今回も短いですが、よろしくお願いします。
狭間は劉に返す言葉がなかった。
劉「では我々の要求をのべます。特地への立ち入りを認めて下さい。現在、日本政府に『門』と特地の管理を国連に譲るよう要求していますが、その進展具合によっては我々はこの『門』を破壊しなければなりません。そうなれば君達は異世界の漂流者となります。しかし、君達が特地を我々に明け渡せば漂流者となることはありません。どうですか、良い交換条件だと思いますが?」
狭間「我々がそのような脅しに屈するとでも思っているのか?我々は君達の特地への立ち入りを絶対に拒む」
劉「日本に戻れなくなりますよ。万が一そうなったとしても、それは日本政府や君達の責任で、我々のせいではありません」
狭間「それもまた覚悟の上だ。そもそも我々は君達の要求に対して返答できる立場にない。交渉は日本政府としたまえ」
劉は一瞬考え、しかしと続けた。
劉「君には日本の将軍として、独自の裁量権があるはずです。我々の特地への立ち入りを認めてしまいなさい。そうすれば我々も『門』までは破壊しません」
狭間は劉の言葉に違和感を覚えた。
自衛隊に代わってこの連中が特地に入ったとして、そのまま特地を保持出来るとは思わないからだ。この交渉はいったい何を目的としているのか?
狭間「政府の方針は『門』を一旦閉鎖することにある。我々に代わって君達が特地に入ったとしても、我々は容赦なく『門』を閉じるだろ。今度は君達が異世界の漂流者となるぞ?」
劉「もちろん、『門』の閉鎖はなしです。今後、特地に関わる方針は国連の常任理事国が決定することになりますから」
狭間「…なるほど、理解した」
劉「やっと理解してくれましたか?」
狭間「あぁ、お前達が交渉するように見せかけて、時間稼ぎをしているということを理解した」
劉「…なんです?」
狭間「お前達の要求はどれも我々には実行不可能なものばかりだった。つまり、お前達は我々になにもして欲しくない…時間を稼ぐことが目的か?」
劉「…ええ、確かにそうです。ですが、時間稼ぎの目的までは分からないでしょ?そして今、分かったとしても手遅れです」
狭間「何が目的だ!」
劉「そう慌てなくても直ぐに分かります」
その時、特地側から狭間を呼ぶ声が聞こえた。
「陸将!」
狭間が後ろを向くとそこには、第三偵の栗林、檜垣三佐、そしてレレイがいた。その後を自衛官に押さえられた工作員(観光客として自衛隊に保護された)が続いた。
劉「!?くそっ、『玉壁』が…」
レレイ、そして自衛官に押さえられた工作員を見て劉が舌打ちをした。
狭間「三佐、何があった?これはどういうことかね」
狭間には今の状況がどうなっているのか分からなかった。
檜垣「はっ、状況を報告します。住民救出中、レレイ嬢が拘束されているのを発見。近くにいたメイア、料理長などに話を聞くと数時間前、中国にレレイ嬢を預けるため日本に送った、はずだと…」
狭間「…なるほどな、レレイ嬢を確保するためデモを起こした。しかしレレイ嬢は送られておらず、直接特地に入り確保する必要があり、そのため時間を稼いだ…どうだ?合っているかね」
劉「えぇ…合っています。これで我々の作戦は失敗ですね。しかし、我々はここで捕虜になる訳にはいきません」
そう言うと劉は部下に合図を送った……。
大変遅くなりすみません。m(__)m
アニメ動乱編も最後…!と、言うことは空挺降下、帝都制圧ですね!リアルタイムで見れればいいな…。
お読み下さりありがとうございました。m(__)m