仮面ライダーゴースト〜命を燃やす少年少女〜 作:Purazuma
「はっ!せや!」
「…………」
さっきからずっと奴のペースだ。
いくらガンガンセイバーで攻撃しても軽くいなされる。そして……
「ぐあああっ!!」
あのマジックハンドみたいな武器で反撃される。
「この前は屋内で戦いにくかったが……今度は逃がさないぞ。」
「うるさい! それはこっちも同じだ!」
くっそ……なんだあいつの動き……まるでどこに攻撃がくるかわかってるみたいに……
「!」
スペクターの蹴りを喰らい、よろめいてしまう。
すかさず武器で追撃を繰り出すスペクター。なんとかガンガンセイバーでそれを防ぎ、距離をとる。
なにか打開策は……!!
隙をうかがっていると、スペクターは別のアイコンを取り出した。
「それは……!」
奴はゴーストドライバーのカバーを開き、紫色のアイコンを装填した。
《バッチリミロ! バッチリミロ! バッチリミロ!》
《カイガン! ノブナガ! 我の生き様!桶狭間!》
スペクターは紫色のパーカーゴーストを身に纏い、構えている武器を火縄銃のような形状に変形させた。
「うわ!」
放たれた光弾を躱しながらガンガンセイバーをガンモードにする。
「このやろっ!!」
俺も反撃に奴の方へ無茶苦茶に光弾を撃ちまくった。
「こうなったら……俺もこのアイコンを使って……!」
先程手に入れたムサシゴーストアイコンを握りしめ、走り出す。
「そのノブナガアイコン! 悪いが奪わせてもらう!」
「やれるもんならな。」
うっわむかつくこいつ。 そんな余裕これから無くしてやるぜ!
ゴーストドライバーのカバーを開き、ムサシゴーストアイコンを装填する。
《バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!》
《カイガン!ムサシ!決闘!ズバッと!超剣豪!》
赤いパーカーゴーストが現れ、俺と重なるように一つになる。
ガンガンセイバーを二つに分け、二刀流モードへと変形させた。
「うお……!」
この力が湧き上がる感覚……
「これが英雄のアイコンの力か…………!!」
あいつの武器は銃。なら接近さえしちまえばあとはこの二刀流でギッタギッタに…………!!!
「……ここでも。それはお前が使うのか。」
…………なんだって?
「なにを言って……やがる!!!」
一気にスペクターに近づき、ガンガンセイバーを振り下ろす。
奴はそれを武器で防ぎ、さらに銃弾を放ってきた。
「うお!?」
躱せた……!!これも英雄のアイコンのおかげか?
「!?」
「喰らえ!」
奴の体に二つの刀身を叩き込んでやった。
火花が舞い、スペクターは俺から少し離れる。
「……やるな。」
「なに、まだまだこんなもんじゃない!」
いける!これなら……!!勝てるかもしれない!!
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「ほむらちゃん……」
「転校生……!」
「…………」
その子は、階段を下がり下に行こうとした私達を遮るように前に現れた。
そんな……確かさっきは後ろにいたはずなのに……!
「…………暁美さん? そこをどいてくれないかしら?」
マミさんがほんの少し威圧感を出して言う。
「…………それはできないわ。」
「あら、どうして? 理由を言ってもらえるかしら?」
しばらく緊張した雰囲気のまま、マミさんとほむらちゃんは互いに睨み合った。
「……天空寺君のアイコン、 あれさえ手に入れば私達はこの場から消えるわ。」
「なるほどね……確かあれって15個集まれば願いが叶う……だったかしら? 」
「うん、そうだよ。」
キュゥべえが答える。
「あなたには叶えたい願いがあるってことなの?」
ほむらちゃんはキュゥべえを睨んだ後、マミさんに視線を戻し、少し強めに言った。
「それをあなたに言う必要は無いわ!」
大人しそうなほむらちゃんが大きな声を出したのに、私達は驚いた。
「あなたも魔法少女のはずよ。叶えたい願いはもう一つ既にキュゥべえに叶えてもらっているはず。なのにまだ願いを叶えるつもりなの?……それは、ただ欲張りなだけよ。」
「………………それでも。」
「…………ほむらちゃん?」
「それでも私は、やらなければならないの!」
ほむらちゃんは紫色のソウルジェムを取り出し、魔法少女の姿に変身した。
マミさんも続いて変身し、さやかちゃんはバットを構え直した。
「美樹さん!鹿目さん!下がってて!」
「は、はい!まどか!」
「う、うん!」
私はさやかちゃんに手を引かれ、物陰に移動した。
「あなたとは戦いたくはなかったけど……………!」
「…………」
ほむらちゃんは拳銃を、マミさんはマスケット銃を取り出し、お互いに構える。
「あの転校生!やっぱり悪い奴じゃんか!」
「そう……なのかな……」
私はそうは思えなかった。
何か、ほむらちゃんは悪いことはしようとしてない気が……むしろ…………
マミさんがマスケット銃のトリガーに指をかけたその時……
「見つけた………………ぞ………………!!!!」
「え?」
「ちっ……!」
天井が崩れる音と、くぐもった低い声と共に、真っ黒な''影''を身に纏った人が二人の間に割って入った。
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「……まさかこっちにあるのはノブナガだけ、と考えているわけじゃないよな?
「なに……!?」
スペクターは青緑色のアイコンを取り出し、ゴーストドライバーに装填した。
《バッチリミロ!バッチリミロ!バッチリミロ!》
《カイガン!ツタンカーメン!ピラミッドは三角!王家の資格!》
ノースリーブのパーカーゴーストが現れ、スペクターを覆う。
同時にゴーストドライバーから蛇のような形状の何かが現れ、武器と合体し、鎌のような形状になる。
「なっ!?二つ目のアイコン!?」
「ふっ!」
スペクターは鎌で薙ぎ払い攻撃を仕掛けてくる。
それをしゃがんで避け、ガンガンセイバーを振りかざす。
「ぐっ……!?」
鎌の刃とガンガンセイバーの刃がぶつかり合う。
こっちは二刀だ……手数でゴリ押せば…………!!!!
「はあっ!」
「ぐお!?」
でもあっちの方がリーチが長い……近付けないか……!?
何か……牽制できるもの……
!そうだ!
オレゴーストアイコンを取り出し、ゴーストドライバーに装填する。
《バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!》
ゴーストドライバーから飛び出したオレゴーストがスペクターに襲いかかる。
その隙に素体のままでスペクターに接近する。
目の前まで接近した後、ゴーストドライバーのレバーを押し込んだ。
《カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!》
「はあああああっ!!」
ガンガンセイバーを振り上げながらスペクターに突っ込む。
「…………!?」
すると奴は再びゴーストドライバーにアイコンを装填し、レバーを押し込んだ。
「そんな…………!?まさか……三つ目!?」
《カイガン!エジソン!エレキ!ヒラメキ!発明王!》
銀色に黄色のラインが入ったパーカーゴーストを身に纏い、武器をさっきのような銃の形状にした。
「うっ……!?」
電撃が放出され、不規則にうねるソレを避けることができずに直撃してしまった。
「くっそ…………!!」
奴は再びスペクター魂に戻った後、こっちに近づいてくる。
「このまま…………負けるかあ!!!」
《ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!》
印を結び、片足にエネルギーを集中させる。
「力比べか……望むところ…………!!!」
《ダイカイガン!スペクター……!オメガドライブ!》
右手を握りしめ、奴も片足にエネルギーを込める。
「「はああああっ!!!」」
同時に空中へ飛び上がり、俺はスペクターに、スペクターは俺に跳び蹴りを放つ。
二つの必殺技がぶつかり合い、周囲の物が吹き飛ばされる。
「ぐっ…………!うあああ…………!!!」
「ふっ…………!!!」
ミシミシと足が悲鳴を上げている。このままでは確実に負けるだろう。
…………でも、ただでは負けない。
「ぐあああああああっ!!」
やはり押し負けてしまい、地面に倒れる。
変身が解け、オレゴーストアイコンとムサシゴーストアイコンが目の前に落ちてきた。
「負け……か。」
「………………お前……!」
…………気づいたのか。
そう、ただでは負けない。
「ははっ!悪いな……このアイコン、貰っていくぜ!!」
俺は地面のオレゴーストアイコンとムサシゴーストアイコンを拾った後、手に握りしめていた黄色のアイコンを奴に見せた。
スペクターがさっき使っていた、エジソンゴーストアイコンを。
「こ、今回はこれくらいにしといてやるぜ!次俺のアイコンを狙ってみろ!また奪ってやるからな!」
と、強気な捨て台詞を吐いて急いで奴から逃げようとする。
ぶっちゃけこのまま戦いが続くとまずい。今度こそ叩きのめされてエジソンも奪い返され、ムサシも奪われる。
「逃すと思って___________」
スペクターが言葉を切る。
「ん?」
なんだこの感じ…………
オレゴーストアイコンが怪しく光り始める。魔女を見つけた時とは比べものにならないくらい強い光。
「何か…………近づいて…………!?」
「…………見つかったか………!」
スペクターが不意にそんなことを言う。
見つかったって何が…………
と、その時。
さっきまで俺とまどか達がいた建物から何かが崩れる音が響いてきた。
「な……!?なんだよ今の!?」
「くそっ……!マシンフーディー!」
スペクターがそう言うと大きな青い眼の印が現れ、そこから青いバイクが飛び出してきた。
奴はそれに跨り、建物へと向かう。
「一体何が起きてるっていうんだ!!ゴーストライカー!」
俺もマシンゴーストライカーを呼び、建物へと向かった。
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建物のすぐそばまで来ると、より一層大きな音が聞こえてくる。
戦闘音か……?
スペクターは高く飛び上がり、一気に三階辺りの窓から中へと入って行った。
「俺も行かないと……!」
あそこにはマミさんや、さやかとまどかもいるはずなんだ!!
思い切り地面を蹴り、スペクターが入って行った所と同じ場所から中に入る。
「な……!なんだこれ…………!!」
周りには誰かが戦った後が見られた。
壁や地面には小さなクレーターが出来、天井には大きな穴が空いている。
「……!まどか!さやか!」
物陰にじっと隠れている二人を見つけ、駆け寄る。
「二人とも!マミさんはどこに!?」
「ゆ、幽斗君!よかった無事で……」
「マミさんは屋上に……!なんかよくわかんないけど黒いのがブアーッ!て……」
黒いの?なんだそれ…………
「と、とにかく屋上だな!?」
俺は天井の穴の真下まで行き、地面を蹴った。
屋上に着地し、周囲を見渡す。
やはりどこかで誰かが戦っているようだ。マミさんか?
「きゃああああああ!!」
「!?」
俺の真横を物凄いスピードで何かが飛んできた。
地面にゴロゴロと転がったソレは……
「マミさん!?」
「て、天空寺君!?無事で良かった……!今すぐ美樹さん達を連れて逃げて!」
「え?どうして……」
「いいから!」
マミさんはそれだけ言うとまたどこかに飛び上がってしまう。
その方向に視線を向けると、そこには…………
「なんだ……あれ……」
そこにいたのはマミさん、スペクター……暁美。
そしてその三人を相手に圧倒する…………''影''。
「化け物…………」
俺は自然にそう声が出た。
「ほむら……!ここは一旦…………!」
「そうね……!引きましょう!」
ほむらはそう言って、腕に取り付けられた盾を操作した。
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「はっ……!」
気付いたら俺は変身が解かれていて、河川敷に立っていた。
「あれ?ここは……?私達さっきまで廃墟にいたよね?」
「何が何だか……」
隣にはさやかとまどかとマミさんが立っている。
前方に視線を向けると、見滝原中学の制服を着た暁美と、スペクターが立っていた。
「とりあえず……全員助かったようね。」
安心しているのだろうか。暁美が小さくため息を吐いた。
スペクターはゴーストドライバーに手を伸ばし、スペクターゴーストアイコンを取り出す。
《オヤスミー》
「…………!?お前……!!」
スペクターが変身を解き、その姿を露わにした。
そいつは思ってもみない人物だったのだ。
「深海……雄也…………!?」
さあ今回出てきた黒い影は前の話で魔法少女をムッコロしちゃった人なのですが……誰なんだろうねこの人。
それにしても意外と話が進まない。これじゃあサプライズラビットとのコラボもも少し先か……(泣)