GATE 黒川茉莉 特地にて、斯く戦えり   作:猫耳最高!

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大変遅くなりすみません。m(__)m




11話 『そのとき』

『門』

 

特地方面派遣部隊、陸将の狭間と国際NGO代表が交渉をしていた。

 

国際NGO代表中国人「我々の特地への立ち入りを認めてください!…それがダメでしたら、日本による不法な特地占拠を防ぐため、『門』を破壊します。それでも政府の許可などと言いますか?」

 

『門』の中央に74式戦車を置き、その周囲に人垣をつくって特地には一歩も入らせないという構えを見せる自衛隊。

 

日本人は平和ボケしていると聞いていたが、流石に自衛隊は違ったようだ。国際NGO代表中国人の「劉」もこれ以上の交渉は時間の無駄だと理解したが、今は時間を稼ぐことが重要である。

 

劉「諸君らには暫しの時間を与える。その間にどうするか考えておきなさい」

 

当初の予定では、この作戦はディアボが発送してきた箱を乗せたトラックを騒ぎの中で絡め取り、箱に詰められているはずの『玉壁』(レレイ)を確保して終わるはずだった。しかし、箱の中には杖しか入っていなかった。その為、ディアボとの連絡、『玉壁』の確保の為、女性工作員をデモに巻き込まれた観光客として送り込んだのだ。

 

 

 

その頃、アルヌスでは……。

 

「化け物だ!」

 

「助けてくれ!」

 

「逃げろ!喰われちまう!」

 

町のあちこちで悲鳴が上がっていた。

 

 

『韋駄天』の発令でアルヌス駐屯地にいる自衛隊にも化け物…『ダー』が町を襲っているとの連絡が入った。

 

「敵の襲撃!?」

 

「違う、子供が化け物に化けたんだ!みんなが襲われている!」

 

「この手口はゾルザル軍だ!くそっ」

 

自衛官たちは一斉に銃を手にして立ち上がった。

だが、『韋駄天』が発令されたことで駐屯地を出るのを禁じられていた。

 

「じゃあ、町の人たちを見捨てろってことですか!?」

 

檜垣「お前たちが帰れなくなってしまう危険を冒すわけにはいかないんだ!」

 

檜垣三佐がとめた。

 

勝本「他の部隊の連中は無理でも、自分たちだけならっ!」

 

檜垣「こんな人数でどうしろっていうんだ!」

 

偵察本部に所属する第一~第六の各偵察隊は、第三偵察隊を除いてゾルザル派殲滅の為に行動している各戦闘団へと配属されていた。よって、今檜垣三佐の指揮下にあるのは第三偵察隊だけなのだ。しかも伊丹は隊長から外され、古田、倉田、富田、黒川が不在な為、残っているのは栗林ら、7人だけなのである。

 

桑原曹長「ですが、民間人をあのまんまにしておくなんて出来ません」

 

檜垣「だが、これが規則なのだ。『韋駄天』が発令されたら退去準備して待機。それが命令だ」

 

栗林「そんな命令!」

 

従う必要がないと叫んだ。

 

笹川「我々は国民に愛される自衛隊だったんじゃないんですか!?」

 

檜垣「何だその、中身すっからかんな言葉は!?」

 

笹川「伊丹隊長の言葉です」

 

檜垣「混ぜかいすな!……お前たちの言いたいことは理解できる。だがな、万が一『脱兎』が発令されたら間髪入れずに『門』を渡らなきゃならないんだからな。少しでも『門』の近くにいなければならないのに、離れてどうする?下手をすれば特地に取り残されて二度と帰れなくなるかもしれないんだぞ」

 

栗林「大丈夫です。レレイがいますから」

 

檜垣「何だ…それは?」

 

檜垣が聞き返した。

 

レレイに『門』を開く力があるというのは防衛機密扱いをされている。そのため檜垣たちは知らなかった。

 

桑原曹長から説明を受けて納得したが、それでもダメだと首を横に振った。

 

檜垣「上手くいくという保証はないんだろう?それだけを頼りにお前たちを危険にさらす訳にはいかんのだ」

 

残留希望者を募ったりと、『門』の再開通が可能であることを前提とした準備が行われていた事を考えると、かなり期待出来ると第三偵察隊は考えていた。

 

仁科「我々なら大丈夫ですって。任せてください!」

 

勝本「俺たちは背中丸めて生きていくのは嫌なんですよ!」

 

檜垣「お前たち…」

 

檜垣は部下達を見渡した。

 

桑原「どうしてもご許可頂けないと仰るんなら、せめて見て見ぬふりをしてくださいませんか?責任は自分が負います。でなきゃ孫にお爺ちゃんはみんなを守るために戦ったんだぞって、自慢話出来ませんからね?」

 

檜垣は伊丹が炎龍退治に行ったときのことを思い出していた。

 

 

 

 

 

檜垣「伊丹二等陸尉は小隊の指揮を桑原曹長に委任し、現地住民の協力を得て単身、エルベ藩王国国境付近へ地下資源の調査に赴いた……ということか?柳田二尉」

 

柳田「はい」

 

檜垣「…ドラゴンが出ると聞いたが?」

 

柳田「覚悟の上でしょう」

 

檜垣「そうか…よし、そのように理解した。……何であそこまでやれるんだ、アイツは」

 

柳田「馬鹿であるからでしょう。しかし、それ故にやれるのです。ルールや規則は守るために存在しておりますが、それをいつ何故破るか決められるのが人間の価値なのでは?」

 

檜垣「はぁ…、あのヤオって娘がな、俺の足にすがって泣くんだよ。故郷と一族を救ってくれってな…。だが、俺にも立場がある、部下と家族がいる。…今のところ奴だけが人間の価値を示した。奴が羨ましいな…」

 

柳田「檜垣三佐、『そのとき』が今ではなかった…と、言うことでしょう」

 

 

 

 

 

 

檜垣「ダメだ。それだけは断じて許すことは出来ない」

 

栗林「三佐!」

 

檜垣「何故ならばだ!責任をとる者がいるとすれば、それは…私だからである!」

 

檜垣の傍らでずっと黙っていた幹部が尋ねる。

 

「檜垣三佐?」

 

檜垣「責任を負わなければならない者がいるとすれば、それは私である。諸君は私の部下であり、諸君の行動は全て私の指揮の下で為されなければならない」

 

檜垣は立ち上がると顔を真っ直ぐに向けた。

 

檜垣「今こそが、そうなのかも知れん。私にとっては恐らく今が『そのとき』なのだ!」

 

第三偵察隊「?」

 

檜垣「私は私の責任において命令する。これより第三偵察隊の指揮は、この檜垣が執る!」

 

第三偵察隊「はっ!」

 

居並ぶ第三偵察隊を見渡して頼もしそうに頷く。

 

檜垣「良い面構えだ、お前たち。みんなを助けに行くぞ!」

 

 

 

 

 




アニメでは『そのとき』がカットされてしまいましたね……。
遅くなりすみません。m(__)m
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