美ほむらと……あんたが深海雄也か?」

 

「ああ。」

 

「へえー……仮面ライダーか。初めて見るよ。」

 

確かに魔法少女に比べて仮面ライダーは数が少ない。この街には仮面ライダーが集中してるが。

 

 

「そういや、ここに来る途中妙なもんが出てきてさ、倒したらこんなのが出てきやがった。面白いな、この街。」

 

そう言って杏子が取り出したのは濃い青色のアイコンだった。

 

アルファベットで「フーディーニ」の文字がある。

 

「……それをこっちに渡せ。」

 

「はあ?なに?あんたこれが欲しいの?魔力は帯びてるけど何の役にも立たなかったぞ?」

 

「それは魔法少女の場合だろう。」

 

「ふーん……まあいっか、あたしはいらないし。」

 

そう言って杏子は俺にフーディーニゴーストアイコンを投げ渡した。

 

 

 

 

「で、ワルプルギスの夜を倒す会議だっけ?」

 

「その前に…………」

 

 

そう。俺達は杏子に協力を仰ぐにあたり、先に伝えることにしたのだ。

 

 

 

 

 

 

「あなたに、魔法少女の真実を話しておくわ。」

 

 

 




次回、幽斗達も魔法少女と仮面ライダーの真実を知ることに…………!?

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